求職者の約8割が、研修制度が他社と比較時の「判断材料になる」と回答。新卒・中途が求める研修内容と発信形式の最適解とは
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株式会社GIG(所在地:東京都中央区、代表取締役:岩上貴洋)は、新卒・中途採用における採用サイト上の「研修制度の記載」が応募意欲や志望度に与える影響を明らかにするため、2026年2月に18〜39歳の求職者155名を対象とした「採用サイトにおける『研修』の情報収集と意識調査」を実施しました。
労働人口の減少に伴い採用競争が激化するなか、求職者が企業を選ぶ基準は「給与」や「休日」といった条件面だけではなくなっています。
今回、18〜39歳の求職者を対象に実施した最新の意識調査では、約7割の求職者が就職・転職時に応募先企業の「研修・教育体制」をチェックしており、比較検討フェーズでは約8割がそれを「判断材料」にしているという実態が明らかになりました。
本記事では、新卒・中途それぞれが求める研修コンテンツの違いや、研修制度を伝える「おすすめの記載例」など、採用サイト上の研修制度の調査結果を解説します。
目次
調査名:採用サイトにおける「研修」の情報収集と意識調査(Workship / GIG)
調査期間:2026年2月
調査対象:18〜39歳の求職者(直近1年以内の転職・就職経験 / または同活動経験予定)の求職者155名
調査方法:インターネットオンライン調査
有効回答数:155名
※本調査について外部でご紹介いただく際は、「採用サイトにおける「研修」の情報収集と意識調査(Workship / GIG)」を明記のうえ、必ず以下ページへのリンクをご掲載ください
https://enterprise.goworkship.com/material/56
調査結果についての詳細は、下記の「PDFデータをダウンロード」からご覧ください。

応募先企業の研修制度や教育体制の有無について確認するか尋ねたところ、新卒の67.8%、中途の77.1%が「確認している(積極的に+どちらかといえば)」と回答しました。
特に中途採用における「積極的に確認している」層は30.2%に達しており、新卒(22.0%)を上回る結果となりました。一度社会人を経験した層ほど、自身のスキル不足を補う環境や、新しい環境にスムーズに適応するためのバックアップ体制を求めていることが伺えます。

複数の企業間で条件を比較し、応募や入社を迷った際、研修制度の記載が判断材料になるか調査したところ、新卒の76.3%、中途の83.4%が「判断材料になる(判断材料になりうる+どちらかといえば)」と回答しました。
研修制度は単なる福利厚生ではなく、他社との差別化を図るコンテンツにもなり得ると考えられます。

採用サイト等に研修制度が具体的に記載されている企業に対し、どのような印象を持つか調査したところ、新卒の47.5%、中途の56.3%が「入社後のサポート体制が整っていそうで安心できる」と回答しました。
研修情報の記載が「印象に影響しない」と答えた割合は、新卒で22.0%、中途ではわずか9.4%に留まっており、中途層ほど情報の有無をシビアに注視していることが伺えます。
具体的な情報を開示することは、単なる「教育の提供」という意味を超え、企業が「人材を大切にしている」「長期的な視点で組織を作っている」という誠実な姿勢としてポジティブに受け止められていると言えるでしょう。

採用サイト等に研修制度についての記載がない企業に対し、どのような印象を持つか調査したところ、新卒の33.9%、中途の40.6%が「入社後のサポートやフォローが不十分だと感じる」と回答しました。新卒・中途を問わず、研修に関する情報の欠如は「教育体制への懸念」を醸成すると推測できます。
さらに、情報の有無は感情面だけでなく、志望度にも影響を及ぼします。「志望度が下がる」と回答した割合は新卒で18.6%、中途で18.8%に達しており、約2割の求職者が情報の少なさを理由に、その企業への優先順位を下げることが明らかになりました。
「社員教育に力を入れていない」は新卒は28.8%、中途は35.4%に上ります。たとえ社内で手厚いフォロー体制を敷いていたとしても、外部に見える形で発信されていなければ、求職者からは「放置されるのではないか」というリスクとして捉えられてしまいます。
求職者を逃さないためには、制度の有無を「周知する」ことが重要であると考察できます。

新卒・中途ともに入社後のスムーズな立ち上がりを支援する「初期研修(オンボーディング)」と、実務に直結する学びの機会となる「スキル研修(業務スキル系)」が上位を占める結果となりました。
一方で、最も重視する項目の優先順位には新卒・中途ごとに特徴が見られます。
新卒では「初期研修(オンボーディング)」が50.8%で最多となり、社会人としての第一歩を支えるサポート体制を求めています。対して、中途では「スキル研修(業務スキル系)」が68.8%と圧倒的に高く、現場で即戦力として活躍するための専門知識や技術を習得できる環境が応募動機に繋がっていることが伺えます。
さらに、本質的な育成環境を見極める指標として注目したいのが、「OJT / メンター用研修:教える側(先輩・上司)への教育体制」です。新卒の25.4%、中途の25.0%がこの項目を重視しています。
受入側への研修は、求職者や従業員にとっては研修の成果が一見分かりにくいかもしれません。しかし実際には、個人のスキルアップを超えた「組織力の向上」という成果に直結しやすい研修の一つです。
教える側の質が高まることで、現場での育成が形骸化せず、新入社員の早期戦力化や離職率の低下、さらにはチーム全体の生産性向上といった確かな成果をもたらします。

・【研修名の記載】
新入社員研修を実施しています。・【上記+研修概要】
新入社員研修:社会人としての基礎を習得するための研修です。・【上記+研修内容】
新入社員研修:社会人としての基礎を習得するための研修です。ビジネスマナーを始め、各種ハラスメント研修やビジネス文章の作成、カルチャー研修、現場見学、職種別研修などを実施します。・【上記+研修期間】
新入社員研修:社会人としての基礎を習得するための研修です。入社後2週間でビジネスマナーを始め、各種ハラスメント研修やビジネス文章の作成、カルチャー研修といった座学研修、3週間目は現場見学を実施したのち各部署による職種別研修を実施します。・【上記+フォローアップ】
新入社員研修:社会人としての基礎を習得するための研修です。入社後2週間でビジネスマナーを始め、各種ハラスメント研修やビジネス文章の作成、カルチャー研修といった座学研修、3週間目は現場見学を実施したのち各部署による職種別研修を実施します。配属後も半年間は専任のメンターが付き、3ヶ月・6ヶ月・1年後にはフォローアップ研修も実施します。
採用サイト等における研修制度の記載について、具体的にどの程度の情報量があれば求職者は安心できるのかを明らかにするため、「研修名のみ」から「フォローアップ体制の有無」まで5段階の記載例を提示し、「これだけでは情報が不足していて不安だ」と感じる記載を調査しました。
その結果、「研修名の記載のみ(例:新入社員研修を実施しています)」は、新卒の47.5%、中途の64.6%が不安に感じると回答しました。制度の存在を伝えるだけでは、入社後の具体的なイメージが持てず、求職者の懸念を払拭するには不十分であることが分かります。
研修名に「新入社員研修:社会人としての基礎を習得するための研修です。」といった「概要」を加えたレベルであっても、新卒の45.8%、中途の41.7%が情報不足を感じると回答しています。
情報を「内容」まで踏み込んで記載することで、不安を感じる層が新卒で20.3%、中途で32.3%まで減少します。「期間」や「フォローアップ」まで網羅できるのが理想的ですが、まずは「どのような内容を学ぶのか」を明文化するだけでも、求職者の不安を軽減できることが数値からも見て取れます。

企業の研修制度について、どのような形式(コンテンツ)で発信されていればより魅力的だと感じるか調査したところ、新卒(49.2%)・中途(69.8%)ともに「研修を受けた社員の具体的な声・感想」が最多となりました。
また、新卒・中途ともに「受講率や満足度などの数値データ(新卒40.7%、中途41.7%)」や「研修風景の動画(新卒39.0%、中途49.0%)」も上位にランクインしました。 主観的な「社員の声」に加え、客観的な「数値」、そして雰囲気を確認できる「視覚情報」を組み合わせることで、研修制度の実効性と温度感を多角的に伝えることができます。
今回の調査を通じて、新卒・中途を問わず、多くの求職者が「研修・教育体制」を重視している実態が明らかになりました。
特に、他社と比較して迷った際に約8割の求職者が研修情報を判断材料としている事実は、採用競合との差別化において研修情報の開示が重要であることを示しています。
調査結果を踏まえた今後採用サイトが取り組むべきポイントは、以下の3点です。
・研修制度は内容まで具体的に記載する
「研修制度あり」という記載だけでは、求職者の約半数が不安を感じます。何を学ぶのかという「研修内容」を具体的に記載すること。それが求職者の安心感につながります。
・ターゲットごとのニーズを捉えた出し分け
社会人への第一歩を支える「初期研修」を求める新卒層と、専門性を磨く「スキル研修」を重視する中途層。それぞれの属性が求めている情報の優先順位を理解し、ターゲットに刺さるコンテンツを戦略的に配置することをおすすめします。
・「社員の生の声」で、研修制度を伝える
求職者が最も魅力を感じる情報発信方法は、実際に研修を受けた社員のリアルな感想です。数値データや動画と組み合わせることで、「形だけの制度」ではない育成文化を伝えられます。
調査結果についての詳細は、下記の「PDFデータをダウンロード」からご覧ください。
人材不足が続くなか、自社の研修制度を「最適な方法で、具体的に伝える」ことは、優秀な人材を獲得するには必要な施策といえるでしょう。
また、「アピールできるような研修制度がまだ整っていない」とお悩みの企業様もご安心ください。
当社では、組織力向上から採用成功までも見据えた、研修制度の設計をサポートすることが可能です。制度の構築や発信方法に課題を感じていらっしゃる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

(執筆:yuko kiuchi 編集:takaaki yasui)