フリーランスライターの年収は200万円未満が多い?年収別の特徴、収入の上げ方を解説

フリーランスライターの年収

近年、正社員を辞めてフリーランスとして独立する人が増えています。そんなフリーランスの職種として人気なのがライター。

未経験からもはじめやすく、在宅でも仕事できる案件が多くあります。また、独立までしなくても副業として手軽に始められる魅力も。

しかし、フリーライターはどれだけの収入を得られるのでしょうか? 今回は気になる平均年収から、高収入を得るためのコツ、フリーライターになるメリット・デメリットまで、一挙にご紹介します。

フリーランスライターの約30%は年収200万円未満!?

「フリーランスライターの平均年収は〇〇円!」というデータは、いまのところ存在しません。

しかし、フリーランス協会の調査『フリーランス白書2023』を見てみると、クリエイティブ・Web・フォト系、ならびに出版・メディア系のフリーランスの年収は以下のように示されます。

▲出典:フリーランス白書2023

いずれも年収400万円以下が半分以上を占めるとともに、エンジニア・技術開発系やコンサルティング系と比較しても、著しく年収が低い傾向にあります。

しかも、この調査は「経費を差し引く前の純粋な収入額」なので、手取りに直すと収入はさらに下がります。

また、マイナビ転職が実施した調査「職種別・業種別・年齢別モデル年収平均ランキング2023」では、職種別ランキングで記者・ライターが673万円、コピーライターが650万円、Webコンテンツ企画・制作が518万円、編集・校正が510万円という結果です。業種別ランキングになると新聞・出版・印刷が489万円となっています。

決して低いとはいえない数字かもしれません。しかし、フリーに限らず、大手の出版社や新聞社勤めのエリート記者も含めての平均と考えると、一概に安定しているともいえないでしょう。

以上の2つのデータから、フリーライターの年収は決して高いとは言えなさそうです。

副業ライターの収入も低い傾向

副業として始めるのであれば、仕事終わりや休日にライティングすることが多いでしょう。クラウドソーシングや個人ブログであれば、気軽に、時間の制限もなく執筆を開始できます。

しかし、クラウドソーシングは、案件によっては文字単価0.1円レベルの報酬もザラ。まともな仕事でも、未経験者だと文字単価が0.5〜1円スタートになることは珍しくありません。最初は執筆の時間もかかるので、時給換算すると目も当てられない金額です。副業ライターの収入データはありませんが、最初から高収入は難しいでしょう。

慣れてきて実績ができるとある程度報酬/執筆スピードは上がり、月5万円程度稼ぐのは副業でも難しくありません。ただし専門分野への知見や取材スキルがないと、労働時間に対して収入は低くなりやすいです。「無理に副業するなら、その時間に休んで本業に集中したほうがいいのでは?」という状況に陥ることも。

月5万円を軽く稼ぐには、人伝手で高単価の案件を紹介してもらうなどの工夫が必要です。

フリーランスライターの年収別特徴

フリーランスライターの全体的な収入は低い一方、年収1000万円超えのライターも確かにいます。つまり収入はピンキリということです。

クラウドソーシングを主体に書くのか、Web媒体と直接契約して書くのか、編集プロダクションを介して案件をもらうのか、はたまたWebではなく紙の雑誌に記事を書くのか……。それぞれで報酬も働き方も変わるフリーライターの世界ですが、今回は一例として、収入ごとのフリーライターの特徴をお伝えします。

年収200万円以下

月あたりの収入が20万円未満と、稼げていないフリーランスライターも少なくありません。クラウドソーシング主体のライターだと、専業でもこの金額になることはあり得ます。

原因は、スキルと実績がないため原稿一本あたりの収入が少ないこと。クライアントとの繋がりも少なく、案件をたまに振られる程度のため、クラウドソーシングを使ったり、自分から営業をかけたりして、つながりを増やしましょう。

既存のクライアントとの信頼関係を深めるほか、専門スキルの習熟に努めることも大切です。後述しますが、年収200万円以上のライターを目指すなら、ある程度の専門性が必要になります。誰でも書ける記事ではなく、自分のスキルで書ける記事を増やしましょう。

年収200〜500万円

このあたりになると、平均的なサラリーマンと同じくらいの収入。専業ライターとして、複数のクライアントから連載をもらえれば収入が安定するでしょう。

ある程度収入があるフリーランスライターは、確かな執筆スキルや得意分野を持っています。ただ、それ以上にクライアントや同業者の繋がりがあるゆえに、良い案件をもらうケースも多いです。スキルアップだけに偏らず、積極的に交流会にも参加してライター業界の繋がりを増やしてみては?

専門性を生かして記事を書けるようになってきたら、既存のクライアントとも単価交渉がしやすくなります。繋がりを増やして案件を紹介してもらうのはもちろん、既存のルートでより高い単価を狙いましょう。単価交渉のコツについては後述します。

年収500〜800万円程度

月あたりの収入が40万円を超えてくると、業界の中でも稼げているライターです。報酬が高い媒体を中心に執筆しているライターであれば、この年収を達成できる可能性があります。フリーランスライターとして、専門性を確立させ知名度がアップすることにより報酬も上がっていきます。

また、このラインに届いたライターは、ライティング以外にも編集やサイト運営など、何かしら別の仕事を並行していることがよくあります。ライター活動で得た経験やつながりは、執筆以外にも役立ちます。ライター業から、編集やディレクター職などキャリアを広げる道も検討しましょう。

年収800万円以上

800万円を上回るライターは、業界の中でも一握りの一流ライターといえます。ここまでくると、ただ単にいい媒体でいい記事を書くだけでは稼げません。ライター専業でこの金額を稼ぐには、自分自身がインフルエンサーになるか、ライターチームを組んで制作マネジメントに努めるなどの工夫が必要です。

金額的にも法人化が視野に入ってくるため、専業のライターは少ない印象。法人化して編集プロダクションの代表として活躍するライターをよく見かけます。

フリーランスライターが年収を上げる方法

1. 収入を上げるには「専門性」を身につけたい

大前提として、フリーランスライターは小説家でもエッセイストでもありません。クライアントから依頼される記事には、一つひとつ目的があります。社会問題に対して一石を投じたい、化粧品をPRして多くの女性に商品を買ってもらいたい、オシャレになる方法をモテない男の子に伝えたい。求められるのは目的を達成する文章であり、美しい文章表現ではありません。

その前提の上で、稼ぐライターは専門性がはっきりしています。

SNSで拡散されるような、いわゆる「バズ」目的にした記事を書くライター、グルメ情報のみ執筆するライター、恋愛にテーマを絞ったライター。専門性がひとつあれば、そのテーマに関する案件が他の人よりも優先的に回ってきます。

そうして案件数や実績がたまればライターの信用に繋がり、収入も自然と高くなっていくでしょう。専門性を高めていくこともひとつの道です。

ただし、専門性は専門性でも「誰でも真似できる専門性」はあまり武器になりません。たとえば、週に1本映画を見ていて、映画が好きだからといって「映画の専門ライター」を目指すと、おそらく挫折します。なぜなら、世の中には週に何本も映画を見ていたり、大学の映研で映像制作の経験があったり、経験豊富なライターが多くいるから。

一方、「確かにこの分野には詳しいけど、こんなの仕事にならないでしょ」という、ニッチな専門性でも仕事になるのがこの業界。誰にも真似できないニッチ分野の専門性は、強力な武器になります。

2. 数をこなして収入を上げるのは間違い

ライターが高収入を得るには、以下の2通りの方法があります。

  • 記事を大量に書く
  • 一本あたりの単価を高くしていく

前者はガムシャラさがあれば高収入に近づけますが、現役ライターの立場からするとおすすめできません。なぜなら、以下のような欠点があるからです。

  • 低単価の記事を大量に書いても、高単価の仕事にはつながらない
  • 人脈を広げたり、技術を伸ばしたりする時間が確保しにくくなる
  • 多忙になり、ワークライフバランスが崩壊しかねない

そのため、高収入ライターを目指すなら、基本となる単価を上げていくことをおすすめします。

単価を上げるには、以下のような方法で仕事の質を高めていく必要があります。

  • 専門性の高い分野(金融、アカデミック、マーケティングなど)のライターになる
  • 高単価の有名メディアで仕事を受ける
  • 自分自身の知名度を上げてPR案件を多く受ける

3. 既存メディアで単価交渉をする

スキルや専門性を磨きつつ、現在取引しているクライアントから受けている案件で単価交渉ができないかを検討しましょう。

自ら「この案件の単価を◯円上げてください」と提案するのは、勇気が要るかもしれません。ただ、発注側の視点から、以下のポイントをおさえつつ単価交渉をすれば通る可能性が高くなります。

  • 記事PV数を共有してもらい、上がったPV数を交渉アップの基準にする
  • 過去記事を分析したうえで新規企画を提案し、ともに単価交渉もする
  • 納品した記事数や関わった年数に応じて、単価交渉をする契約に変更する

ただ手放しに「単価を上げてください!」というだけでは、発注側も困ってしまいます。高単価に見合うスキルを磨くとともに、単価を上げるに値する交渉材料を集めておきましょう。

4. キャリアアップを視野に入れる

ライターとしてある程度の経験を積んだら、編集やディレクター職へのキャリアアップも視野に入れましょう。

売れっ子やベストセラー級のライターであれば、専業ライターのまま高年収を見込めるかもしれません。しかし、多くの人はライター+αのスキルを生かしてステップアップしています。また、スキルシェアサービスを使って知見をシェアしたり、スクールの講師になったりと、教わる側から教える側にまわる方もいるでしょう。

キャリアアップのためには、高単価の案件を探せるサービスを活用するのも手です。おすすめのサービスについては、以下の記事も合わせてご参照ください。

フリーランスライターのメリット

メリット1. 仕事を選べる

実績を重ね、収入が安定してくれば好きな仕事を選べます。本が好きなら本に関連する仕事ばかりをこなし、映画が好きなら映画に関連する仕事ばかりをこなすこともできるでしょう。

もちろん、嫌な仕事、嫌なクライアントであれば断るのも自由です。

メリット2. 朝の満員電車に乗らなくてすむ

フリーランスライターなら決められた業務時間がないので、何時に起きようが自由。

取材やクライアントとの打ち合わせも午後に調整できるため、息が詰まる朝の満員電車とは無縁の生活ができ、毎日のストレスがひとつなくなります。

メリット3. 憧れの人の話をマンツーマンで聞ける

実力がついてくると、インタビュー案件も増えていきます。テレビで見るような著名人や好きな作家に、直接話を聞く機会も得られます。

憧れの人に1対1で興味のあることを聞き、それを執筆することで収入になる。こんなに贅沢な仕事はそうありません。

フリーランスライターのデメリット

デメリット1. いつ仕事がなくなるか分からない

先月まで一緒に仕事をしていたクライアントが、予算の都合でライターを雇えなくなったり、そもそも媒体ごと消えたりするケースもあります。

リスクを分散するためにも、複数のクライアントと契約するのが無難です。

デメリット2. 自己管理が大変

業務時間が決まっていないため、自己管理は大変です。とくに仕事がない時期はモチベーションを保つのが難しく、時間に余裕があるため、ダラけがちになります。逆に仕事が増えると、自分のキャパシティを超えてしまうことも。

フリーランスで活動するなら、自分の特性や限界を知ることが大切です。

デメリット3. 孤独を感じやすい

Webライターであれば企画から執筆まで誰とも関わらず、記事が完成することもあります。Web上のやりとりはありますが、リアルの場で1週間も会話がないのは想像以上に孤独を感じます。

ただ、最近だとコワーキングスペースも各地にできているので、他人と作業するのも孤独解消にはいいかも。

デメリット4. 稼げるようになるまでが大変

フリーライターは自分の好きな仕事をでき、楽しいことも多いです。しかし、安定した収入をもらえるまでが大変。バイトをしながら下積みを続ける人も少なくありません。

始めるにあたっては、それなりの覚悟を持つべきでしょう。

まとめ

フリーランスライターの年収相場、年収を上げるコツについて解説しました。

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(執筆:issei、齊藤颯人 編集:Workship MAGAZINE編集部)

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