エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「周りをなんとか見返そうと働いていたら、売上やフォロワー数といった数字ばかりに固執してしまった」
そんな「数字沼」に、あなたは陥っていませんか?
今回はフリーランス4年目の執筆屋・あんちゃさんに、復讐心がもたらしたしくじり経験をお話しいただきました。
目の前の数字に執着するあまり、精神をすり減らしてしまったあんちゃさん。今回を機に、あなたも働く目的を取り戻しませんか?
ライター・編集者。考えること、書くことが生業です。駆け出しフリーランス時のあんちゃさを知る私が、根掘り葉掘り聞いてきました!
目次
ヌイ:本日はよろしくお願いします。
あんちゃ:よろしくお願いします。
ヌイ:あんちゃさんはフリーランス4年目ですよね。いろいろな経験があったかと思いますが、「しくじったな」ということはありましたか?
あんちゃ:はい、しくじったことはたくさんありますね(笑)。中でも一番のしくじりは「気づいたら数字ばかりを追っていて、大切な目的を見失っていた」ことです。
ヌイ:数字ですか。
あんちゃ:月収やブログのアクセス数、SNSのフォロワー数に執着してしまって。数字ばかり追っていたら、発信活動をしている本来の目的を見失って、迷子になってしまったんです。
ヌイ:そうだったんですね。数字に執着してしまった原因は何でしたか?
あんちゃ:一言で言うと、「見返したい」という復讐心が行き過ぎてしまったことでした。
私は2年間の会社員を経て、2016年5月にブロガーとして独立しました。当時「ブロガー」という働き方はまだまだ特殊で、「Webで稼ぐ」のがいまよりも珍しかった時代です。
そんな中、自身のブログで「会社員を辞めて、ブログで食っていきます!」という記事を公開したら炎上して、ネット上でかなりの誹謗中傷を浴びました。
ヌイ:実は当時のあんちゃさんのブログを読んでいました。見ていて第三者の私も傷つくくらい、批判が飛び交っていましたね……。
あんちゃ:ひどい言葉はかなり浴びましたね(笑)。長文のDMで「お前が上手くいかない理由」が届いたり、「人生終わったwww」と批判を受けたり。
いまならとくに気にしないのですが、当時は「なんで見ず知らずの人に言われなきゃいけないの?」とヤケになってしまって。ふつふつと、自分の中でドス黒い復讐心が芽生えてしまったんです。
ヌイ:「バカにされた分、見返してやるぞ!」と。
あんちゃ:そうですね。ネット上の知らない人だけでなく、私の周りにいる知人にも「いまさらブログ? 無理じゃない?」と呆れられたこともあり、とても悔しくて。
バカにしてきた人や、批判してきた人を黙らせるためには「数字で結果を出すしかない」と思ったんです。
でもそしたら、いつの間にか「数字」と「結果」ばかりに執着していたんですよね。「あれ、私って数字を伸ばすために発信してたんだっけ?」ってなってしまって。
ヌイ:なるほど。駆け出しフリーランスの多くが通りそうな道ですね……。
あんちゃ:「見返したい」という気持ち自体が悪いわけじゃないんですけどね。私の場合は、そういう感情に支配されてしまったのが良くなかった(笑)
さらに辛かったのは、「数字を出せない自分には価値がない、必要とされていない」と思い込んでしまっていたことですね。精神がすり減っていきました……。
ヌイ:数字に執着する沼にハマってから「このままじゃいけない」と思ったわけですよね。脱却しようと思ったきっかけは何でしたか?
あんちゃ:フリーランス3年目に入る2018年9月頃に言われた、私をよく知る人の一言が、ターニングポイントとなりました。
「正直、いまのあんちゃは魅力が出ていないんじゃない?」と言われたんです。
ヌイ:結構、グサッと来る一言ですね……。
あんちゃ:心臓にグサグサ突き刺さりましたね(笑)。その人は経営コンサルをされている方で、私の活動を長年、客観的に見てくれていました。
ヌイ:その方はあんちゃさんのどんなところを見て、「魅力が出ていない」と判断したのでしょうか?
あんちゃ:やっぱり、数字に固執していたことでした。
「数字で結果を出して、周りを見返してやる!」という気持ちがブログやSNSで発信する言葉に表れていて、見え見えだったみたいです。
ヌイ:なるほど。本来のあんちゃさんの魅力を知っている人だからこそ、違いを強く感じたのかもしれませんね。
あんちゃ:そうですね。ただ長年の信頼がある人の言葉であっても、当時の私は反発してしまいました。それなりに自分の力で結果を出してきたつもりでしたし、内心「あなたに何が分かるの?」って思って。
でもその人の言葉はやっぱり刺さっていて、ずっと自分の中で違和感があったんです。「いまのままで発信し続けて、大丈夫なのかな?」「いまのスタイルが、本当に在りたい姿なのかな?」って。
その後、その方のアドバイスも一理あるなと思い直し、よく考えてみることにしました。
そしてもう一つ、自分の中で大きなできごとが起きたんです。
ヌイ:大きなできごとですか?
あんちゃ:はい。とある女子高生から、メッセージをもらったんです。
ブログで「手汗のコンプレックス」についての記事を書いたのですが、わざわざお問い合わせフォームから「私も手汗で悩んでいて、ずっと誰にも言えずに悩んでいたのですが、記事を読んで救われました」ってかなり長文のメッセージを送ってくれたんです。
このときに、「私が発信する目的ってこれだな」って、改めて思い知りました。誰かが悩んでいるときに、希望を見いだせるきっかけを作っていきたいんだなって。
ヌイ:なるほど。読者からの言葉が、自分が本来在りたい姿を気づかせてくれたのですね。
あんちゃ:そうですね。
長年気にかけてくれている知人のアドバイスと、読者からのメッセージが重なって自分を見直すきっかけとなり、私が発信する本当の目的を見つけられました。そこから、今後の活動の方向性を定めましたね。
ヌイ:本来の目的を取り戻して1年半。いまはもう、数字ばかりへの執着から抜け出したんですか?
あんちゃ:そうですね。いまは考えがガラッと変わりました。
ヌイ:どんな考え方になったんですか?
あんちゃ:いまは「人が大事」ですね。
あんちゃ:「何をやるか」も大切ですが、「誰とやるか」や「誰のためにやるか」を、より大切にしています。人ベースに考えた方が、私は幸せだなって思い直したんです。
ヌイ:あんちゃさんと言えば、「好きなことを仕事にする」というイメージが強かったので、少し意外でした。
あんちゃ:確かに前は「好きなことを仕事にする」ことが、自分にとって一番幸せだと思っていました。もちろん、実際に好きなことを仕事にしてきましたし、それはそれで幸せです。
でも結局、分かり合えない人たちや、同じ方向を向いていない人と仕事をしていても、あまり幸せではないんですよね。
ヌイ:好きなことを仕事にできても、関わる人が合わないと違和感を感じるんですね。あんちゃさんが一緒に仕事をしていきたいのはどんな人ですか?
あんちゃ:そうですね……。自分の中に「こんな生き方をしたい」という軸がある人や、私利私欲で動いていない人ですかね。
自分の利益ばかり追っていると、相手のことをないがしろにしてしまう可能性もあって。自分のことと同じくらい、相手のことを大切にできる人と一緒に働きたいです。
ヌイ:最後に、以前のあんちゃさんのように数字ばかりに執着してしまっているフリーランスがいたら、なんと声をかけますか?
あんちゃ:お金を稼ぐことは、もちろん大切です。生きていく上で必要不可欠なので。
ただ、お金や数字ばかりに執着していると、「何のために働いているのか?」という根本的な目的を見失いやすくなります。「自分がなぜいまの活動をしようと思ったのか? どこを目指しているのか?」を、いつも忘れず大切にしてほしいです。
ヌイ:働く目的が大切なんですね。ではもし目的を見失ってしまったら、どうしたらいいですか?
あんちゃ:シンプルに「どんな人の役に立ちたいか? もしくは貢献できそうか?」を考えると良いと思います。
たとえやっているのが好きな仕事ではなかったとしても、「好きな人」や「手助けしたい人」のために動いていたら、少しずつ楽しくなることがあると思うんです。私も、もともとは好きでブログを始めたわけじゃないですしね。
「あなたのお陰で助かったよ」と感謝されることが、「これをやっていてよかったな」と思える瞬間になるなって。
「どんな人と仕事をしたいか」「どんな人の役に立ちたいか」で、仕事の価値観や目的を形成してみると、働くことがより有意義になると思います。
(執筆:ヌイ 編集:はつこ 撮影:モリ タカミツ アイキャッチデザイン:奥貫あずさ)