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新型コロナウイルスが世界的に流行しているいま、オンライン情報を活用しようと試みている高齢者が増えています。
しかし、オンライン情報にあまり触れてこなかった高齢者は、デジタルネイティブ世代の若者と比べると、情報を得るための知識や経験が足りていないのが現状です。
この記事では、高齢者のデジタルデバイド問題について解説していきます。高齢者のデジタルデバイド問題に触れることで、Webデザインが今後どのように変わっていくべきかを考えるきっかけにしてみてください。
高齢者がデジタルツールやサービスを使うにあたり、どういった課題があるのでしょうか。
新型コロナウイルスが流行しはじめてから、親戚の高齢者にオンライン情報へのアクセスのしかたを教える方が増えたのではないでしょうか? このように、世代を超えて手助けするのはすばらしいことです。
また、高齢者が最新の情報にアクセスできるように「高齢者向けにFacebookの使い方のガイドを作成する」といった動きもあります。UXの専門家でない人が、デジタルに慣れていない人を助けた好例です。
しかし本来あらゆるサービスは、マンツーマンのトレーニングなしで利用できるべきではないでしょうか。なぜ高齢者に対して、個人的に使い方を教える必要が生じてしまうのかを考えていきます。
一部の国では、インターネットにアクセスできる高齢者の人口が急増しています。
ただし、「インターネットにアクセスできること」と「インターネットを使いこなせること」は同義ではありません。インターネットにアクセスできるからといって、いきなりZoomを使いこなせる高齢者の方は少ないでしょう。
PCとiPhoneを持っていて、毎日Facebookをみている著者の義母ですら、WhatsAppやFacetimeの使い方を理解するためには、個人的な説明が必要でした。
説明する人がいる場合は問題ないかもしれませんが、個人的なサポートを受けられない高齢者については課題が残ります。
ここからは、高齢者のデジタルデバイド問題が発生する原因を4つに分けて解説していきます。
デジタル製品は基本的に、ビジュアルデザインやインタラクションパターンなどが一貫していることが望ましいです。それでも、Wow factor(あっと言わせるような要素)を重視して、ユニークなデザインを採用している製品もありますよね。
高齢者のデジタルデバイド問題という観点から考えると、ユニークで奇抜なデザインは望ましくありません。ユーザーが使用方法を自然に理解できるようなデザインのほうが、高齢者フレンドリーな製品ができるはずです。
新しい製品が開発されたら、あらゆるタイプのユーザーでテストを行い、その機能が使えているかを確認しましょう。NeumorphismのようなUIデザインは斬新で現代的ですが、高齢者フレンドリーとはいえません。
機能を使ってもらえなければ、新しい製品も意味がなくなってしまいます。テストを重ねながら、ユーザーが直感的に操作できるWebデザインを目指すことが重要です。
オンライン情報に常日頃から触れていると、怪しい情報を見極める能力が自然と身についています。
たとえば、ポップアップブロッカーや広告ブロッカーを使用したり、Cookieを有効したりといった選択ができる能力です。安全そうなアプリと怪しげなアプリの区別も、感覚で分かる方が多いでしょう。
しかし、すべてのユーザーがそうした能力をもっているわけではありません。とくに高齢者はオンラインの情報に慣れていない分、スパムに騙されデバイスの情報を抜き取られたり、悪用されたりする恐れがあります。
こういった不安も、高齢者がデジタル製品を遠ざけてしまう理由のひとつです。
フォントサイズやボタンが小さすぎるWebデザインも、高齢者にとって好ましくありません。とくに老眼のユーザーがモバイルデバイスを使う場合、致命的な問題になりえます。
UXデザインのベストプラクティスや、アクセシビリティガイドを無視したデザインによって、苦しんでいる高齢者も残念ながら存在しているのです。
色のコントラストなどの基本的な点から、細部にいたるまで、高齢者の存在を意識したデザインを心がけましょう。
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テキストは、UXにおいてつねに重要な要素ですが、デジタルデバイド問題においてはさらに重要です。
クッキーやキャプチャ、ハッシュタグ、マルウェアなどの用語をすべてのユーザーが理解できるわけではありません。
デジタルに精通している高齢者も存在していますが、そういった方たちがマジョリティではありません。用語は可能な限り分かりやすくして、ユーザーテストをかならず実施しましょう。
インターネットやデジタル/モバイル製品が、高齢者フレンドリーにならない理由はいくつかあります。
今回はそのうち6つをピックアップしました。
UXのベストプラクティスと、WCAG 2.0および2.1のガイドラインに従うだけで、高齢者のデジタルデバイド問題は解決に近づきます。高齢者だけでなく、すべてのユーザーにとってアクセシブルなWebサイトになるでしょう。
またWebサイトやツールに、高齢者のユーザーを支援するようなオンラインリソースへのリンクを貼ることもおすすめです。高齢者がひとりで製品を扱えるリソースを用意することも、高齢者フレンドリーであるといえます。
その他にも、以下のようなポイントを心がけるといいでしょう。
Webアクセシビリティ入門|デザイナーが知るべき7つのポイント
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新型コロナウイルスの流行によって、これまでも課題とされていた高齢者のデジタルデバイド問題がさらに注目されています。高齢者であっても、個人的なサポートなしに最新の技術を使えるような時代が、遠からず訪れるのかもしれませんね。
これを機に、すべての人にとってアクセシブルなデザインを目指してみてください。
(執筆:Hannah Locke、翻訳:Nakajima Asuka、編集:Kimura Yumi)
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