新卒担当者必見!有名企業の新人研修事例10選&カリキュラムの作り方

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新卒一括採用をしている多くの企業では、毎年4〜5月にかけて新人研修が行われています。新人研修ではビジネスマナーや仕事の進め方、ビジネスにおける思考法など、企業社会で生きていく上で大切なことを教育されるでしょう。

しかし、新人研修がうまく機能せず、新入社員の成長を促せていない企業も多く存在します。

そこで今回は、効果を挙げている有名な新人研修カリキュラムの事例を10個ご紹介します。本記事で挙げる新人研修を参考に良質な研修カリキュラムを組み、新入社員をデキるビジネスマンに進化させてください!

参考になる、企業の新人研修10選

1.【メーカー】TDK株式会社「世界一○○な竹とんぼ研修」

竹とんぼ

1935年創業の老舗の総合電子部品メーカーです。この企業では4月から約1ヶ月間、合宿での新人研修が行われます。

TDKは電子部品メーカーという特性上、新入社員の研修はモノつくり講座が中心です。そのカリキュラムの中で「世界一○○な竹とんぼ」をコンセプトに、3秒以上滞空する竹とんぼを作るというものがあります。製品の開発計画書からプロトタイプの作成、工程管理から設計審査まで、実際の製品制作と同様の工程をとり、非常に実務的な内容が教育されます。

また、ただ単によく飛ぶ竹とんぼを作るだけではなく、原材料となる竹をいくらで仕入れ、原価から小売価格を設定し販売するというマネジメント部分まで一貫して行われます。モノつくりの全行程を学べるため、どの部署に配属されても役に立つカリキュラムでしょう。

TDK株式会社

 

2.【メーカー】株式会社カネカ「”ハイテク”研修」

ハイテク研修

カネカは1949年創業の化学製品メーカーです。カネカは1987年から現在まで、3泊4日の「ハイテク研修」と呼ばれるものを新入社員に課しています。

ハイテク研修とは「はいくつばってテクテク歩く」の略であり、特定のチェックポイントを通りながら約20〜30kmの道のり踏破するというグループオリエンテーリングです。スマートフォンや時計の類は全て没収され、地図や定規、タコ糸などの小道具を頼りに目的地を目指します。

事前に所定のコースをグループごとに策定し、チェックポイントの通過時間を決めます。チェックポイントの目標通過時間との乖離が最も少なかったグループが勝利となります。

大事なのは、一番早く踏破したグループではなく、目標時間との乖離が少なかったグループの勝利という点です。各々の歩くスピードの管理や、時計の代替となるものの開発、グループ目標時間の一本化など、様々な要素を考慮する必要があります。またその中でグループ内の意見衝突が発生するため、意見をまとめる力が非常に求められます。

この研修を通して、カネカは「複数の人間が作る葛藤の処理を学んでほしい」と述べています。

株式会社カネカ

 

3.【メーカー】日置電機株式会社「お寺合宿研修」

寺合宿

1935年創業の電機計測器メーカーの老舗です。

日置電機の有名な新入社員研修として、お寺での合宿研修が挙げられます。日置電機は企業理念の一つとして”人間性の尊重”を掲げており、成長のための機会を可能な限り与えていくと公言しています。お寺での合宿研修はその一環として行われているものです。同期の新入社員と共同生活を行うことで、仲間意識の醸成や絆を深めることを目的としています。

またお寺という非日常空間で座禅やハイキングに取り組むことで、自分自身を見つめ直す効果や、学生から社会人へ意識の切り替える効果も見込まれています。

日置電機株式会社

 

4.【商社】株式会社大塚商会 他「5社合同マナー実習」

マナー研修

IT・オフィス用品の大手商社の一角です。新人研修は内定式のある10月からおよそ1年〜1年半という長期にわたり行われます。

大塚商会は商社という特性上、営業職の割合が非常に多いです。営業が商談相手に与える印象には非常に気を遣っており、ビジネスマナー関連の研修には特に力を入れているようです。

そのマナー研修の一環として、大塚商会、伊藤忠テクノソリューションズ、日立ソリューションズ、フューチャーアーキテクト、ACCESSの5社合同でマナー実習が行われているとのこと。

一般的なマナー研修は社内で完結していまい、あまり実践的とはいえません。一方でこの合同実習では、協力他社へ実際に営業をしに行く実践的なカリキュラムをとるため、ほとんど本番と同様の実習を行うことができます。マナー実習を受けた新入社員は、後日訪問先の人事からフィードバックシートを受け取れる仕組みです。

アポイントの電話から実際の訪問までを新入社員のみで行うため、営業スキルを学ぶ場としても活用されているようです。

株式会社大塚商会

 

5.【小売】株式会社アップガレージ「漫才研修」

漫才

中古車・バイク・その他関連用品のリユース販売を行なっている企業です。

この企業の研修で有名なのが、「漫才研修」です。人気バラエティー番組やお笑いライブを監修する現役の放送作家による講義のもと、新入社員同士でコンビを組み、実際に漫才を考えて社長や講師の前で発表するという内容を持ちます。

アップガレージは接客や営業が中心のため、対人コミュニケーションが重視されます。お客様を楽しませる技術や笑わせる技術は、営業や接客業として持っておくと強いスキルでしょう。「漫才研修」はそのような能力をつけるのにうってつけの新人研修カリキュラムです。

株式会社アップガレージ

 

6.【飲食】株式会社ハブ「”本物”を学ぶ英国研修」

英国

英国風パブ「HUB」で知られる飲食サービス企業です。この企業では5泊7日のイギリス渡航が研修内に含まれています。

ハブは英国のパブ文化を日本において広く普及させることを企業理念に掲げており、”英国”というものを非常に重要視しています。「本物を知らないと議論にならない。英国での感動は全社員が持つべきだ」という太田社長の考えのもと、新入社員全員をイギリスに連れていくとのこと。本場のパブに触れた上で、日本のハブの長所や短所、英国とのギャップを考えることを目的としています。

その他にも、内定式を「ハブ大学入学式」と称し、アカデミックガウンにひし形帽子といった、ヨーロッパの卒業式で着用される服装を内定者に与えるなど、英国文化を随所に取り入れています。企業のコンセプトや使命を忠実に体現した良い事例でしょう。

株式会社HUB

 

7.【サービス】パーソルキャリア株式会社「チャンバラ合戦研修」

チャンバラ研修

バイト求人の「an」で有名な、転職支援、人材派遣、求人情報サービスを手がける企業です。

パーソルキャリアでは、「チャンバラ合戦」という非常にユニークな内容が研修の一つとして採用されています。この研修では複数人ごとのチームに分かれ、スポンジ製の刀剣を使い、相手チームの腕についたボールをはたき落とすというゲームが行われます。

この研修で目的とされているのは、新入社員同士の仲間意識や団結力の醸成、チームワークの育成です。また合戦は数回にわたって行われるため、チームでの反省や改善点、次の合戦の戦法を議論するなど、短時間で複数回PDCAを回すトレーニングにもなります。

パーソルキャリア株式会社

 

8.【サービス】株式会社イカイ「ヒッチハイク研修」

ヒッチハイク

製造請負・人材派遣などのアウトソーシング全般を請け負っている企業です。

イカイは将来のビジョンを明確に持つ、地力のある社員を求めています。そして地力を引き出すために、イカイは新入社員に対し「ヒッチハイク研修」というものを課しています。

その内容はシンプル。新入社員を2人1組に振り分け、同社研修センターまでの50〜100kmの道をヒッチハイクしながら向かうというものです。ヒッチハイクを経験することで、社会人として必須のコミュニケーション能力や交渉力、そして多少のことではくじけない強靭な心を培えるとのことです。

株式会社イカイ

 

9.【運輸】国際自動車株式会社「真夜中の東京散策!kmウォーキング」

東京散策

タクシー事業大手の国際自動車グループ。ここでは「kmウォーキング」と題された、タクシー業ならではの新人研修が行われています。

内容はシンプルで、新入社員の同期と共に東京都内の観光スポットを深夜に35km歩くというもの。仲間との絆を強める効果や達成感を味わう効果があるのはもちろんのこと、観光名所を中心とした都内の地理や細かい道路を覚える上でも役に立つでしょう。

またタクシーは深夜業務もあるため、深夜への適応力を高める目的も考えられます。

国際自動車株式会社

 

10.【IT】株式会社システムコンサルタント「インド3ヶ月間研修」

ベンガルール

1968年創業の、ITコンサルを中心に新時代のソリューションを展開する企業です。この企業はインドで行う3ヶ月間の海外研修が目を引きます。

インドは現在「IT大国」としても知られており、南部の都市・バンガロールはインドのシリコンバレーとも呼ばれています。システムコンサルタントはバンガロールの近郊・トムクールに現地法人を設置しており、そこで新人研修を行うとのこと。

研修では英会話、プログラミング基礎、データベース基礎、プロジェクト実習などSEとしての基本を学ぶほか、異文化と交流することで多様な価値観と触れられます。またバンガロールのITの現場を見ることで、世界標準の最新テック事情を学ぶことを目的としています。

新人研修が新卒採用の目玉の一つでもあり、採用活動にも役立っているようです。

株式会社システムコンルタント

 

新人研修カリキュラムの作り方

STEP1.スケジュールを立てる

研修スタートに向けて、スケジュールを逆算しましょう。

また、研修には何日・何時間必要かについても

また、1時間~1時間半ごとに休憩時間を20分前後程度確保するようにしましょう。

STEP2.研修の目的を考える

目的の例は次の通りです。

  • 学生と社会人の違いを認識させ、社員としての自覚を持たせる
  • 就業規則やコンプライアンスなどの、社会的な常識を学んでもらう
  • ビジネスマナーの習得や目標設定など、現場に出ていくために必要な準備をしてもらう

STEP3. 取り入れる要素を決める

目的に合わせ、研修にどんな要素を取り入れるか判断します。あくまで一例ですが、ご参考にしてください。

  1. ビジネスマナー
  2. 会社組織の一員としての振る舞い
  3. モチベーションのあげ方
  4. 主体性・段取り力向上のためのワークショップ
  5. 時事問題を含めた社会人の基礎知識
  6. フレームワークの考え方やコミュニケーションなどのビジネススキル

まとめ

いかがでしたか?

企業によって様々なスタイルのユニークな研修カリキュラムが組まれていますが、いずれも企業の理念や方針を反映しているように感じられます。

また業種や職種によって新入社員に求められる能力は異なるため、それに合わせてカリキュラムを工夫する必要があるでしょう。

ぜひ本記事で挙げた研修カリキュラムを参考に、最良の人材育成を考えてみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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