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メールマーケティングは現在も数多く行われているマーケティング手法のひとつですが、「メール開封までの戦略」がないがしろになっているケースが多く見受けられます。
激しいオンラインコミュニケーション競争の中で、あなたが送る一通のメールは、その他の多数のメールと常に競合する……だけではありません。そのメールの送り方や頻度によっては、逆に購読者を遠ざけてしまう恐れもあります。そのうえ多くのメール購読者は、Twitter、Facebook、Instagramのフィードをスクロールする等、メールを見る以外にも同時進行でさまざまな行動をしているのです。メールの件名が魅力的でなければ、数秒の間ですら購読者の心を掴むことはできず、その後購読者がそのメールに目を向ける機会は二度と訪れないでしょう。
たとえば「件名を考える」というタスクは、とても些細なものだと思われがちです。残念ながら多くのマーケターは、メール本文のドラフトから書き始め、件名は最後に考えるという手順を踏んでいます。しかしこのやり方こそが、開封率の低下の原因のひとつなのです。顧客の35%は、メールの件名をみてメールを開けるか判断をしています。そのため開封率向上を目指すには、適切な件名を考案することは非常に重要なのです。
今回はメールマーケティングの専門家であるKari Johnson氏が、メール開封率を向上させる件名の作り方をご紹介します。
どのようにすれば、メールコンテンツを要約しつつ、購読者を引きつける最適な件名を作れるのでしょうか。下記に9つのポイントをご紹介します。
購読者がメルマガ購読登録完了後に最初に受け取るメールは、ウェルカムメールです。タイトルは、購読者の好奇心をそそるようなテキストでなくてはなりません。
例えばEllevest Digitalは、ウェルカムメールの件名に「You got Ellevested! Here’s what’s next.(あなたはEllevestになりました!次にやることがここに書かれています)」というような、ユニークなテキストを採用しています。
メール購読者は、瞬時にこのメールは「Ellevest」からのものであり、次のステップを伝える内容だと理解できるでしょう。シンプルであると同時に、ブランドのパーソナリティを感じられるタイトルです。
件名の段階では、何かを「売る」ことが目的になってはいけません。件名の目的は、メール購読者に価値を届け、メールを開けてもらうことに焦点を当てるべきです。
メールの件名は、送信者が顧客へのコミットメントを約束するものです。購読者がメールを開いたとき、彼らにメールが価値があるものだと感じてもらえるような件名を考えましょう。
もちろん、件名のテキストを信頼してメールを開封した際に、本文が購読者をがっかりさせるようなものであってはなりません。本文もまた価値のあるコンテンツを載せましょう。
メール購読者はメールを見る際、さまざまなメールサービスやブラウザを使っています。そしてそれぞれのサービスごとに、表示できる件名の文字数は異なるでしょう。
以下は、よく使われるメールサービスにおける表示される文字数を示した表です。ぜひご参考ください。
また、よく読まれる件名の文字数は61-70文字(英語の場合)と言われています。
一方で私の受信箱にあるメールのほとんどの件名は、41-50文字か、あるいはそれ以下となっていました。
7年間メールマーケティングを経験した中で学んだのは、購読者リストをよく観察することが重要であるということです。もしリスト上の購読者の多くがメールをチェックするのにモバイルを利用している場合、短い件名にする方が安全です。そして短い字数の中でも、件名がメール購読者にとってインパクトのあるものにしましょう。
もし件名にメールの内容すべてを要約できなければ、「プレビューテキスト」を活用するのもひとつの手です。
プレビューテキストとは、件名に続くメールの短い要約になります。プレビューテキストを表示するため、プリヘッダーが機能しているかどうかを確認しましょう。
効果的な件名とプリヘッダーを考えるために、メールの目的をコール・トゥ・アクションへとつなげてみましょう。メールマーケティングの目的は、メール購読者に何か次のアクションを起こすように促すことだと思います。メールを閲覧する際に、利用するデバイスやメールサービスが異なっても同様の効果が出るように、適切な言葉を選び、適切に配置しましょう。
例として、Formaggio KitchenとAirbnbのメールをみてみましょう。件名とプリヘッダーテキストの内容を上手に組み合わせることで、メール購読者にメールを開封させるよう促しています。
件名を全てアルファベットの大文字で書いたり、ピリオド(.)やエクスクラメーションマーク(!)等の記号を多用するのは控えましょう。これらの過剰な件名はスパムとして認識されやすく、メール開封率を大きく下げます。
また、件名に「Re」または「Fwd」を使用して開封率を獲得することも魅力だと思われがちですが、こちらも迷惑メールフィルタによって誤解を招くメールとして排除されることがあるので、控えた方が良いです。
どんなに魅力的な件名を書いたとしても、件名とメール本文が合っていなければ意味がありません。メールの本文では、件名に書いた内容について詳しく述べ、一貫性のあるメッセージを伝えなくてはなりません。
下記のUrban Outfittersのメールを見てみましょう。メールの件名では「予算に合ったバレンタインギフト」に言及していますが、本文中の画像ではさまざまな価格帯のギフトがあることを示しています。
人間は元来「逃すことへの恐れ」を持っています。メールの件名に切迫した雰囲気があると、購読者はメールをより開封しやすくなります。
この戦術は特に、小売業者にとっては一番の稼ぎ時である「ホリデーリーズン」に有効です。メール購読者が、まさにショッピングや旅行にお金を使おうという時に、緊急性を促すキャンペーンを打つ事で、より高いコンバージョンを得られるのです。
Tough Mudderは、購読者が即座にメールを開きたくなるような件名のメールを送信しています。
件名は、購読者にオファーを提供する際にとてもうまく機能します。
例えば、「おめでとう!あなたはウォレットに200ポイントを獲得しました!」「25ドルのクーポンコードをプレゼント!」というような件名のメールが来たら、私なら衝動的に沢山の商品を買ってしまうでしょう。
実際にこれと似たような件名のメールが飲食デリバリーサービス会社から送られてきた時に、思わず食べ物をオーダーしてしまった経験が私にはあります。その時はメールの件名のみを読んで、すぐにその会社のモバイルアプリを開き、食べ物を注文しました。私のように、即行動を起こし購入するような顧客も少なくはないのです。
最も重要なことは、何がそのブランドやビジネスにとって効果的であるか、さまざまな件名をテストして効果を測定することです。
それぞれのメール開封率の結果を見ながら、どれくらいのテキストの長さが良いか、どんなお得情報なら開封率が上がるか等、それぞれの要素をチェックしていき、繰り返し調整を行ないましょう。テストを繰り返すことで、ターゲットオーディエンスに件名がきちんと響いているかを検証し、またそこからより良い件名のアイデアを見つけられるでしょう。
メールマーケティングが年々変化を遂げているように、メールの件名のトレンドも少しずつ変わってきています。数年前まではとてもつまらない件名ばかりが使われていましたが、近年はより消費者目線で考えられたものへと進化を遂げています。
それを踏まえ、未来のメールの件名がどんなものになるのか、今後のトレンドを予測してみたいと思います。
「絵文字」は件名の文章をより人間らしく、また時には言葉よりも効果的にメッセージを届けてくれます。絵文字の利用は、購読者の心をつかむために、マーケターの間でより広がっていくでしょう。絵文字はメールキャンペーンの開封率を上げるだけではなく、購読者と感覚を通じさせるためにも効果的です。
絵文字を含む件名は、プレーンテキストの件名に比べ、56%も高い開封率をもたらします。ミレニアル世代の開封率も、絵文字によって大きく上がっているようです。
下記のようにさまざまなブランドが、メール開封率を向上させるために絵文字を利用しています。
ファーストネームをメールの件名に含めるテクニックは、メールマーケティングにおける間違いない選択肢でしょう。
メールボックスに入ってくる一通一通のメールのうち、私に「こんにちは、Kari」と名前を呼んで話しかけてくるメールがあったら、正直いって気分が良いものです。この ””ちょっとしたいい気分”” が、多くの購読者にメールを開かせているのです。
あなたが運営するアパレルストアアプリで、あるメール購読者が赤いチュニックトップを検索したとします。そうしたら「あなたが探しているチュニックトップが25%OFFに!」という件名でメールを送ってみてはどうでしょうか。
もしこのような施策を行いたい場合、AIによるオートメーションシステムを活用すれば実施できるようになります。メールオートメーションを設定して、適切な件名とともに、トリガーとなるメールを送りましょう。メールオートメーションによるパーソナライズドされたメールに、購読者は反応するようになり、より大きなのコンバージョンをもたらすでしょう
よりよい件名を生み出すためには、クリエイティブなアイディアを総動員しましょう。もしかするとあなたの購読者は「あなたの次の注文が50%OFFになります!」といったタイトルのメールを、他にも沢山受け取っているかもしれません。
であれば、他社と差別化できる、より斬新なアイディアを試してみましょう。他のメールにはまだ使われてない方法で購読者を誘い、メールを開くように誘導するのです。
Chubbiesはこんなタイトルでメールを送っています。
件名のテキストである「we bribed the post office” (私たちは郵便局に賄賂を渡した)」そして、フォームネームには「you hang up first(先に電話を切って)」と書かれています。
ややトリッキーではありますが、このような内容は購読者の興味をそそるでしょう。記号や絵文字などで件名を目立たせるようなテクニックは使わず、テキストそのものの面白さに重点を置いたのです。
その他、何か興味をそそるような質問を投げかけたり、件名に数字を使うことも、開封率を上げるのに効果的です。
近年は多くのメールがモバイル端末で見られていることから、マーケターはよりモバイルにふさわしいメールを作らなくてはなりません。
モバイル端末でより開封率を上げるためには、「2:2:2の法則」を心がけましょう。この法則は、最初の2秒で判断し、件名の最初の2文字で重要なメッセージを伝え、そして2日以内にアクションを起こす必要性を伝える、というものです。これによって、購読者に「今すぐにメールを開けなくては!」という感覚をもたらせられるのです。
「新聞記事の見出しが、記事を読む読者の数を決める」と言われているように、メールマーケティングにおける件名は、メールを開封する購読者の数を決めます。
メールの中身を書き終えてから件名を考えるのではなく、メールの件名からメール全体の企画を考えることで、よりキャンペーンを効果的にできるでしょう。
(原文:Kari Johnson 翻訳:Akiko Ogita)
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