エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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発展途上国といわれる国の発展を妨げるのは、貧困に伴う不十分な食糧供給だと思われがちですが、実は他にも重大な要因があります。というのも、地球全体の食糧生量は、世界中の人を養うのに必要な量を上回っているにもかかわらず、栄養不足で亡くなる人口は減っていません。
食糧危機の大きな原因のひとつが「フードロス」、つまり食糧廃棄物です。毎年、世界では13億トンもの食べ物が廃棄されているといわれています。先進国で6800億ドル、発展途上国で3100億ドルにものぼるというその損失の原因として、世界規模のサプライチェーンのオペレーション不備があります。たとえば、スーパーなどの販売基準を満たさないという理由で店頭に並ぶことさえなく突き返されてしまう食料品が多く存在します。
地球環境にとっても世界経済にとっても、これは重大な問題です。世界各国の専門家や政府は、食糧危機の根本的な問題解決策を見つけ出すのに苦労しています。
そこで注目されているのが、IoTです。今日の技術社会では、IoT技術がサプライチェーン(原料の収穫から製品がカスタマーに届くまでの一連の繋がり)のあり方を変え始めています。IoTのような技術は、食品産業に革命を起こす力を持っているのです。
具体的にIoTは、どのように食品産業のサプライチェーンに貢献できるのでしょう?
IoTは食品業界において、迅速なデータ処理、機械学習による賞味期限の予想、さらに将来的にはサプライチェーン全体を分析して効率的なワークフローを再設計してくれるという可能性が考えられています。
IoTによって組み立てられたシステムが正しい情報提供やサプライチェーンの監視を助けることで、消費者の権利も厳格に守られます。クラウドストレージを利用することで、プロセスの完全な透明性が確保された上で、製品に使用された原材料についての全ての情報に簡単にアクセスできるようになるでしょう。さらに、スムーズに動くサプライチェーンは生産者・仲買人・消費者にとっても重要なのです。
このようにIoTのもたらす結果は幅広く、効果も大きいのです。
IoTによる食品廃棄や損傷食品の追跡可能性は、より良い生活環境へのヒントを与えてくれる可能性があります。本記事では、サプライチェーンのいくつかの問題を解決した会社の事例をご紹介します。
『DiscoveryIoT』は Selvam VMS とKumar Tによって立ち上げられたIoTネットワークです。このネットワークは、IoT、ブロックチェーン、AIとエッジコンピューティングを用いてサプライチェーンに革命を起こしました。
従来、小売業者は自社製品の追跡を困難に感じており、その結果、非効率な資金配分を行っていました。しかし、DiscoverIoTは、リアルタイムの在庫と売り上げデータを管理し、商品棚の空きを減らすことでこの問題の解決に取り組みました。
また消費者が食品の消費期限のトラッキングデータにアクセスできるようにしたことで、消費者の満足に繋がり、結果的に小売業者への満足度を高めることにも成功しました。
『STELLAPPS』はインドで初めてのIoTを導入した酪農企業です。生産者から消費者までを直接につなぎ、酪農製品を供給しています。
この企業の“SMARTMOO”という IoTルーターコントローラーは、搾乳システムに着けられたセンサーや、乳牛に装着した機械、牛乳冷却機器からデータを集め、搾乳を自動でコントロールします。このメカニズムは、「スマート・ファーム」環境を整備することで、乳牛の価値を最大化し、生産性管理や品質向上のための健康管理を目指したものです。
『TAG BOX』は、IoTによる自動化・分析チェーンで、生鮮食品などの低温物流ビジネスの基礎となるサービスです。低温物流チェーンの品質を保ち、生産者から末端消費者まで全ての段階で在庫・貯蔵ユニットを追跡可能にし、さらに遅延や断絶などのよくある非効率性を監視・削減することで、低温流通商品の廃棄量を減らすことに取り組みました。
TAG BOXは、製品ダメージの原因を、配送中の衝撃や取り扱いミスによるものだと考えたのです。
食品産業はもっとも基礎的な産業ですが、さまざまな欠点がその発展を阻んできたのも事実です。例えば、途上国における手動のデータ収集に起因するデータ異常や、 サプライチェーンのさまざまな段階で起こる判断ミスや調整不備などです。
この業界ではまだまだ取り組むべき課題があります。収穫後の食品破棄率は未だ30〜40%にも上り、その半分は消費者に届きもしないうちに発生する破棄です。
– Peter Mehring(Zest LabsのCEO)
食品業界の今後の発展は、新しいテクノロジーへの柔軟な対応にかかっているでしょう。つまり、まずは上記のようなサプライチェーンの欠点の改善が、食料問題を解決する最初の一歩になるでしょう。
(著者:Sanro Mathew 翻訳:Yuko Nakamura)
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