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「6週間では間に合わないんだ、3週間で終わらせてくれないか?」←アナタは何て答える?【仕事がデキる人の交渉術】

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BUSINESS

「6週間では間に合わないんだ、3週間で終わらせてくれないか?」

報酬やスケジュールを決める際、そこには常に「交渉」が生じます。交渉の駆け引きをうまく操ることは、自社のプロダクトを守るだけではなく、リーダーとしての強みを示すことになり、今後のキャリアにも繋がるでしょう。

そして「交渉成立」への方法は、至ってシンプルです。双方が相手の話を丁寧に聞き、お互いの立場を理解すればいいのです。話を聞いて相手に共感することは、交渉成立のための基本的な条件といえます。

しかし多くの人にとって、交渉は苦労をともないます。「交渉成功のためには相手への共感が必要」とわかっていても、自分を上手くコントロールできない人は多いでしょう。裏を返すと、交渉が上手い人は自分の感情をコントロールできているといえるのです。

今回は「自己共感と感情のコントロール」をテーマに、仕事がデキる人の交渉術をご紹介します。

交渉の場における感情

近年、交渉に関する研究において感情の役割が注目されています。自身の感情にまず焦点を当て、それを中心に戦略を構築する方法です。

研究者は、交渉を通して人が体験する4つの異なる感情として「不安」「怒り」「失望・後悔」「喜び・興奮」の4つのタイプがあると指摘しています。

では、どのようにして感情をコントロールして交渉すればよいのでしょうか? それを理解するため、まず冒頭のセリフに戻りましょう。上司があなたに言います。

「6週間では間に合わないんだ、3週間で終わらせてくれないか?」

不安タイプ

あるプロジェクトを成功させるためにスケジュールを組むと、通常6週間かかるものとします。上司はそのスケジュールを、半分の3週間に短縮するようあなたに求めました。

このような状況下で、あなたならどう対応するでしょうか。削減できる作業を洗い出そうとしますか? それとも納期に間に合わせるため、日夜遅くまで作業する自分の姿を想像しますか?

これらの思考は、すべて不安によって引き起こされます。不安は「闘争・逃走反応(fight-or-flight response)」の「逃走」に該当します。不安に直面したとき、人は早々に交渉を諦てしまうのです。

仮にあなたの不安を伝えたところで、上司には対処しなければならない問題が他にもあり、恐らく期間を延長してくれることはないでしょう。むしろ少しイラつくか、3週間で終えられる別の誰かに仕事を依頼するかもしれません。

もし上司から無茶なスケジュールを宣告されたら、慌てず、深呼吸をし、返答する前に相手の意図を理解しましょう。「3週間という短い納期が実現可能かどうか、検討する時間が欲しい」と伝えることもできますし、「なぜ6週間の納期が3週間に縮まってしまったのですか?」と、納期短縮の理由を聞くことも可能です。

何も質問をしないまま、わけもわからず同意してはいけません。

怒りタイプ

怒りの感情は、「闘争・逃走反応(fight-or-flight response)」における「闘争」に該当します。怒りを感じると、人は失礼な態度をとりやすくなります。今回のケースの場合、その態度は上司に向けられるでしょう。

もちろん、怒りがよりよい交渉結果につながるという意見もあります。しかし、長期的な付き合いが避けられない同僚や上司との間柄では、協力的な姿勢を示すべきでしょう。

今回のケースでは、あなたは上司と同じチームに所属していると考えてください。無事に今回のタスクを達成し、上司の要件も満たすよう、互いにとって有利な状況にもっていくことが重要です

例えば、業務量を最小にするため念入りに話し合ってはどうでしょうか。よけいな議論をして時間を浪費したり、相手の要求を理不尽だと決め付けて状況を悪化させるのではなく、交渉自体を協力的な会話に変えましょう。

失望・後悔タイプ

大抵の(バランスのとれた)交渉では、双方はある要求のみに合意し、他の要求は満たせずに終わります。

今回のケースでは、納期を通常の6週間後にできなかったものの、いくつかのタスクを減らすことに成功したとしましょう。しかし、あなたはこの結果に少しがっかりするかもしれません。というのも、これは妥協・譲歩の上での着地点だったからです。

この感情は、次回以降の改善につなげるツールとして活用しましょう。妥協するまでに至ったプロセスで見られた問題を、上司に伝えるのです。場合によっては、あなたの上司はその顧客からの仕事を今後受けるべきでないと判断するかもしれません。もしくは関係者全てのスケジュールを確認してから、顧客に納期を提示するようになるかもしれません。

うまく伝えられれば、上司があなたのフィードバックを考慮する可能性がより高くなるでしょう。

喜び・興奮タイプ

あなたは上司を説得して、納期を6週間後に再設定できたとします。すばらしいことです。

しかし、特に相手が目上の立場にあればあるほど、相手は「交渉に負けた」と良くない感情を覚える可能性があります。今後もその相手との交渉を上手に進めたいのであれば、交渉が終わった後の喜びや興奮は、うまく処理しなければなりません。

交渉がうまくいったことをほくそ笑んでも、上司は今後あなたをリーダーとして活躍させたいとは考えてくれません。交渉に成功した時こそ、冷静に振る舞いましょう。交渉の上手い人は、相手にも心地良くなってもらう方法をよく知っています。

今回のケースであれば、6週間確保できたことで、クライアントにとってどれだけいいアウトプットを出せるか、また徹底したプロセスを踏むことでいかにリリース時のバグや問題を無くせるかを説明すれば、上司に安心感を与えられるでしょう。

感情を練習あるのみ

感情をうまくコントロールしながら交渉を行うには、何度も練習するしかありません。交渉を始める前に、あなたの感情をいかにコントロールするか戦略を立てましょう。

私たちは他人の感情を理解するのに多くの時間を費やしますが、交渉が上手い人は自分自身の感情をどのように扱うかを知っているのです。

(原文:Madison Borgmann 翻訳:Yumiko Okuda)

 

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