最近、私の同僚の一人が、会社で担当しているWebサイトを作るのにデザイナーを雇う必要があると私に相談しました。彼女は都市デザイナーでしたが、デジタルデザイン領域には特に関わったことがなく、ちょうど近くにいたデザイナーの私にこう尋ねたのです。

「どのようなデザイナーを雇えば良いの?」

この問いに対して、私はいくつかの回答をしましたが、いずれも的を得た答えではありませんでした。

そこで今回は、2018年の段階におけるデジタルデザインの全領域はどのような状況なのか、改めて整理し考えることにしました。以下、その全貌をまとめます。私の同僚からも、「もっと前からこれを知りたかった!」とのフィードバックも受けました。

はじめに:デザインスキルのペイントストローク理論について

ひとりとして同じデザイナーはいません。そのため、デザイナーを簡単にグルーピングするのは無責任です。ここで、The Soft Skills Engineering Podcastにインスピレーションを受けたSam Jarmanの素晴らしい投稿から、アイデアを借りたいと思います。

ここで議論されているのは、ある人のスキルをT型(多様なジャンルについて幅広い知見を持ちつつ、特定の分野を深く極めていること)として理解するのではなく、「キャンバスに描かれたライン」というモチーフを使った方が理解がしやすいということです。そもそも、T型のデザイナーなど存在しないのです。

chuttersnap | Unsplash

キャンバスの上方には太い線が描かれており、これは様々な領域の基本的な理解度を示しています。一方で、太い線からはいくつか別の線が様々な長さで滴っており、これはデザイナーの別のスキルの深さを表します。

要は、「ベクターデザイン」「デジタルプロトタイプ」「ユーザーリサーチ」「コーディング」「モーショングラフィック」その他クリエイティブ領域の全てにおいて、デザイナーは経験によってさまざまな異なるスキルを持ち合わせているということです。

結局、どのタイプのデザイナーを雇用すれば良いの?

もちろん、デザイナーに限らず誰でも、ひとつの肩書きでその人のことを全て説明するのは不可能です。そのような意見は一旦おいておき、現在のデザイン領域で一般的にみられるデザイナーの役割を見ていきましょう。あくまでも、個人的な意見であることはあしからず。

1. スペシャリスト型のデザイナーの役割

T型のデザイナーが存在しないということは、既に説明しました。しかし、もしも特定の事項のみを行ってくれるデザイナーを雇用したいなら、スペシャリストを探すのが良いでしょう。図にあるような肩書きのデザイナーを雇えば、特定のタスクを高品質で行ってくれるでしょう。

また、デザイナーの図の中にはフロントエンドディベロッパーも含めました。デザイナーとディベロッパーの区別は難しいのですが、デザイナーが担う役割の領域を考える上で、ディベロッパーがどこに位置付けられるのかも知っておいた方が良い思います。

太線の上部に書かれているのが一般的なデザインの役割、下部にあるのがその領域における能力の深さを指しています。

2. 領域横断型のデザイナーの役割

ここでは、より一般的な役割の境界がぼやけてきます。特に、ここ数年でUXデザイナーの定義の幅は広がってきました。デザイナーの肩書きによる仕事範囲の規定は難しく、そのデザイナーが具体的にどんなスキルを持っているのか見分けるのは簡単ではありません。

実際に採用を考える際は、面接やポートフォリオを見ることによってそのデザイナーが具体的にどんなスキルを持っているのか、またビジュアル、実装、アイデアの面でどれほど長けた能力があるのか、確認すると良いでしょう。

3. 全領域型のデザイナーの役割

このカテゴリーにあてはまるデザイナーは、できる領域を広げた上で専門領域を深めた、なんでも出来るタイプのデザイナーです。多くの場合、専門領域を超えて働く必要があるスタートアップで働いている場合や、プロジェクトを全てひとりで回す必要のある場合など、必要に迫られてこうしたデザイナーになることが多いです。

一人で複数の領域を横断して立ち回ることのできる可能性を否定するデザイナーもいます。しかし私は、全領域型のデザイナーの方が、さまざまな課題に果敢に挑戦していく傾向にあると思っています。というのも、他のタイプのデザイナーに比べ、どの領域の役割についても理解しているからです。このようなデザイナーは、他の領域への理解と共に、プロジェクトを成功に導いてくれる傾向にあります。

まとめ

ここまでに紹介してきた3タイプのデザイナー役割をまとめると、以下のようになります。

少しごちゃごちゃしていますが、理解しやすいダイヤグラムだと思います。あなたのプロジェクトに、どのタイプのデザイナーをアサインすれば良いか、これで少しは理解できるでしょうか?

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

(執筆:Jasper Stephenson 翻訳:Mariko Sugita 編集:Workship MAGAZINE編集部)

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