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ギグエコノミーとシェアリングエコノミーは似て非なるもの?共通点と違いを解説

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近年、ギグエコノミーやシェアリングエコノミーといった新たな経済形態が、従来の経済システムに替わるものとしてフリーランスや副業ワーカーから注目されています。

しかし、ギグエコノミーとシェアリングエコノミーは互いに類似の要素を多く持つ言葉であり、混同されて用いられている例がよく見られます。

そこで本記事では、ギグエコノミーとシェアリングエコノミーの違いを明確化し、それぞれの理解を深めていきたいと思います。

ギグエコノミーとシェアリングエコノミーとは

まずはギグエコノミーとシェアリングエコノミーとはどのようなものなのか、それぞれ簡単に見ていきましょう。

ギグエコノミーとは

ギグエコノミー ピクト

ギグエコノミーとは、単発の仕事を受注するワークスタイルと、それによって成立する経済です。「ギグ(gig)」とは、単発または短期間の仕事を表す言葉。

単発やプロジェクト単位で仕事に関わる個人のワーカーが多いのが特徴です。そのためワーカーはひとつの企業に限らず、さまざまな会社と仕事をする場合があります。
ワーカーは企業に縛られることなく、自分のやりたい仕事、スキルを活かした仕事をすることができるため、フリーランスをはじめとした自由で満足度の高い働き方を求める人に注目されています。

2015年頃にamazonの宅配サービスがギグエコノミーの仕組みを導入したことで話題になり、その後だんだんと広まりを見せつつあります。その他にも配車サービス『UBER(ウーバー)』などがギグエコノミーを実現した例として有名です。日本では『クラウドワークス』などのクラウドソーシングプラットフォームが提供されています。

2018年4月には『Workship』というプロジェクト単位で仕事の受発注ができるサービスもローンチされました。

シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミー ピクト

シェアリングエコノミーとは、個人が保有する遊休資産を貸し出し、有効活用することで成立する経済形態です。「モノのシェア」の考えが土台にあります。

遊休資産には使っていない物件や土地、車などだけでなく、個人が保有するスキルなども含まれます。副業ワーカーやパラレルワーカーなどが多く参画しています。
うまく活用されていなかったモノを再検証し、モノを欲している人にシェアするという考え方は多くの人に受け入れられています。

シェアリングエコノミーは2008年に生まれた民泊マッチングサービス『Airbnb(エアービーアンドビー)』を草分けに、欧米を中心にグローバルへ広まっているようです。日本でもシェアサイクルなどが展開されており、徐々にシェアエコミーは広まっています。

ギグエコノミーとシェアリングエコノミーの共通点

共通点1. インターネットを土台においた経済形態

いずれもインターネットをはじめとした情報テクノロジーの進歩と普及がその土台にあります。
PCやモバイル端末が普及することで、誰もが不特定多数に仕事を依頼できるようになり、同時に誰もが仕事を見つけられるようになりました。

仕事の受発注を行うWebサービスやスマホアプリも共通のものが用いられている場合が多く、両者の違いを明確にしたサービスやプラットフォームはありません。

共通点2. 「シェア」という考え方

シェアリングエコノミーはその名の通り、「モノのシェア」の考え方を基本としています。使っていないモノを必要な個人にシェアすることで、遊休資産が有効活用されることを理想としています。

一方、ギグエコノミーも企業側により「人材のシェア」の考え方があります。優秀な人材は社会にとって有益なアウトプットを生み出しますが、特定の企業で抱え込んでしまうことでその幅を狭めてしまう可能性があるでしょう。
ギグエコノミーでは優秀な個人が案件単位で企業に参画することで、ざまざまな現場で幅広いアウトプットを生み出せます。企業が個人をシェアするという考え方ができるでしょう。

共通点3. 関わる労働者のタイプ

ギグエコノミーもシェアリングエコノミーも、参画するワーカーの性質はほとんど共通しています。

個人事業主としてフリーランス活動している人や、副業ワーカー・パラレルワーカーの多くがこれらの経済圏の中に存在しています。一方、一般的なフルタイムワーカーは少ない傾向にあります。
新しい働き方を求めるワーカーが、ギグエコノミーやシェアリングエコノミーに参画していくのでしょう。

ギグエコノミーとシェアリングエコノミーの相違点

相違点1. 焦点が「モノ」か「働き方」か

シェアリングエコノミーは、遊休資産の有効活用に焦点が置かれています。つまり、資産という「モノ」にフィーチャーした考え方です。

一方ギグエコノミーは、より労働者の「働き方」の部分にフィーチャーしたものです。自身で勤務時間や働く場所を決め、自由で柔軟な働き方を求めることにギグエコノミーの価値があります。

相違点2. ギグエコノミーは「ヒト」、シェアリングエコノミーは「モノ・ヒト」をシェア

ギグエコノミーでは、個人が様々な案件に参画し、経済活動を行います。
言い換えると、複数の企業(仕事の依頼主)が一人の「ヒト」をシェアしているとも言えます。

一方シェアリングエコノミーでは、特定の物件や車、スキルなどを複数の会社・個人が利用します。
すなわち、複数の企業・ヒトが一つの「モノ・ヒト」をシェアしているということです。

この点において、シェアリングエコノミーはギグエコノミーを内包する関係にあります。

相違点3. 資産の要否

シェアリングエコノミーは資産の有効活用が基本の考えとしてあります。そのため物件や車、個人のスキルなどの「資産」を所有していることが前提です。

一方、ギグエコノミーに資産は必須ではありません。案件ごとの労働力が担保されることによって仕事は成立します。
もちろん、スキルなどの資産がある方が、企業にとってもワーカーにとっても有益な経済活動が行えるでしょう。

(執筆:じきるう 編集:まえかわゆうか)

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