InkscapeはIllustratorの代わりになるか?8つのポイントで機能比較

Inkscape vs Illustrator

月額で使用料金がかかる『Adobe llustrator』に対して、無料で使用できるのが魅力の画像編集ソフトウェア『Inkscape』。

「Inkscapeを、Illustratorの代替品として使用できるのでは?」と考えている人もいるでしょう。

今回はInkscapeとIllustratorの違いを8つの視点から考察し、InkscapeはIllustratorの代わりになるのか検証していきます。

Inkscapeとは

Inkscape vs Illustrator

▲出典:Inkscape

Inkscapeは無料で使用できる、SVG形式対応のオープンソースのグラフィックエディター。クリーンなインターフェイスが特徴です。

Inkscape vs Illustrator

Inkscapeには多様な機能が搭載されており、たとえば以下のようなデザインが作成可能です。

  • ロゴ
  • パンフレット
  • ポスター
  • バナー
  • Webデザインのモックアップ
  • レーザーカッター用のデータの作成

Adobe Illustratorとは

Inkscape vs Illustrator

▲出典:Adobe Illustrator

IllustratorはAdobe Creative Cloudのサービスのひとつです。Inkscapeに搭載されている機能はもちろん、より高度な画像編集が可能です。

モバイルアプリも展開しており、シンプルなレイアウトやロゴなどの作成に最適。他にも販促資料やゲームなどの活用にもおすすめです。

ストロークとパスをコントロールできるだけでなく、遠近グリッドツールを使えば奥行きのある複雑なアートワークも作れます。テキストを操作して外部にリンクさせるなど、複雑な編集ができるのもポイント。

Inkscape vs Illustrator 機能比較8ポイント

ここからは、以下の8つのポイントでInkscapeとIllustratorを比較していきます。

  1. ユーザーインターフェース
  2. 機能
  3. 価格
  4. 柔軟性
  5. 雇用機会
  6. CMYK
  7. クローン機能
  8. オープンソース

1. ユーザーインターフェース

Inkscape vs Illustrator

InkscapeはIllustratorにくらべると、初心者には使いやすく、操作方法も分かりやすいといえます。

Inkscape vs Illustrator

一方で操作が簡単なのは、機能がシンプルだからともいえます。

用途や作業の複雑さによって、InkscapeとIllustratoのどちらを使うべきか検討しましょう。

2. 機能

Inkscape vs Illustrator

先述したとおり、機能の面では複雑なイラスト、タイポグラフィ、アイコン、ロゴを制作できるIllustratorに軍配が上がるでしょう。

しかしInkscapeも、イラスト、スケッチ、カラーリングなどの機能を無料で提供しています。

またIllustratorだけでなくInkscapeも、ビットマップ画像をベクター画像に変換できるため、初心者には十分すぎる機能が備えられています。

3. 価格

Inkscape vs Illustrator

▲出典:Adobe

Illustratorには「無料お試し版」がありますが、一定の期間が経過すると有料になるので注意が必要です。ニーズに合わせてプランを選択しましょう。

一方のInkscapeは、inkscape.orgから無料でダウンロードできます。有料のプレミアムプラン等も存在しません。

4. 柔軟性

Inkscape vs Illustrator

▲出典:inkscape

InkscapeとIllustratorは、どちらも柔軟性に優れています。ただし、InkscapeはEPS形式をサポートしていません。

Inkscape vs Illustrator

またInkscapeは通常、JPEGファイルを書き出せませんが、拡張機能を使えば可能です。

5. 雇用機会

Inkscape vs Illustrator

仕事でどちらを使うか迷ったときは、Illustratorをおすすめします。

多くの企業はIllustratorを使用しているため、仕事ならばIllustratorのほうが有利でしょう。

6. CMYK

Inkscape vs Illustrator

IllustratorはCMYKに対応していますが、Inkscapeは対応していません。そのため、Inkscapeで印刷物を制作するのは難しいでしょう。

ポスターやリーフレットなどを制作する予定があるなら、Illustratorがおすすめです。

7. クローン機能

Inkscape vs Illustrator

クローン機能とは、上の画像の星マークのようにクローンを簡単に作成できる機能です。またタイルクローンという機能を使うと、パターンを作ることも可能。他にはクローンのリンク先の設定や解除など、リンクの管理もできます。

クローン機能はInkscapeにはついていますが、Illustratorにはついていません。

8. オープンソース

Inkscape vs Illustrator

Inkscapeはオープンソースソフトウェアなので、必要に応じてプログラムの変更や、再配布ができます。

Inkscape vs Illustrator

ただグラフィックデザイナーにとっては、オープンソースであること自体はあまり大きなベネフィットではないかもしれませんね。

まとめ

Inkscapeの最大の弱点は、印刷物に向いていない点です。しかし今後、印刷物の需要が減ることで、IllustratorとInkscapeのギャップはさらに縮まるはず。

モバイルアプリやWebサイトのアイコンなどの画像を制作したいなら、Inkscapeで十分カバーできるでしょう。

今回の記事が「InkscapeをIllustratorの代わりになるか?」の判断材料になれば幸いです。

(執筆:Design your way 翻訳:Nakajima Asuka 編集:Sansui Riho)

SHARE

  • 広告主募集
  • ライター・編集者募集
  • WorkshipSPACE
週1〜3 リモートワーク 土日のみでも案件が見つかる!
Workship