フリーランス・個人事業主の就労証明書の書き方

就労証明書はフリーランスや個人事業主が働いていることを証明するための書類です。保育園や学童へ子どもを預けたい場合に必要ですが、書いてもらう雇用主がいないフリーランス・個人事業主は自分で書くしかありません。

この記事では、フリーランス・個人事業主の就労証明書の書き方について解説します。開業届の有無で異なる追加書類についてもまとめました。

フリーランス・個人事業主の就労証明書は保育園・学童の入所申請に必須

認可保育園や学童施設は、保護者が働いているなどの理由で保育ができない家庭の子どもを預かってくれる施設です。

家庭保育が難しい場合に提供されるサービスのため、フリーランスや個人事業主でも働いていることを証明できれば保育園・学童の入所申請が可能です。

ただし、フリーランスは会社員のように就労時間が決まっていないため、「就労=働いている」ことを自分で証明しなければなりません。

フリーランス・個人事業主の就労証明書の書き方

フリーランス・個人事業主の就労証明書は自治体によって様式が異なります。

横浜市の就労証明書(保育所入所用)を例に、書き方について解説します。

フリーランスや個人事業主が記載しなければならない7つの項目の書き方について解説します。

1. 事業所名や代表者名など

右上の枠に事業所名や代表者名などを書きます。

項目 記載内容
証明日 就労証明書の提出日
事業所名 確定申告で利用する屋号名、または事業で広く使用している名称、個人名
所在地 事業を行っている場所の住所
電話番号 事業でおもに使用している電話番号
担当者名 自分の氏名
記載者連絡先 自分の電話番号

フリーランスの場合、代表者名と担当者名は同一で構いません。所在地は働いている場所の住所です。

自宅で働いているなら自宅の住所を書きます。開業届を出している場合、事業所として提示した場所の住所を書くといいでしょう。

電話番号は日中に連絡がつく番号を書きます。事務所はあるけど外出が多いといった場合、携帯電話など連絡がつく電話番号を記入してください。

2. 業種

フリーランスはエンジニアやマーケティングなどのIT系や、イラストレーターやデザイナーなどのクリエイティブ系が多いと思います。しかしほとんどの就労証明書に、これらの項目はありません。

項目にない業種は「その他」にチェックを入れて、職種を書いておきましょう。

3. 雇用(予定)期間等

「雇用(予定)期間等」の項目は、とくに定めはないので「無期」にチェックを入れます。ただし、「期間の開始年月日」はフリーランス・個人事業主も必ず書かなくてはいけません。

「期間の開始年月日」には、事業を始めた年月日を記入してください。

4. 本人就労先事業所

1の枠に記入した「事業所」が所在地と異なる場合に書く項目です。たとえば、企業常駐案件を受けているエンジニアで、自宅ではなく企業で働いているときはこの欄に企業の住所を書きます。

5. 雇用形態

「雇用形態」は「自営業主」にチェックを入れてください。

6. 就労時間

就労時間が決まっている場合は「固定就労の場合」に、何時から何時まで働いているのかを記入します。不規則なときは月間や週間の就労時間の合計を「変則就労の場合」に記入してください。休憩時間も忘れずに記入しましょう。

フリーランス・個人事業主の場合、正規雇用者と同じく1日8時間以上の就労時間があれば、保育園の入所審査をクリアしやすくなります。

ただし、就労時間は自分で何とでもいえるため、1日8時間以上働いている場合、証明するための追加書類を求められる可能性があることを覚えておきましょう。

7. 就労実績

就労実績は、直近6カ月間の実績を記入します。具体的な報酬額を記入しなければならない自治体もあるようです。

8. 産前・産後・育児休業・それ以外の休業の取得

フリーランス・個人事業主は、会社員のように産前・産後休業制度は適用されません。

そのため、「産前・産後休業の取得」「育児休業の取得」「産休・育休以外の休業の取得」は未記入でも問題はないようです。

もし記入するときは、3つの期間で空白がでないように記入してください。

9. 復職(予定)年月日

産後すぐに事業を再開した方は、その年月日を書きます。妊娠中に申請するときは、事業を再開しようと考えている年月日を記入してください。

10. 育児のための短時間勤務制度利用者

産後、育児のために就労時間の変更を考えている場合、働く時間を記入します。

11. 保育士等としての勤務実態の有無

ベビーシッターや保育に関する職種でフリーランスとして働く方は、「有」にチェックを入れます。

12. 備考欄

「備考欄」には、項目にない伝えておきたいことを記入します。たとえば、月に2回以上の宿泊を伴う出張があるときなどです。

また、妊娠による体調不良などで就労日数や就労時間、就労実績が少ないときも「備考欄」に体調不良の理由を記入します。

フリーランス・個人事業主の就労を証明するための追加書類

フリーランス・個人事業主が作成した就労証明書のみで、保育の必要性を判断できないときは追加書類を求められることがあります。

開業届ありの場合

  • 営業許可証
  • 開業届の写し
  • 確定申告書の控え
  • 取引先との業務委託契約書の写しなど

飲食店など実店舗で商売を営んでいる場合や、運送業や電気工事業などの事業を営んでいる人は、営業許可証の提出が必要です。また、フリーランスは取引先との業務委託契約書の写しが求められます。

確定申告書の控えがないときは、所轄税務署の窓口またはe-TAXより取得が可能です。

業務委託の請負契約の場合、作業時間はフリーランスの裁量によるため、契約書に具体的な就労時間は記載されません。準委託契約は契約時間が記載されるため、就労時間として証明がしやすいメリットがあります。

開業届なしの場合

  • 確定申告書の控え
  • 取引先との業務委託契約書の写し

開業届なしのフリーランスは「内職」と判断されることがあります。「内職」は保育園の入所審査において点数が低くなる可能性が高いため、待機児童が多い地域だと審査が厳しくなるかもしれません。

取引先との契約書のコピーを添付しておくなど、事業主であることをアピールしてみてください。開業届を提出していなくても、事業の収支をきちんと確定申告していれば大丈夫です。

ただし、これからもフリーランスとして活動を続けるなら、開業届を出すことで得られるメリットもあります。就労証明書の作成をきっかけに検討してみてください。

フリーランス・個人事業主が就労証明書をスムーズに作成する方法

フリーランスが就労証明書を書くときは、事前に準備が必要です。スムーズに作成して提出するための方法について解説します。

必要書類を事前に用意しておく

保育園や学童の入所申請には、就労証明書以外に必要な書類がいくつかあります。なかには、すぐに取得できない書類もあるため、確認が必要です。

申請時期は他の保護者も同時に動くため、窓口が混み合う可能性があります。事前に取得方法を把握しておきましょう。

開業届を出している方は控えのコピーを用意しておくと、求められる前に提出できるのでおすすめです。

自治体の選考基準を確認する

保育園や学童の入所には審査があります。審査基準も自治体ごとに異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

たとえば、東京都荒川区では、フリーランスでも会社員と同程度の勤務日数・勤務時間をクリアしていれば同じ点数が付与されます。

また、横浜市では保育を必要とする時間の目安を以下のように定めています。

在宅フリーランス:月64時間以上
会社員:月120時間以上

結構な差がありますね。学童も選考基準が設けられているため、自分の働き方で審査が通るか確認しておくことが大切です。

指定されたフォーマットで作成する

就労証明書は自治体によって様式が決められています。

今回の記事では横浜市の様式を例に解説しましたが、申請を出す自治体のフォーマットに沿って作成することが大切です。

ほとんどの自治体でホームページから就労証明書をダウンロードできます。書き方の例に沿って作成してください。

認可外保育・民間学童も検討する

認可保育園や公立の学童の入所審査をクリアできそうにない場合、認可外保育や民間学童も検討しましょう。認可外保育園は基本的に空きがあれば入所できます。

また、認可外保育の利用は認可保育園の審査において加算の対象となるため、審査に有利になります。もしものときに備えて入園できそうな認可外保育を調べておきましょう。

民間学童は公立の学童よりも利用料金が高めですが、習い事や夕食提供などサービスが充実しています。

中学年以降で習い事や通塾を考えているなら、民間学童も比較してみてください。

所得が低くても確定申告をする

認可保育園は、子どもの年齢と世帯の所得に応じて保育料が決まります。そのため、所得が低いからといって未申告だと、自治体側は世帯所得を正しく把握できません。所得ゼロと判断されるわけではなく、保育料が最高階層(最高額)になる自治体もあります。

ちなみに、横浜市の保育料最高額は0歳児で77,500円。ほかにも諸経費がかかるので、実際の負担額はこれ以上です。所得が低くても確定申告はしておきましょう。

まとめ

フリーランスが就労証明書を作成するときは、事前に自治体のホームページなどで必要書類を把握したうえで用意しておくことが大切です。

妊娠中なら出産後に備えて、確定申告書などの控えを取っておいたり必要書類を集めるなどして準備しておきましょう。

フリーランスは正規雇用者よりも選考で不利になりやすいため、保育が必要な状況であることを正しく証明できる書類が必要です。

業務委託契約でも請負契約より準委任契約のほうが就労時間として証明しやすいこともあります。

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▲出典:Workship

 

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(執筆:吉永ゆくら 編集:少年B)

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