ITフリーランス「月額単価ランキング」120万円超の1位は? 他
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こんにちは、Workship MAGAZINE編集部の猫宮です。
最近のニュースから、フリーランス・副業者のみなさんに役立つものを抜粋してご紹介します。よろしくお願いします。
フリーランスITエンジニア向けエージェントサービス「HiPro Tech」が発表した「ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング」によると、最も高単価だった職種1位は「DXコンサルタント」で、月額120万円に達しました。2023年から約5万円上昇しており、需要の高まりを反映しています。
職種別ランキングでは、2位「ITコンサルタント」(118.2万円)、3位「プロダクトオーナー/プロダクトマネジャー」(110.4万円)と続き、上位を占めるのはシステム構想や導入といった上流工程を担う人材。4位の「機械学習/AIエンジニア」(104.6万円)や7位の「データサイエンティスト」(95.8万円)も高単価で、先端IT技術を持つ人材の需給が逼迫している状況です。
業種別では「コンサルティング」が104.1万円で首位、2位「金融」(102.1万円)が前回から15.7万円も上昇。「2025年の崖」と呼ばれるレガシーシステム刷新の課題に直面する企業が、DX人材確保のために単価を引き上げている実態が浮き彫りになりました。言語別では「TypeScript」「Python」「Ruby」といったモダンな言語が高単価を維持しています。
フリーランスとして生計を立てるうえで避けて通れない「月商の壁」。未経験からWebライターとして働き始め、現在は法人化して編集プロダクションを営む宿木雪樹氏が、収入アップに必要な具体的な戦略を段階別に解説します。
フリーランス初期段階での最重要課題は「相場価格での継続案件」の獲得です。単発や低単価案件に時間を費やすのではなく、長期的な関係構築をアピールした営業活動が有効。理想は「月3〜5万円の仕事を5件程度」持つことで、どれかの案件が切れても月商が0円にならない状態を目指します。
次の壁を超えるには「ポートフォリオ」が武器になります。蓄積した実績を相手に合わせて再構成し、高単価案件の獲得に挑戦。同時に既存案件の価格交渉も効果的で、特に「クライアントが人手不足のタイミング」は好機です。この段階では紹介案件も増え始め、営業負担の軽減にもつながります。
個人の労働力には限界があるため、月商100万円の壁を超えるには「提供価値の見直しとチームづくり」が必要です。企画やディレクションといった上流工程にシフトし、自分では対応しきれない実行部分を仲間に任せる体制構築が鍵。法人化も視野に入れ、事業としての拡大を目指します。
フリーランスの収入アップは「継続案件獲得 → 高単価案件へのシフト → 事業構造の変革」という3段階の成長が重要。自身のキャリアプランを描く際の参考にしてみてください。
公正取引委員会は国内のゲーム会社など45事業者に対し、フリーランス保護法(フリーランス新法)違反により行政指導を実施しました。2024年11月の法施行後、初めての行政指導となります。
国内に462万人いるとされるフリーランスの労働環境を保護するために施行された同法では、発注者に対して報酬額や支払い期日などの取引条件を書面などで明示することを義務付けています。
公取委はゲームソフトウェア、アニメーション制作、リラクゼーション、フィットネスクラブの4業種77事業者を集中調査した結果、45事業者の違反または違反のおそれを確認しました。
具体的な違反事例として、オンラインゲームのイラスト制作を委託したゲーム会社が納品期日や報酬額を明示していなかったケースや、整体施術を委託した事業者が報酬支払いの具体的な期日を特定していなかったケースなどが挙げられています。
公取委は「今後も積極的に情報収集を行い、違反があった場合には迅速かつ適切に対処する」と表明しており、フリーランスの取引環境改善に向けた監視を強化する姿勢を示しています。
フリーランスにとって避けて通れない「クライアントとの交渉」。しかし「交渉学」の第一人者・田村次朗氏によれば、一般的に考えられている「交渉」のあり方は根本的に間違っているといいます。
「良い交渉をするためには、交渉をしようと思ってはいけません」と田村氏は語ります。交渉を「自分の条件を有利に進める駆け引き」と考えた瞬間、特に立場の弱いフリーランスはパワープレイの餌食になるリスクが高まるからです。
交渉学で目指すのは「Win-Win交渉」。相手との信頼関係を構築し、互いが満足できる合意を形成すること。そのためのポイントは、自己主張を控え「徹底的な聞き上手」になること。相手の要望や考えに真剣に耳を傾け、質問を重ねることで、相手の心は開き、信頼関係が自然と構築されていきます。
返報性の原理(相手に親切にされたら、こちらも返さなければと感じる心理)により、徹底的に話を聞いてもらった相手は、いつのまにか譲歩する気持ちになるもの。「こっちがニコニコしながら質問すれば、相手もおそらく答えてくれる」と田村氏は言います。内向的で口下手な人こそ、このソフトな交渉術が向いているかもしれません。
交渉に苦戦するフリーランスは、駆け引きのテクニックよりも、まずは「聞く力」を磨いてみてはいかがでしょうか。
宮崎労働基準監督署は、アマゾンの荷物配達を請け負う会社と業務委託契約を結んでいたフリーランス配達員が配達中に負った怪我について、労災と認定しました。2025年2月28日の決定で、全国で2例目となるアマゾン配達員の労災認定です。
事故は2024年3月、集合住宅の外階段で男性配達員が転倒し、腰の骨折などを負ったもの。5ヶ月間の治療と約半年の休業を余儀なくされました。
通常、労災保険は雇用関係にある労働者が対象ですが、今回の認定は男性の就業実態が「労働者性」を有すると判断されたことによります。報道によれば、男性は業務委託先から開始時刻の指示を受け、アマゾンのアプリで配達ルートを割り当てられ、さらにコンビニ長時間入店時には指導連絡が入るなど、業務遂行状況を管理されていたといいます。
フリーランスの「労働者性」は、①指揮監督下にあるか、②報酬の労務対償性があるか、③事業者性があるか、④専属性の程度、といった要素から総合的に判断されます。契約書上は「業務委託」でも、実態として指揮命令や拘束が強い場合は労働者と認められ、労働基準法や社会保険の適用対象となります。
企業側は、フリーランスの活用において「働き方の自律性の担保」が求められる点で、通常の労働者とは全く別の選択肢であることを認識する必要があります。
INSTANTROOM株式会社が運営する案件検索サイト「フリーランスボード」が実施した「フリーランスエンジニアの実態調査【2025年版】」によると、約7割のフリーランスエンジニアが将来のキャリアに不安を抱えていることが明らかになりました。
▲出典:PR TIMES
調査では、「やや不安を感じる」が42.9%、「とても不安を感じる」が25.0%と合わせて67.9%のフリーランスエンジニアが将来に不安を感じると回答。具体的な不安要素として最も多かったのは「仕事や案件を安定的に獲得できるか分からない」で69.8%、次いで「報酬が上がりにくい」が34.9%となりました。
一方で興味深いのは、テクノロジーや市場変化への懸念は比較的低い点です。「生成AIなどにより自身の業務が代替される不安がある」を選んだのは20.9%、「キャリアパス(キャリア形成)の見通しが立たない」は16.3%にとどまり、生成AIによる業務代替よりも日々の案件獲得や収入に関する現実的な課題のほうが大きな不安要素となっていることがわかりました。
同社が国内最大級と謳う「フリーランスボード」では19万件以上のフリーランス向けIT案件を掲載し、複数のエージェントサイトを横断的に検索できるサービスを提供しています。
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(執筆:猫宮しろ 編集:Workship MAGAZINE編集部)