エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「マイクロコピー」をご存知でしょうか。WebサービスやアプリUI上に点在する、数文字から数行程度のテキスト(フレーズ)のことです。
CTAボタンや入力フォームの周辺で用いられることが多く、売り上げやクリック率に直結すると、マーケターやアフィリエイターを中心に注目を集めいています。
話題の中心にいるのは、オレコン株式会社・山本琢磨氏。海外で進んでいた「マイクロコピー」という考え方を日本に持ち込んだ第一人者です。
この記事では、同社が開催した『マイクロコピーライティング1Dayセミナー』の内容を元に、マイクロコピーとはどのようなものなのか、どのような実践例があるのかをご紹介します。
言葉で語るよりまずはひとつ、実例を見ていきましょう。
マイクロコピーの代表例として山本氏があげたのは、Facebookのトップページに置かれているプレースホルダーです。
入力欄に書かれている「今なにしてる?」に注目。
山本:「Facebookは、ユーザーへの働きかけにあえてタメ口を採用しています。”あなたの現在の状況についてご記入ください”なんて丁寧に書いても、誰の心にも響きませんよね。あえて親しみのある言葉を使うことで、何を記入すればいいのか相手にイメージさせています」
丁寧すぎる言葉選びのせいで、アクションを阻害している可能性があると山本氏。ユーザーの感想を想像し、より適切な温度感でコミュニケーションをとる必要があります。
このように、数文字から数行程度の文字を追加・改善するだけでコンバージョン率をあげようというのが、マイクロコピーの考え方です。
山本:「マイクロコピーは次のような場面で使われます。オンラインアンケートに回答して欲しいとき、自己紹介欄を埋めて欲しいとき、フォーラムサイトに投稿をして欲しいときなど。ユーザーに何かしらのアクションを起こしてもらうための、ひと押しに有効なのです」
2017年秋頃からデザイナー界隈で話題になっている「UXライティング」もまた、サイトやアプリ内の細かなワーディングに着目した概念です。
GoogleやSpotifyが採用開始した”UXライター”とは?マイクロコピーやコンテンツにもUXが必要!
Workship MAGAZINE
山本:「いずれも文字を改善することによってユーザーの使い心地ををよくしていこうという目的を掲げていますが、マイクロコピーはよりコンバージョンを意識した戦略です。UXは計測が難しい場合が多いですが、マイクロコピーは成果を必ず計測できます」
では、CTAボタンの周辺のたった数文字は、どのような成果をもたらすのでしょうか。
山本:「とあるメルマガ業者が、CTAボタンの付近に2つの要素を追加しました。ひとつは個人情報保護について、もうひとつは、いつでも登録が解除できるというものです。その結果、メルマガの登録率が33%も向上しました」
メルマガを登録することで被る可能性のある弊害(登録解除方法がわからない)についての不安を、マイクロコピーによって解消しました。
ここからはより詳しいマイクロコピーの実践事例をご紹介します。
イベント中で語られたポイントや実例の一部をまとめました。
商品リンクの周りにマイクロコピーを入れて、クリック率をあげた例として、とあるアフィリエイトブログを例にあげました。
「学校の先生に評価の高い2冊」というコピーを入れただけで、クリック率がなんと2倍になったそうです。このように、わずかな文言でユーザー行動を喚起することもできます。
出典:【実践】マイクロコピーでクリック数・CTRが爆上げした話
世界的民泊サービスの『Airbnb』でもマイクロコピーは活用されているとのこと。
上のスクリーンショットは、ホスト側のプロフィール編集ページです。
個人宅に泊まるというサービスの性質上、ホストと旅行者の双方がどんな人なのかがわかるようになっている必要があります。
一方、多くのサービスでは自己紹介欄を十分に埋めてもらうのが難しいです。Airbnbは自己紹介欄の下に、埋めて欲しい内容例を具体的に記載し、ユーザーの行動を喚起しました。
会員登録などでよく用いられる「同意する」ボタンも、マイクロコピーによって改善できます。
上の例は、何か違和感を感じませんか? 違和感の正体は、二重に同意をさせていること。
ラジオボタンで「同意する」をチェックさせておきながら、ボタンの文言でも「同意して…」と続いています。山本氏は、これがユーザーのストレスになっていると指摘。
このように同意のポイントをチェックボックスにするのもよいですし、
ボタンそのものを同意ボタンにしてしまうのもよいでしょう。
サービスサイトを眺めていると、サービスを「無料で使う」などの文言が書かれたCTAボタンをよく見かけます。無料とさえつけておけばいいのでしょうか。山本氏は、さらにひと工夫が必要だと語りました。
山本:「無料と書いてあったとしても”どうせ後に有料になるんでしょ”という感想を抱かれてしまいます。次のページではクレジットカードの情報を求められたり、電話番号を聞かれたりすることが億劫でなりません」
そんな不安を解消するために、次に訪れる展開を具体的に想起させる、以下のような一言を入れましょう。
セミナー中に山本氏が繰り返したのは「まずはコピーを変えてみて、効果を計測をしてみてください」というメッセージでした。仮説と検証の繰り返しによって、サイトやアプリのマイクロコピーを改善していくことこそが、売り上げアップへの第一歩です。
なお、オレコン株式会社では、マイクロコピーのオンラインメール講座を受講することができるようです。また、関東圏ではマイクロコピー1Dayセミナーが不定期で開催されています。
興味のある人は、こちらをのぞいてみてはいかがでしょうか?
(記事作成協力:オレコン株式会社)