エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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コロナ禍で「持続化給付金」「月次支援金」などの支援策が講じられ、個人事業主にとっても身近な存在となった「政府の支援制度」。これらの支援金は臨時の取り組みのため、2023年現在は利用不可能ですが、その他にも個人事業主向けの補助金は数多くあります。
こうした個人事業主向けの補助金申請を検討するうえで活用を求められるのが、政府公式の行政サービス用アカウント「gBizID(GビズID)」です。
今回は、「個人事業主にとってのgBizID」をテーマに、概要やできること、取得方法、アカウント種別などを、個人事業主として活動した実績も豊富なFPが解説します。
FP事務所『トージンFP事務所』代表、ファイナンシャル・プランナー(AFP)。Workship MAGAZINEのマネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修を行う。自身もフリーランス経験豊富で、当事者ならではの情報発信に強み。
gBizIDは、一言でいえば「行政によるさまざまなサービスの電子申請に使える共通アカウントID」です。たとえばGoogleの色々なサービスを共通のIDで利用できるGoogleアカウントのように、行政によるさまざまなサービスをgBizIDによるログインで活用できるようになる、というイメージです。
ただ、基本的には事業者(法人・個人事業主)の利用を想定したサービスのため、行政サービスとはいっても「補助金」「許認可」などに関する電子申請に活用できるIDといえます。この点がマイナンバー制度とは大きく違いますね。
一方、少しややこしい点として、gBizIDには大きく分けて「gBizIDエントリー」と「gBizIDプライム」という2種類のIDがあります。名前こそ似ていますが、できることや申請フローが大きく変わってくるため、違いをよく整理しておきましょう。
gBizIDエントリーは、文字通りgBizIDのエントリー版といえるアカウントです。しかし、先に結論を言ってしまうと、個人事業主の補助金申請にはほとんど役に立たないため、gBizIDエントリーを取得する必要はあまりないかもしれません。
gBizIDエントリーの強みは、審査などが必要なくアカウントを即日発行できること。手続きがgBizIDプライムより楽になるため、以下のようなサービスのみを活用したい方はgBizIDエントリーでも構いません。
逆に言うと、上記を見ても「なんのことだかよく分からない……」という方は、gBizIDエントリーを発行しなくてもいいでしょう。
gBizIDプライムは、エントリーに比べて申請難易度が上がり、審査も入る一方、できることが大きく増えるアカウントです。個人事業主の場合はIT導入補助金、事業再構築補助金などの補助金申請時にgBizIDプライムの発行が必須条件になっているほか、企業の社会保険・労務関係の電子申請も可能になります(従業員向けの「gBizIDメンバー」というアカウントもあります)。
できることは非常に多いのですが、個人事業主レベルだと使わない手続きも多いので、シンプルに「補助金申請に使うならgBizIDプライム」と覚えていただければOKです。
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先ほど、「補助金申請に使うならgBizIDプライム」と言ったように、個人事業主であれば基本的にはgBizIDプライムの取得を目指すことになるでしょう。そこで、以下ではgBizIDプライムでできることを解説します。
個人事業主にとって需要がありそうな、gBizIDプライムでできることは以下の通り。
このように、国や国に準ずる機関が取り仕切る「補助金」「資金調達」「経営計画/経営改善」などに関連する制度・サービスでは、gBizIDプライムが利用できると手続きがスムーズになります。また、gBizIDプライムアカウントの保有を必須条件にしている制度も多いです。
gBizIDプライムは、アカウント発行にあたっての費用などは発生しないものの、審査が行われる都合上、アカウント発行までに1~2週間かかるケースが一般的です。取得のデメリットなどはとくにないので、直近で活用の予定がなくても、時間があるときにgBizIDプライムを取得するのもおすすめです。
gBizIDエントリーに関しては、普通のWebサービスの「会員登録」と同じ要領で取得が可能です。しかし、gBizIDプライムは申請フローが少し複雑になるので、ここではgBizIDプライムの申請/取得方法を解説します。
gBizIDプライムの申請はそこまで難しくありませんが、必要書類には注意してください。申請書はgBizID申請用のフォームで作成可能ですが、個人事業主の場合は申請書に加えて印鑑登録証明書(発効から3か月以内のもの)が必要になります。
印鑑登録証明書とは、自分の持っている実印を役所に届け出て、印鑑を役所に登録した証となる証明書のことです。個人事業主に限らず、印鑑を役所に登録している方は多いでしょう。印鑑登録証明書はコンビニ交付も可能です。
しかし、「印鑑登録そのものをしていない」「引っ越す前の自治体では登録していたけど……」など、印鑑登録をしておらず、印鑑登録証明書を発行できないケースは十分想定できます。
その場合、印鑑登録からはじめましょう。印鑑登録自体は役所で即日可能ですが、原則は平日の日中に役所へ訪問する必要があり、働き方によっては時間のやりくりを工夫する必要がありそうです。
書類が準備できたら、こちらから申請用フォームに必要な情報を入力していきます。とくに難しいポイントはないものの、登録する住所は「印鑑登録証明書と同じ」である必要があるため、印鑑登録証明書を発行してから入力を進めるようにしましょう。
すべての項目を入力できたら、申請書が自動作成されます。こちらは必ずダウンロードしてください。
申請フォームの入力については、以下の公式YouTube動画も参考になります。
https://youtu.be/Jkw9wWOxrn0
gBizIDプライムは電子申請用のアカウントですが、残念ながら「gBizIDプライムの申請」は郵送で行う必要があります。
ダウンロードした申請書を印刷したら、書類に印鑑登録済みのハンコを押印し、印鑑登録証明書を同封して郵送します。この際、申請書と同じPDFになっているチェックシートの記入、送付も求められますので、あわせて記入しておきましょう。
すべての手続きが完了したら、審査結果を待つことになります。ただ、審査といっても収入や信用情報が確認されるというより、本人確認ができるかどうかを見られていると推測できます。それほどナーバスになる必要はありません。
問題なければ最大2週間程度で審査結果が届くため、審査を通過していればgBizIDプライムの申請は完了です。不備があった場合、事務局の指示通りに修正し、再申請を行いましょう。
筆者は会社員ですが、副業で個人事業主としても活動しているため、gBizIDを活用する可能性はけっこうあります。しかし、いままでgBizIDを取得していなかったので、この機会にgBizIDプライムの発行申請をやってみることにしました。
現段階では「審査待ち」の状態ですが、手続き自体は即日完了するものでした。フォームも親切で、解説も豊富なため、つまずいたポイントはなかったです。
ただ、筆者の場合は事前に印鑑登録を済ませていたことが大きく、印鑑登録からはじめる場合は手続きが役所の営業時間に左右されるかもしれません。gBizIDプライムの取得を考える際は、「印鑑登録」が一つのポイントになるでしょう。
審査結果が出ましたら、また内容を追記する予定です。
本記事では、個人事業主にとってのgBizIDを解説してきました。gBizIDプライムは発行にやや手間と時間を要しますが、補助金申請の必須条件になっていることもあり、しっかりと取得を済ませておきたいところです。
(執筆:齊藤颯人 編集:少年B)
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