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デザイナーにもユーザーにも存在している認知バイアス(※)。
デザインをする工程からユーザー体験まで、あらゆることに影響を及ぼします。
今回は、デザイナーが知っておきたい7つの認知バイアスについて解説します。
※認知バイアス:心理学用語。おもに、これまでの経験や固定概念、認知のクセなどによって非合理的な判断をしてしまう心理現象を指す。
目次
私たちは潜在的な心理として、社会や環境、人のためになるものを選ぼうとします。そのため、利益を追い求めすぎずコミュニティに配慮している企業は、ユーザーから選ばれる可能性が高くなるのです。
製品が社会的役割を果たしていることをユーザーにアピールすると、ユーザーはその製品に対して価値と信頼を感じるようになり、他よりも尊重し始めます。さらに、こうした印象はブランドイメージにもつながります。
ノーブルエッジ効果はUXの核であり、ユーザーへの配慮とも言えます。
デフォルトバイアスは「すでに確立された行動を変えたくない」といった心理に基づいたバイアスです。
デフォルトバイアスは、私たちの潜在意識下に強力な習慣として根付いています。行動だけでなく、製品の選択にも影響を及ぼすのです。
たとえばユーザーが慣れ親しんだ体験をデフォルト設定として用意し、それをカスタマイズできるようにしましょう。よりユーザー体験がスムーズになります。後述する「ハロー効果」とも一致しますので、あわせて確認してください。
大切なのは、デフォルトの設定をユーザーにとって使い慣れたものにすることです。
ある対象を見たとき、最初に肯定的な印象を持ったら、それを全体にも当てはめてしまうのがハロー効果です。
ハロー効果は、現実世界でも目にすることが多い認知バイアスのひとつ。たとえば人は魅力的な容姿に肯定的な印象を持ちやすいため、看護師はかわいい赤ちゃんの世話により多くの時間を費やすそうです。
もちろんデジタルの世界でも、ハロー効果には大きな意味があります。ユーザーが最初にポジティブな印象を持ってくれれば、その後もポジティブな印象が続く可能性が高いのです。
自己奉仕バイアスとは、成功したときは自分の能力によるものと考え、失敗したときは運が悪かったと考えるバイアスです。
たとえばネガティブなフィードバックを受けても、自分の長所に意識がいって欠点を見落としてしまうケースが考えられます。
デザインの目的にもよりますが、自己奉仕バイアスに適応するのはそれほど難しくありません。もし失敗の抑制を目的とするならば、失敗の原因を詳細に伝えるデザインが有効です。逆にユーザーの成功を祝う場合は、祝福して応援するようなデザインが効果的です。
グルーピングとも呼ばれるチャンキング。情報をグループ化すると記憶に残りやすい事象を指します。
たとえば、ナビゲーションを項目ごとに分類すると、ユーザーは選択しやすくなりますよね。チャンキングをデザインに応用すれば、ユーザーの操作性を向上させ、ちがう領域間に連続性をもたせられます。
チャンキングの素晴らしい例としては、AppleのWebサイトが挙げられます。
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北欧発のインテリアブランド・IKEAが採用する、家具の組み立て方式に由来したIKEA効果。自分自身が製品を作る工程に関わることで、その製品に価値を見出すようになるバイアスです。
これは、デジタル製品にも応用できます。カスタマイズやパーソナライズ、ユーザーの意見を取り入れたオンボーディング体験、ユーザーの要望が製品の一部に反映されていることをアピールするなどして、ユーザーにも製品やサービスに関わってもらいましょう。
権力者の発言に価値や信頼性を帰属させてしまうのが、権威バイアスです。
倫理的に正しいかどうかは別として、権威バイアスを使えば「専門家の意見」でユーザーを納得させられます。
たとえば非常に高い専門的知識を持っている人なら、自分のUXを標準化したり、次世代に自分の説を教えることも可能でしょう。
人間の潜在意識の動きを理解しておけば、ユーザーに優れた体験を提供できるだけでなく、スムーズに誘導するデザインを実装できるはずです。今回紹介した7つの認知バイアスを頭の片隅に入れておき、デザインに活用してみましょう。
(執筆:Zacharia Curtis 翻訳:Asuka Nakajima 編集:北村有 提供:UX Planet)
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