【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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Linuxに関する業務レベルの技術を習得できる『LinuC(リナック)』という資格をご存知ですか?
LinuCにはレベルが3つあり、最初に受験するレベル1の試験では、Linuxの基本的な仕組みやコマンドの扱いなどを学べます。
今回は、実際にLinuCレベル1に挑戦して試験に合格した筆者が、受験スケジュールやおすすめの勉強方法、参考書について紹介します!
元パティシエのプログラマ。趣味を兼ねた副業でツールやアプリの開発、プログラミング記事の解説等に携わっています。シフォンケーキが得意。
LinuCはインフラエンジニアにとっての基礎が詰まっている資格です。一方、インフラエンジニア以外にとっても、実際の業務に役立つことを学べる資格でもあります。
ここでは、受験前に筆者がLinuxについてどの程度の知識を持っていたかを紹介したうえで、レベル1合格のためにどの程度の期間、どのように学習を進めたのかについて解説します。
筆者は、おもにWebアプリの開発工程に携わってきたタイプのITエンジニアです。インフラエンジニアとしての経験はありません。
ちょっとしたシェルスクリプトを書き、一部のコマンドを打つことはあっても、Linuxについてちゃんと技術書を読んで学習したことはない状態でLinuCレベル1の学習を始めました。
2週間の勉強でレベル1の認定に必要な『101試験』と『102試験』に合格できるよう計画しました。
しかし実際には、期間内で思うように勉強時間を確保できなかったこともあり、合格までに3週間弱を要しました。
LinuCレベル1の合格を目指すにあたって、学習の段階を大きくふたつに分けました。
このフェーズでは、翔泳社の『Linux教科書 LinuCレベル1 Version 10.0対応』(通称:あずき本)を利用して学習を進めました。
試験を実施しているLPI-Japanが公式に認定した教材でもあり、解説の質や量も信頼できます。
あずき本はLinuCレベル1の試験範囲に沿いながら、初めて学習する人が一つずつLinuxの扱いを学べるよう構成されています。
また、あずき本はLinuCレベル1が『Version10.0』にアップデートされてから試験範囲に加わった
などの知識についても解説があります。
LinuCレベル1は出題範囲の広さから、コマンドの細かい挙動や、Linuxのディストリビューションごとの差異など、学習内容のすべてを試験当日まで正確に記憶するのが難しい試験です。日々の業務でLinuxに触れていない人だと、「学習内容をどう覚えておくか」がひとつの壁になります。
その壁を越えるために筆者が使ったのは、オンライン問題集サイト『Ping-t』です。
Ping-tではさまざまなIT技術者向け資格試験の問題を実戦形式で解けます。LinuCやLPICの問題も用意されており、LinuCレベル1の『101試験』ではおよそ660問、『102試験』ではおよそ530問の選択式問題に挑戦できます。
あずき本で触れたLinuxの技術について細かな挙動を覚え、記憶を補強するのに役立ちます。
筆者がLinuCレベル1受験のために勉強を始めてから合格するまでの3週間、どのように学習を進めたかを紹介します。
Linuxの勉強を始めるうえで、手元で実際に動かせるLinux環境は欠かせません。手軽なLinux環境として筆者が選んだのは、開発工程でも使う機会のある『Docker』と、Windows10の開発者向け目玉機能としてリリースされた『WSL2(Windows Subsystem for Linux)』です。
コンテナ型仮想化技術であるDockerは、WindowsやMacOS上で手軽にさまざまなディストリビューションのLinux環境を構築できます。また、WSL2はWindows上で動作する完全な形のLinux環境です。
1日目は勉強用に、
など複数のディストリビューションのLinux環境を用意しました。
その後はあずき本を読みながら、解説されているコマンドや操作を実際にLinux環境上で実行し、試験内容を勉強しました。
試験範囲のコマンドにはいずれも数多くのオプションが用意されていますが、面倒くさがらずにすべて一度は実行し、各オプションの役割についてイメージを持てるよう学習を進めました。
9日目から11日目には、『Ping-t』にて101試験の「最強WEB問題集」に挑戦しました。これは無料で公開されており、アカウントを作れば自由に利用できます。
「最強WEB問題集」を使えば、特定の分野に絞った問題のみをランダムで出題させたり、時間制限つきの模擬試験として試験に挑戦したりできます。筆者は全分野から一度に20問~40問ほど出題するよう設定したうえで、101試験の問題に挑戦しました。
しかし、最初のうちは40%前後しか正解できませんでした。本番の試験では「65%~70%が合格ライン」とされているので、このままでは合格できません。
Ping-tの問題を解き、出題されたコマンドの細部を実際のLinux環境を操作しながら暗記して、少しずつ正答率を上げた結果、試験前日には正答率がおよそ75%になりました。
101試験当日は開始1時間前までPing-tの問題集を解き、開始直前にはあずき本の巻頭にある「試験直前チェックリスト」で最後の復習を済ませました。
試験に出題された問題は、Ping-tの問題集で解いた内容に関連するものが多かったです。同一の問題は出題されませんでしが、あずき本とPing-tをしっかり学習できていたので、試験に出題される問題の多くはどこかで解説を読んだ記憶のあるものでした。
結果は合格ライン480点に対し、540点で合格。パッケージ管理やファイルシステムの問題で苦戦しました。
当初は101試験が完了した5日後(17日目)に、102試験を予約していました。しかし試験完了後の3日間で思うように勉強時間を確保できなかったので、慌てて試験予定日の変更手続きを行いました。
2020年10月時点では、LinuCの試験は予定日時の24時間前まで予約が変更できます。筆者は試験2日前、17日に予定していた試験を19日に変更しました。
本業がひと段落し、勉強時間を再び確保できるようになったので102試験の対策を始めました。101試験同様、あずき本で学習した知識をPing-tの「最強WEB問題集」で記憶に定着させる戦略は変わりません。
ただ、101試験とは異なり、102試験の「最強WEB問題集」を利用するにはPing-tの有料プレミアムコンテンツ利用の申し込みが必要です。これを済ませると、LinuC102試験だけではなくレベル2やレベル3の試験問題集も利用できます。
LinuC以外にも、
などさまざまな資格の問題集が解けるようになり、筆者は今後それらの資格に挑戦したいと考えていたので、このタイミングでプレミアムコンテンツの2年分のプランを申し込みました。
【参考:Ping-tのプレミアムコンテンツの利用プラン】 | |
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プレミアムコンテンツの利用期間 | 料金(一括払い・税込み) |
1ヶ月 | 2,400円 |
2ヶ月 | 3,200円 |
3ヶ月 | 3,800円 |
6ヶ月 | 4,800円 |
12ヶ月 | 6,800円 |
24ヶ月 | 9,800円 |
36ヶ月 | 12,800円 |
101試験では、Ping-tの「最強WEB問題集」で正答率75%にようやく到達した程度で試験に臨みました。
しかし、102試験ではより安心して合格を狙えるよう、正答率75%を安定して記録できるまで学習しました。
101試験当日と同じく、1時間前までPing-tを解き続け、試験30分前からあずき本の巻頭チェックリストを確認しました。
結果、合格ライン480点に対し、680点で合格しました。
LinuCの合格ライン65%~75%に余裕を持って到達できる状態で試験に臨みたければ、Ping-tの「最強WEB問題集」で安定して正答率75%以上を取れるようになってから受験するのがおすすめです。
筆者は101試験で安定して75%以上を取る前に受験しましたが、コマンドのオプションについて細部まで記憶できていない箇所が多く、失点が増えてしまいました。
また101試験、102試験にはPing-tの「最強WEB問題集」と同様の選択式問題だけではなく、記述式問題もあります。「最強WEB問題集」での学習をしっかりこなしていれば、記述式問題で失点することも少ないですが、不確かな記憶で試験に挑むとコマンドに関する問題での失点が目立ちます。
筆者は利用しませんでしたが、Ping-tには記述式問題の模擬試験に挑める「コマ問」というコンテンツも用意されています。安心して合格したい人は、こちらの利用もおすすめです。
101試験では、パッケージ管理に使うコマンドが試験範囲に含まれます。パッケージ管理はLinuxのディストリビューションごとに異なるコマンドを利用するケースが多いです。
試験本番での失点を防ぐには、微妙にオプションや記法の異なるディストリビューション別のパッケージ管理コマンドをしっかりと習得する必要があります。
筆者はディストリビューションを複数用意して勉強を始めたものの、振り返ってみるとほとんどDebian(代表的なLinuxディストリビューションのうちのひとつ)ばかりで学習をしていました。
そのため、Debian以外のディストリビューションで使うパッケージ管理コマンドの問題では点数を取れませんでした。
これから101試験の受験を考えている人は、さまざまなディストリビューションでパッケージ管理コマンドを繰り返し使ってみるのがおすすめです。
筆者はDockerやWSLといった、仮想Linux環境を用意して学習を行いました。
しかし、
など一部の試験分野についての学習は、用意した仮想環境では再現の難しい場合もあり、学習量が不足していました。
たとえば試験範囲に含まれる「systemd(システム管理を行うデーモン)」は、筆者がDockerで構築した環境ではコマンドを実行できず、学習を割愛したため試験で一部を失点。
パーティションの割り当てやネットワーク接続に関するコマンドも、最低限のDocker環境ではあまり意識しない要素だったため、理解が浅いまま試験本番を迎えてしまいました。
Docker自体の扱いも試験範囲に含まれるので、この点については正答率を上げることができましたが、よりしっかりと学習を行いたい人は中古PCに『CentOS(商用利用向けの『RedHat』系列の無償版Linuxディストリビューション)』を実際にインストールして学習するのがおすすめです(学習用途なら、systemdを利用できるバージョン7以降の利用を推奨)。
LinuCレベル1は試験範囲が広く、出題されるコマンドごとのオプションを正確に覚えておくには、単に「解説を読んだだけ」では難しいです。
本番の試験でしっかりと点を取るためには、何度もさまざまなコマンド、オプションを実行して、その結果を体感的に覚えている状態で試験に挑むのがベストです。
LinuCレベル1合格を目指すにあたって、以下の教材を利用しました。
これらの教材はいずれもLinuCを運営するLPI-Japanの認定教材なので、学習できる内容や質の高さは保障できます。
また、学習にあたっては以下の双方を用いたLinux環境の構築がおすすめです。
仮想環境だけでも合格は可能ですが、今後レベル2やレベル3の合格も目指すのであれば、レベル1受験の段階からLinux実機を用意しましょう。Linuxのインストール作業でぶつかるさまざまな壁もまた、Linuxについての理解を深めてくれます。
なお、学習で利用したPing-tですが、2020年10月15日により使いやすくなった新システムがリリースされました。機能やUIが改善され、スマホでも学習しやすくなったので、興味のある人はぜひ触れてみてください。
※ 参考:最強WEB問題集(新システム) 正式版リリースのお知らせ | Ping-t
(執筆:sig_Left 編集:齊藤 颯人)
Linux資格『LinuC』徹底解説