採用コスト削減の手法5選!失敗しないための注意点も解説
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昨今の物価高騰や超売り手市場の影響により、採用コストの高騰に頭を抱えている経営者や人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
「人材紹介会社の手数料が高すぎる」
「求人広告を出しても応募が来ず、費用が無駄になっている」
「コストは下げたいが、変な人を採用するのは避けたい」
このように、予算削減と人材の質確保という板挟みに悩み、具体的な解決策を探している担当者は少なくありません。しかし、正しい手順と戦略を用いれば、採用の質を落とさずにコストだけを削減できます。
重要なのは、エージェントのみに依存した従来の手法を見直し、自社に合った採用手法と定着の仕組みを取り入れることです。本記事では、採用市場の現状から、質を担保しながらコストを抑える5つの具体的手法、さらに活用すべき助成金情報までを解説します。
企業の人事担当として、採用コストを抑えつつ300人以上の採用実績を持つ筆者の実体験に基づいたアドバイスも交えていますので、ぜひ参考にしてください。

人事ジャンルを得意とするフリーライター。30年の会社員生活では、一貫して人事に従事。人事コンサルタントとして企業の組織改革や採用課題の解決なども経験。現在は主にHRメディアの記事やコラム記事を手掛けている。
目次
採用コストの削減は、まず「現状どれくらいの費用がかかっているのか」を正確に把握することから始まります。闇雲にコストを削ろうとすると、必要な人材まで採用できなくなる恐れがあるからです。
ここでは、公的なデータに基づいた市場の現状や、自社の採用単価を算出するための基本的な計算式について解説します。
現在の採用市場は、依然として「超売り手市場」の状態が続いています。厚生労働省の発表によると、2025年3月時点の有効求人倍率は1.26倍でした。これは求職者1人に対して、1件以上の求人が常にある状態を意味します。
(参照:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について)
特にサービス業やIT業界では倍率が高く、企業間での人材獲得競争が激化しています。また、帝国データバンクの調査では、正社員の人手不足を感じている企業の割合は51.6%に達しており、実に企業の半数以上が人材を確保できていないという状況です。
(参照:帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2025年10月))
このように、多くの企業が採用に苦戦している背景があるため、従来のやり方のままでは採用コストが高騰してしまうのは必然といえます。
自社の採用活動が効率的かどうかを判断するためには、「採用単価(1人採用するのにかかった費用)」を算出する必要があります。
計算式は以下の通りです。
採用単価 = 採用コストの総額 ÷ 採用人数
たとえば、年間の採用コスト総額が1,000万円で、その年に10名を採用できた場合、採用単価は100万円です。この計算を使えば、「今年は去年よりも単価が上がっている」「他社平均と比べて高すぎる」といった比較ができます。
まずは直近の採用活動における総費用と採用人数を洗い出し、現状の単価を計算してみてください。この数字が、コスト削減に向けた全ての基準となります。
採用単価のイメージを掴むために、年収500万円の中途社員を採用する場合のコストをシミュレーションしてみましょう。もっとも一般的な採用手法である「人材紹介(転職エージェント)」を利用した場合、手数料の相場は年収の35%程度です。
500万円 × 35% = 175万円
つまり、1名を採用するだけで175万円の外部コストが発生します。
一方、求人広告の場合は掲載費が数十万円で済むこともありますが、もし応募がなく1人も採用できなければ、費用はすべて無駄です。
このように採用手法によってコストの発生の仕方は大きく異なります。自社がどの手法に依存しているかによって、削減できる余地が変わってくるのです。
採用コストを正しく把握するためには、「外部コスト」と「内部コスト」の2つに分けて考えなければなりません。外部コストとは、求人広告費や人材紹介手数料、会社説明会の会場費など、社外へ支払う費用です。目に見えやすいため、コスト削減の対象になりやすいでしょう。
一方、内部コストとは、採用担当者の人件費や面接官の工数、応募者への交通費など、社内で発生する費用です。外部コストばかりに目が行きがちですが、実は「面接回数が多すぎて現場社員が疲弊している」といった内部コストの肥大化が課題となっている企業もあります。
この外部と内部、両方のコストを合計したものが「真の採用コスト」です。
採用コストについて調べると、「中途採用の平均単価は約103万円」といった一般的な相場を目にすることがあります。しかし、コスト削減を進める上では、こうした市場平均よりも「自社の正常値」を知ることのほうが重要です。
なぜなら、採用する職種の難易度や業界の状況によって、適切なコストは全く異なるからです。たとえば、希少なエンジニアを採用するのに平均単価を当てはめて予算を削れば、採用は失敗します。
まずは過去3年分程度の自社データを分析し、「この職種ならこのくらいの単価で採用できていれば成功」という独自の基準を作りましょう。他社との比較ではなく、自社の過去の実績と比較して無駄を省いていくことが、失敗しないコスト削減のコツです。
採用コストが予算をオーバーしてしまう場合、物価が上がっているといった外部要因だけが理由ではありません。採用手法の選び方や組織の構造的な問題に起因している場合が大半です。
ここでは、企業の採用コストを押し上げてしまう主な3つの原因について解説します。これらに当てはまっていないか、自社の状況と照らし合わせながら確認してみてください。
採用コストが高騰する大きな原因は、人材紹介会社や転職エージェントへの過度な依存です。エージェント経由の採用は、初期費用がかからず成功報酬型であるため、リスクが少ないように思えます。しかし、その手数料相場は、採用者の理論年収の30〜35%と高額です。
昨今の賃上げトレンドにより、求職者への提示年収自体が上昇傾向にあります。それに伴い、手数料の絶対額も跳ね上がっていくのです。たとえば、年収600万円の人材をエージェント経由で採用すると、1人あたり約200万円の手数料が発生します。
手間をかけたくないといった理由などで、すべての採用をエージェント任せにしていると、採用人数が増えるたびにコストが膨れ上がり、経営を圧迫しかねません。
求人広告費の「掛け捨て」も大きなリスクとなります。求人サイトは、採用の成否にかかわらず、掲載した時点で費用が発生する「掲載課金型」が一般的です。数十万円の掲載費を支払っても、応募が1件も来なければ、その費用はすべて損失となります。
また、コストがかかるのは掲載費だけではありません。ターゲット設定が曖昧なまま広告を出してしまうと、自社の要件に合わない応募ばかりが集まってしまいます。
そうなると、書類選考や不採用通知の連絡など、人事担当者の工数(内部コスト)だけが浪費されていくことになるのです。費用対効果が見合わない媒体を漫然と使い続けていませんか?定期的な見直しが必要です。
早期退職による見えないコストも大きな要因です。苦労して採用した人材が入社後すぐに辞めてしまうと、それまでにかけた広告費や紹介手数料などの採用コストが水の泡となります。
さらに深刻なのは、目に見えない損失です。入社手続きにかかった事務コストや、新人研修を担当した現場社員の時間と人件費、そしてPCや備品の準備費用など、多くのリソースが無駄になります。
「採用して終わり」ではなく「定着して戦力化する」までが採用活動です。離職率が高い状態で新規採用を続けても、穴の開いたバケツに水を注ぐようなものであり、いつまでたってもコストが下がることはありません。
採用コストを削減するにあたって、単純に「安い求人媒体に変える」といった方法だけでは不十分です。採用チャネルそのものを根本から見直し、高額な紹介手数料がかかる外部エージェントへの依存度を下げることが欠かせません。
ここでは、外部コストを大幅に抑えつつ、自社にマッチした質の高い人材を確保できる5つの手法を紹介します。これらを組み合わせれば、コスト削減と採用力強化の両立が可能です。
リファラル採用とは、自社の社員に知人や友人を紹介してもらう手法のことです。最大のメリットは、エージェントや求人媒体を介さないため、紹介手数料や掲載費といった外部コストがほぼ発生しない点です。
発生するのは、紹介してくれた社員へのインセンティブ(数万円〜数十万円程度)だけなので、採用単価を下げられます。また、すでに社風や働き方を理解している社員からの紹介であるため、候補者とのミスマッチが起きにくく、定着率が高いのも特徴です。
ただし、リファラル採用を定着させるためには、社員が自分の友人に紹介したいと思えるような会社作りや、紹介しやすい制度設計が必要となります。
ダイレクトリクルーティングは、企業がスカウトサービスなどを利用して、求職者に直接アプローチする手法です。この手法であれば、エージェントを介さないため、年収の35%といった高額な手数料がかかりません。
データベースの利用料などはかかりますが、複数名採用できれば1人あたりの単価は大幅に安くなります。また、求人広告を見て応募してくる層だけでなく、転職市場には出てこない優秀な層にもアプローチできるので、採用の質を担保しやすいのも魅力です。
スカウトメールの作成など人事担当者の工数は増えますが、コスト対効果は非常に高い手法といえます。
トランジション採用とは、フリーランスや業務委託として採用し、一定期間の仕事ぶりを通じてスキルや適性を見極めた上で正社員として雇用する採用手法です。
スキルがマッチしているかという基準だけで採用した場合、入社後のギャップにより早期離職を招くケースが少なくありません。しかし、一旦、フリーランスや業務委託として働くことで、職場環境などを理解できるためミスマッチによる離職リスクを最小限に抑えられます。
結果として、採用のやり直しによるコスト増を防ぐことにつながるのです。
なお、トランジション採用のメリット・デメリットなどを関連記事『「フリーランスから正社員へ」54.7%の企業が実績あり【トランジション採用 最新調査】』で解説していますので、参考にしてみてください。
アルムナイ採用とは、かつて自社に在籍していた退職者を再雇用する手法のことです。一度他社を経験したことで新たなスキルや視点を身につけているケースが多く、即戦力としての活躍が期待できます。
また、自社の業務内容や企業文化をすでに熟知しているので、教育コストや採用説明の手間がほとんどかかりません。お互いに性格や能力を理解しているため、採用のミスマッチが少ない非常に効率的な採用手法です。
アルムナイ採用を成功させるためには、退職時に良好な関係を築いておき、定期的に連絡を取り合える関係を構築しておくことが欠かせません。
自社の採用サイトやSNSを活用して情報を発信し、候補者を集める手法もコスト削減に効果があります。求人媒体への掲載とは異なり、掲載期限や文字数制限がなく、自社の魅力を自由に、かつ深く伝えられるのがメリットです。
日々の発信を通じて、今すぐ転職を考えていない「潜在層」にもアプローチできるため、将来的な採用候補者の母集団形成にも役立ちます。コンテンツ制作の手間はかかりますが、一度仕組みを作ってしまえば、広告費をかけずに継続的に応募の獲得が可能です。
採用チャネルの見直しで「外部コスト」を抑える一方で、忘れてはならないのが社内の業務効率化による「内部コスト」の削減です。採用担当者が事務作業に追われ、本来向き合うべき候補者とのコミュニケーションがおろそかになれば、機会損失やミスマッチにつながります。
ここでは、ツールや仕組みを活用して選考プロセスをスリム化し、余計な時間と経費をカットする方法について解説します。
ATSとは、応募者の情報管理や選考進捗、面接日程の調整などを一元管理できる採用管理システムのことです。エクセルやメールで個別に管理していると、転記作業やメールの送信漏れチェックに膨大な時間が奪われてしまいます。
ATSを導入すれば、求人媒体からの応募者情報の自動取り込みや、テンプレートによる返信メールの一括送信が可能です。これにより、採用担当者の事務工数を大幅に削減できるだけでなく、対応速度が上がり候補者の意欲低下を防ぐ効果もあります。
月額費用はかかりますが、残業代などの人件費削減効果を考えれば、十分に元が取れる投資です。
コストを削減したいなら、オンライン面接を活用すべきです。一次面接や二次面接をオンライン化すれば、応募者に支払う交通費や宿泊費といった直接的な経費をゼロにできます。また地方在住の優秀な人材をコストをかけずに選考できるのも大きなメリットです。
さらに、社内の会議室を確保する手間や、お茶出しや案内などの来客対応にかかる時間も削減できます。最終面接のみ対面で行い、それ以外はオンラインで効率的に進めるというように、選考フェーズに合わせて使い分けるとよいでしょう。
RPO(Recruitment Process Outsourcing)は、採用業務の一部または全部をプロに外部委託するサービスです。コスト削減するために外注費を払うのは矛盾に思えるかもしれません。
しかし、スカウトメールの配信や日程調整などの業務をプロに任せることで、社内の人事担当者は候補者の見極めなどのコア業務に集中できるようになります。結果的に、選考スピードが上がり、優秀な人材を取り逃がすリスクが減るのです。
また、採用ノウハウを持つプロが実務を行うため、歩留まりが改善し、トータルの採用コストが安く収まるケースもあります。
SPIなどの適性検査を選考の早い段階で導入すると、無駄な面接時間を減らせます。面接官の主観に頼る選考だけでは、どうしても見抜けない部分があり、入社後に「自社に合わない」「ストレス耐性が低い」といった問題が発覚することも多いです。これがハズレ採用(早期離職)の原因となります。
適性検査で客観的なデータを取得し、自社の基準に満たない候補者を事前にスクリーニングすれば、採用確度の高い人材だけに面接リソースを割くことが可能です。選考の精度を高めることは、結果的に採用コストの無駄遣いの防止につながります。
コスト削減においてもっとも痛手となるのが内定辞退です。内定を辞退されれば、最終選考まで進めるためにかけた広告費や面接官の人件費が、すべて無駄になってしまいます。
内定辞退を防ぐためには、内定を出した後の入社までのフォローを徹底し、内定承諾率(歩留まり)を上げることが欠かせません。たとえば、現場社員との懇親会を開催したり、こまめに連絡を取り合って不安を解消したりする動きが必要です。
多少の交際費や工数がかかりますが、採用を一からやり直すコストに比べれば安く収まります。内定を出しっぱなしの状態にせず、入社日まで伴走することが大事です。
採用コストを削減する上で見落としがちなのが、助成金の活用です。要件を満たして採用や雇用環境の整備を行えば、数十万円から数百万円単位の助成を受けられるので、実質的に採用コストを圧縮できます。
ここでは、採用・育成に関連して特に利用しやすい5つの助成金を紹介します。
特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者や障害者、母子家庭の母など、就職が困難な方をハローワークや民間の職業紹介事業者等の紹介により、継続して雇用する労働者として雇入れた場合に支給される助成金です。
もっとも一般的な「特定就職困難者コース」の場合、対象者や企業規模、労働時間に応じて30万円〜240万円が支給されます。
採用の幅を広げて多様な人材を受け入れることは、人手不足解消だけでなく、CSR(企業の社会的責任)の観点からも評価されます。ただし、雇入れから一定期間定着していることが条件となるため、すぐに解雇した場合は支給されないので注意が必要です。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、契約社員や派遣社員、パートタイムなど非正規雇用で働いている労働者を、正社員に転換または直接雇用した場合に支給される助成金です。
有期契約の社員を正規雇用に転換した場合、1人あたり最大80万円(※生産性要件を満たした場合の大企業以外)が助成されます。
いきなり正社員として採用するのではなく、まずは契約社員として採用し、適性を見極めてから正社員へ登用する「試用期間的な運用」を行う企業にとっては、ミスマッチのリスクを減らしつつ助成金も受給できる、一石二鳥の制度です。
人材開発支援助成金(教育訓練・研修)は、雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練(研修など)を行った場合に、その経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
採用コスト自体を下げるわけではありませんが、採用後の「育成コスト」を国が負担してくれる形になるため、トータルの人件費削減になります。
「特定訓練コース」や「人への投資促進コース」などがあり、未経験者を採用して自社で育てる場合や、社員にデジタルスキルを身につけさせたい場合などに有効です。
外部研修の受講料なども対象になるため、教育体制を強化したい企業に向いています。
業務改善助成金(賃上げ・設備投資)は、事業場内で最も低い賃金を一定額以上引き上げ、かつ生産性向上のための設備投資を行った場合に、その設備投資費用の一部を助成する制度です。設備とは機械設備、POSシステム、コンサルティングなどが該当します。
直接的な採用助成金ではありませんが、賃上げすることで求職者への訴求力が高まり、採用競争力を強化できます。また、設備投資によって業務効率が上がれば、少ない人数でも業務が回るようになり、採用人数の抑制(コスト削減)も可能です。
「賃上げ」と「設備投資」をセットで行う予定がある中小企業にとっては、メリットが大きいでしょう。
トライアル雇用助成金(お試し雇用)は、職業経験の不足などにより就職が困難な求職者を、原則3ヶ月間の「試行雇用(トライアル雇用)」として受け入れた場合に支給される助成金です。対象者1人につき月額最大4万円(最長3ヶ月で合計12万円)を受け取れます。
この制度の目的は、企業と求職者がお互いに理解し、ミスマッチを防ぐことです。3ヶ月の実務を通じて適性や能力を見極めた上で、本採用へ移行するかどうかを判断できます。
面接だけでは採用が怖いという場合や、まずは実務を見てみたいという場合に活用すれば、採用ミスによる損失リスクを低減しながら、コスト補填を受けられます。
採用コストを削減する際、出ていくお金を減らすことだけに注力すると、採用活動そのものが失敗してしまう可能性があります。目先の費用を削った結果、採用力が低下したり、社内が疲弊してしまっては本末転倒です。
ここでは、失敗しないために押さえておくべき5つの注意点について解説します。
もっとも避けるべきなのは、コストを意識しすぎて採用基準(質)を下げてしまうことです。たとえば、給与提示額を相場より低く設定したり、採用を急ぐあまり要件に満たない人材を妥協して採用したりするケースがあります。
これを行うと、入社後にパフォーマンスが発揮されないばかりか、現場社員の負担が増え、早期離職につながる可能性が高いです。コスト削減はあくまで「同じ質の人材を、より効率的に採用する」ための取り組みであり、人材のレベルを落とすことではありません。
紹介手数料などの外部コストを削減しようとすると、その分だけ社内の業務量(内部コスト)が増えます。たとえば、エージェント利用を止めてダイレクトリクルーティングに切り替える場合、候補者のリストアップやスカウトメールの作成・送信といった実務が人事担当者にのしかかります。
担当者が業務過多になると、候補者へのレスポンスが遅れたり、面接での見極めが雑になったりして、結果的に採用機会を逃してしまう場合が多いです。
削減した外部コスト以上に、担当者の残業代や疲弊による離職リスクが高まっては意味がありません。業務量とリソースのバランスを保ちましょう。
コストがかかるからといって、今まで成果が出ていたエージェント利用をいきなりゼロにし、リファラル採用やSNS採用に全振りするのは危険です。新しい採用チャネルは、軌道に乗るまでに時間がかかります。
ノウハウがない状態で切り替えてしまうと、応募がパタリと止まり、事業計画に必要な人員を確保できなくなる恐れがあるからです。エージェントを継続しつつ、少しずつダイレクト採用やリファラル採用の比率を高めていくスモールスタートがよいでしょう。
複数のチャネルを併用し、自社に合うパターンが見えてきたら徐々に予算配分を移行していくのが、失敗しないコツです。
「コスト削減=お金を使わないこと」と捉えて、業務効率化に必要なツールへの投資まで渋ってしまうケースがあります。しかし、月額数万円のATS(採用管理システム)や日程調整ツールを導入しないために、担当者が毎月何十時間も手作業で事務処理をしているなら、それは大きな損失です。
ツールを導入して浮いた時間を、候補者の動機付けや母集団形成といった「人間にしかできないコア業務」に充てるほうが、結果として採用成功率は上がります。効率化のためのツール費用はコストではなく、将来の工数を削減するための投資と捉えましょう。
コスト削減というと、求人原稿の作成やスカウトメールの送信など、あらゆる業務を社内で内製化しようとしがちです。しかし、社内にノウハウがない場合、見よう見まねで作った求人票ではまったく応募が来ないという事態になりかねません。
そうなれば、時間をかけた分だけ内部コストの無駄になります。運用代行(RPO)などに依頼したすることで、短期間で質の高い成果が得られ、結果的に早く採用が決まってトータルコストが安く済むケースも多く見られます。
「自分たちでやるのが一番安い」という思い込みを捨て、外部リソースを賢く活用する視点を持つことが大切です。
採用コストの削減は、経費節減だけでなく、企業の採用力そのものを強化する重要な経営課題でもあります。大切なのは、流行りの手法に飛びつかず、自社の課題がどこにあるのかを冷静に見極めることです。
エージェント費用が高すぎるならリファラル採用やダイレクトリクルーティングへの切り替えを行い、「早期離職による損失が大きい」ならトランジション採用を検討してみてください。
コストを適正化しつつ、質の高い人材を確保し、長く活躍してもらう好循環を作るために、まずは直近の採用単価を計算し、現状を把握することから始めましょう。
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▲出典:Workship CAREER
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また、採用広報支援や人事コンサルティングを通じて、母集団形成から内定承諾率向上までを一貫サポート。全国各地の優秀なIT・DX人材を確保し、貴社の採用課題を根本から解決します。
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(執筆:松尾隆弘 編集:猫宮しろ)