エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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いまや超巨大企業となったAppleも、かつてはシリコンバレーの小さな会社でした。AppleをAppleたらしめた要素はたくさんありますが、とくに大きな役割を担っているのがデザインやUXです。
今回はAppleを分析し、デザインやUXの力によってブランドを大きくする方法を探ってみましょう。
Appleは、他社が見落としたり、諦めたりするようなディテールにまでこだわりぬきます。最高のCX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)を提供するために、つねに新しい方法やアプローチを模索しているのです。それが、他社との差別化につながっています。
多くの人がAppleを「革新的な企業」だと評価するのは、最新のテクノロジーやイノベーションを製品に取り入れているためです。しかし、こうした技術の多くは、じつはApple製品よりも前に他のブランドの手によって市場に登場しています。それなのにAppleが高く評価されるのは、技術を注意深く評価し、最高のUXに結びつけられる形で製品化するからこそ。
Apple独自の緻密なデザインプロセスを経て、日常生活をより快適でクリエイティブにしてくれる、考え抜かれた便利な製品がユーザーの手元に届きます。こうした意識は、どの業界のどの企業でも採用できるでしょう。
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先述のとおり、Appleの成功の根底にはデザインへのこだわりがあります。デザインの力による魅力的な体験がユーザーを虜にし、宗教的と言われるほどの熱狂的なファンも発生しました。
では、こうしたデザインのブレークスルーを自社で実現するためには、どうすればよいのでしょうか。もちろん多大なエネルギーと時間が必要ですが、方法は意外と簡単です。
そもそもデザインとは、単にパッケージを美しくすることではありません。デザインとは、科学的なアプローチを用いて問題を解決し、新しいアイデアを見つけるための思考法です。顧客が会社を好きになるような、印象的なサービス、製品、体験デザインを提供することが「デザイン」だともいえます。
デザインについて、故スティーブ・ジョブズ氏は生前、以下のように述べています。
「デザインは、単にどのように見えるか、どのように感じるかということではない。どのように機能するかだ」
かつて顧客は「使いやすい/使いにくい」「良い/悪い」というように、商品をおもに機能で評価していました。しかし現在は、製品の基本的な機能にはあまり大きな優劣がありません。
たとえば、AppleとSamsungのスマートフォンや、メルセデス・ベンツとBMWの車を比較しても、機能的な差異はほぼないといえます。もちろん詳細に比較すれば違いはありますが、顧客が商品やサービスを選ぶ理由は、どちらかというと機能以外の付加価値にあります。
Appleは、デザインを中心としたビジネスアプローチと企業文化によって、非常に効果的なCXを実現しています。
もし自社をAppleのようにしたいなら、優れた製品やサービスを提供するだけでは不十分です。付加価値がなければ、顧客に「買いたい」と強く思わせることはできません。この付加価値の大きさによって、製品やサービスがどれだけ顧客に求められ、どれだけの価格で購入してもらえるかが決まります。
製品やサービスの提供に必要なビジネスモデルを作成し、アイデアを実現できる専門家チームを編成したら、製品やサービスの提供を開始するにあたってチームが適切な行動を取れているか確認しましょう。チームが取った行動の結果を適切に評価することで、顧客に提供する価値を担保し、事業を成功に導けます。
プロセス、チーム、行動、結果、価値という企業における5つのレベルすべてにデザインを取り入れれば、事業はぐっと成功に近づくはずです。
ここからは、デザインの力で事業をエンパワーメントする方法を、5つのステップで解説していきます。
まず前提として、すべてのビジネスプロセスにおいて顧客中心のデザインを考えましょう。顧客を大切にするという意識を社内で共有するのも重要です。こうした取り組みによって、企業全体に共通したブランド価値がうまれます。
すべてのビジネスプロセスにおいて、「顧客にとってどのように役立つのか?」「顧客との関係をどのように改善するのか?」「顧客にどのようなポジティブな感情を抱かせるのか?」と自問しましょう。たとえ顧客の目に触れない社内のプロセスであっても、顧客を第一に考えることがポイントです。
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チームがデザインに精通していることも、事業成功に必要なポイントのひとつです。デザインにフォーカスした、クリエイティブで責任感のある優秀なチームを組織する必要があります。
もしデザインに精通したメンバーを見つけるのが難しい場合は、デザインを中心としたアプローチの実践をとおして、人材育成しましょう。
UXデザインの代理店から外部の専門家を雇うこともできますが、社内チームのデザインコンピタンス確保を優先させるのがおすすめです。
Appleにおいても、かつてトップエグゼクティブの一人だったジョナサン・アイブ氏はデザイナーでした。
デザインに精通したチームを編成したら、次に課題になるのは開発のプロセスです。
ただ美しいパッケージを作るだけでは、会社の長期的な発展は見込めません。デザイナーは、製品の開発段階から事業に関わる必要があります。
たとえ優秀なデザインチームを編成できても、製品に関する決定をすべてデザイナー抜きで行うと、サービスの向上につながらない可能性が高まります。
製品やサービスを迅速かつ大幅に改善したいのであれば、チーム全員、また可能であれば顧客も巻き込んで製品やサービスを作りましょう。そうすることで、魅力的なアイデアがうまれ、顧客のニーズをより深く理解できます。
製品の開発と切っても切れないのが、製品の評価です。デザイン思考を発展させるためにも、KPI(重要業績評価指標)などを設定して、製品を適切に評価しましょう。
ビジネスパフォーマンスの指標には、製品に対する顧客の反応を含めるのがおすすめです。顧客満足度や、NPS(ネットプロモータースコア)などがこれにあたります。
最後に、ブランドのコアバリューを特定し、適切な問いを投げかけましょう。デザインは、ブランド価値を決定する以下のような問いに答える手助けをしてくれるため、顧客価値の定義にも適用できます。
Appleのコアバリューは「Think Different」、つまり普通とは違ったものの考えかた・捉えかた・発想をすることです。このコアバリューとクリエイティビティによって、Appleは他の企業を凌駕する存在になりました。
「なぜやるのか」の問いに対する答えがあってはじめて、「なにをするのか」や「どうするのか」といった問いがうまれます。ひとつのアイデアに全社を集中させたからこそ、顧客、社員、そして世界中の人びとの心を動かすことができ、結果としてAppleというユニークな会社が誕生しました。
残念ながら、多くの企業は利益を優先しており、「なぜやるのか」の問いに対する答えを持っていません。「なにをするのか」「どうするのか」に答えるほうが簡単だと考えられています。
Appleのようなデザイン中心のアプローチをとる企業が業界のトップに立っているのは、デザインの力を駆使し、「なぜ」をすべての行動に反映させているためです。その価値は非常に大きく、ユーザーが製品やサービスの欠点を許容したり、ロイヤルティを維持したり、市場平均よりもはるかに高額な商品に対して躊躇いなくお金を払うことにもつながっています。
Appleをお手本にして、デザインの力で顧客に最高のサービスを提供することを目指しましょう。そうすれば、どんな業界でもトップを目指せるはずです。
(執筆:UXDA 翻訳:Nakajima Asuka 編集:泉 提供元:UX Planet)
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