エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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あなたはフリーランスとして「舐められ」たことはありますか?
フリーランスになったばかりのころ、あまりにも安い単価の仕事を連続で振られたり、当然のように「明日納品でお願いします!」と言われたり、知り合いから「友情価格で!」と無理な案件をお願いされたり……。フリーランス界隈には、枕を涙で濡らす「舐められ体験」が増えているように思います。
実際にフリーランスにはどんな「舐められ体験」があるのか? また舐められないようにするためには、どんな対策をしたらいいのか? フリーランス歴云年の私が、実体験&対策をお話しします。
※なお、過去にお付き合いのあったクライアントさんとの実例をお話ししているため、当記事はすべて匿名でお送りします。
舐められているといいますか、明らかにクライアントに「軽い存在」として見られているんだなあ、と思う体験を常々している筆者。しかし、フリーランス歴云年経っても、舐められ体験は後を絶ちません。まずは私から実例をお話しします。
ある時、知り合いの紹介でクライアントさんと契約し、中長期で一緒に仕事をすることになりました。契約書も交わし、もちろん報酬についても双方納得していました。通常ならトラブルなんて起こりようもありません。
しかし、そのクライアントさんと私を繋げてくださった方から「月額報酬のうち◯%を私の口座に振り込んでください」と連絡をいただいてから、一気に雲行きが怪しくなりました。
え? それは仲介手数料というか、マージンみたいなもの? と疑問に思った私は「契約書にそういった表記は見られないのですが……」とやんわり確認してみました。それでも知り合いは「社長と話がついている」の一点張り。「向こうもわかっている話なので、わざわざ確認はしないでください」と重ねて言われたことで、ああ、もしかしたらクライアント側には無許可でこういうことをやっているのかも、とピンときました。
案の定、あらためてクライアントさんに確認したところ「そういった事実はありません」とのこと。すぐにバレてしまう嘘なのに……となんだか切なくなってしまいました。毅然とした態度でいけば、フリーランスなんてすぐ騙せる、と思われたのかもしれませんね。いつまでも舐められる人生だなあ、と自分を哀れに思う出来事でした。
ライターのMさんは、活動初期に自分から営業をして、とあるWebメディアでエッセイを書かせてもらえることになりました。自分が書きたかったテーマで比較的自由に書いて良いとのことだったので、報酬がかなり低いと感じたものの、仕事を受注することに。
しかしいざ原稿を提出すると、提出のたびに修正の数が3回も4回も増えていき、対応に追われることに。「エッセイは比較的自由に書いていい」と言われていたはずなのに、修正によって内容もどんどん変わってしまいます。それに、トータルでかかる執筆時間を考えると、報酬額にはまったく見合わない仕事になってしまいました。
フリーランスとしての活動が増えた現在、ほかのWebメディアでやっている同じような案件でMさんは何倍もの報酬を受け取っており、当時は足元を見られていたんだ……と感じたといいます。
次に紹介するのは「周囲の人から舐められている」ケース。いくつかの事情が重なり、週5×8時間の労働が難しい状況にあったKさんは、時間の融通が効きやすいフリーランスとして働いていました。
しかし、Kさんの父親はずっと「正社員を目指せ」と繰り返しており、祖父はフリーランスという働き方そのものを理解しておらず、ずっとフリーターとして扱われていた、といいます。
フリーターという働き方が悪い、と思っているわけではありません。けれど、祖母の法事のために包んだ香典を「あなたはまだフリーターで、余裕がないだろうから」と返されたときは衝撃だった、とKさんは当時のことを振り返ります。
実害はないのだから、別にいいか……と思ってはいるけれど、Kさんの祖母の妹は80代で、フリーランスという働き方にも理解を示してくれています。偏った見方をされるのは、年齢のせいだけではないはず……と思わずにはいられないでしょう。
「年齢の影響もあれど、結局のところ、本人次第なんだと思います」とKさんは、フリーランスという働き方を身内に理解されない思いを、静かに言葉にしてくれました。
なぜこうもフリーランスは舐められやすいのでしょうか? それはきっと、多くの人にとってまだフリーランスという働き方が漠然としているからかもしれません。
フリーランスと一口にまとめても、独立したてで「どんな仕事でもいいからください!」状態の方もいれば、しっかり法人成りして大きなお金を動かしている方もいます。働き方を聞かれて「フリーランスです」と言うだけでは、仕事内容や働き方がベールに包まれすぎているため、とりあえず社内で回り切らない仕事を振っておけばなんとかしてくれるだろう! と気楽に考えるクライアントも多いのかもしれません。
以前、ライターの中川淳一郎氏もPRESIDENT Onlineでこんな記事を書いていらっしゃいました。「コスト意識を持たないバカ会社員は消えろ」というなかなかセンセーショナルなタイトルですが、書かれてあることは、フリーランスの方が読めば全員、共感しすぎて首振り人形になってしまうことばかり。
外部のただの企画出しマシーンと化していたり、やたらと打ち合わせにだけ呼ばれて案件がスタートしなかったり、予告もなく継続案件を打ち切られたり……。
プライドを持って働いているフリーランスとしては、悲しくなってしまうことですね。
こんなフリーランスとして「舐められている」状況を改善するために、個人でもできることはあるはず。
諦めず、確固たる態度で、舐められなくなるための意識づけ「5箇条」を実践していきませんか?
まず第一に、クライアントから仕事の依頼をいただけるのはフリーランスとしてありがたい限りです。こちらから営業していない場合だと特に、つい一も二もなく飛びついてしまいそうになります。
しかし、ここはグッと我慢して、本当に自分のためになる仕事なのかをしっかり検討してから判断しましょう。仕事を受けるかどうか判断する軸としては、たとえば以下のようなものがあります。
- 単純にやりたいと思える仕事か
- 自分の幅を広げる、新しい挑戦となるような仕事か
- ほかの仕事に繋がるような仕事か
- 「報酬が良い」というだけで仕事を受けていないか
いまはとりあえず仕事が欲しい、といった理由だけで仕事を受け続けてしまうと、少しくらい低単価でも受けてくれる・無茶振りしても応えてくれるといった “都合の良いフリーランス”扱いをされてしまうかもしれません。
ときには毅然とした態度で、クライアントに「こういう理由で受けられません」と示して見せる。それが、舐められないフリーランスになる第一歩です。
「フリーランスたるもの、仕事を得るためにも人脈は必要だ」とは、よく言われることです。フリーランスになりたてのころ、手当たり次第にオンラインコミュニティに所属したり、交流会やトークイベントに参加したりした経験のある方も多いのではないでしょうか。
しかし、人脈は多ければ多いほど良い、とは一概に言えません。当Workship MAGAZINEでも、ライターの宿木雪樹さんが「フリーランス同士でただつながっても、孤独が解消されるとは限りません。場合によっては、より多くの不安が生じることもあります」と教えてくれた記事があります。
フリーランスは孤独。それでも安易に人脈を広げないほうがいい理由
Workship MAGAZINE
同じフリーランスが集うコミュニティで人脈を広げても、悪く言えばただの「馴れ合い」に終始してしまったり、結果的にトラブルに繋がる仕事を受けてしまったり……。思っていたような理想の人脈が得られないことも、多々あります。
上記に挙げた記事にも書かれているように、なぜ自分は人脈を広げたいと思っているのか? 仕事を得るために人脈を広げたいのなら、どんな行動をするべきか? をあらためて考えることをおすすめします。むやみやたらに人脈を広げようとするのではなく、目的にあった「適切な人脈」を見極めて構築するのです。
仕事を受注するということは、そのぶんの報酬が発生するということ。初めてやりとりをするクライアント相手ならなおさら、契約書を間にしながら条件面の話をするのは必要不可欠です。
フリーランスの場合、よく「仕事をもらう側だから、最初からお金の話をするなんて、そんな偉そうなことできない……」と思ってしまうことでしょう。もし条件面でこちらから意見を言おうものなら「じゃあほかの方に依頼します」とも言われかねません。仕事を得て、食べていくためにも、クライアントの機嫌を損ねたくはないものです。
しかし、フリーランス側も相応の時間とスキルを使って仕事をする以上、見合った対価を得るのは当然の権利です。必要以上におもねることはありません。
報酬を含めて条件面の話は、最初の顔合わせや契約を取り交わす時点で、双方が納得のいく形に落ち着くよう早めにしてしまいましょう。作家の川上未映子さんも以前、SNSで「自分の仕事への対価を知るのは当然だし、伝えるのは依頼者の義務なのです」と発言し、話題になりました。仕事をするうえで、最初からお金の話をすることは下品でもマナー違反でもありません。
【弁護士直伝】フリーランスが知るべき単価交渉術。「敵と己」を知れば交渉はうまくいく
Workship MAGAZINE
フリーランスが舐められる理由の一つに、正社員と異なり契約形態がフレキシブルなため、クライアントから見たら「いくらでも代わりの人を見つけられる」と思われていることもあるかもしれません。悲しいですが、社内の人が対応しきれない案件や雑務の皺寄せをフリーランスに押し付けていることも。
反対に自分自身のスキルや独自性を高めて、クライアントにとって “絶対になくてはならない存在”になると、仕事上舐められることは大いに減るはずです。
もちろん不当な扱いを受ける筋合いはありませんが、「舐められ時期」から脱するためには、まず歯を食いしばって自分の市場価値を上げることが一番の近道かもしれません。
フリーランスに限ったことではありませんが、性別や年齢差で相手への態度を変えないと決めることも、自己防衛になります。
仮に20代新卒フリーランスで、仕事を得るために日々頑張っている女性がいたとしましょう。彼女は「20代」「女性」「フリーランス」という3つの“状態”であるだけで、ときには謂れのない嫌な発言を受けたり舐められた扱いを受けることも考えられます。
悲しいことですが、人の悪意や差別に真っ向から立ち向かおうとするのは、大変なもの。それなら、せめて自分だけは性別や年齢差で相手を判断しないと決めることで、相手に容易に舐められない土台をつくることができるかもしれません。
人から舐められないためには、自分も人を舐めないこと。シンプルな話しすぎて「当たり前だろう!」とツッコミが入りそうですが、あなたは本当に、相手を自分より下に見ていないと断言できますか? 常に自分と相手を対等に置くこと。仕事に限らず、プライベートでも意識しておきたい心がけです。
フリーランスは、低単価・即日納期などの仕事を振られやすかったり、知り合いから「友情価格で」と言われたり、舐められる経験をすることもあります。
場数を踏むこと、経験を積むことも大事ですが、早く「舐められ時期」から抜け出すためにもスキルをつけることが必至です。お互いにwin-winの良い関係を保つためにも、安易に舐められないようなポジションを目指しましょう!
(執筆:匿名著者 編集:Workship MAGAZINE編集部)