2023年のIT導入補助金は個人事業主/フリーランスも使える?申請条件、必要書類、金額上限まとめ【FPが解説】

IT導入補助金 アイキャッチ

猛威を振るった新型コロナウイルスの影響が落ち着きはじめた2023年。アフターコロナで社会のデジタル化はいっそう進む一方、フリーランスにとってはITソフト、ツールの導入費用が悩みの種になっているかもしれません。

そんな状況で活用できるのが、中小企業庁が推進する中小企業・個人事業主向けの補助金IT導入補助金です。

今回は、IT導入補助金の概要や申請条件、必要書類、上限額などを、個人事業主として活動した実績も豊富なFPが解説します。

※本記事は、従業員を雇用していない独立系フリーランスの読者を対象にしたものです

執筆:齊藤颯人
執筆:齊藤颯人

FP事務所『トージンFP事務所』代表、ファイナンシャル・プランナー(AFP)。Workship MAGAZINEのマネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修を行う。自身もフリーランス経験豊富で、当事者ならではの情報発信に強み。

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、中小企業・個人事業主がITツールを導入する際に活用できる補助金です。

IT導入補助金の概要

▲出典:IT導入補助金HP

日本はDXの遅れが叫ばれて久しいですが、とくに中小企業や個人事業主の対応不足は深刻です。そんな状況下にもかかわらず、マイナンバーやテレワーク、インボイス制度など、対応できなければ事業に大きな支障をきたす社会の変化が進んでいます。当然、ITツール導入を検討する事業者も増えていると思われます。

しかし、DXを推進したいと思っていても、高価なITツールの導入費用がネックになっている方もいるかもしれません。こうした課題を解決し、日本のDXを推進する政策のひとつがIT導入補助金です。

国が音頭をとる政策なだけあって、中小機構や中小企業庁といった公的機関が制度を監督しています。最近は毎年のように制度が実施され、知名度も高いため、IT業界で活動する方は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

IT導入補助金の申請枠・補助上限額

IT導入補助金には、合計で3つの申請枠があります。それぞれの枠ごとに対象経費や補助率、上限額が変わってくるため、順に確認していきます。

通常枠(A類型・B類型)

IT導入補助金 通常枠 概要

▲出典:IT導入補助金資料

通常型は、文字通り一般的な申請枠となります。補助対象になるのは「ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費」で、補助率は2分の1以内「ソフトウェア関連の導入費」を補助してくれるものとイメージしてください。ハードウェア関連には適用されません。

A類型とB類型の違いは、導入するツールなどが下記の機能要件のうち「4プロセス」を超えるかどうかで変わります。超えた場合はB類型、超えない場合はA類型での申請です。各プロセスについては以下の表のとおりですが、わかりやすく言えば多機能なツールを導入すればB類型になります。

種別 プロセス名
共通 顧客対応・販売支援
共通 決済・債権債務・資金回収
共通 供給・在庫・物流
共通 会計・財務・経営
共通 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
業種特化 業種固有プロセス
汎用 汎用・自動化・分析ツール

A類型とB類型の違いは以下の通り。

類型 補助金申請額 補助率 プロセス数 賃上げ目標 補助対象
A類型 5万円~150万円未満 1/2以内 1以上 加点項目 ソフトウェア購入費および導入するソフトウェアに関連するオプション・支援の費用
B類型 150万円~450万円以下 4以上 必須要件

補助額の違いも大きいですが、個人事業主にとっては「賃上げ目標」の要素も大切です。

従業員を雇っていない個人事業主の場合、賃上げもなにも給与支払いをしていないケースが大半でしょう。そうなると、賃上げ目標の設定は不可能です。一応、昨年の同補助金の「よくある質問」によれば、従業員がいない場合のB類型の賃上げ目標は「役員報酬(個人事業主の場合は売上or事業所得か)の増額目標でもOK」と書かれています。

ただ、例外的なケースであることは間違いなく、B類型での申請は厳しくなるのではないかと思われます。

セキュリティ対策推進枠

IT導入補助金 セキュリティ対策推進枠 概要

▲出典:IT導入補助金資料

セキュリティ対策推進枠は、サイバー攻撃に対する対策を講じた場合の「セキュリティソフト利用料」を支援してもらえる申請枠です。ただし、どんなソフトでも良いわけではなく、情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に記載されているソフトのなかから選択する必要があります。

サイバーセキュリティお助け隊サービス

▲出典:IPA

具体的な補助額などは以下の通りです。

対象 サービス利用料(最大2年分)
補助率 1/2以内
補助下限額・上限額 5万円~100万円

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

IT導入補助金 デジタル化基盤導入枠

▲出典:IT導入補助金資料

デジタル化基盤導入枠は、「デジタル化を推進するため、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの導入費用に加え、PC・タブレット、レジ・券売機等の導入費用を支援する」制度。つまり、インボイス制度やマイナンバー、電子決済の推進といった、「デジタル化」に関する費用を補助してもらえます。こちらはハードウェアもOK。

補助対象が広いぶん、補助額や補助率も複雑です。詳しくは以下の表をご覧ください。

IT導入補助金 デジタル化基盤導入枠 詳細

▲赤枠内がデジタル化基盤導入枠の詳細(出典:IT導入補助金資料)

この枠は補助率が高いうえ、後で触れるように申請条件がゆるく、採択率も高いため、申請を考える際はまず「デジタル化基盤導入枠」から検討してみることをおすすめします。

IT導入補助金の申請条件

IT導入補助金は、誰でも・どんなITツールでも補助を受けられるわけではありません。以下では、個人事業主の申請が難しいと思われる通常枠B型と複数社連携IT導入類型、商流一括インボイス対応類型以外に共通する申請条件をみていきます。

申請資格のある個人事業主

IT導入補助金の申請資格は非常に多いので、おもな申請条件をピックアップしてみました。このほかにもいくつか条件はありますが、大半の個人事業主は以下の条件をクリアできれば申請可能なはずです。

  • 日本国内で事業を営んでいる
  • 交付申請の直近月で、従業員が地域の最低賃金以下で働いていない
  • gBizIDプライムを取得している
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「一つ星」または「二つ星」いずれかの宣言を行う。また、宣言内容を確認する際、事務局が一部の交付申請情報を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と共有することに同意する
  • 国および中小機構その他の独立行政法人の、ほかの補助金などと重複する事業を補助事業の対象としていない
  • 中小機構が実施する補助事業で不正行為を行っていない(加担していない)。また、今後も不正な行為を行わない(加担しない)
  • 中小企業庁が実施するデジタル化支援ポータルサイト「みらデジ」における「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行った事業者である(なお、本事業の申請に用いた gBizIDプライムを利用して事業者登録を行ったうえで、経営チェックを実施すること)
  • IT導入支援事業者と確認を行ったうえで、生産性向上に関する情報(売上、原価、従業員数および就業時間、給与支給総額、事業場内で最も低い賃金など)を事務局に報告する(通常枠、セキュリティ対策推進枠)
  • 補助事業を実施することによる労働生産性の伸び率の向上について、1年後の伸び率が3%以上および3年後の伸び率が9%以上(通常枠)、3年後の伸び率が3%以上およびこれらと同等以上(セキュリティ対策推進枠)となるよう、実現可能かつ合理的な生産性向上を目標とした計画を作成する(過去3年でIT導入補助金を利用している場合、目標値がUP)
  • IT導入支援事業者と確認を行ったうえで、インボイス制度への対応状況などに関する情報を事務局に報告する(デジタル化基盤導入枠)

項目はいくらか絞り込んだのですが、かなり項目が多く、かつ複雑です。なかでもとくに解説が必要な項目は以下でピックアップします。

なお、このほかにも業種や従業員数、資本金要件などがあるものの、ほとんどが「大企業の申請を防ぐため」の条件なので、個人事業主はあまり気にしなくても大丈夫です。

【gBizIDプライム】

gbiz-id

▲出典:gBizID公式サイト

gBizIDプライムとは、国が提供する行政サービス用のアカウントのこと。アカウント発行申請自体の難易度はそれほど高くありませんが、申請から発行までに時間がかかるため、余裕を持ったスケジュール調整が大切です。

【SECURITY ACTION】

SECURITY ACTION

▲出典:IPA

SECURITY ACTIONとは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が定める、セキュリティ目標の「自己宣言」制度のこと。IPAの認定が必要なものではないため、あくまで「IPAが定めるセキュリティ目標を達成するための取り組みをします」と宣言すればOKです。

【労働生産性】

ここでいう「労働生産性」とは、「青色申告特別控除前の所得金額(売上-経費)+人件費+減価償却費+家賃など+税金など」の合計値(従業員のいない個人事業主の場合)のことです。

【みらデジ】

みらデジ

▲出典:みらデジ

みらデジは、中小企業庁が制作した「経営課題のデジタル化によるソリューション提案サービス」といえます。利用者はみらデジの利用者登録を行い、チェックツールで課題を把握できます。

みらデジの要件化

▲出典:IT導入補助金資料

なお、こちらが利用条件に入ったのは、2023年のIT導入補助金がはじめてです。

申請資格のあるITツールは「事務局に登録されたツール」のみ

申請資格のあるITツールの概要は、各枠について解説する部分で触れました。

しかし、大前提として、IT導入補助金を利用する際には「補助事業を申請者とともに実施する、補助事業を実施するうえでのパートナー」にあたる「IT導入支援事業者」と協力する必要があります。

そして、補助対象となるITツールは、IT導入支援事業者(IT企業など)がIT導入補助金事務局に登録したITツールのみです。

IT導入補助金のしくみ

▲IT導入補助金のしくみ(出典:IT導入補助金資料)

IT導入支援事業者はこちらのリンクからも探せますが、ITツールから検索したい場合もあるでしょう。公式に一覧表はありませんが、IT企業も自社のツールで補助金を利用してもらいたいと思っているため、サービスサイトなどに「IT導入補助金の対象です」などの文言を入れているケースもあります。

IT導入補助金の採択率

IT導入補助金は、過去実施分の採択率が公式に公開されています。参考までに、IT導入補助金2022の採択率は以下の通りです。

通常枠(A類型):約60%

  • 第1次:約56%
  • 第2次:約55%
  • 第3次:約49%
  • 第4次:約44%
  • 第5次:約61%
  • 第6次:約65%
  • 第7次:約70%
  • 第8次:約67%
  • 第9次:約69%
  • 平均値:約60%

申請者数は、おおむね2000~3000程度の幅でおさまります。

採択率は回によって差がありますが、後半の回になるにつれて採択率が高くなっています。おそらく最初のほうの回で「不採択」とされた事業者が、計画を見直して再申請しているためでしょう。そう考えると、手間はかかりますが、制度の趣旨に合致していれば採択される可能性は高そうです。

ただし、繰り返しになりますが、じつは「デジタル化基盤導入枠」のほうが使いやすい側面があります。通常枠とはいうものの、「王道」の枠ではないので注意が必要です。

セキュリティ対策推進枠:約97%

  • 第1次:100%
  • 第2次:95%
  • 第3次:約96%
  • 第4次:100%
  • 第5次:約95%
  • 第6次:約96%
  • 第7次:約96%
  • 平均値:約97%

申請者数は少なく、多い回でも100には届きません。かなり用途が限られた補助枠のためと考えられます。

一方、すでに制度として使い道がかなり限定されているためか、条件に合致して申請した時点でほぼ100%採択されているのも特徴です。

デジタル化基盤導入枠:約83%

  • 第1次:約87%
  • 第2次:約88%
  • 第3次:約86%
  • 第4次:約87%
  • 第5次:約83%
  • 第6次:約82%
  • 第7次:約82%
  • 第8次:約86%
  • 第9次:約79%
  • 第10次:約78%
  • 第11次:約80%
  • 第12次:約82%
  • 第13次:約78%
  • 第14次:約81%
  • 第15次:約84%
  • 第16次:約82%
  • 第17次:約82%
  • 第18次:約86%
  • 第19次:約77%
  • 平均値:約83%

こちらは受付回数・合計申請数・合計採択数・採択率とすべてにおいて通常枠を上回っており、まず最初に申請を検討すべき申請枠といえます。

理由としては、申請条件に賃上げ目標や生産性向上目標がなく、審査ポイントが少ないことが挙げられるでしょう。また、申請条件に「インボイス制度」に関する項目があったことから、よく言えば「インボイス制度で困る事業者が出ないようにしたい」、悪く言えば「補助金があるんだからインボイス制度に対応できるよね?」という国からのメッセージにも感じます。

IT導入補助金の申請に必要な書類

IT導入補助金の申請に必要な書類は、以下の通りです。

  • 運転免許証or運転経歴証明書or住民票
  • 所得税の納税証明書
  • 確定申告書

IT導入補助金は、IT支援事業者と協力しながら申請する関係上、申請者側で用意が必要な書類は少なめです。ただし、次で述べるように申請フローは長く、しかも複雑になってくるので、油断してはいけません。

IT導入補助金のスケジュール

2023年のIT導入補助金のスケジュールはすでに公表されています(直近分のみ)。なお、IT導入補助金は1年に何度も締め切りがあるタイプの補助金で、例年ですと通常枠で10回程度の申請締め切りが設定されています。

そのため、直近の締め切りに間に合わなくても、次の回の申請には間に合うケースが大半です。

以下では、枠ごとに現状公開分のスケジュールを整理します。最新のスケジュールについては、公式サイトをご覧ください。

通常枠のスケジュール

1次締切分 締切日 2023年4月25日(火)17:00
交付決定日 2023年5月31日(水)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
2次締切分 締切日 2023年6月2日(金)17:00
交付決定日 2023年7月11日(火)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
3次締切分 締切日 2023年7月10日(月)17:00
交付決定日 2023年8月22日(火)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
4次締切分 締切日 2023年7月31日(月)17:00
交付決定日 2023年9月12日(水)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
5次締切分 締切日 2023年8月28日(月)17:00
交付決定日 2023年10月12日(木)(予定)
事業実施期間 ~2024年3月29日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年3月29日(金)17:00
6次締切分 締切日 2023年10月2日(月)17:00
交付決定日 2023年11月6日(月)(予定)
事業実施期間 ~2024年4月30日(火)17:00
事業実績報告期限 2024年4月30日(火)17:00
7次締切分 締切日 2023年10月30日(月)17:00
交付決定日 2023年12月4日(月)(予定)
事業実施期間 ~2024年5月31日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00
8次締切分 締切日 2023年11月27日(月)17:00
交付決定日 2024年1月9日(火)(予定)
事業実施期間 ~2024年6月28日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年6月28日(金)17:00

セキュリティ対策推進枠のスケジュール

1次締切分 締切日 2023年4月25日(火)17:00
交付決定日 2023年5月31日(水)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
2次締切分 締切日 2023年6月2日(金)17:00
交付決定日 2023年7月11日(火)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
3次締切分 締切日 2023年7月10日(月)17:00
交付決定日 2023年8月22日(火)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
4次締切分 締切日 2023年7月31日(月)17:00
交付決定日 2023年9月12日(水)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
5次締切分 締切日 2023年8月28日(月)17:00
交付決定日 2023年10月12日(木)(予定)
事業実施期間 ~2024年3月29日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年3月29日(金)17:00
6次締切分 締切日 2023年10月2日(月)17:00
交付決定日 2023年11月6日(月)(予定)
事業実施期間 ~2024年4月30日(火)17:00
事業実績報告期限 2024年4月30日(火)17:00
7次締切分 締切日 2023年10月30日(月)17:00
交付決定日 2023年12月4日(月)(予定)
事業実施期間 ~2024年5月31日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00
8次締切分 締切日 2023年11月27日(月)17:00
交付決定日 2024年1月9日(火)(予定)
事業実施期間 ~2024年6月28日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年6月28日(金)17:00

デジタル化基盤導入枠のスケジュール

1次締切分 締切日 2023年4月25日(火)17:00
交付決定日 2023年5月31日(水)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
2次締切分 締切日 2023年5月16日(火)17:00
交付決定日 2023年6月21日(水)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
3次締切分 締切日 2023年6月2日(金)17:00
交付決定日 2023年7月11日(火)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
4次締切分 締切日 2023年6月20日(火)17:00
交付決定日 2023年8月1日(火)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
5次締切分 締切日 2023年7月10日(月)17:00
交付決定日 2023年8月22日(火)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
6次締切分 締切日 2023年7月31日(月)17:00
交付決定日 2023年9月12日(水)(予定)
事業実施期間 ~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
7次締切分 締切日 2023年8月28日 (月) 17:00
交付決定日 2023年10月12日(木)(予定)
事業実施期間 ~2024年3月29日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年3月29日(金)17:00
8次締切分 締切日 2023年9月11日(月)17:00
交付決定日 2023年10月24日(火)(予定)
事業実施期間 ~2024年4月30日(火)17:00
事業実績報告期限 2024年4月30日(火)17:00
9次締切分 締切日 2023年10月2日(月)17:00
交付決定日 2023年11月6日(月)(予定)
事業実施期間 ~2024年4月30日(火)17:00
事業実績報告期限 2024年4月30日(火)17:00
10次締切分 締切日 2023年10月16日(月)17:00
交付決定日 2023年11月20日(月)(予定)
事業実施期間 ~2024年5月31日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00
11次締切分 締切日 2023年10月30日(月)17:00
交付決定日 2023年12月4日(月)(予定)
事業実施期間 ~2024年5月31日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00
12次締切分 締切日 2023年11月13日(月)17:00
交付決定日 2023年12月18日(月)(予定)
事業実施期間 ~2024年6月28日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年6月28日(金)17:00
13次締切分 締切日 2023年11月27日(月)17:00
交付決定日 2024年1月9日(火)(予定)
事業実施期間 ~2024年6月28日(金)17:00
事業実績報告期限 2024年6月28日(金)17:00

IT導入補助金の審査ポイント

IT導入補助金は、補助金のなかでは採択率が高めの制度といえます。しかし、それでも通常枠では40%ほどの事業者が不採択になっているなど、誰でも受け取れる補助金ではありません。

幸い、審査のポイントは公式に発表されており、大きく分けて以下の3要素から評価されます。

  • 事業面の評価
  • 計画数値面の評価
  • 加点項目に関する取り組みの評価
IT導入補助金 審査のポイント

▲出典:IT導入補助金資料

以下では、この要素を踏まえたうえで、おさえておきたい審査のポイントを具体的に解説します。

ポイント1. 事業課題を把握し、改善プロセスにマッチしたITツールを選定できているか

大前提として、IT導入補助金は「自社の経営課題を、デジタル化によって解決する」ための補助金です。

つまり、審査にあたって「自社の経営課題をしっかり把握」し、「改善のための問題意識をもった」うえで、「課題を解決できる適切なITツールを選んでいる」かどうかが重要です。

上記の内容をしっかり整理し、客観的に説得力のある形で審査担当者にアピールする必要はあります。ただ、頭ではわかっていても、自分一人の力ではなかなかうまく表現できないかもしれません。

こうした事情もあり、公式では「支援機関・専門家等への相談・連携が有効」と強調されています。IT導入支援事業者との連携はもちろん、普段から事業に伴走してくれている税理士や金融機関などへの相談なども重要といえるでしょう。

なお、頼れる相談先がない場合、申請要件にもなっている「みらデジ」のサービスである「みらデジリモート相談」の活用も検討してみてください。こちらは無料で中小企業診断士やITコーディネータといった専門家に上記の項目を相談できるため、かなりお得なサービスです。

みらデジの活用メリット

▲みらデジの概要(出典:IT導入補助金資料)

ポイント2. 労働生産性を向上させられる適切な計画があるか

通常枠とセキュリティ対策推進枠では、ITツールの導入を通じて労働生産性を向上させることが必須条件になっています。当然、労働生産性を向上させられる適切な(妥当性、実行可能性がある)計画が重要です。

一方、「デジタル化基盤導入枠」には労働生産性目標がないため、この条件は必須ではありません。しかし、「ITツールを導入したところで一切生産性は変わりません」となってしまっては、さすがに補助してもらうのは難しいでしょう。目標値はないものの、できるだけ労働生産性を向上させられる計画は用意したいところです。

ポイント3. 加点項目を満たせているか

IT導入補助金には、全枠共通のものと、各枠ごとのもので、それぞれ「加点項目」があります。具体的には以下のような項目が挙げられています。

  • 生産性の向上及び働き方改革を視野に入れ、国の推進する関連事業に取り組んでいるか
    (例:地域経済牽引事業計画、健康経営優良法人、地域DX促進活動支援事業、介護職員等特定処遇改善加算、事業継続力強化計画)
  • クラウド製品を選定しているか
  • 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定しているか(セキュリティ対策推進枠の場合)
  • インボイス制度対応製品を選定しているか(デジタル化基盤導入枠の場合)

当然、加点項目を満たせば審査通過率は上がるでしょう。従業員のいない個人事業主には達成の難しい項目もありますが、できる範囲のものがあれば積極的にねらいたいところです。

IT導入補助金の申請方法

IT導入補助金は、IT導入支援事業者との連携やツール導入が必要な都合上、申請方法が少し複雑です。とくに、「補助金採択前にツールを導入すると、その時点で補助対象外になる」など、後戻りできないポイントがいくつかあります。

IT導入補助金 申請フロー

▲IT導入補助金の申請フロー全体像(出典:IT導入補助金資料)

以下で触れる注意点をしっかりと把握し、ミスなく申請できるようにしましょう。

ステップ1. ITツール(IT導入支援事業者)を選ぶ

まず、IT導入補助金の根幹となるITツールを選びます。ITツールの選び方は本題ではないため割愛しますが、価格のようなわかりやすいものを除くと、一般的には以下の基準で選定されることが多いでしょう。

  • 自社の経営課題を解決できる
  • 導入実績、業務改善実績が豊富
  • 拡張性がある
  • 使い勝手(UI)がいい
  • アップデートが頻繁に行われる
  • セキュリティ対策が万全

ただし、先ほども触れたように、どんなITツールでも選べるわけではありません。あくまで「事務局に登録済みのITツール」に限定される点には注意しましょう。

ITツールにある程度目星がついたら、IT導入支援事業者を選んでいきます。この際は、最初から1つのITツール・事業者に絞るのではなく、複数社にコンタクトをとってみることをおすすめします。

IT導入支援事業者は、補助金申請の過程でパートナーになることはもちろん、文字通りITツールの導入支援なども依頼する相手となります。仮にネット上で確認できるツールのスペックが一番優れていても、担当者とのコミュニケーションで「レスポンスが全然返ってこない」「商品を売りたいばかりで課題をくみ取ってくれない」「資料に誤字やミスが多数含まれている」というような場合は注意が必要です。

ステップ2. 申請条件を満たしていく

ITツールおよび支援事業者が確定したのちは、先ほども解説した申請条件を満たす手続きを進めます。具体的には、以下の3条件をクリアしていきましょう。

  • 「gBizIDプライム」アカウントの取得
  • 「SECURITY ACTION」の実施
  • 「みらデジ経営チェック」の実施

手続きによっては思わぬ時間を要する場合がある(例:gBizIDプライムは発行に2週間程度かかる)ため、早めはやめの準備を心掛けましょう。

ステップ3. 交付申請を行う

申請条件を満たせたら、いよいよ交付申請を行います。ただ、交付申請はIT導入支援事業者と共同で進める必要があり、両者の連携がスムーズな申請の鍵になります。

具体的な交付申請の流れは以下の通りです。

  1. IT導入支援事業者から『申請マイページ』への招待を受ける
  2. 申請者の基本情報を入力する
  3. 交付申請に必要な情報を入力し、書類を添付する。
  4. IT導入支援事業者側が、導入するITツール情報、事業計画値を入力する
  5. 『申請マイページ』上で入力内容を最終確認し、事務局へ提出する

太字の項目が申請者の作業で、細字は支援事業者の作業です。支援事業者側の作業も多いことを覚えておきましょう。

なお、申請完了の段階で支援事業者との商談はかなり進んでいると思いますが、交付が決定するまで絶対に「ITツールの発注・契約・支払いなど」を行ってはいけません。

不採択になれば補助が受けられないのは当然ですが、事前に上記の手続きを行ってしまうと、採択された場合も補助金が交付されなくなります。

ステップ4. ITツールを導入する

補助金の交付が決まったら、正式に契約などを済ませてITツールを導入します。ツールの導入は支援事業者が主導で進める場合も、支援事業者からの質問や連絡にはスムーズに回答しましょう。そうすることで、ツールを円滑に導入できます。

ツールの導入が無事に完了したら、ツールを発注~導入したことがわかる証拠書類などを以下の手順で提出します。

  1. 申請者が『申請マイページ』から事業実績報告に必要な情報および証拠を添付し、事業実績報告を作成する
  2. 事業実績報告が作成された後、IT導入支援事業者が内容を確認し、必要情報を入力する
  3. 最終確認後、申請者が事務局に事業実績報告を提出する

ステップ5. 補助金を受け取り、事業実施効果を報告する

事業実績報告などの審査が完了すると、補助金が実際に交付されます。ここで一連の流れはひと段落するといっていいでしょう。

しかし、補助金は受け取って終わりではありません。事業が終了したら、「生産性はどれだけ向上したか」「インボイス制度への対応はできたか」「ITツールは継続的に活用できているか」といった情報などをまとめ、事務局に報告します。

この際、すでにITツールの利用をやめてしまっていたり、廃業などで事業を取りやめたりしていた場合は「補助金辞退」という扱いになり、補助金の一部または全部の返還が必要になるため、注意が必要です。

まとめ

ここまで、IT導入補助金について解説してきました。

改めてまとめると、IT導入補助金はDXを考える個人事業主でも活用できる一方、ITツールやIT導入支援事業者の選定、事業実施報告といった手間も発生する制度です。補助によって得られるリターン(補助金額)と、発生する手間をよく比較し、申請の可否を決定することをおすすめします。

【各種資料・リンク】

(執筆:齊藤颯人 編集:少年B)

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