【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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こんにちは、Workship MAGAZINE編集部の齊藤です。
1週間のニュースからフリーランス・副業者に役立つものを抜粋してご紹介します。今週もよろしくお願いします。
大手タバコメーカーのJTは、個人事業主の葉タバコ生産農家と取引する際、「インボイス制度に参加しない場合、代金から消費税分を全額引き下げる」と一方的に通告していたと報じられました。
インボイス非対応の個人事業主と取引する場合、消費税分の金額をJTが仕入税額控除できなくなる点を嫌っての対応と思われます。
しかし、こうした「取引価格を一方的に引き下げる」対応は、公正取引委員会が「独占禁止法に違反する恐れがある」と指摘。改善を求めました。
最終的にJTは農家の影響を考えて減額幅を小さくすることで合意しましたが、これまでも計18業者が公取委から注意を受けており、今後も値下げ圧力が強まる懸念はあります。
大手英会話教室のGabaは、取引先に「取引継続にはインボイス制度への登録が義務」と通達し、負担増をめぐり講師らがストライキを起こしたと報じられました。
騒動の原因はJTの場合と同様で、消費税分の負担を嫌った英会話教室側の対応と思われます。
公取委の発表した「インボイス制度への対応に関するQ&Aについて」によれば、インボイス制度への登録を要請することは違反ではないものの、登録しないことを理由に取引停止を通告することは、法律上問題となる可能性があります。
皆さんも、こういった事態に直面した際は、公取委の出す指針をもとに対応を考えるのが有効です。
施行まで残り1か月を切った「インボイス制度」。しかし、フリーランスのなかには、まだまだ対応を決めかねている方も多いようです。
そこで、Workship MAGAZINE上で、編集長自らが「インボイス制度への対応の決め方」を解説しました。インボイス制度が与える、フリーランス・取引先への影響にも触れています。
フリーランスがインボイス制度への対応を決める最大のポイントは「取引先の意向」のため、まずは取引先にインボイス制度への対応方針を聞いてみるのがいいでしょう。
インボイス制度への対応は、取引先が一般の消費者(toC)か、法人(toB)かによって変わってくるとよく言われます。その言葉通り、業界ごとにインボイス制度への対応状況が変わっている様子が見えてきました。
課税事業者への転換を熱心に進めたのが個人タクシーで、東京都個人タクシー協同組合では3年前からの普及活動の結果、99%が課税事業者に転換したと報じられています。
一方、大工や左官などの「一人親方」が多い建設業界は、免税事業者に寛容なようです。大手住宅メーカーなどで作る「住宅生産団体連合会」は5月に、「(免税事業者の一人親方らが)登録するかしないかは取引先の判断に任せ、強要はしない」などとする業界指針を決定。
一人親方は高齢者が多く、かつ人手不足。そんな事情が反映されていると言います。
株式会社マネーフォワードは、法人および個人事業主を対象に「インボイス制度に関するアンケート調査」を実施しました。
おもな調査結果は以下の通り。
インボイスを発行する側、受領する側ともに、準備不足や不安を抱えたまま10月1日を迎えそうな現状が見えてきました。
従来はフリーランス側の理解不足を指摘されることも多かったイメージがありますが、理解不足に悩むのは法人側も変わらないようです。
株式会社ラクスは、全国の経理担当者を対象にインボイス制度に関する調査を実施しました。
おもな調査結果は以下の通り。
インボイスを発行する事業者としない事業者の両方と取引する場合、受領側の処理はそれぞれ異なります。これは業務フローの変化を意味し、大きな負荷となることが予測されます。
企業はインボイス制度に対応するために、受領側の優先度を高くして業務フローを見直す必要があるでしょう。
Workship運営のフリーランス・副業コミュニティ『Workship LAB』のメンバーに、「インボイス制度への対応状況」を聞きました。
フリーランスや副業者の皆さんに「インボイス制度への対応状況」を聞きました。
対応状況はガッツリ分かれました🤯
まだ迷っている方、対応前の方も多いですね。#WorkshipLAB pic.twitter.com/xlw4XYpZAi— Workship|フリーランス・副業向け 案件検索プラットフォーム (@goworkship) August 31, 2023
同じフリーランスでも対応がハッキリ分かれており、難しい判断を迫られているといえます。
『Workship LAB』は、個人事業主の悩みやノウハウをみんなで共有していく相談コミュニティです。現在のメンバーは370名以上。フリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』が運営しています。
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(執筆:齊藤颯人 編集:Workship MAGAZINE編集部)