エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「動画制作を依頼したいけど、どんな流れか分からず不安」
「完成までの流れを知って先に準備をしておきたい」
動画制作といえば「撮影」「編集」くらいしか知識がなく、全体の流れがつかみにくいもの。あらかじめ制作フローを押さえておけば、依頼までの準備もしやすく、制作会社とスムーズにキャッチボールができます。
また、動画は工程を後戻りできない部分があり、想定外の追加費用がかかってしまうミスも起こりやすい分野。そこで本記事では動画制作のプロに取材をした内容をまとめ、依頼前の準備から納品までの流れを解説します。
実写・アニメに分けてポイントを押さえています。動画完成までの地図を手に入れて依頼に望んでください。
動画は大きく「実写」と「アニメ」の2種類に分かれ、それぞれ制作のフローが異なります。まずは、両方に共通する制作会社に依頼する(正式な発注)までの流れを説明します。
動画制作は、制作会社に問い合わせる前の準備がファーストステップです。準備は全部で10項目あり、目標設定や会社の資料を用意するなど、工数は2〜3日程度。
本記事では準備のうち最低限必要な3つを紹介します。何も用意しないで丸投げすると、そもそも適切な制作会社が探しにくくなります。また、良い制作会社に巡りあっても、その後のキャッチボールが上手くいかず、制作会社の提案もブレてしまうので注意してください。
動画を作る目的、ゴールを決めておくことは動画制作における準備の絶対条件です。目的によって動画の方向性・戦略は大きく変わります。動画の目的は主に3種類あり、どれに該当するかを設定してください。
動画制作にかけられる予算も事前に決めておいてください。予算が曖昧だと制作会社もどんな映像にするかを決めかねます。また、動画は追加料金が発生する場合があるので、あらかじめ上限を決めておかないと、制作会社と揉めることにもなります。
もし予算をハッキリと決められない場合は、制作会社に作りたい動画のイメージを伝え、どれくらいの制作費がかかるか聞きましょう。動画制作の費用の相場は以下を参考にしてください。
関連記事:プロが教える動画制作の費用・料金相場【相場早見表・料金表つき】
動画をいつまでに納品してもらうかの納期も決めておいてください。納期は修正が発生する場合を想定しておきましょう。一度、制作した動画も確認時に修正が発生する可能性もあります。事業によっては完成を延ばせない事情もあるはず。なぜ、その納期なのかの理由も制作会社に伝えるとスケジュールを組みやすくなります。
以上が最低限必要な準備です。他にも制作会社の提案の質を上げる準備など、残りの7項目は以下の記事を参考にしてください。
関連記事:動画制作の依頼に必要な10の準備リストをプロが解説
制作会社に問い合わせをした際、最初のやり取りがヒアリングです。主に「動画を制作する目的」「どういった映像にしたいのか」「ターゲットはどんな視聴者なのか?」「動画の予算や納期」などを詳しく伝え、動画の方向性を決めていきます。
1回のヒアリングは約1〜1.5時間で、複数社を比較する場合もあるので、期間は1週間を想定しています。
ヒアリングでは特に動画を作る目的を明確にすることが最重要項目。先述したように「多くの人に見てもらいたい」などの曖昧な目的ではなく、ゴールから逆算した上での目的を伝えてください。「企業ブランドのイメージを上げる」「商品・サービスの認知度の向上」「商品を購入してもらう」など、動画の方向性が明確となる受け答えをしましょう。
また、配信媒体(公式サイト、SNS、テレビなど)によっても動画の世界観や適切な長さ、ターゲットが変わります。先に媒体が決まっていると具体的な提案を引き出せます。現時点で決めかねている場合は制作会社と相談してください。
ヒアリングの後日、制作会社は見積書や提案書を作成します。提案書には動画の大まかな流れ・ストーリー(アウトライン)を説明する簡単なラフ画も提示されることが多いです。上の6つは見積書・提案書に書かれている内容です。曖昧な内容になっていないか吟味しましょう。
動画の制作費が決まる仕組みは、動画制作における各工程での人件費(スタッフやキャスト)、詳しい台本を作る企画費、スタジオや機材などの諸費用の合算になります。
スタッフの人件費は、時間や日数によるものや、著名なクリエイターを起用するかなどによっても金額が変わります。また、動画制作では内容の修正や撮影スケジュールの遅延、特殊な機材のレンタルなどでオプション費用が発生するケースも少なくありません。見積書に追加費用の項目があるかも確認しておきましょう。
実写動画の場合は撮影の有無(クライアントが用意した写真などの素材を編集するだけの動画もある)、撮影そのものの規模によっても日数は大きく異なり、数週間で完成するものもあれば、3ヶ月以上(半年ほど)を要する動画もあります。以下が撮影ありの場合の動画の制作期間です。
実写動画は大きく分類して、企画→撮影準備→撮影→編集のフローですが、各作業は同時進行で行うことがほとんど。撮影に入る前にも仮編集を行い、動画内の字幕(テロップ)やタイトルの作成などを行いつつ、撮影が完了してから本編集に入るパターンなどです。今回紹介するのは、最も制作期間を要する場合の流れ。動画によっては実際に行わないフローもあるので、目安と考えてください。
期間:約1週間〜2週間以上(オーディションやロケハンありの場合)
ここからは実写動画の制作フローを説明します。契約した制作会社はヒアリングした内容をもとに制作チームを編成し、制作スケジュールなどを企画してキックオフミーティングを行います。プランニングでは他にも「絵コンテ」「キャスティング」「香盤表」の3つを決めます。
動画のプランを具体化し、絵コンテ(シナリオ台本)を作成します。絵コンテは台本に絵の情報を加え、より分かりやすい形にしたもの。動画の骨格となるため、クライアントとやり取りしながら修正を繰り返す場合がほとんど。絵コンテ以外にもビデオコンテ(仮の映像)を用意することもあり、クライアントのフィードバックをもとに修正しつつ、徐々に台本を固めていきます。最終OKが出たら「完成台本」として仕上げ、各スタッフで内容を共有します。
出演者を決めます。社内で用意するかプロの役者に依頼するか、キャストは何人にするかなど、この段階で出演者を決定します。
場合によっては動画のクオリティを上げるためにオーディションを行う場合もあります。撮影に慣れていない出演者はカメラを回すと表情が硬くなり、セリフがぎこちなくなるケースがほとんど。短い簡単な動画でも、プロの演者を使うとクオリティは格段に上がります。オーディションを行う場合は、それでけで1週間ほどの期間を要します。
キャストが決まれば、メインの演者からエキストラまで出演者を細かく決定し、日程調整(ブッキング)を行います。
ロケハンとは、ロケーション・ハンティングの略で、撮影場所を下見すること。場所の確認だけでなく、撮影の許可や、撮影する角度、必要な機材(光が足りない場合の追加の照明など)、様々な要素を確認します。公共施設であれば、許可を得るまで時間がかかる場合が多いです。
ロケハンは派遣するスタッフの人件費や交通費などもかかるため、ロケハンまで行う大掛かりな準備は制作費100万円を超える動画の場合が多いです。
香盤表は撮影当日のキャストやスタッフの動きを書いたもの。簡単に言えばスケジュール表です。台本、キャスティング、撮影時間、移動時間などを計算した上で作成します。撮影をスムーズに進行するために必要不可欠になります。
期間:約1週間
台本やスケジュール(香盤表)が固まれば、撮影準備に入ります。「機材調達」は必ず行い、場合によっては「ロケハン」「オーディション」も実施します。
カメラ、照明(レフ板やLED照明など)、音声などの機材調達、そのほか小道具や大道具、撮影現場の確保、場合によっては撮影時の弁当の手配などを行います。
高画質用カメラ、ドローン、クレーン、レールなど特殊な機材など、制作会社が保有していないものはレンタルで借りる場合もあります。
制作費を抑える場合、撮影前にナレーションを行うこともあります。編集者がナレーションを吹き込み、それに合わせて撮影した動画を挿入していきます。先にナレーションを入れた方が編集が楽になり、制作期間を早めることができるからです。
期間:1日以上
準備が整えば台本をもとに撮影を行います。制作費を抑えた動画は半日〜1日、映像にこだわる場合は数日に分けて行います。撮影日数はインタビュー動画、会社紹介動画などジャンルによって異なります。撮影期間の目安はプロが教える動画制作の費用・料金相場 【相場早見表・料金表つき】に期間も載せているので、該当するジャンルの記事を参照してください。
動画のOKを出す決裁者(クライアント側)は必ず撮影当日、現場に立ち会ってください。実写動画は後から修正がききません。完成した動画を見てから、イメージと違ったと言っても後の祭り。例えば、商品を撮る角度が違う、背景に映ってほしくない物や人も撮影されているなどのケースもあります。その場合はキャストもスタッフも収集し直し追加費用もかかってしまうので、必ず撮影現場には立ち会ってください。
期間:2週間以上
撮影が終われば映像や写真・ロゴ素材、イラストなどを用いて編集を行います。クライアントの要望に沿った映像となっているかの確認や、クオリティのチェックを先に行い、コンテの通りに必要なシーンをつないでいきます。編集作業でテロップ(字幕)やスタジオ収録の必要のないBGM挿入の作業(MA)なども行います。編集作業は動画の時間や表現方法によっても左右されるため、時間がかかります。
編集した映像をクライアントに送り動画をチェックすることを「試写」と言います。動画全体の構成、テロップなど、フィードバックをもとに修正します。修正のやり取りが発生する場合も見込みして編集の期間は2週間以上としています。
期間:約1日
クライアントのOKが出れば最後に録音スタジオでのナレーション収録やBGM、SE(効果音)の挿入などを行います。録音スタジオを借りて行う本格的なスタジオMAは制作費が300万円以上の動画の場合が多く、それ以下ではスタジオを借りない場合がほとんどです。スタジオでのMAは原則クライアント立ち会いで行い、その場で修正を行い動画を完成させます。動画が完成し、納品ファイルへの変換を行えば完成です。
続いてはアニメーション動画の制作フローを解説します。一口にアニメと言っても、種類は大きく7つあり、目的による向き不向き、相場や制作期間も大きく異なります。素材をつなぎ合わせるだけなら2週間で可能な場合もありますが、テレビや映画のような滑らかな動きの「フレームバイフレーム」にすると3ヶ月以上かかることもあります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事:アニメーション動画の費用と料金相場を徹底解説!【相場早見表・事例あり】
期間:約1週間
アニメーション動画も実写と同じくヒアリング内容をもとに再度、ディスカッションを行い企画を詰めていきます。
上のような項目を再確認し、セリフや展開などテキストやラフ画を盛り込んだ絵コンテ(台本)を作成します。
期間:1〜2週間以上
絵コンテを作成したあとは素材・イラストの制作に移ります。この段階では以下の3つの素材を作成します。
クライアントは3つの素材を確認し、アニメの世界観やテイストに問題ないか確認します。ごく稀にある例ですが、イラストがOKになったのに動画を見てから「目を変えて欲しい」などと言っても変更がききません。アニメは膨大な数の枚数のイラストを動かしているので、全部の絵を描き直さなければいけません。そういった事がないよう、この時点で人物や背景などのテイストはしっかり確認しておいてください。
OKであれば次に本格的なグラフィック(人物や背景のイラスト)制作に移ります。プロデューサー、ディレクターなどがチェックしながら、膨大な数のイラストを描いていきます。
1枚の絵だけで判断しないように!
制作に入るとイラストレーターが描いた1枚の絵だけを見て「手の位置をこうして欲しい」とこだわりを持つ場合があります。ですが、アニメ動画は全体の動きによって印象が変わります。1枚の絵コンテだけに引っ張られないようにしましょう。
制作費を抑えたアニメーションの場合、イラスト作成の段階でナレーションやBGMを入れることがほとんどです。アニメにセリフを吹き込むより、セリフに合わせてイラストを動かした方が楽だからです。
BGMはすでにあるテンプレを使うことが多く、こだわってオリジナルのBGMを使う場合は最終工程のMAで作曲します。
イラストの契約をしっかりチェックしよう
アニメーション動画のイラストは配信する媒体以外のLPページなどに利用する場合、追加でイラストレーターに権利料を払うケースが多いです。メインの発信媒体の他に使用する可能性がある場合は、権利料の項目もチェックしておきましょう。
期間:1〜2週間以上
イラストが完成したあとアニメーション制作(編集)に入ります。アニメーションとはイラストを動かす作業のこと。アニメーターが主にコンピューターを使用して何枚ものイラストをつなぎ、滑らかな動きにします。編集工程の中で最も時間のかかる作業であり、アニメのクオリティを最も左右する工程です。クオリティを重視する場合は、テレビアニメの経験があるアニメーターを起用するなど、制作費をかけます。
また、アニメーター以外にも、デザイナーが絵のレイアウトや文字デザインなども設計します。
アニメーションが完成したら一度クライアントに初稿を提出します。すでにナレーションやBGMが入っている場合もあり、OKであれば完パケ(完全に仕上がった動画)として納品されます。
期間:1日
アニメーション制作が終わったあと、スタジオを借りてプロのナレーターがセリフを吹き込みます(数百万円の制作費の場合がほとんど)。スタジオでのMAはクライアントが立ち会い、修正を繰り返しながら納品できる状態に仕上げます。
実写と | アニメ | |
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まずは、実写動画の特徴です。実写は建物の紹介や企業の理念、ビジョンなどを伝える場合などに向いています。実際の人間の方がリアリティによって説得力・信頼性を生むからです。また、有形の商品の紹介も、実写の方が「自分ごと化」しやすいメリットがあります。
SNSでバズを狙った動画の場合も、ほとんどが実写。共感を生みやすく、人間が空を飛ぶ映像などアニメだと当たり前の表現も、実写であればインパクトを生むからです。
実写の場合は契約期間の制約が厳しいデメリットがあります。演者は買い切りでない限り、動画の使用期間が定められています。自社の社員を起用する場合でも「退職したから使わないで欲しい」など、使用できなくなるケースもあります。
動画を修正しにくいこともデメリットです。追加で撮影を行う場合はキャストやスタッフのスケジュール調整を再度行う必要があり、費用も初回の撮影と同じくらいかかってしまいます。
アニメーション動画は使用期間が縛られず、基本的に契約期間がありません。追加料金を払えば後から修正も可能であり、商品やサービスが変わっても長期間再利用できることが大きな武器です。
実写で網羅的に説明すると冗長になりがちな無形サービスの紹介も、アニメはポイントだけ端的に説明することが強みです。製品の内部構造を解説するなど撮影が難しいケースでも、アニメは特殊なCGなしでも描写できます。
アニメのキャラは実際の人間と違って共感を生みにくいため、感情移入が重要な採用動画などには向きません。アニメ動画がバズりにくいと言われるのも共感性が実写に比べて落ちるからです。
アニメーション動画の特徴に関しては以下の動画を参照してください。
関連記事:アニメーション動画の費用と料金相場を徹底解説!【相場早見表・事例あり】
内容がまったく同じ動画であっても、訴求したいポイントによっても向き不向きがあります。
例えば自社のサービスを紹介する動画の場合。サービスそのものの理解を促進したいならアニメが分かりやすいもしませんが、共感や「自分ごと化」して欲しい場合は実写の方が良いでしょう。
そのように目的、訴求したいポイントによっても異なりますので、制作会社とすり合わせをしてください。
以上、実写とアニメに分けて動画制作のフローを解説しました。動画制作会社にも「完成までの流れが分からず不安」という声は多く寄せられており、事前に理解しておくことは重要です。
制作のフローを抑えておけば以上のようなメリットがあります。本記事を参考に、動画制作に向けて準備を行ってください。また、動画制作会社の選び方に特化した記事もありますので、こちらも参考にしてください。
関連記事:プロが教える動画・映像制作会社の選び方・比較のためのチェックリスト【初心者向け】
(執筆:松田 光正 提供元:動画幹事)