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「ライターには、マーケティング知識が必要?」
「どうやってマーケティングを学べばいいの?」
このように悩まれるライターさんも多いのではないでしょうか?
私がライター1年目だった頃、SEO記事の利点や書き方を学び、ライターにマーケティング知識は必須だと考えるようになりました。
そして、ディレクター業務が増え、「あくまでWeb記事は、マーケティング施策の一部」とわかってからは、Web記事のマーケティング的な役割が明確に。
そこで今回は、ライター兼メディアディレクターの私が、執筆経験とメディアディレクション経験をもとに「ライターに必要な5つのマーケティング思考」について、イラスト付きで解説します。
■補足
マーケティングの領域は広く、以下の要素によって必要な知識や定義が変わります。
- 業種
- BtoC、BtoB
- マーケティングの領域(SEO、広告、メルマガ、インサイドセールス)
今回は、筆者が主に扱っている「BtoB向けSaaS企業のSEO記事執筆」の経験から学んだことをベースに記事化しております。
ライターがマーケティングを学ぶべき理由は、主に以下の2つです。
ディレクターとして仕事するなかでも、SNSでも「良いライターが見つからない」と悩む声がよく聞かれます。
「良いライター」の定義は会社や個人によって異なるでしょう。ですが、恐らく、そのどれもに共通するポイントがあります。
それは、「目的に適した記事を書けること」。
そこで、マーケティングを学ぶのがおすすめなのです。なぜなら、マーケティング知識があると、以下のような目的を理解したうえで記事執筆できるため。
ライターのなかでも、こういった目的を理解したうえで執筆できる人はとても少ないため、差別化が図れます。
ただ指示通り記事を作成するのではなく、メディアのゴールを理解した提案ができれば、ライターとして重宝されるようになります。
記事内容や構成案の提案も効果的ですが、記事作成のうえで細かな配慮も意識しましょう。
■提案の例
今回の記事の読者は、貴社が提供しているサービスに興味を持つ方もいると思います。
リード文に訴求用のボタンを設置しようと思いますが、いかがでしょうか?訴求対象:https://xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
こういった提案も「クライアントがメディアを運用する目的」により変わるでしょう。メディアの現状や目的に合わせて柔軟な提案をするためにも、マーケティングの理解は必要不可欠です。
次に、5つの問いを踏まえて、ライターが持つべきマーケティング思考をご紹介します。
- メディア運用の目的は何だろう?
- Web記事に求められていることは何だろう?
- 「ホワイトペーパー」って何のためにあるの?
- お問い合わせや資料ダウンロードされた後は、何をやっているの?
- どうすれば、メディアの目的につながる記事を執筆・提案できるようになるの?
■補足:解説のために取り上げるテーマの紹介
今回は議事録を自動化する架空のサービス『Gijiroku Chopper』を例に、SEO記事を執筆する視点で解説を進めます。
メディアの目的はさまざまですが、ここでは代表的な2つをご紹介します。
以上、2つの課題を解決する方法として、次のような打ち手があります。
課題 | 打ち手 |
---|---|
メディアに読者を集める | 検索上位を獲得できる記事を書く |
自社サービスに興味を持ってもらう | 記事内で、自社サービスを訴求する |
SEO記事の場合「検索上位を目指すこと」は必須です。ただ、それに加えて「自社サービスへの訴求」も重視するとよいでしょう。
なぜならメディアには「顧客を獲得する入り口」といった目的もあり、そのために以下の方法で訴求しているからです。
(ホワイトペーパーの役割や例については、後述します。)
訴求対象が分かっても、Web記事でどのように訴求していいか悩むことも。ただ、リンクやボタンを置くだけでは読者はクリックしてくれません。「お問い合わせすべき理由を示すこと」が、とても重要です。
筆者の場合は、訴求対象のサービスに興味を持ってもらうために、以下の3点に気をつけて執筆しています。
- サービスの導入イメージを提示
- 導入後の費用対効果を可視化
- 今解決すべき理由につながる、付加価値を提示
BtoB企業、SaaS企業のWeb記事の場合、訴求したいサービスがあることがほとんど。しかし、言葉だけで読者にサービスの魅力を伝えるのは難しいかもしれません。
そのため、私は以下のようにサービスの導入イメージを文章 + 画像で紹介する形を取っています。
ただ、これだけ伝えても「サービスは確かによさそうだけど、実際に効果は出てるの?」といった疑問が湧いてしまうことも。この点を解消するために、費用対効果についてもまとめています。
費用対効果をまとめることで、サービス導入の稟議を通すうえで必要な情報もセットで渡すようなイメージです。最後にダメ押しの一手として、次のような付加価値につながる情報を載せることもあります。
このような付加価値に魅力を感じ、サービス導入につながる可能性もあります。
まとめると、
といったことを考慮しつつ、訴求につなげる文章を作るのが重要です。
ホワイトペーパーとは、下図のような目的を持ったお役立ち資料のこと。
検索キーワードに関連するホワイトペーパーをWeb記事で紹介することで、ダウンロードにつなげています。
ホワイトペーパーの効果はいろいろありますが、例をいくつか挙げてみました。
■メディアにおけるホワイトペーパーの効果
・ダウンロード時に、メールアドレス、企業名、担当者名などを獲得できる
→獲得したリストを活用し、次のマーケティング施策が打てる
・質の高い資料を渡すことで、企業の信頼が高まる
→お問い合わせにつながる可能性も
・社内の共有用の資料としても、利用してもらいやすい
→Web記事を読まない人(上層部など)にも、資料を見てもらいやすい
マーケティング施策の起点となる重要な資料のため、記事に役立つ情報も多く掲載されています。とくにBtoB記事執筆をしている方はメディアが訴求しているサービスのホワイトペーパーを確認してみましょう。
「お問い合わせ」や「ホワイトペーパーのダウンロード」があった後、次のように商談につなげる流れとなります。
- 【メディア】記事内でホワイトペーパーのダウンロードページを紹介
- 【メディア】企業の情報を入力してもらい、ダウンロードページのURLを送る
- 【マーケチーム】獲得した企業情報を元に、電話やメールで連絡する
- 【マーケチーム】電話やメールで顧客と接点を持ちつつ、商談につなげる
たとえば以下のように、メディアを起点にした営業戦略を立てている企業も。
お問い合わせやホワイトペーパーのダウンロードが少なければ、商談につながる可能性も減ってしまいます。
この点を理解すると提案がしやすくなります。たとえば、以下のようなものです。
では、どのように記事執筆を進めていけばよいのでしょうか。
メディアの目的につながる記事を書くためには、次のようなステップがおすすめです。
- メディアの目的、訴求対象を確認する
- キーワードや構成を確認後、クライアントに訴求ポイントを聞く
- 営業資料やホワイトペーパーを読む
- サービスで解決できる課題や機能を一覧化し、訴求ポイントを整理する
目的がイメージしづらい方は、メディアにホワイトペーパーがないか確認しましょう。ホワイトペーパーを読むと、次のように「悩み→解決できる課題」がまとまっています。
ただホワイトペーパーをWeb上からダウンロードすると、クライアントにメールや電話などの対応コストをかけてしまいます。そのため、クライアントに「記事を書くために、ホワイトペーパーを見たい」と伝えてみるとよいでしょう。
こういった資料も読みつつ、クライアントのゴールの確認をして執筆を進めていくのがおすすめです。
マーケティング的な視点から、ライターが重要にすべきポイントは以下になります。
- メディアのゴール、訴求対象を確認する
- 訴求するための情報整理を行う(ホワイトペーパーの確認など)
- Web記事から商談に繋げるために、記事の訴求ポイントを考える
いきなり全て考えるのが難しい場合は、クライアントにメディアのゴールを質問してみるとよいかもしれません。「同じ目線で記事を書いてくれている」と思ってもらえれば、次の仕事につながる可能性もあります。
ぜひ、マーケティングを学んでライターの仕事の幅を広げてみてくださいね!
(執筆:しろ 編集:北村有)
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