スティーブ・クラッグ著『Don't Make Me Think』20のキーフレーズに学ぶユーザビリティのすすめ

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この記事ではユーザビリティについてより理解を深めるために、2000年に出版され今なお広く支持されている、スティーブ・クラッグの著書『Don’t Make Me Think』を取り上げます。

スティーブ・クラッグは、マサチューセッツのチェスナットヒルを中心に活動するIA、UXの専門家です。また、Advanced Common Senseというコンサルティングファームも運営しており、ユーザビリティに関するスキルやノウハウをワークショップという形式でクライアントに伝えています。

『Don’t Make Me Think』とは

今回取り上げる『Don’t Make Me Think』は彼の代表作であり、HCI(ヒューマン・コンピューター・インタラクション)とWebユーザビリティを学ぶうえで避けては通れない名著といえます。彼はユーザーがインターフェイスの仕組みについて考える必要がないようなデザインを理想としており、そのために知っておくべき重要なポイントや例について解説しています。

今回はその中から特に重要なキーとなる20のキーフレーズを引用して、ユーザビリティについて学んでみましょう。

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『Don’t Make Me Think』に登場する20のキーフレーズ

1.「もしなにかをするのに莫大な時間がかかったり、もしくは莫大な時間がかかりそうだと思われてしまったら、ユーザーはそれを使いたいとは思わないでしょう」

2. 「商品の見栄えをよくするためには、店内を適切な照明で照らすことが重要です。これと同じように、すべてのページやスクリーンをわかりやすくしておくことが見栄えのよさに繋がります」

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3. 「多くの”ハッピートーク”は、できの悪いパンフレットに書かれている自己満足の宣伝文句のようなものです。優れたプロモーションコピーとは異なり、有用な情報を伝えるわけでもなく、ただ自分たちがいかに優れているかということを主張しているだけの不要なものです」

4. 「アクセシビリティに気を配ろうとするのは、正しい判断です。アクセシビリティを高めることはユーザーの生活を豊かにすることにも繋がっています。しかし、これについての議論は現状充分になされているとはいえません。われわれがすこしアクセシビリティに気を配るだけで、ユーザーの生活を劇的に改善する機会が得られるのです」

5. 「ユーザーを不必要に悩ませている問題のうちのひとつが、クリックできないリンクやボタンです。いちユーザーとして、わたしはどのリンクがクリックできて、どれができないかということに0.1秒たりとも時間を使いたくありません」

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6. 「ここ数年で、ユーザビリティを高めることは多くの人にとって避けては通れない課題になりました。ビジュアルデザイナーやディベロッパーは、インタラクションデザイン(ユーザーがクリック、タップ、スワイプした際に次のアクションを決める)や情報アーキテクチャ(すべての情報がどのように整理されるべきかを把握する)に取り組んできました」

7. 「平均的な能力や経験を持っている人は(あるいは平均以下であってもなお)、なにかを成し遂げるために物事をどう扱えば、トラブルではなく価値をうむことができるかを把握しています。信じてください、それは本当にシンプルなことなのです」

8. 「ユーザビリティをテクノロジーの問題として捉えるのは間違っています。ユーザビリティにおいて重要なのは、人びとがどのように物事を理解し、使用するのかということです」

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9. 「インストラクションについて知っておかなければいけないのは、なんども試行錯誤したあげくに失敗しないかぎり、そんなものは誰も読まないということです」

10. 「ユーザーを慎重に観察して、彼らの意図、動機、思考プロセスを知れば知るほど、Webページに対する反応ひとつひとつが非常に多くの変数に基づいていることに気がつくでしょう。一面的な好き嫌いでユーザーについて説明しようとするのは無駄な試みです。一方、優れたデザインはこの複雑さをきちんと考慮しています」

11. 「Webサイトを作った本人たちが、それをわかりやすく使いやすいものにしようと努力しなければ、Webサイトとその背後にある組織の信用を損ないかねません」

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12. 「しかし実際には、われわれはもっとも優れた選択肢を選びません。もっとも合理的で、必要十分な選択肢を選ぶのです」

13. 「問題は、ほとんどのWebデザインに関する問いに対して(少なくとも、重要なものに関して)、正しいといえるシンプルな答えがないということです。慎重に考え、実行し、テストされた、ニーズを満たしている優れたデザインのみが結果を出すことができます」

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14. 「各ページの文章の半分を取り除き、さらに残っている文章の半分を取り除きます」

15. 「繊細さは洗練されたデザインのキーポイントのひとつなので、デザイナーは微妙にほのめかした表現を好みます。しかし、Webユーザーは多くの場合は急いでいるため、そのような表現を見逃してしまうのです」

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16. 「さまざまなWebサイトを作ってみて学ぶことがひとつあるとすれば、どんなにぞっとするほどひどいデザインのアイデアであっても、十分な努力をもってすれば適切に使用できるようになるということです」

17. 「あなたの主な役割は知識を共有することであり、どうするべきかを命令することではありません」

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18. 「あなたの目的は、すべてを可能なかぎりクリアにするように努力し、インストラクションを排除することであるべきです。インストラクションがどうしても必要な場合は、最小限にとどめるようにしましょう」

19. 「デザイナーがコンベンションに従うという見通しに直面した際には、車輪の再発明(確立した技術を無視して同じものを一から作り直す)という大きな誘惑があります。なぜなら、彼らは既存の古びたものを作るのではなく、今までにない新しいものをうみだすために雇われていると感じているからです。仲間からの賞賛や、賞の獲得、注目を浴びるような仕事ぶりが、コンベンションを最大限利用することに基づくものではないことはいうまでもありません。時には車輪の再発明に費やした時間によって革新的な結果がもたらされることもあるかもしれませんが、多くの場合はただの二度手間です」

20. 「優れたWebサイトを作るためにはテストが欠かせません。たった数週間の作業であっても、制作の過程で多くのことを知りすぎているため、対象をフレッシュな視点で見ることはもはやできません。きちんとワークするかどうかを確かめる唯一の方法は、テストなのです」

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おまけ:Steve Krugの動画3選(英語)

Do-It-Yourself Usability Testing with Steve Krug

Steve Krug Discusses Usability

Usability: Just One More Thing You Don’t Have Time For?

(翻訳:Asuka Nakajima)

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