エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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こんにちは、Workship MAGAZINEライターのじきるです!
みなさんは「Dapps」をご存知ですか? Dappsとは「分散型アプリケーション(Decentralized Applications)のことで、ブロックチェーンの仕組みを利用した非中央集権型のアプリケーションのことです。例えばビットコインやイーサリアムなど、多くの仮想通貨はDappsといえます。
Dappsは2017年末から話題になり始め、現在はDappsが続々とリリースされていますが、読み方すらわからない!なんて人も多いのではないでしょうか。
今回はDappsについて、初心者でも理解できるよう簡単に分かりやすく解説していきます。
「Dapps」は、「ダップス」や「ディーアップス」などと呼ばれています。
実はDappsは読み方がまだ正式には決まっていません。欧米では「ディーアップス」と呼ぶ例も多く見られますが、日本では「ダップス」の方が優勢と思われます。
また、その表記方法も統一されておらず、「Dapps」「dApps」「DApps」「dapps」など様々です。「Dapps」と「DApps」の勢力がやや強いため、これらのいずれかが生き残る可能性が高いでしょう。(本記事では「Dapps」で統一します。)
Dappsに投資するAIMIA Inc. CEOのDavid Johnstonらの定義を参照すると、Dappsとは以下の要件を満たすものとされています。(参考:AIMIA Inc. CEOのDavid Johnston)
Dappsを管理する個人・企業は存在しません。
オペレーションは全てアプリケーションによって自動で行われる必要があります。
アプリケーションは完全にオープンソースでなければならず、誰でも自由にアクセスし利用・改善・頒布できる必要があります。
なおアプリケーションの改善には、当該Dappsユーザーの合意が必要です。
アプリケーションのデータと操作の記録は、暗号化され分散したブロックチェーン上に格納されます。
ブロックチェーンには誰でもアクセスすることができ、過去の取引を参照することが可能です。一方でデータを改ざんすることは限りなく不可能に近いです。
アプリケーションには仮想通貨などの暗号化されたトークンが使用されます。
アプリケーションの運用者にはトークンで報酬が支払われます。トークンの生成も、ユーザーの貢献度に応じてアプリケーションが自動で行います。
ここからはDappsの具体例をいくつか見ていきましょう。Dappsを使ったサービスには以下のようなものがあります。
仮想通貨として有名なビットコインも、実はDappsに相当します。
「ビットコインがアプリケーションなの?」と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、ビットコインは先述のDappsの定義を全て満たしており、完全なDappsです。
ビットコインがDappsであるという考え方は、Dappsを理解する上で重要でしょう。なお、Dappsといえる仮想通貨はビットコインの他に、イーサリアム(Ethereum)、リスク(LISK)、ネオ(NEO)などがあります。
イーサデルタとは、仮想通貨取引所の一つです。ただし、ビットフライヤーやコインチェックなどの中央集権型取引所とは異なり、イーサリアムのプラットフォーム上に展開される、管理主体の存在しない分散型取引所(DEX)です。
管理主体が存在しない仮想通貨取引所のため、運営会社が関わる詐欺や、外部からのハッキングによる仮想通貨の流出が起こりにくいという特徴があります。また本人確認などの必要もありません。
一方で取引所の運営によるユーザーサポート機能は一切存在しないため、トラブルがあった際の対応は全て自分で行わなければなりません。
クリプトキティーズとは、Dappsの要件を満たしたゲーム(Dappsゲーム)です。Dappsは透明性が高く不正の起こりにくいアプリケーションのため、ゲームとの相性は抜群です。Dappsゲームの多くはイーサリアム上で展開されています。
なお、クリプトキティーズは猫のキャラクターを育成・売買するゲームです。昨年11月にとあるキャラクターが253ETH(当時のレートで約1300万円)で取引されたことがあります
このように、現在Dappsゲームは非常に投機的なゲームと考えられています。
ファイルコインとは、クラウドストレージサービスです。iCloudやGoogleドライブなどは運営会社がストレージを管理していますが、ファイルコインは世界中のPC上に分散してストレージが管理されています。
ストレージを使いたいユーザーはトークンを支払うことで、他のユーザーが提供しているストレージを利用することができます。一方、自分の所有するストレージに空きがあるユーザーは、他者に貸し出すことでその対価としてトークンを受け取ることができます。いわばストレージのシェアリングサービスです。
Dappsを制作する多くの企業は、ICO(イニシャル・コイン・オファリング。トークンを発行して事業立ち上げのためのお金を集める仕組み)で資金調達を行なっています。
しかしICOを行なったにも関わらず、まともなプロダクトをリリースしない企業が多く、ICOで集めたお金を持ち逃げする詐欺のようなICOも存在します。
ICO投資を行う場合は、プロダクトがしっかり制作されているのか、プロダクトがリリースされる可能性は高いのか、各自判断の上行いましょう。ICOで破産する個人・企業は多くいます。
なお日本では現在、政府によってICOの規制が検討されており、また海外ICOプラットフォームへの参加を禁止する動きが出ています。ICOをしたいDapps開発者は多いと思いますが、規制の動きをよく見て考えましょう。
ここからはDappsのメリット・デメリットを概観していきましょう。
まずはDappsのメリット(長所)から見ていきます。
Dappsはブロックチェーンの技術を採用しており、過去の取引データを誰でも自由に参照することが可能です。
ユーザーが各自で取引を監視できることで、従来のアプリケーションよりも非常に透明性の高いものを実現しました。
Dappsはブロックチェーンによりデータが分散しているため、ハッキングを行うのが非常に難しくなっています。
仮にハッキングするとしたら、過去のブロックチェーンを全て参照した上でデータを改ざんしなければなりません。それは事実上、不可能なことです。
そのためセキュリティ面に関しては非常に良い条件が揃っています。
なお、仮想通貨取引所であるコインチェックのハッキング事件は、コインチェックが中央集権型取引所であったため起こったものです。
Dappsには中央集権による管理者が存在しないため、管理者によって利用料・手数料などが搾取されることはありません。
運営はユーザーによって行われるため、ユーザー同士の健全なトークンの取引が可能です。
続いてDappsのデメリット(短所)をみていきましょう。
Dappsはブロックチェーン上で多くのスマートコントラクトを行うため、その速度はDappsに参加するユーザーのPC速度、およびコントラクトの混雑度に依存します。
そのためノードの処理速度にバラつきがあり、中央集権型アプリケーションほどの安定感はありません。
イーサリアム上でトランザクションを実行する際には手数料がかかりますが、現状はトランザクションが増えるほど多くの手数料が必要です。
そのためユーザーが増えるほどに手数料が高くなるという事態が発生しています。
今後は多くのユーザーが低コストでDappsを使用できるようにスケールしていく必要があるでしょう。
Dappsは過去に、The DAOのような数十億円規模の損害を発生させたものが存在します。原因はスマートコントラクトのバグ、コード入力ミスです。
運営主体がいないため、一度Dappsをリリースしてしまうと設計ミスを元に戻すことは難しいです。そのためDappsは、リリースまでに非常に入念なテストプレイを繰り返す必要があるでしょう。
Dappsは既存のアプリケーションの多くの欠点を改善しています。まだ発展途上のアプリケーション形態ですが、今後の展開次第では爆発的な発展・普及が見込めるでしょう。
David Johnstonらは、Dappsの一般理論について説明した文書の最後で、Dappsを以下のように結論づけています。
Dappsはフィンテック、データストレージ、帯域幅、クラウドコンピューティングの分野で、将来的にはVisa、Dropbox、Comcast、Amazonなどの巨大サービスを上回るだろう。(引用、筆者訳)
この言葉通りになるとしたら、将来的にDappsは世界のインフラを担う存在になるかもしれません。Dappsは世界を変えうる存在なのです。
今後の動向にも注目したいですね。
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