gBizIDを個人事業主が申請&取得する方法は? 補助金申請に使える【実際に申請してみたレポ】
- お金
- フリーランス/個人事業主
- 制度
報酬未払い、一方的な契約変更、パワハラ、セクハラ……。フリーランスとして働いていると、クライアントとの間にトラブルが発生するリスクはつきまといます。
内閣官房の統計『フリーランス実態調査』によると、約37.7%のフリーランスがクライアントとの何かしらのトラブルを経験したことがあると回答。フリーライターの筆者も、報酬未払いやパワハラを受けた経験があります。
しかしこうしたトラブルに遭遇しても、「大切な取引先だから」「仕事がなくなるかもしれないから」と、泣き寝入りしてしまう方も多いのではないでしょうか?
そんな経験のあるフリーランスの皆さんに朗報です。このたび、厚生労働省を中心とする関係省庁と弁護士会がタッグを組み、フリーランスのトラブル相談窓口として『フリーランス・トラブル110番』を開設しました。
今回の記事では、フリーランス・トラブル110番が設立された背景や、窓口の特徴、相談の流れをまとめていきます。
フリーランス・トラブル110番は端的にいうと、フリーランス向けの弁護士相談窓口です。
労働環境の整備などを担う厚生労働省を中心に、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁などフリーランス関係の省庁と、6000人以上の会員数を誇る大規模弁護士会「第二東京弁護士会」が協力して設立されました。
あいまいな契約や報酬の未払い、ハラスメントなどの被害を受けた際、信頼のおける弁護士に無料で相談できます。
▲出典:フリーランス・トラブル110番
なお「フリーランス」とはいうものの、実際は「雇用関係によらない働き方をする人全般」を対象にしており、フリーランス、個人事業主、クラウドワーカーなどの、労働基準法上の労働者とされない人が受けられるサービスです。
たとえば以下のような職種の人が対象になる可能性があると明記されています。(一例)
幅広い職種を対象にしているため、「困った時はまず相談」という使い方が可能です。想定される具体的な相談事例も公開されているので、こちらも参考にしてみてください。
フリーランス・トラブル110番が設立された背景は、次のように述べられています。
あいまいな契約、ハラスメント、報酬の未払いなど、フリーランスの約半数が仕事上のトラブルを抱えているといわれています。そして、多くの方々が「どうすればいいかわからない」「評判が悪くなる」などの理由から泣き寝入りしているという現実があります。
労働者には労働基準法が適用されるが、フリーランスには原則適用されない。労災保険に加入できず、休業補償の対象にならない。このような弱い立場に置かれやすい方々のための、相談できる場所が必要だ―
そんな思いから、フリーランス・トラブル110番が設立されました。
(引用:フリーランス・トラブル110番)
フリーランス特有の「トラブル遭遇時の泣き寝入り」「労働関係の法律や制度が適用されない」という問題が、設立の背景にあるのです。
実際にフリーランスはどれくらい泣き寝入りしたり、労働関係の法律や制度が適用されないことに悩んでいたりするのか、国の統計を見てみましょう。
『フリーランス実態調査』によると、何かしらのトラブルを経験したフリーランスの多くは「報酬」関係でトラブルになっています。報酬が得られるかどうかはフリーランスの生命線なので、これはかなり悩ましい問題です。
▲出典:フリーランス実態調査
そしてトラブルに遭遇した際、フリーランスの約30%は「泣き寝入りした」と回答。
▲出典:フリーランス実態調査
泣き寝入りしたフリーランスの多くは「トラブルを受け入れないと活動に支障が出るから」と答えており、フリーランスの置かれている立場の弱さがあらわれています。
こうした背景もあり、フリーランス関係の団体や政治家が国の支援を求め続けた結果、窓口の設立に至ったと考えられます。
では、フリーランス・トラブル110番の特徴はどのようなものなのでしょうか。公式HPから整理してみます。
無料の相談窓口を開設している団体は多くありますが、無料なのは「相談」だけで、その後の対応は有償になる場合も珍しくありません。しかしフリーランス・トラブル110番は、無料相談で事態が解決しない場合、弁護士による和解あっせんが無料で受けられます。
和解あっせんとは以下のシステムです。
和解あっせんとは10年以上の弁護士経験を持つ弁護士の中から選ばれた和解あっせん人が、あなたと相手方のお話を聞いて、利害関係を調整したり、解決案を提示することで和解を目指す手続です。裁判とは違い、申立てが簡単で解決までに要する期間が短く、審理が非公開の手続です。本事業では和解あっせん手続についても費用は無料です。
(引用:フリーランス・トラブル110番)
経験豊富かつ中立的な和解あっせん人が、フリーランスとクライアントの双方にとって最適な形を探してくれるため、「法律的なことがよくわからない」「クライアントと1対1で話すのは怖い」という方でも安心して利用できます。
なお、和解あっせんについてはさらに詳しい情報が公式HPに掲載されているので、こちらもご覧ください。
「クライアントにバレると契約を切られるかも……」と泣き寝入りする人が多いため、フリーランス・トラブル110番では「完全匿名」かつ「秘密厳守」で相談可能。
情報がわたるのも第二東京弁護士会という信頼のおける組織なので、個人情報保護の面でも比較的安心です。
フリーランス・トラブル110番は、多くの方法で相談を受け付けています。電話やメールはもちろん、しっかり相談する必要が生じた場合には対面での相談も可能です。
Web会議でも相談できるため、コロナ感染に不安を覚える方や、多忙で対面の時間を確保できない方にもおすすめです。
では実際にトラブルが発生した際、どのような流れで相談すればよいのかを整理します。相談の流れは次の通り。
▲出典:フリーランス・トラブル110番
なお、相談の際には、
を事前に整理してから連絡をとると、相談がスムーズに進むとのことです。
ここまで、フリーランス・トラブル110番のシステムをまとめてきました。
何かしらのトラブルに遭遇した際は、自分の身を守るためにためらわず相談してみましょう。
(執筆:齊藤颯人 編集:泉 アイキャッチ出典:フリーランス・トラブル110番)
フリーランス/個人事業主も最大30万円!コロナ一時支援金の支給額、申請方法、必要書類まとめ
Workship MAGAZINE
フリーランスが知るべき年金の基礎知識。老後資金対策は? 国民年金への切り替えは必要?【FP監修】
Workship MAGAZINE
確定申告って何から手を付けたらいいの? 人気税理士に聞いてみた
Workship MAGAZINE