フリーランスやおひとり法人のバックオフィス業務、大変だけど誰に何を頼めばいいの?
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世界中のあらゆる企業が定めている、デザインガイドライン。アプリのデザインをする時にかいつまんで読むデザイナーはは多いかもしれません。
今回はデザインガイドラインに向き合い、デザインの世界的な動向を見つめてみましょう。
目次
デザインガイドラインとは、コアとなるデザイン価値と企業ビジョンを反映したものです。つまり、その会社やブランドの元で働く人たちに対して、どのようなユーザーエクスペリエンスを提供すべきかを示し、何かを決定するときの基準を設けているのです。
下記に列挙する企業は、皆「シンプル」「使いやすさ」と行ったワードを含む、似たようなガイドラインを使っています。
デザインガイドラインに含まれている要素を集計しても一目瞭然。ほぼすべての企業が「シンプルさ」を謳っていることが分かりました。
面白いことに、これらのルールは何か特定のプロダクトやマーケットに対してのみ適用されているのではないといのです。つまり、これら10の決まりを守っていさえすれば、現代における「良いデザイン」を体現できたということになります。
しかし上記のキーワードは、ある意味あたりまえのようなもの。あえて規定するまでもなく守れているべきものばかりなのです。これは、デザイントレンドが、ミニマムな方向へと収斂されつつあるというサインなのです。
デザインの重要性を社内に浸透させる役割も果たすデザインガイドラインは、徐々に広範囲の企業で導入され初めています。
可愛らしいアニメーションを使うより、文字で説明を補うより、要素を極限まで減らすことがユーザーフレンドリーだとされている現代ですが、シンプルにすること自体に心を奪われていては本末転倒です。
そもそも、デザインガイドラインはデザインについて考えるためのものではなく、ユーザーのニーズを満たすためのものです。それを見落としてはいけません。
AppleがiOSの開発者向けに定めているUIガイドラインです。iOSが誰の目からみても「iOSだ」と認識される理由がわかります。
600ページにも及ぶPDFには、通知ややパスワードボックスにいたるまでのガイドラインが細やかに書かれています。あなたが求めている例文がどこかにあるはず!
着せ替え画像を作るクリエイター向けのガイドラインです。誰の目にもわかりやすく、必ず、長すぎず、シンプルなガイドラインです。広く認識してもらいたいなら、このくらい要点だけまとめたガイドラインの方が受け入れられそう。
制作ガイドライン – LINE Creators Market
一方、ミニマムにこだわりすぎてオリジナリティを失ってはいけません。シンプルという大前提を守りつつ、ユーザーに提供すべき価値を明確に定義し、それを元に製品をデザインしましょう。
ここでは、そのポイントを企業例と共にご紹介します。
製品は毎日使っていくものであるから、管理や最新アップデートをするときはエレガントで予測できるようなものでなくてはなりません。IBMのデザインが優れているのは、アップデートを行いつつも一貫性を失っていないという点にあります。
Mediumは、ユーザーが心地よいと感じるような提案のしかたで誘導していくようなレイアウト、形状、配色にこだわっています。
BBCのデザインガイドラインは、視覚的なデザインにとどまらず報道のあり方や社内の雰囲気にまでも影響をもたらしています。ロゴはBBCの伝統であるアイコニックなデザイン。ユーザーからも親しまれるようなデザインであることに価値をおいています。
(翻訳:Akiko Ogita / Thumbnails photo:)