クリエイター向け営業術3ステップ【元販売員デザイナーに聞く】

行武さん インタビュー用 アイキャッチ

クリエイターにとって、自分の作品を売り込むことは大切です。

どれだけいい作品を作ったとしても、誰にも買われなければ、お金を稼ぐことはできません。

そこで今回は、イラストレーター&デザイナーとして活動している行武亜沙美さんに、クリエイター向けの営業術を聞いてみました。

行武さんは元販売員の、営業が得意なクリエイター。現在はクリエイター向けの営業術講座で講師を務めるほどです。クリエイター営業の秘訣は、営業が苦手でも実践しやすい「行武式3ステップ思考」にありました。

行武亜沙美さん
行武亜沙美さん

図解の書き方を解説したnoteがバズり、図解屋として独立。現在はPonnufというWebベンチャー企業で働きながら、個人でイラストや図解の仕事をこなす。元販売員の経験を活かした営業が得意で、クリエイター向けの営業講座も開いている。

noteがバズって仕事依頼が殺到!

小太り インタビュー 顔 行武さんは、現在どんな仕事していますか?

行武さん インタビュー  いまはPonnufという会社で働きながら、個人で図解やイラストの仕事をしています。

図解とは、物事を分かりやすく図/イラストで表現したものです。もう少しグラフィックに寄せたものは「インフォグラフィック」とも呼ばれますね。

小太り インタビュー 顔 図解やイラストはどういった経緯があって始めたのですか?

行武さん インタビュー  もともと20年以上、絵を描くのを趣味としていました。そんな自分のスキルを「ネットでの発信に役立てられないか?」と思って始めたのが、図解です。

Web記事やTwitterでのつぶやきを、分かりやすくイラストで図解して、自分のTwitterで発信してみたんです。

図解のツイートが徐々に反応が大きくなっていく様子を見て、「図解屋」という肩書きで活動していくことを決めました。

小太り インタビュー 顔 なるほど、その後に図解やイラストがお仕事になったきっかけは何でしたか?

行武さん インタビュー  私がフリーランスとして仕事を取れるようになったきっかけは、有料noteがTwitterで大きく拡散されたことでした。

行武さん インタビュー  「”発信力をアップさせる”ゼロからのやさしい図解」という有料noteが、2000部売れたんです。

想定外でしたが、そのnoteのおかげで一気に知名度があがり、仕事依頼が来るようになりしたね。

行武さんインタビュー 04

行武さん インタビュー  私が図解に注力し始めたときには、ちょうどネットで「発信力をつけよう!」というトレンドがあり、図解というスキルは当時のニーズにバチッとハマりました。

もともと主婦でパートをしていたのですが、noteがバズったことでフリーランスになりましたね(笑)。

小太り インタビュー 顔 まさにnoteドリームですね。noteのバズで、どれぐらいの仕事依頼がありましたか?

行武さん インタビュー  最初に10件ぐらいの仕事依頼がありました。TwitterのDMで「図解を書いてください」とメッセージをいただき、いまでも継続してお仕事しているクライアントもあります。

ただ「バズだけでは終わらせてはいけない」と思って、noteの実績を元に営業をかけたり、オンラインサロンに入ってスキルアップに努めました。バズを一過性のもので終わらせないように、自分で考えて営業をかけて仕事を取ったことが、長期的な仕事獲得につながったと思います。

相手の立場にたってメリットを分かりやすく説明する

小太り インタビュー 顔 行武さんは普段の営業で、意識していることはありますか?

行武さん インタビュー  取引相手に、自分に仕事を頼む理由やメリットを説明することを意識しています。

「なぜ自分を使った方がいいのか?」「なぜ自分が提案したのか?」を分かりやすく説明するんです。このとき、難しい専門用語を使わずに、相手の立場にたって説明するのをおすすめします。

実はこのテクニックは、販売員時代に身につけたものです。

小太り インタビュー 顔 行武さんはもともとインテリアショップの店長をされていたらしいですね。

行武さん インタビュー  そうです。販売員として長年働いていて、その中で「どうすればお客さんに商品を買ってもらえるのか?」を考えながら接客していました。

販売員の接客は、初対面のお客さんがはじめて見た商品を買ってくれることがゴールです。そのためには相手の立場に立って、メリットを分かりやすく伝える必要があったんです。

小太り インタビュー 顔 長年の販売員の経験が、そのままフリーランスとしての営業にも活きているんですね!

行武さん インタビュー  販売員のときはお店の商品を売っていましたが、フリーランスの場合は自分という商品を売り込みます。

フリーランスの営業って難しそうに感じますが、やることは販売員と一緒です。相手に分かりやすくメリットを伝えられれば良いんです!

「潰しが効かない」と思われがちな販売員ですが、相当幅広く使えるスキルが身につくんですよ。

クリエイターが営業先を探すための3ステップ

小太り インタビュー 顔 行武さんは元販売員という営業向きのキャリアがありますが、営業が苦手なクリエイターの方はどうやって仕事を探せばいいですか?

行武さん インタビュー  自分に合った営業先を探すための、3つのステップがあります。簡単なので、営業で悩んでいるクリエイターの方もぜひ参考にしてみてください。

まず「好きなもの」を50個書き出してジャンル分けします。

次に「得意なもの」を50個書き出してジャンル分けします。

最後に「好きなもの」と「得意なもの」で重なった部分を洗い出して、それを軸に営業先をリストアップしましょう。

行武さんインタビュー用 図解1

行武さん インタビュー  例えば「音楽(好き)× イラスト(得意)」で、イラストを提案できそうな音楽雑誌がないかと考えられますよね。「写真(好き)× お堅いメール対応(得意)」なら、自治体の観光系の部署に営業できるかもしれません。

小太り インタビュー 顔 なるほど、「好き」と「得意」を掛け合わせて営業先を考えるんですね。

行武さん インタビュー  はい。そして自分の「好きなこと」「得意なこと」が明確になったら、それを売り込めそうな会社をリストアップします。

その中から、自分が実際に提案できそうな会社を厳選してまとめていきます。リストができれば、あとは会社に営業するだけ!

ちなみに「自分がこんな立派なところに営業なんてできない!」なんて思わなくていいですよ。しっかり営業できる人はそう多くないですから、営業し続ければ思わぬ縁に巡り会うこともあります。

行武さんインタビュー用 図解2

行武さん インタビュー  自分の「好き」と「得意」を言語化できている人は、意外と少ない印象がありますね。でもそれらが交わるところに、自分にとって心地良く苦にならない仕事があるんです。

困ったら「得意なこと」から選ぼう

行武さん インタビュー  営業リストづくりは「連想ゲーム」です。ひとつ営業先が見つかれば、あとはその実績をベースに横展開しやすいと思います。もしどうしても営業先が見つからない場合は、自分の得意なジャンルから探してみるといいですね。

小太り インタビュー 顔 困ったら好きなことではなく、「得意なこと」から選ぶんですね。

行武さん インタビュー  ここで好きなものではなく、得意なものから選ぶのは、自分が改善できる分野だからです。

得意なものは、他の人と比べて自分が秀でているスキルなので、仕事に繋げやすいんですよ。

仕事として取り組めて、改善もできれば、どんどん磨いていける貴重なスキルになりますから。

小太り インタビュー 顔 得意なことってなんでもいいですか?

行武さん インタビュー  例えば、得意なものが「子供に説明すること」というニッチなスキルでも問題ありません。

子供に説明することは直接仕事につながらないかもしれませんが、子供向けのメディアでライターをするとか、子供向け商品のPRをするとか、いろんな仕事のスタイルが考えられます。

小太り インタビュー 顔 なるほど! まとめると、「好き」と「得意」を掛け合わせて営業先を探す。困ったらまずは「得意」から考えるということですね。

行武さん インタビュー  この方法は以前私がひらいたクリエイター向けの営業講座でお話ししたことなのですが、このステップを踏んで実際に1ヶ月で2,3件の新規案件を獲得したクリエイターの方もいました。営業未経験で案件を取った方もいるので、かなりおすすめの方法です。

クリエイター向けの営業術講座は定期的に開催しているので、もっと詳しく知りたい人はぜひ参加してみてください。

小太り インタビュー 顔 行武さんから直接教わることができるなら、かなり贅沢ですね!

あなたのクリエイティブに価値を感じてくれる人は、必ずいる

小太り インタビュー 顔 クリエイターのなかには自分の作品に強いこだわりを持っており、「断られたくないから営業もしたくない!」と考える人もいるかもしれません。

そのような人に向けて、何かアドバイスありますか?

行武さん インタビュー  声を大にして言いたいのですが、営業を断られても気にすることは一切ありません!

私もクリエイティブで仕事をとっているので、断られたときに落胆する気持ちは分かります。ただ営業で断られるのって、相性やタイミングの問題も多いんです。そこまで気にしなくていいと思います。

行武さんインタビュー 03

行武さん インタビュー  クリエイターの場合は「営業で断られる=自分の作品が否定されている」と思ってしまうこともありますよね。作品を生み出すクリエイターにとって、作品が受け入れられないことは悔しいことです。

でも、断られても次のクライアントに営業すればいいだけ。怖がらずにどんどん営業していきましょう。

あなたの作品に価値を感じてくれるクライアントは、必ずいます。

■行武亜沙美

(写真:ヒロタケンジ アイキャッチ:奥貫あずさ

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