「Redmineをチームで活用したいけど、機能が多すぎて何を使えばいいか分からない……」

このような悩みを抱えているエンジニアの方は多いのではないでしょうか?

Redmineはチームでうまく活用すれば、とても強力なツールです。ただ自由度が高いため、運用方法に悩む方もいるでしょう。

そこで今回は、Redmineをチームで活用するためのコツと設定方法を、私の経験も踏まえ解説します!

Redmineを効果的に活用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

Redmineとは?できることを簡単に解説!

まず、Redmineの概要を解説します。Redmineを活用してできることは以下のとおりです。

  • プロジェクト管理ができる
  • 環境構築ができる
  • タスク管理やスケジュール管理ができる
  • タスクを「チケット化(見える化)」できる
  • チームに合わせてカスタマイズできる

また個人で利用する場合も、Redmineはとても便利なツールです。タスク管理やスケジュール管理がしやすくなり、作業効率が上がります。

Redmineの概要は以下の記事でくわしく解説しているので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

Redmineをチームで活用する3つのコツとは?

ここからは、Redmineをチームで活用する3つのコツを解説していきます。

  1. Redmineで使う機能を見極めよう
  2. チケットの登録・更新ルールを決めよう
  3. チケットの管理・運用ルールを決めよう

ひとつずつ詳しく解説します。

1. Redmineで使う機能を見極めよう

Redmineはとても便利なツールですが、あくまでも「ツール」です。そのため、Redmineで使う機能を事前に決めておくことで、よりチームでの運用がしやすくなります。

たとえば、Redmineには「メールの通知設定」があります。メールでチケットの進捗を確認できるため、一見便利に見えますよね。

しかし登録設定を間違えてしまうとメールが必要以上に飛んでくるため、見たい情報が埋もれてしまいます。その量にうんざりしてしまい、メール自体を見なくなってしまう人がでてくる恐れも。

こういった状況をあらかじめ防ぐために、以下のようなルールを決めることが望ましいです。

  • 進捗状況を「チケット一覧画面」で確認する
  • 確認するタイミングは、毎朝パソコンを開いた直後にする
  • リスクとなるチケットのみ、毎日メールで管理者に送信する

あらかじめルールを決めておけばRedmineとメールで見る情報を分けられるため、運用しやすくなります。このように、Redmineで使う機能の見極めが重要です。

2. チケットの登録・更新ルールを決めよう

Redmineは、とても自由度の高いツールです。

たとえばチケット登録画面にある「題名」「説明欄」といった項目は、自由記述の設定になっています。

Redmine 活用

▲チケット登録画面の例

チケット管理をしやすくするためにも、ある程度ルールを決めておく必要があるのです。

たとえば、以下のチケット一覧画面をご覧ください。

Redmine 活用

▲遅延しているチケットがある、チケット一覧の例

「遅延しているチケット」は期日の文字が赤くなっているため、一目で認識できます。ただ「優先的に対処すべきチケット」は、このままでは分かりにくいですよね。

そこで各チケットに優先度を設定しておくことで、緊急性の高いチケットをいち早く把握できるようになります。

業務の効率化を実現したいチームの方はぜひ試してみてください。

Redmine 活用

▲出典:Redmine

またチケット詳細も同様です。詳しい状況を把握しようと思っても、チケットにメモされていなければ分かりません。

担当者に確認が必要となるケースもあり、二度手間となってしまいます。

Redmine 活用

▲チケット詳細がわかりづらい例

そのため、以下のようにチケット登録・更新のルールを決めておくのがおすすめです。

  • 見ただけで意味が伝わるタイトルを付ける
  • 後から見ても分かるように、タスクの詳細を「説明」に残す
  • 対応した内容はコメントとして残す
  • 対応済みのチケットはステータスを「解決」にし、担当者をPLに変更する

ただRedmineの導入が初めての場合は、あえてルールを緩くしておくのもひとつの手です。最初からしっかり決めすぎてしまうと、せっかくのツールが負担になってしまうこともあります。

「管理のしやすさ」だけでなく、「登録のしやすさ」も考慮してルールを決めると良いでしょう。

3. チケットの管理・運用ルールを決めよう

チケットの登録・更新ルールと合わせて、「管理・運用ルール」も決めておきましょう。

以下3つの視点で決めておくのがおすすめです。

  • チケットの進捗確認のタイミングを決める
  • 新規チケットの対応漏れを防ぐ仕組みを作る
  • 完了済みチケットの最終確認方法を決める

ひとつずつ詳しく解説します。

チケットの進捗確認のタイミングを決める

チケットの進捗確認のタイミングは事前に決めておきましょう。なぜなら、遅延した場合のリカバリーができるだけでなく、遅延のリスクにも気づけるからです。

進捗確認のタイミングは、「Redmineの活用状況」「プロジェクトの状況」などに合わせて決めるといいでしょう。

Redmineの運用歴が浅い場合は、毎朝確認するのがおすすめです。チケットを毎朝確認すると、以下のようなメリットがあります。

  • チームメンバー全員がタスクの状況を把握できる
  • 今日のタスクを担当者が認識した上で作業できる

運用に慣れてきたら、確認する回数を週に2回、1回と徐々に減らしていくとよいでしょう。

またミーティングで状況確認しやすくするために、「カスタムクエリ」を設定しておくのがおすすめです。

具体的な設定方法は、後ほど解説します。

新規チケットの対応漏れを防ぐ仕組みを作る

新しいチケットを登録するときは、対応漏れを防ぐ仕組みが重要です。以下のようなルールを決めておきましょう。

  • 未着手のチケットは「新規」ステータスで作成しておく
  • 急ぎ対応が必要な場合は「進行中」ステータスに変更して作業を進める
  • 前日登録したチケットを翌朝に確認し、担当者・期日を更新する

「担当者」と「期日」が決まれば、作業は進めやすいです。

ただ、だれがいつ対応すべきか判断が難しいこともあるでしょう。

そのためまずは「新規」ステータスで、チケットのみ作っておきます。急ぎ対応が不要であれば、翌朝に「担当者」および「期日」を決めればOKです。

急ぎ対応が必要な場合は、ルールを決めておきましょう。チケットを「進行中」のステータスにした上で対応を進め、翌日に状況を説明すれば運用に支障はなくなります。

新規チケットの対応漏れがないように、このような運用ルールを決めておきましょう。

完了済みチケットの最終確認方法を決める

チケットの作業が終わったとしても、担当者レベルでクローズしない方がいいケースもあります。

たとえば、後続作業が控えているようなケースです。「未完了のチケットのみ」を確認していると、後続作業の開始が遅れてしまう可能性があります。

そのため「担当者レベル」と「管理者レベル」でステータスを分けておくのがおすすめです。

  • 担当者レベルの作業終了:「解決」ステータス
  • 管理者レベルの作業終了:「終了」ステータス

上記のようにしておけば、管理者は「解決」のステータスチェックのみで済みます。操作ミスを減らすために、担当者が「終了」ステータスを選べないような設定をしておくのもおすすめです。

ユーザーごとのステータス設定方法は、この後詳しく解説します。

Redmineをチームで活用するための6つの設定方法とは?

ここまでRedmineをチームで活用する3つのコツを解説してきました。

ここからは実際にRedmineを活用するための設定方法を、以下の6つに分けて解説します。

  1. 運用ルールをまとめた「Wiki」を用意しよう
  2. ユーザーごとに適切な「ロール」を設定しよう
  3. 「ワークフロー」を使いやすく整理しよう
  4. 「開発者」にあったカスタムクエリを用意しよう
  5. 「管理者」にあったカスタムクエリを用意しよう
  6. 運用に適したプラグインを入れよう

1. 運用ルールをまとめた「Wiki」を用意しよう

実際にRedmineの運用を始めてみると、最初からうまくいくケースは少ないでしょう。

そのため運用ルールをいつでも見られるよう、Wikiページにまとめておくのがおすすめです。

Redmine 活用

▲運用ルールをまとめたWikiページの例

Wikiページの登録手順は、以下の通りです。

【1. プロジェクトの「Wiki」タブを開く】

Redmine 活用

【2. wikiの記法で運用ルールを書く】

Redmine 活用

【3. プレビューをクリックして内容を確認し、保存ボタンをクリック】

Redmine 活用

保存後、以下のように表示されればWikiページの作成完了です。

Redmine 活用

▲保存後のWikiページ

「編集」をクリックすればいつでも編集できるので、運用に合わせて更新していきましょう。

なおwikiの記法は、デフォルトだと「Textile」になっています。「Markdown」に変更したい場合は「管理 → 設定」を開き、「テキスト形式」を変更しましょう。

Redmine 活用

▲Wiki記法の切り替え方

2. ユーザーごとに適切な「ロール」を設定しよう

Redmineでプロジェクト管理をするときは、ユーザーごとに「ロール」を設定できます。

「ロール(role)」は「役割」という意味があり、ユーザーに割り当てる権限を設定する機能です。Redmineではユーザーに直接権限を付与するのではなく、ロールで付与する権限を設定します。

たとえば「チケットの追加」や「チケットの書き換え」などの権限があり、これらの権限の有無をロールで定義しているのです。

デフォルト状態では以下の3つのロールが登録されています。

  • 管理者
  • 開発者
  • 報告者

管理者はすべての操作の権限を持っており、開発者・報告者は操作が一部制御されている状態です。

ロールを設定することで、誤ってチケットを終了したり、削除したりする可能性を減らせます。そのため、ユーザーごとに適切なロールを設定するのがおすすめです。

既に登録済みのユーザーは、以下の手順でロールを変更できます。

【1. プロジェクトで「設定 → メンバー」の順でタブを開き、変更するユーザーの「編集」をクリック】

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【2. ロールを変更し、保存をクリック】

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新規登録をする場合は、登録画面に「ロール」という項目が表示されるため、その際に登録することをおすすめします。

3. 「ワークフロー」を使いやすく整理しよう

さきほど「開発者・報告者は操作が一部制御されている」と解説しましたが、ロールごとに変更できるステータスを制御できます。それが「ワークフロー」です。

ワークフローをカスタマイズすれば、以下の設定が可能です。

  • 使用しないステータスを選択肢から外せる
  • 開発者が誤ってチケットをクローズ(終了ステータスに変更)するのを防げる

チケットを削除する運用であれば「却下」ステータスは使いません。デフォルトでは管理者のみが変更できるようになっていますが、管理者も選択できないようにしておく方がミスは減るでしょう。

また「フィードバック」もチケット運用時にロールから外せます。デフォルトでは開発者も選択できてしまうので、変更しておく方がよいでしょう。

具体的な設定方法は、以下の通りです。

【1. 「管理」をクリック】

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【2. ワークフローを開く】

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【3. 変更したいロールを選択し、編集を開く】

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【4. チェックを変更して保存ボタンをクリック】

Redmine 活用

最後に変更したロールのユーザーでログインし、編集後の画面を確認してみましょう。

Redmine 活用

▲チェックを外した「却下」が非表示になっている

チェックを外した「却下」が、選べないようになっていればOKです。

4. 「開発者」にあったカスタムクエリを用意しよう

Redmineでプロジェクト管理を円滑に進めるコツは「チケットベースに作業しやすい環境を整えること」です。

そのため開発者が「自分のチケット」に集中しやすい環境を作っておきます。具体的には、以下のカスタムクエリを設定しておくのがおすすめです。

  • 自分とメンバーの未完了チケット一覧
  • 自分とメンバーの今週期日のチケット一覧

上記をワンクリックで見られるようにしておけば、自分のタスクを確認しやすくなります。

カスタムクエリの設定方法は、以下の通りです。

【1. 「チケット」タブを開く】

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【2. フィルタを設定し、担当者を選択】

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▲今回は「担当者」を設定していますが、見たいデータの条件に合わせて変更してください。

【3. 担当者の条件を「等しい」「自分」に設定し、保存をクリック】

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【4. 「名称」を入力し、「すべてのユーザー」を選択】

Redmine 活用

【5. 画面の下の方にある「保存」ボタンをクリック】

Redmine 活用

保存するとチケット一覧の右側に、以下のようなカスタムクエリが表示されます。

Redmine 活用

▲作成したカスタムクエリが、画面右側に表示される

5. 「管理者」にあったカスタムクエリを用意しよう

チケット登録用だけでなく、「管理者」用のカスタムクエリも用意しておきましょう。フィルタやオプションの設定を加えることで、目的のチケットを見つけやすくなるからです。便利なカスタムクエリは、以下のようなものが挙げられます。

  • 前日登録されたチケット一覧
  • 優先度が「高め」以上 + 期日が3日以内のチケット一覧
  • 進捗率が50%未満 + 期日3日以内のチケット一覧

登録方法は、管理者のカスタムクエリを設定する手順と同じです。

なお管理者のみが使えるカスタムクエリにしたい場合は、「次のロールのみ」という項目を選択しましょう。

Redmine 活用

▲管理者のみ使えるカスタムクエリを作成

6. 運用に適したプラグインを入れよう

Redmineには便利なプラグインがたくさんあります。たとえば、以下のようなプラグインです。

  • redmine_issue_templates:チケットのテンプレートを登録できる
  • easy_gantt:ガントチャートからチケットを更新できる
  • redmine_work_time:チケットベースで工数管理しやすくなる
  • clipboard_image_paste:コピペで画像貼り付けできるようになる
  • checklists:チェックリストを作れる

Redmineはプラグインを入れれば、どんどんチームで使いやすいようにカスタマイズできます。

ただ「使いやすそう」という軽い気持ちで入れてしまうと、運用に混乱を招きかねません。

「プラグインの試用期間を決めて、今後も使用すべきか慎重に判断する」ことが大切です。

「Redmineを使うこと」が目的にならないように気を付けよう

ここまで、Redmineをチームで活用するためのコツと設定方法を解説しました。

Redmineは拡張性がとても高く、使いこなせば強力な武器となります。ただし、「Redmineを使うこと」が目的にならないよう注意しましょう。

大事なのは、Redmineを活用した先にあります。ルールを細かくしすぎて管理が煩雑になるのは本末転倒です。

「プロジェクト管理を円滑に進めるために、不要な作業や設定はないか」という視点を念頭に置いて、Redmineを運用していきましょう。

Redmineを活用して強い運用チームを作ろう

今回は、Redmineをチームで活用するための運用ルールを解説しました。

さいごに、今回解説した内容を以下にまとめました。

  • Redmineをチーム活用するときは「使う機能」を見極めよう
  • チケット登録(更新)・チケット管理(運用)のルールは決めておこう
  • Redmineの運用ルールは「Wiki」にまとめておこう
  • 操作ミスを減らすために「ロール」と「ワークフロー」を設定しよう
  • 「開発者」「管理者」が運用しやすいカスタムクエリを設定しよう
  • 一見便利なプラグインでも、運用に必要か見極めてから導入しよう

Redmineは使い手によって、その効果が大きく変わります。そのため運用方法をしっかり見極めて、必要な機能を使っていくことが重要です。

チームの運用を第一に考え、Redmineを使いこなしましょう。

(執筆:しろ 編集:Kimura Yumi、Kitamura Yuu)

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