エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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ナショナルジオグラフィックとは、1888年に創刊されたアメリカの雑誌。1995年からは日本語版も創刊され、一般向け自然科学誌としてはその権威性を保持しています。
出版業界が衰退した今でも多くの人に認知され、読まれている理由は、SNSマーケティングにありました。
ストーリーテリングを中心としたSNSマーケティングのコツを、ナショナルジオグラフィックを例に紐解いてみましょう。
目次
ナショナルジオグラフィックはテレビ界ではNo.1、印刷媒体ではNo.2の影響力を持っているビッグメディアです。彼らのSNSアカウントは、 Instagram、Pinterest、Facebookの各プラットフォームに存在しています。
なかでもInstagramのフォロワーは8100万人以上。SNS上での投稿に対するアクション数は約5億8千万件。1日あたり158万件余りの「いいね!」を獲得するといった、正にSNS界でもトップレベルのブランド力を誇っています。
では、彼らは一体どのようにフォロワーに投稿内容に注目させ、エンゲージメントを成功させているのでしょうか。
Instagramのフォロワーを増やすためにハッシュタグ選びに躍起になっている人がいたら、今すぐ方向転換を。写真と、その被写体を魅力的に見せるストーリーを掲載しましょう。ストーリーテリング戦略は、今後SNSで当たり前の手法になります。
ソーシャルメディア内には膨大なコンテンツが溢れています。それらの多くはユーザーにとって騒音と同等。おざなりにアップロードされた使い回しの画像ではなく、オリジナリティとストーリーのある画像であると、伝えなければなりません。ナショナルジオグラフィックは、この手法を用いて、なぜこの画像を見なければいけないのか、根気よくユーザーに語りかけ、エンゲージメントにつなげています。
ナショナルジオグラフィックと言えば、ハイクォリティで、色彩豊かな画像が特徴です。これが、ユーザーの目に留まり、アクションを促しているのです。そして、この画像の背景で一体何が起こったのか、詳細を記載することで、その世界に導いているのです。
Instagramだけで、8100万人以上のフォロワーを誇るナショナルジオグラフィック。pintarestでも、目を奪うような、クリエイティブプラットフォームを実現しているのです。そこではInstagaramとはうって変わって、多くを語らず、クリエイティブだけで、ユーザーを魅了し、人気を博しています。
Instagramでは、クリエイティブと物語でユーザーを魅了し、何度でも訪れたくなるようなプラットフォームを手がけているのである。この2つの組み合わせが、とても重要なことなのです。
大体、一投稿あたり約8秒以内にユーザーの気を引けるかどうかが鍵となってきます。文字はBoldで、常にプロのカメラマンが撮影した、美麗な写真を掲載し続けています。
その文書が、いかに面白く、非日常的で、ショッキングなものかによって、ユーザーの反応が得られるか決まるのです。ユーザーの感情を喚起するものが、拡散され、人々の注目を集めることができるのです。
ナショナルジオグラフィックは、この鉄則を活用して、ユーザーとのコミュニケーションを成立させています。
他を逸脱しインパクトのあるものであればあるほど、あっという間にファンを作れます。
上記の投稿は、一風変わったクリエイティブと、わかりやすい説明でストーリーテリングを行なっています。ほとんどのユーザーが経験したことがない一瞬を切り取った画像です。テキストが丁寧に書かれていることで、画像をみたユーザーは、まるで自身が体験したような気持ちになれます。なにが、そんなに魅力的なのか。特徴は、『more』ボタンをクリックしたくなるような文書記載にあります。『more』の少し下に鍵となる文章を組み込むことで、ユーザーの知識欲求を刺激します。
この画像を見た時、これは一体なんなんだ、と自身に語りかけるかもしれません。ナショナルジオグラフィックは、これに対して、3行では、わずかな情報しか与えず、moreに記載するようにしています。
「なんて巨大な花崗岩!!」というインパクトのある画像。彼はここで何をしているのか、そして、ナショナルジオグラフィックはこの花崗岩に関して、投稿内で多くを語ってくれています。
歴史に基づいた感動的なシーンや現代に起こった事件に基づく、ワンシーンなどもその一例です。
このように投稿に書かれるコメントは、エンゲージメントに深く関係してくる重要なものです。例えば、こぶしを挙げる絵文字。これを使うとユーザーが全文を読みたくなり、どうしてこの画像を使っているのか、背景にある内容に関心を示すアクションを起こすきっかけにもなります。
感動的な画像やきっかけは、上記のように最近起きた自然災害などの余波を伝える際に活用することもできます。ハリケーンイルマが起こった後、ユーザーに自然災害によってもたらされた悲劇を忘れさせないために、ストーリーテリング形式で、出来事の背景を記載した投稿を行いました。中央・北アメリカに多大な被害をもたらしたこの災害を写した投稿に対して、痛みや苦しみを感じたユーザーの反響を得ました。災害によってもたらされた被害を受けた人々に対し、畏敬の念を持たずにはいられない、そんな投稿となったのです。
ナショナルジオグラフィックと同じような戦略で、成功を収めている企業にHumans of New Yorkがあります。ナショナルジオグラフィックのように高画質の画像を投稿することで、7年のうちにFacebookで約2000万のフォロワーを獲得しています。
どの写真も、ユーザーを魅了し、信頼を与えられるような作品であることは間違いありません。これらは個人に向けたものであり、企業戦略という要素を含めながらも、消費者の心を打ち、企業とつなげる写真となっています。
コンテンツマーケティングとしては、企業のプロモーション要素を欠くことは、大きな欠点となります。では、なぜナショナルジオグラフィックの写真はユーザーに信頼を得ることができるのでしょうか。それは、彼らが人の魅力を伝え、ユーザーとのコミュニケーションを構築している会社だからです。
彼らはマーケティング戦略に特化した画像だけをではなく、動画も頻繁に投稿しています。FacebookやInstagaramでは、動画は自動再生される設定になっているので、それまで無音になっていることもポイントになってきます。そのため、メッセージを伝えるのは至難の業と言えるのですが、ナショナルジオグラフィックはどのようにユーザーとの関係性を構築しているのでしょうか。
まず、第一に彼らのオーディエンスは、投稿に音付きのクリエイティブを求めていないことが挙げられます。その傾向を掴み、最近360°動画が挙げられます。ユーザ―本人がクリエイティブに触れ、世界観を楽しむことができ、言葉だけでは伝えきれない魅力を体感してもらうことができるのです。この動画を使うことで、ユーザーの心に訴える言葉を使わずに自然の世界観を伝えることができるのです。
ナショナルジオグラフィックでは、VRやARのような動画を使用する場合、サブタイトルを使うとクリエイティブとしての価値が後退してしまう可能性があります。しかしながら、360°動画を作れないのであれば、通常の動画でも構いません。ユーザーを特定の世界観を旅しているような気分にできるようなクリエイティブを目指しましょう。
一方で、彼らはソーシャルメディアだけではなく、雑誌でも自由に楽しくコミュニケーションを行っていることが分かります。今まで、ずーっとこのプラットフォームを見て来ましたが、この経験を通して、ソーシャルメディアにとどまらず、雑誌を購買して、もっと深くまで様々な世界を知りたいと思いました。
私自身が知ることのできない128年の歴史を語ることのできる、ナショナルジオグラフィック。そんな彼らのランディングページは、シンプルで、真っ白い背景にCTAはBoldという、見やすいサイトデザインでした。
ユーザーの気を惹けないコンテンツの共通点として、平凡で内容が不十分という点が挙げられます。ユーザーの好反応を得たいのなら、下記の項目を満たすことをお勧めします。
この項目をすべて満たしたナショナルジオグラフィックはSNSでも圧倒的な人気と存在感を誇っています。SNSのユーザーとのコミュニケーションを怠らなかった結果、リアル世界でも雑誌の購買へとつなげています。
彼らの投稿を参考に、ユーザ―目線に立った投稿を心掛け、マーケティングを行ってみてください。
(翻訳:Yuka Uchiyama)