ブランド名のネーミングは大胆にした者勝ち!4つの成功事例から学ぶネーミングの秘訣

MARKETER

ブランド名がビジネスに与えるインパクトは想像以上に大きいです。例えば、長くて複雑な企業名よりも、短くて覚えやすい企業名の方が株式市場で33%高い成果をあげたという調査結果があります。

今回は、ブランド名で成功した4つの企業を紹介します。自分のビジネスのブランド名を考える際にぜひ参考にしてみてください。

1. Paypal:強いセールスポイントがある場合、シンプルかつサービス内容をわかりやすく表現

オンライン決済サービスで有名なPayPal(ペイパル)は、海外送金サービスWestern Unionや銀行などで高い手数料を払うことなく、個人間で支払いや決済のやり取りを可能にしたサービスです。

今でこそ同様のP2Pサービスは数多く存在しますが、PayPalが創立された1999年時点では、P2Pサービス自体が強いセールスポイント(USP)でした。

そのため、あとは未来に残る分かりやすい商標をつけるだけ。しかし、英語1文字のような簡単な名前はすでに取られており、何年経っても使えるような時代に左右されないような名前が必要でした。

「PayPal」というブランド名は、シンプルかつサービス内容がわかりやすく、まさにピッタリの名前でした。世界で初めてユーザーのために作られた決済ソリューションで、「友達(Pal)にお金を送る(Pay)」ということを簡単にイメージできる名前になっています。

PayPalのような、分かりやすく強いセールスポイント(USP)があるサービスの名付け方のポイントは、以下の2つです。

  • 2音節程度の短い名前や、頭韻法を用いた名前は頭に残りやすい。「SnapChat」「SplitWave」などの単語組み合わせタイプ、「StumbleUpon」「Ready to Rise」などのフレーズタイプ、「Dunkin Donuts」「Lula Learn」などの押韻タイプなど、さまざまな種類のネーミングを参考にしてみる
  • 5年後も同じサービスや製品を提供しているかを考え、その名前が将来でも通用するか検討する

2. Apple:一単語のブランド名に、たったひとつのメッセージを

PayPalの例のように、分かりやすくシンプルな名前をつけることは大切です。その中でも、1つの英単語をうまく使った例が、Appleです。

Appleが創業される1970年後半、当時のIT企業業界は、IBMやHP、Microsoftなどの名前で溢れていました。Appleは、他社のような製品を表したブランド名ではなく、会社のミッションやバリューをブランド名にすることにしました。

Appleは最高のカスタマーエクスペリエンスを提供することに力を注いできました。そこで、人々の生活に根ざしているリンゴから「Apple」という名前をつけました。

リンゴのイメージといえば、普段よく食べるフルーツ、好きな先生にプレゼントとしてあげるアップルパイ、「一日一個のリンゴを食べれば医者はいらない 」のことわざなどがあるように、リンゴは多くの人にとって日常に直結しているものでした。最高のカスタマーエクスペリエンスを提供した先にある「日常への浸透」を目指し、Appleはリンゴを会社名に使ったのです。

Appleのように、単語ひとつでブランド名をつけたい人は、下記の3点を参考にしてみてください。

  • 自分のブランドや商品、バリューすべてを要約するような単語を見つけるのではなく、伝えたい要素をひとつだけに絞ってみる。ビジネスモデルやブランドの属性、バリュー、カスタマーエクスペリエンスでも何でもOK
  • 上記の「ひとつの伝えたい要素」を要約するようなイメージをつかみ、さまざまなブランド名のスタイル・種類を試しながら、違った角度から名前を考えてみる
  • チームでブランド名をブレインストーミングする。いろいろなフレーズやスタイル、種類のブランド名を考えつくまでアイデアを出す。変わったアイデアも大歓迎。悪いと思ったアイデアが意外と最高のアイデアに繋がることもある

3. Squatty Potty:ブランドのターゲットに合わせたブランド名を

アメリカの洋式トイレ用足置き台で有名なSquatty Pottyは、健康的なライフスタイルのトレンドに敏感なミレニアル層に刺さるような、面白くて気さくなネーミングにチャレンジした結果生まれたブランド名です。

Squatty Pottyは、同社の広告の中でも、大腸や便の話を冗談を交えながら気さくで面白おかしく紹介しています。

▲Squatty Pottyの動画プロモーション

このように、ブランド名を決める際にはどんなスタイルが適切か見極める必要があります。もしターゲット層が中高年世代であれば、もっと洗練された、かしこまったスタイルの方が好まれるでしょう。

もしSquatty Pottyが医療小売業や年配の人をターゲットにしていたら、商品にはもっとかしこまった名前を付けていたでしょう。しかしその場合、マーケティング方法は今と全く違うものになっていたでしょう。

ブランド名を決める前に、自分のブランドのアピールポイントを知っておくことで、的外れな方向に進むことなく、商標のアイデアをユニークな角度から検討できます。

自分のブランドにあったスタイルを見極める際には、下記の3点を参考にしてみてください。

  • ターゲット層にあったスタイルを選ぶ
  • ブランド名に必要な要素を1〜2文でまとめ、その点に集中してネーミングを決める(例えば「高級な女性ファッションブランドに聞こえるようなエレガントな名前」など)
  • ブランド名は自分の商品を表現するものがいいか、それともビジネスのバリューやミッションを表現するものがいいか決める

4. Urban Decay:強いセールスポイントがない場合、おかしなアイデアをたくさんブレストしてみる

Squatty Pottyと同じように、大胆な名前を選んでそのクリエィティブ性が評価されたのが、ミレニアル世代をターゲットにした米国のコスメブランド・Urban Decayです。

市場調査結果によると、ミレニアル世代はトミー・ヒルフィガーやギャップなどの主流ブランドにはあまり興味はなく、そこまで知られていなくても新興のブランドを選び、自分自身のスタイルを表現を選ぶ人が多いようです。そこでUrban Decayは、「feminine, a little dangerous and a lot of fun(フェミニン、ちょっとデンジャラス、だけど楽しさいっぱい)」のスローガンのもと、自立した女性たちをターゲットにしたブランディングをしました。

Urban Decayのように、競合がすでにたくさん存在しており、強いセールスポイント(USP)がない場合は、ブランド名を考える際には既存の枠にとらわれずに考えてみましょう。以下の4点を参考にしてみてください。

  • あえて「わかりやすい名前」を捨てる
  • 自分のターゲット層を設定し、競合とは違ったスタイルや種類のブランド名を選びならがも、ターゲット層の好みにあったものを選ぶ
  • アイデアをとにかく出す!チームメンバーを集めて、ビールやピザを片手におかしなアイデアをたくさんブレインストーミングしてみる
  • 興味を引くような名前を選ぶ。Urban DecayやUber、Virginなどのように、興味を持った人たちが実際にサイトに行ってどんなサービスを提供しているかを見たくなるようなブランド名を見つける

まとめ

ブランド名を選ぶ際に、「特効薬」となるようなものはありません。ブランド名を選ぶためには、社内の時間、労力、クリエイティビティを費やす必要があります。しかし、さまざまなスタイルや種類のブランド名を試すことで、会社のイメージやバリュー、ミッションについてチーム内から面白いアイデアが出ることがあります。

今回紹介した4つの成功事例から言えることは、「競合が多い市場で勝ち抜くためには、大胆な行動をしたブランドほど成功を手に入れる」ということです。固定観念にとらわれず、大胆にブランド名を考えてみてください!

(翻訳:Reina Onishi)

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