フリーランスの月商10万円、50万円、100万円の壁の攻略方法
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製品やサービスを作るとき、ユーザーへの定性調査は行っていますか? ユーザーに使用感やニーズをヒヤリングすることは、良い製品やサービスを生みだすうえで大切なことです。
その際、的確な質問はできているでしょうか。的はずれな質問を投げかけてしまったことや、準備不足のまま挑んでしまったことはありませんか?
ユーザーインタビューには、技術が必要です。
今回は、プロのインタビュアーでなくても有意義なヒヤリングができるコツをお伝えします。
ユーザーインタビューを成功させるためには、計画が不可欠です。
ユーザーとの会話内容によっては、メモの整理に数週間を費やすことがあります。そのようなコストを減らすため、無駄な質問をしないように、できることを紹介します。
はじめに時間をかけてじっくりと取り組んでほしいのは、インタビューを通してユーザーから何を得ようとしているのか考えることです。
この段階では明確な質問は必要ありません。あなたが明らかにしようとしているテーマについてだけ考えてください。さらに、ユーザーと話すことで引き出したい情報をチームのメンバーに共有してください。はじめに意思統一をしておけば、プロジェクトの後半にメンバーの時間を節約できます。
ここでテーマの例を挙げましょう。
「なぜオンラインで買い物をするのか?」
「オンラインでどのように買い物をするのか?」
「オンラインショッピングとオフラインショッピングの違いはなにか?」
上記のテーマは似ていますが、それぞれ異なる意味を含んでいます。
「オンラインで買い物」という大きなテーマの中でも、どの範囲をリサーチ対象にするのか、チームと意識をあわせなければテーマを決める意味がありません。そのために、テーマの中身を分解していきましょう。
それぞれのテーマにはどんな質問が紐づいているのでしょうか。
テーマ:
「なぜオンラインで買い物をするのか?」
紐づく質問:
「どんな種類の製品をオンラインで買いますか?」
「オンラインで買うことを避けるタイプの製品は何ですか? また、なぜですか?」
「支払いプロセスはどのようなものが好きですか?」
答えに影響する質問はしないこれにより、「なぜオンラインで買い物をするのか?」というテーマが、「オンラインショッピングに何を求めているのか」を掘り下げるためのテーマだということがメンバー間で共有されます。
インタビューの準備段階で質問を構成するときにやりがちな間違いは、インタビュアー側が期待するような回答を得ようと誘導尋問のような質問を組み込んでしまうことです。
たとえユーザーの答えに予想がついていたとしても、偏らない意見と先入観のない答えを得るために、まずはインタビュアー側が先入観を捨ててください。
悪い例:
「なにが気がかりでオンライン購入を行わないのか?」
良い例:
「前回にオンライン購入を行わなかったときのことと、その理由を思い出してください。あなたはどうしましたか? なにを感じていましたか?」
ユーザーからより具体的な答えを引き出すにはどうすべきでしょうか。
過去にとった行動と、そのときに抱いた感情をヒヤリングすると、本質的で詳細な答えを返してもらいやすいです。
あなたが質問を投げかけることによって、ユーザーはその行動にまつわる記憶を呼び出そうとします。質問をするときは、より具体的なシーンを想像しやすいような聞き方をしましょう。
悪い例:
「オンラインでの購入をやめる理由は?」
良い例:
「前回にあなたがオンラインで何かを購入しようとして途中でやめたとき、何を考えていましたか?」
ユーザーの中には回答することを楽しんでくれる人がいます。そのようなユーザーは、こちらが巧みな質問をしなくても、具体的な感想を述べてくれます。
しかし、なかには受動的なユーザーもいるでしょう。聞かれたことだけに答えるタイプの人たちはやる気がない訳でも、不親切な訳でもなく、性格が異なっているだけなのです。
どんな参加者だったとしても、用意した質問がすぐになくなってしまい、何も得られなかったという結末にはならないようにしたいものです。そのために、準備していた質問が自由な回答がしやすいものであるかを確認してください。
悪い例:
「最近、オンラインで植物を買いましたか?」
良い例:
「前回、オンラインで購入したものについて教えてください」
インタビューがはじまったら、その場の雰囲気を読み取ってください。ユーザーは緊張しているか、くつろいだ状態であるのか、心理状態をしっかり確認してください。
ユーザーテストでは、あなたはデザイナーでもプログラマーでもなく、研究者になりきってください。そのときのあなたは、人がオンラインでどのように振舞うかというテーマに強い興味をもっているのです。
このキャラクターになりきるために、インタビュー前に少し時間を取りましょう。
深く呼吸をして、表情を柔らかくして、インタビュー会場の外に本来の職業としての視点と考え方をすべて置いてきてください。
インタビューの冒頭で、このテストには正解がないことを、明確に伝えてください。
ユーザー自身の能力をテストするために集まってもらったのではなく、製品が使いやすくなるように「製品の能力テスト」をするのだということを伝えれば、ユーザーがインタビュアーの顔色を伺って調子の良い回答ばかりを述べるなんてことにはなりません。
あなたがユーザーにとても興味をもっているということを、ボディランゲージで伝えましょう。目をあわせて、身体は少し前のめりに、腕を組まず、話を聞きます。ユーザーの話が的はずれな瞬間があったとしても、常にポジティブな表情をしていてください。
最も大事なのは、笑顔と明るい声です。それらの素振りがあなたをとても人懐こく見せます。
するとユーザーは心を開き、インタビュアーに有意義な答えをもたらしてくれるでしょう。
本題に入る前に、フレンドリーな質問で会話をはじめてください。
ウォームアップの質問は、広いテーマに関連した話題にするのが一般的ですが、徹底していなくてもかまいません。
「お仕事は何をしていますか?」
「趣味について教えてもらえますか?」
「自宅でコンピュータをどれくらいの頻度で使いますか?」
「どのくらいの頻度でオンラインショッピングを利用していますか?」
あなたは入念な準備をしてきたので、会話が途切れることはないでしょう。会話の内容に応じて質問を変更させるという技を使っているかもしれません。
ここからは、その勢いを維持するためのヒントをいくつか紹介します。
あなたは製品に関するユーザーの率直な意見を集めるために調査研究を行っています。自社の製品が最高のものであるとしても、その考えをユーザーに押しつけてはいけません。
あなたが情熱を注いでいることに否定的なフィードバックが返ってきても、感情や反応は制御するようにしてください。
あなたがもらったフィードバックに対してマイナスな姿勢を見せてしまうと、ユーザーは素直な感想を言わなくなってしまいます。
最初に定義した調査の目的を妨げかねません。
インタビュアーは必要最低限のことだけ話してください。質問をしてはすぐに話をやめ、ユーザーが答えやすいようにします。沈黙で気まずい瞬間があるかもしれません。だからといって、インタビュアーが自分の話をしはじめてしまっては困ります。
初対面の人と、上手なコミュニケーションがとれるか心配に思うこともあるでしょう。そんなときは、ユーザーの回答を要約し言い換えることを繰り返してください。これにより、ユーザーに確認と明確化の機会が与えられます。この確認は、インタビュー中に話が脱線してしまうのを防ぎます。
ユーザービリティテストを行う場合、使い方やメニューの意味が分からないという参加者が現れるのは当然です。
質問をされた場合、答えを教えるかわりに別の質問をしてください。
(クリックすべきボタンが分からないと聞かれた場合)
「この場合、どこをクリックしますか?」
「どうすると、それはうまくいくと思いますか?」
「これは、どのように機能すると思いますか?」
表情や手振り、口調に注目してください。ユーザーがもたらすフィードバックの多くは、非言語的なものとして現れます。
あなたのWebサイトを見ている間、面倒な顔をしているユーザーはおそらく快適ではないのでしょう。それはなぜなのか、彼らに尋ねてください。
ユーザーインタビューは、他のスキルと同じように、実践と反省を繰り返すことで磨かれていきます。
これらのヒントを元に、あなたが少しでも有利なスタートを踏み出せますように。
(翻訳:Yuri Tanaka)