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SEO記事の読者は「人間」か「ロボット」か。両者に評価されるコンテンツの作りかた

Picking the Best Audience for Your SEO Content
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MARKETER

Googleは毎日85億回以上、つまり1秒間あたり10万回以上の検索を処理しています。そして、そのうち数千回程度がユーザーの購買行動につながる可能性を秘めているため、マーケティングの世界におけるSEOの重要性は揺るぎません。

実際、60%以上のマーケティング担当者が、インバウンドマーケティング施策でもっとも優先すべき項目にSEOをあげています(Moz調べ)。

オーガニックトラフィック(広告を除く検索結果を通じた流入)獲得のために記事を書く場合、ターゲットは2通り考えられます。本来の読者である人間と、検索エンジンのアルゴリズムを決定しているロボット(検索エンジンのクローラーなど)です。

今回は、人間とロボットという2種類のターゲットを比較し、SEO記事のつくり方を考えていきましょう。SEOにおいて、人間とロボットのどちらをターゲットにすべきなのでしょうか。

読者としての「人間」と「ロボット」

Picking the Best Audience for Your SEO Content

▲出典:Moz

まず、読者としての「人間」と「ロボット」の特徴をまとめ、両者に評価されるコンテンツの違いを整理していきます。

人間に評価されるコンテンツの特徴

人間の読者は、最終的に商品を購入者してくれる可能性があります。商品購入を考えさせるには製品や価格の情報が必須ですが、それだけでは購買に至らないことも。

人間の読者に響くコンテンツを作るためには、共感を得るためのストーリーや、感情に訴えかける要素を盛り込む必要があります。

とくに、製品にまつわるストーリーを語った場合、見込み顧客の脳内に幸福感や信頼感などのポジティブな感情に関連するホルモン「オキシトシン」を分泌させることが、研究で明らかになっています。

Picking the Best Audience for Your SEO Content

▲出典:Moz

また、ストーリーを語ると人間の読者に製品を理解されやすいのも特徴です。人間のために文章を書くなら、画面の向こうの読者をイメージして明確なメッセージを込めましょう。

ロボットに評価されるコンテンツの特徴

人間と異なり、ロボットはどんなに優れた文章を書いても、購入者にはなってはくれません。しかし、ロボットはGoogleのSERPでの順位に影響を与え、人間の読者にコンテンツをどれだけ届けられるかにも関わります。

検索エンジンのクローラーは、内容の充実度ももちろんですが、とくにテクニカルSEOを中心としたサイトの最適化に反応するとされます。つまり、ロボットがコンテンツの文脈を把握しやすいように、キーワードや見出しの構造などが整えられたコンテンツの評価が高まる傾向にあります。

「人間」にも「ロボット」にも評価されるSEO記事を作るべき

SEOに関するデータなどを公表しているFirstPageSageの分析によると、検索上位の記事は平均39.6%のCTRを獲得している一方、5位になると平均CTRは5.1%に下がります。

オーガニックトラフィックを目標とするなら、より多くの人間の目にコンテンツを触れさせるため、上位表示を狙うことは必須。当然、SERPを決めるロボットの助けは必要でしょう。しかし、顧客になってくれる人間の読者も捨てられません。

つまり、人間とロボットのどちらかにターゲットを絞って記事を書くのではなく、人間にもロボットにも評価される記事を書く必要があるのです。

というのも、ロボットと人間というターゲットは、正反対の好みを持っているわけではありません。質の高いコンテンツなら、両者を満足させることも可能です。

また、Googleは自然言語をより適切に処理できるよう、検索アルゴリズムを更新しつづけています。これらのアップデートにより、両者に有効なSEOコンテンツマーケティング戦略を立てることも比較的簡単になりました。

「人間」と「ロボット」に向けたSEO記事を作るポイント

人間にもロボットにも響くコンテンツを考えるうえで重要なのは、要素のバランスです。それぞれのターゲットにもっとも影響を与える要素を理解し、どちらにもコンテンツが届くよう注意しましょう。

ここからは、SEO戦略を向上させ、より多くのオーガニックトラフィックを得るためのポイントをご紹介します。

1. 言葉の選び方に注意する

言葉の選び方は、人間の読者だけに関係すると考える方も多いでしょう。しかし、言葉選びはロボットにも大きく影響します。簡潔で読みやすく、文脈を把握しやすい文章を心がけましょう。だらだらとした冗長表現は避けるのが有効です。

以下は、ロボットにあわせた言葉選びの例です。

×「単にアプリを開く」
○「アプリを開く」

×「とても興奮しています」
○「興奮しています」

×「絶対に欠かせない」
○「必須」

ただ、簡潔で分かりやすい表現だけを使うと、冷たい印象を与えたり、かえって分かりづらい文章になったりするリスクもあります。ロボットだけでなく人間にもいい印象を与えるためには、細かなニュアンスの調整も大切です。たとえば「底辺職」といった、特定の人を侮辱するような表現は避けましょう。

抽象的な言葉ではなく、具体的な数値やデータで説明することも重要です。根拠をハッキリさせることで、人間にもロボットにも好印象を与えられます。「多くの回答者」を「50%の回答者」と言い換えるなどが代表例です。

また、「ビジネスマン」「OL」などのように性別を連想させる表現を避け、「ビジネスパーソン」などと言い換えるのも炎上のリスク回避には有効でしょう。

2. 難解で硬い表現を避ける

Googleで検索をする人は、何かしらの疑問を解消するために検索しています。しかし、根本の理論や概念など、学術書に書かれている大学レベルの解説は求められないことがほとんど。高度な内容を解説する際も、難解な表現は避け、わかりやすい表現を心がけるようにしましょう。

たとえば、「SEO対策は顧客が商品概要を知覚するために重要だ」という一文があれば、「SEO対策はお客さまに商品のことを知ってもらうために大切だ」と言い換えてもいいでしょう。

表現のわかりやすさは、直接検索順位には影響を与えないとされます。しかし、滞在時間や直帰率などの検索順位の決定要因となる指標には影響を与えます。

3. コンテンツの構造を明確にする

コンテンツの構造は、人間にもロボットにも影響を与えます。タイトルや見出し、目次などの構造を、読みやすく適切な形にしましょう。

検索ロボットは、コンテンツの構造から記事の文脈を把握します。ロボットを意識し、基本的には狙っているキーワードを見出しに含めましょう。

キーワード調査を終えたら文章生成型AIの『GPT-3』などを使ってAIに記事を書かせることも可能ですが、ツールはあくまで参考程度に使い、文章自体は自分で考えたほうがコンテンツの質を高められるでしょう。

4. 画像などのメディアを活用する

画像などのメディアを活用して文章を区切ると、文字の読み疲れによる離脱などを防ぎ、読者の記事理解を助けます。コンテンツの構造と同じく、視覚的要素は人間とロボット両方にとって重要です。

とくに人間の読者にとって大切なのは、文章を理解するのに役立つメディアを選ぶこと。メディアは関連する文章の近くに配置しましょう。以下のようなメディアを利用すると、記事の完成度が向上します。

  • GIF
  • 埋め込み動画
  • インフォグラフィック、統計、グラフ
  • 注釈つきのスクリーンショット
  • 専門家のコメント画像

Googleは、検索ロボットに対して画像を最適化する方法を発表しています。その方法は、高品質の画像を使用しつつも、ファイルを圧縮し、ページの読み込み速度を低下させないようにすること。SEOを行う以上、Googleの公式見解は参考にすべきです。さらに、説明的なメタデータ(タイトル、キャプション、ファイル名など)を追加することも有効です。

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▲出典:Moz

画像などをテキストで説明する「代替テキスト」という機能もうまく活用しましょう。検索ロボットや目が不自由な方は、画像を視覚的に理解できません。そのため、代替テキストを使って画像の説明をすることが推奨されているのです。

ロボットは代替テキストを認識しますが、一方でキーワードを詰め込めばいいわけではありません。目の不自由な方が利用するテキスト読み上げ機能のことも考慮し、人間にもわかるような記述を心がけましょう。

たとえば、「靴 スニーカー ファッションシューズ フットウェア レディースシューズ」といった記述は避け、「白い女性用スニーカー」のように簡潔でわかりやすい記述にするのがおすすめです。

5. 文法や単語を正確に使う

文法や単語に誤りがあると、読者の信頼を失う可能性があります。

Google Search Centralによると、文法は検索エンジンのランキングに直接関係しません。しかし、誤字や脱字が原因で検索ロボットがWebサイトをクロールできない場合、ランキングに影響を及ぼします。このような損失を避けるためにも、誤字や文法の誤りには気をつけましょう。

とくに、ブランド名は絶対に間違えないようにしたいところ。些細なことに思えるかもしれませんが、名前はとても重要です。大文字や小文字についても正しく記述するよう気を配りましょう。たとえば、「WordPress」の「P」や、「YouTube」の「T」は、小文字ではなく大文字です。

6. コンテンツの長さを適切にする

Googleによると、単語数は検索順位を決定する要素ではないようです。しかし、Googleは検索キーワードに対して網羅的に回答できているコンテンツを上位表示する傾向があるため、どちらかといえば長文のコンテンツのほうが有利だといえるでしょう。

だらだらと長いだけの記事はNGですが、適切な文量が結果的に長文になっているような場合は、ユーザーの検索意図を満たせる可能性が高いです。

実際、SEO最適化ツールのなかには、上位に表示されているページの長さにもとづいて文字数の目安を提案してくれるものもあります。

7. 読みたくなるタイトルをつける

ロボットにとって重要なのは、コンテンツのタイトルタグとメタディスクリプションにキーワードを含めることです。検索エンジンの記事理解を助け、適切なキーワードで上位表示される可能性が高まります。

一方、人間に向けては、興味を引くような工夫も必要です。単にキーワードを詰め込むだけでなく、人間が読みたくなるようなタイトル付けを心がけましょう。

たとえば、以下のように「感情的な言葉を入れる」「緊急性を高める」「個人に向けた情報を盛り込む」などの手法も有効です。

  • 感情的:「簡単に眠れることが証明された5つの方法」
  • 緊急性:「先延ばしにするのを今すぐやめる方法」
  • 個人的:「あなたが夢の仕事につくための履歴書テンプレート」
Picking the Best Audience for Your SEO Content

▲出典:Moz

タイトルはトラフィックに大きな影響を与えるため、A/Bテストを繰り返して成果の上がるタイトルのつけ方を習得していきましょう。

おわりに

上位表示され、成果を上げるSEOコンテンツを制作するためには、人間とロボットの両方に対して配慮が必要です。

検索結果の上位に食い込みつつ、見込み顧客の心に響くコンテンツをつくりたい場合、まずは今回紹介したヒントを意識してみてください。

(執筆:Maddy Osman 翻訳:Asuka Nakajima 編集:Hayato Saito 提供元:Moz

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