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レトロなデザインの流行は、カメラ界隈発のムーブメントでした。「写ルンです」などのフィルムカメラだけではなく、スマホ撮影時に使うフォトフィルターも人気を集めました。レトロなデザインは数年間かけて浸透し、レトロな色味はWebデザインや動画にも用いられるようになりました。
今回は、なぜいまレトロなデザインのに惹かれる人が増えているのか、そしてカラーやスタイルの特徴をご紹介します。
人が懐かしむような物事をさします。懐旧(retrospective)という言葉が由来になっていて、趣味嗜好や世界観を表す言葉です。明確な線引きがないために、広く使われるようになりました。
レトロが懐古的な趣味のことをさす一方、アンティークやヴィンテージはもう少し具体的な条件が指定されています。
骨董品のことで、由来はラテン語の「Antiquus」にあります。元々はざっくりと「古い」ことを表す言葉だったようなのですが、アメリカが1934年に定めた通称関税法で、「100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」と定められました。ですから、「アンティーク調」は、実際には骨董ではないけれど骨董風のデザインで仕上げられたものを差します。
ヴィンテージは、年代が明確になっているものを差します。元々はワイン用語でした。よく「10年もののヴィンテージワイン」なんて言いますよね。それは10年という付加価値がついたワインだということです。
古着だとヴィンテージデニムという言葉をよく耳にします。経年変化で美しく仕上がっていたり、長い間綺麗なまま保管されていたものには、価値がつくのです。
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レトロスタイルは、世界中にファンがいるポップカルチャーのアイコニックなイメージやエレメントに焦点をあてているため、年齢、テイスト、文化をこえて、さまざまな国の人びとに受け入れられています。レトロはグローバリゼーションの象徴であり、その遊び心のあるデザインは、落ち着いた色を使っていてもなお見る人を退屈させません。
レトロは、かつての時代のほうがプロダクトの質が高かったという信念やノスタルジーに訴えかけ、過去のデザインから今の時代でも受け入れられるようなすばらしいものを見つけ出そうと試みます。レトロデザインは、こうしたノスタルジックな感覚によって人びとを魅了しているのです。
現代のデザインは価値認識を作ることによって人びとを引きつけており、レトロデザインについても、古いスタイルに現代における価値を見出しています。
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レトロスタイルのデザインは、新しい技術や考え方を生かしながらも過ぎ去った時代の感覚を大切にしています。時代感覚の一例が色です。ビビッドな色とヴィンテージデザインの落ち着いた色を組み合わせることによってコントラストがうまれ、デザインをより際立たせることができます。
レトロデザインは、人生が豊かでシンプルだった時代へのノスタルジーと共にあり、そうした思いを再現することを目指しているのです。
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レトロデザインを実践するにあたって、さまざまなアプローチの方法があります。古い車や誰もが知っているアイコニックな製品を取り入れたり、古い写真を使うデザイナーもいます。古い電子機器もレトロな雰囲気を出すのに効果的です。
どの時代のどのようなものに焦点をあてるのかという選択肢は多岐にわたります。1950年代の楽観主義にフォーカスするデザイナーもいれば、1960年代に祝福された宇宙旅行と、その新たな可能性への期待に着目するデザイナーもいるでしょう。
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レトロカラーにはさまざまな色調がありますが、派手なものではなく落ち着いた色になる傾向があります。原色ではなくクリーム色や黄みがかった茶色、青、セージグリーン、緑がかった青、そしてアール・デコでもちいられるような桃色やあわいピンクのようなパステルカラーなどが好まれます。
レトロカラーに影響を与えているのは、主に1920年代から1980年代のテイストです。デザインにもちいられる色はどんどん明るくなっていきましたが、この時代のテイストは今でもデザイナーにとても大きな影響を与えているのです。
Webデザイン業界でも、レトロデザインのテンプレートの人気は近年ますます高まっています。テンプレートには、ビビッドなグラフィックと落ち着いた色、そして特定の時代を感じさせるデザインという特徴があります。このようなレトロデザインの流行は、Webデザインだけではなく絵画、広告、ファッション、インテリア、カラーパレットの選択などについても見てとることができます。
レトロは、1970年代のファンキーなサイケデリックデザイン、1960年代に人気を博した大型の照明、またはミッドセンチュリーふうの椅子など、古いものに価値を見出します。むかし流行した、ざらついた印刷もレトロスタイルの特徴であるといえます。
ロシアのフォントを使った、ソビエト時代のプロパガンダのようなレトロスタイルのWebサイトすら存在しているのです。
レトロデザインにもちいられるヴィンテージカラーやクリーム色などのカラースキームは、印刷をするにあたって色の表現が難しい場合があります。しかし、Webサイト上ではこうした色も際立たせ、明るい色とのコントラストを楽しむことができます。レトロな色を使う際には、背景色は彩度を下げるのがおすすめです。
パステルカラーと比較するとレトロデザインの色は落ち着いていて、黒や灰色がすこしミックスされているように感じられます。
古着のような、色あせた原色のような色使いもレトロデザインの特徴のひとつです。
レトロな配色にチャレンジするなら、次のようなキーワードをチェックしてみてください。
かつてアーティストやデザイナーは、しばしばシンプルな形を取り入れることによって大きなインパクトを与えようと試みました。そして、レトロデザインもこうしたシンプルな形に焦点をあてています。
中でも人気があったモチーフはさまざまな大きさの円です。花のパターンを取り入れるデザイナーもいました。このようなイメージを際立たせるために、明るい色がしばしばもちいられました。
ヴィンテージ感を出すために頻繁に使われるのが、ざらついていたり、硬質できめが粗い昔の印刷を思わせるようなテクスチャです。厚紙や黒板などをイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。
また、図形や背景が手描きっぽく、わざと非対称に描かれることもあります。これらのデザインは、慎重に吟味して配置されているというよりも、古着のあちこちが色褪せるようにランダムに配置されているような印象を与えます。
テクスチャを作る際は、色についても考慮しなければいけません。多くのデザイナーは背景に大胆な色を配置することによってコントラストを際立たせています。自然で、かつ深みがあるようなテクスチャを目指しましょう。
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タイポグラフィもレトロなデザインを作る上で重要な役割を果たします。フォントの選択だけではなく、使いかたもキーになります。フォントをただ配置するだけではなく、テクスチャをつけるような工夫によって独自のデザインに昇華することができるのです。
タイポグラフィはレトロデザインにおいて、色と同じくらい重要であるといえます。適切なフォントをレトロカラーと組み合わせれば、一貫性のあるレトロなデザインを実現できるでしょう。
どのような時代を参考にしたレトロデザインを目指すかによって、使うべきフォントは異なります。筆記体のフォントも場合によってはもちろん有効です。1980年代の手作りのポスターや、古い映画ポスターのレタリングを想像してみてください。アール・デコ調のフォント、筆記体のようなブラシレタリング、レーザーのようなネオンの文字。こうしたデザインを取り入れることによって、時代やテクスチャの感覚を操る事ができるのです。
ボーダーはヴィンテージデザインに独特なタッチを加える要素です。写真や画像のフレーム、コンテンツのハイライト、注目してほしいエリアの強調などさまざまな用途に使えます。
装飾的なアール・デコ調のデザインから、すり切れた紙のようなデザインまで、数多くの選択肢があります。
レトロなWebデザインは、ノスタルジーと深く繋がっています。デザイナーは過ぎ去った時代のデザインや色を現代のテイストとブレンドして、レトロなデザインをうみだしています。
そうしたデザイン、ボーダー、テクスチャおよび色は、プロジェクトに楽しさをもたらしてくれます。さまざまなカラーパレットにチャレンジし、レトロカラーを取り入れて質の高い作品を作ってみましょう。テーマとして設定している時代と矛盾しないものであれば、レトロなフォントもおおいに役立ってくれます。
レトロなデザインは、プロジェクトに独特の雰囲気や魅力、エモーションを与えてくれるトレンドです。手間がかかりそうに思えるデザインもあるかもしれませんが、そのぶんできあがった作品は雰囲気のあるすばらしいものになるでしょう。
色やテクスチャの組み合わせに気を配ることを忘れなければ、古きよき時代を感じられるような魅力的なプロジェクトが実現できるはずです。
トレンドは20年たつとまた巡ってくるといわれています。レトロテイストをデザインに取り入れたいと思っているなら、子ども時代の写真やなつかしいテレビ番組、ヴィンテージドレス、古い建築物、古いアルバムの色などを思い出してみてください。
(翻訳:Asuka Nakajima)