資格は“使えるか”で選べ!フリーランスに「行政書士」資格がおすすめな理由
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「フリーランスとして働くなら、やっぱり手に職があったほうがいいかな」
「何か資格を取得して、専門知識と肩書を身に付けることで、収入を上げられないか」
そんなふうに考えたことはありませんか?
いざ資格を取ろうと思っても、何を選べばいいのか悩んでしまうもの。とはいえ、漠然とした不安から資格をたくさん取得して、それを活かせずに「資格コレクター」になるのも避けたい……。せっかく勉強時間もお金もかけて取得するなら、「役に立たない資格」ではなく、「見返りのある資格」を選びたいですよね。
資格を確実に仕事に活かすには、独占業務がある「業務独占資格」を選ぶことがカギになります。特に行政書士は、仕事の幅が広がるだけでなく、法律の知識がフリーランスの実務でも役立ちます。
本記事では、行政書士試験に合格した私が、行政書士資格を取得するメリットと、その活かし方について詳しく解説します。
※本記事で記載している試験概要は令和6年度試験のものです。
開業社会保険労務士(東京都社会保険労務士会所属)、特にIT/Web業界を中心に支援している。趣味は同人活動で、評論同人サークル「さかさまダイアリー」より同人誌「村上春樹っぽい文章の書き方」シリーズなど発行。(X:@mo_himo)
「資格だけ持っていても、そう簡単には食えない」と言われることは少なくありません。それは、多くの資格が「独占業務」(※)を持たず、競合がひしめく中で差別化が難しいからです。
※独占業務: 特定の資格を持つ者だけが行える業務のこと。無資格者が行うと法律違反になる。例:医師、弁護士、税理士など。
行政書士の強みは、「独占業務」があること。たとえば、許認可申請の書類や契約書の作成は、行政書士でなければ有償で請け負うことができません。さらに、行政書士は以下の点でもフリーランスに適しています。
主な士業と業務テーマ(例)
弁護士 | 訴訟など法律事務 |
司法書士 | 登記の手続き |
弁理士 | 特許の手続き |
税理士 | 税務書類の作成 |
公認会計士 | 財務書類の監査・証明 |
社会保険労務士 | 労働・社会保険に関する書類の作成・手続き |
土地家屋調査士 | 土地家屋の測量 |
建築士 | 建築物の設計・工事監理 |
行政書士 | 官公庁に提出する書類の作成 |
▼社会保険労務士(社労士)についてはこちらの連載でどうぞ!
地味だけど一生稼げる!? 会社員×副業社労士を選んだワケ
Workship MAGAZINE
行政書士の資格がフリーランスの武器になりやすい理由は、以下の3点です。
多くの経営者や個人事業主が、許認可申請や契約書作成などの手続きを苦手としています。一方ですべてのビジネスにおいて避けられないテーマであるので、「自分は行政書士なので、むしろ得意分野です!」とフリーランス仲間に伝えることで早期に信頼関係が構築できます。
例えばデザイナーであれば、「法律手続きと、デザインの両方に詳しい」ということで受ける相談の幅が増え、ビジネスチャンスが生まれます。
行政書士の知見は、ビジネスに直結するものばかりとは限りません。たとえば身近な人が社会貢献に取り組もうとしていて、「自分もなにか力になりたい」と思ったとき、契約書作成・会社設立手続き・補助金や助成金の申請など助けられる場面が多いです。誰かの力になることで、結果的に人脈が広がりやすいのも行政書士の魅力です。
行政書士の業務は多岐にわたります。法律に関する業務は全国どこでも一定の需要があり、在宅で開業することもできる(※1)ため、「家事・育児との両立しつつ、業務量を調整しながら収入を得たい」「移住先の地域で、その地に根ざしたビジネスがしたい」「初期投資を抑えながら、継続的に収入の2本めの柱にしたい」といった希望も叶えやすいです。
※開業については都道府県ごとの行政書士会によってルールが異なり、表札や応接ブースを設けなければならない場合もあります。詳しくは開業したい都道府県の行政書士会にご確認ください。
また女性は、行政書士全体の中で2割弱しかいない(※2)ため、女性の行政書士からは「安心して相談できるためか、女性から法律相談を受けることが多い」という話も聞きます。これもまた、差別化戦略の一種と言えるでしょう。
※女性比率のソース:月刊『日本行政』2025年3月号(No. 628)p. 58
▲「女性に相談したい」ニーズを掴めば大きな収入源に
行政書士試験では、行政法だけでなく、民法・会社法・憲法など幅広い法律を学びます。一見、「こんなの実生活で使うのかな?」と思うかもしれませんが、意外と「知っててよかった!」と感じる場面は多いです。いくつか具体的な例をご紹介します。
商品売買を取り消したいときや、不動産賃貸の退去時など、日常生活を送る中で起こりがちな契約周りのトラブル。これまでは法律用語を持ち出されると身構えてしまっていましたが、単語を知るだけで、トラブルになりそうなときも冷静に考えられるようになりました。
▲何気ない日常生活も、法律トラブルと「無縁」ではありません
例えば「合同会社って、株式会社とどう違うの?」 といった疑問にもサッと答えられるようになり、法人化を検討している友人に頼られることが増えました。会社設立周りのプロセスや株主総会のスキームにも詳しくなることで、経営者の方々との共通言語も増え、一段深い話ができるようになりました。
ニュースで取り上げられる社会問題の数々。SNS上では「政府は〇〇をすべき」「国は早く〇〇を認めろ」といった言説が飛び交いますが、そもそも現時点での法解釈がどうなっているか、最高裁がどんな判決をしているかを正確に理解している人は意外と少ないもの。未来の話はさておき、現在の法制度がどうなっているのかを客観的・中立的に理解するのは、フェイクニュースや極端な意見を見分けるという観点で有用なインプットでした。
▲時事ニュースの理解も深まる
行政書士試験を受けようと思い立ち、勉強を始めたのは5月頃でした。試験は毎年11月中旬に行われるため、約半年の準備期間でした。働きながらの勉強ということで、決して余裕はなさそうでしたが、「半年あれば一発合格できた」という体験談を頼りに、勉強をスタートしました。
まずは書店でテキストを1冊購入し、試験範囲の全体像を把握しました。合格率は10〜13%ほどと決して高くはありません。しかし、マークシート式が中心のため「独学でもいけるかもしれない」と判断し、まずは独学で進めることに決めました。
合格率ソース:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf
そもそも、行政書士になるための勉強方法としては、
といった選択肢があります。
私は「個人のオンライン講座」を無料公開部分だけ視聴して概念を理解してから、テキストを読んで独学で学習するスタイルを選択。とはいえ、1冊のテキストだけでは理解できないことも多かったので、さまざまな出版社のテキストを購入し、読み比べるようにしました。同じテーマであっても、いろいろな説明を読むことで、理解度が深まりました。
また「場慣れ」のために、大手予備校が開催している模擬試験を夏に1回だけ受験しました。これは本当に良かったと思います。実際の試験の時間配分や、マークシートへの記入ミスに注意するための感覚が養えたからです。得点結果も「このままでは不合格だけど、何とか巻き返せそう」な具合だったので、追い込みに向けたモチベーションアップにも繋がりました。
直前期には、予備校講師や個人講師がYouTubeに「ヤマ当て講義」や「予想問題」を公開していたので、これらも全て見るようにしました。講師によってヤマが異なるので、結果的にほぼ全範囲を復習することになりましたが、重要ポイントの再確認が効率的にできました。
結論から言うと、可能でした!
ただし、特に不安だったのが「記述式問題」(40字の記述問題が3問出題)でした。ここは配点が大きく、合否の差がつきやすい部分な割に、自力での対策が難しいためです。
ですが私は、無理に模範解答を一字一句再現するのは諦め、「どんな風に出題されても、最低でも半分は部分点をもぎ取る」という姿勢で、テキストに太字で書かれているような超重要キーワードだけは抑えるように、広く浅く勉強するようにしました。結果として「記述式で半分は取れる」という自信がつき、沼にハマることなく切り抜けることができました(本番では60点中32点を獲得。合格ラインである6割には満たなかったものの、択一問題で補い総合点で68%に持っていきました)。
とはいえ、思い返せば、動画のなかでも特に説明が分かりやすかった講師はいたので、割り切って有料部分も購入していればより時短になったかもしれません。
試験会場は自分で選べるので(東京都の場合は8ヶ所から)、自宅から行きやすい場所を選べるのが助かりました。集合時間は午後12時20分なので、朝が弱い私にとっては寝坊のリスクがなかったのもありがたかったです。試験は13時から16時までの3時間。試験開始直前は、緊張した面持ちの方が多く、シーンと静まり返った雰囲気が印象的でした。
3時間という長丁場は、じっと座っているだけでもなかなか辛いものがあります。集中力がずっとは続かないと割り切り、1時間おきに5分ほど気分転換のために深呼吸をしたりボーっとしたりして、全問を解ききりました。
合格発表は年明けの1月末頃です。記述式問題の採点基準が不明なため、自己採点をしていても「どれだけ点が取れているのか……」と不安なまま、2ヶ月間を過ごしました。
そして迎えた合格発表の日。Webサイトで自分の受験番号を見つけたときは思わずホッとしました。数日後にはこんな感じの合格通知が届きます。今後、戸籍抄本などの必要書類を揃えて、開業手続きが済むと晴れて開業となります。
▲行政書士試験の合否通知書が無事に届きました!
資格取得には時間も労力もかかるからこそ、「活かせる資格」を戦略的に選ぶことが重要です。その一つとして行政書士は非常に有望な選択肢です。特に、
こういった方に、行政書士はおすすめです。法律のように、「多くの人が無縁ではいられないけれど、苦手意識を持ちがち」なテーマは狙い目です。行政書士試験を目指して、法律を得意分野にしましょう!
▲出典:Workship
『Workship』は、フリーランス・副業向けマッチングサービスです。
公開案件の80%以上がリモートOKと働く場所を選ばず、エンジニア、デザイナー、マーケター、ディレクター、編集者、ライター、セールス、人事広報など、さまざまな職種の案件が紹介されています。行政書士資格が活かせる管理部・経営幹部の募集もアリ。
さらに、トラブル相談窓口や会員制優待サービスの無料付帯など、安心して働ける仕組みがあるのも嬉しいポイント。時給1,500円〜10,000円の高単価な案件のみ掲載しているため、手厚いサポートを受けながら、良質な案件を受けたい方におすすめです。
(執筆:もひもひ 編集:夏野かおる)