エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「SES(エスイーエス)」と「SIer(エスアイアー)」。
IT業界に就職や転職を考えている方でしたら、一度は聞いたことがある単語ではないでしょうか。
「SES」ってなんだろうと思い、インターネットで検索すると、「やめとけ」「闇深い」「給料安い」など不穏な単語がぞろぞろと……。SESって本当に大丈夫なの?と漠然と不安を感じているエンジニア未経験の方は多くいると思います。
そこで、この記事ではSES経験のある筆者が、SESの概要やメリット・デメリットについて解説していきます。エンジニア未経験者の転職に少しでもお役に立てれば幸いです。
SESとは「システム・エンジニアリング・サービス」の略称で、システムの開発・保守・運用などの特定業務に対して、ITエンジニアを派遣する契約形態のことを指します。こう聞くと「SESって派遣なの?」と考える方も多いと思いますが、派遣契約とは異なります。
SESエンジニアは、クライアント先に常駐して働くことがほとんど。そのため、勤務地や勤務時間、仕事内容などは、常駐先によって大きく異なります。最近では「勤務先ガチャ」などとも言われていますが、働きやすい常駐先とそうじゃない常駐先がはっきりと分かれるのが、SESエンジニアの特徴のひとつだとも言えます。
一般的にプロジェクトの規模が大きいほど、SES企業からチームで常駐先に派遣されることが多く、プロジェクトの規模が小さければ1人で派遣されることもあります。未経験や経験の浅いエンジニアは、ベテランエンジニアとセットで動くことが多いでしょう。
「SI(システムインテグレーション)」とは、ハードウェアやソフトウェア、ネットワークなどを組み合わせて基幹システムを構築することを指します。そういったSI業務をクライアントに提案・提供する事業者のことを「SIer」とIT業界では呼ばれています。
SESを行う企業がクライアントに提供するのは、エンジニアの労働力。言わば、エンジニア個人のスキルが重要になる役割です。
それに対し、SIerはシステムの要件定義から設計、開発、テスト、運用・保守に至るまでのシステム開発における全工程に責任を持ち、システム全体の大きな枠組みを決める役割を担うポジションになります。
「SES契約」とは、正式には「準委任契約」と呼ばれる契約形態で行われます。準委任契約は、労働力に対して報酬が払われる契約です。そのため、システムの品質や期限内に納品できたかどうかについての責任は負いません。
また、派遣先はSESエンジニアに対して労務管理や指揮命令を行う権利がないため、残業や休日出勤を命じることはできません。SES契約と似ているものとして「派遣契約」がありますが、派遣契約は労務管理や指揮命令の権利が派遣先の企業にあるのが特徴です。
この「SES契約は指揮命令権や労務管理をSES企業側にある」という箇所は覚えておきましょう。これを知らないエンジニアは、けっこういます。知らず知らずのうちに契約違反なのに損をしているかもしれません。
なおIT業界では、準委任契約と同じぐらいよく出てくる契約方法に「請負契約」があります。この請負契約では、労務管理や指揮命令の権利はSES企業側にありますが、労働力ではなく成果物に対して報酬を支払う契約形態のことを指します。
「委任契約」は、法律行為を代理で行うことを委任する契約で、たとえば弁護士などに対して結ぶ契約です。エンジニア業務には法律行為はないため、エンジニアとして働く際には無関係の契約となります。
契約形態 | 業務の目的 | 報酬の対象 | 指揮命令系統 |
SES契約 | 業務の遂行 | 労働力に対して | SES企業 |
派遣契約 | 業務の遂行 | 労働力に対して | 派遣先企業 |
請負契約 | 成果物の完成 | 成果物に対して | ー |
委任契約 | 業務の遂行(※法律行為) | 労働力に対して | ー |
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「ITエンジニアとして就職するなら、SESはやめとけ」
これ本当によく耳にします。当然ですがそう言われるにはそれなりの理由があります。筆者が思うその理由について解説していきます。
「やめとけ」と言われる理由として、一番はじめにあがるのは間違いなくお給料問題です。
SES契約では、クライアント(エンドユーザー)とSESエンジニアの間に、複数の会社が介在することがほとんどです。この複数の会社には、SIerや仲介会社が含まれます。
IT業界では、ひとつの案件を2次請け、3次請けと下請けに流す多重下請け構造が当たり前のように横行しています。下請けの数が多ければ多いほど、クライアントが提示した金額から仲介料としてどんどんお金が抜かれていきます。世間でもよく話題に挙がる「中抜き」と言われるものです。
実働部隊であるSESエンジニアは、正直末端です。SESエンジニアが所属している会社の利益が少なければ、当然エンジニアに支払われる報酬も減っていくのは言うまでもありません。日本では、現場のエンジニアほど安く買い叩かれているのが実情です。
クライアント(エンドユーザー)と直接契約できれば、クライアントの提示額がそのまま利益に反映されてきます。しかし、クライアント側も何か問題が発生した際の損害賠償のことを考えると、大企業(SIer)との契約を望みます。中小SES企業と直接契約するとなると、長年の企業間の取引実績があったりしない限り、なかなか簡単に契約を結べるものでもありません。
多重下請け構造が改善されなければ、SESエンジニアのお給料が上がることはないでしょう。残念ながら、今後も改善される見込みがあるかは怪しいですが……。
システム開発における工程は大きく分けて、要件定義、設計、プログラミング、テスト、運用・保守にそれぞれ分けることができ、工程によって必要な人員の数は異なってきます。プロジェクトの規模にもよりますが、初期の要件定義や後期の運用・保守にはそれほどの人員は必要ありません。
一番人員が必要な工程が、設計やプログラミング、テストの部類です。ここでSIerはSES企業にエンジニアの派遣を依頼します。SESエンジニアは、担当工程の役割が終了したら、その現場を離れ次の現場へ移ることになります。
この常駐先がよく変わることをデメリットととるか、メリットととるかは人それぞれだと思いますが、筆者がデメリットにあげている理由は、設計やプログラミング、テストの工程だけをずっとしていてもシステム開発のノウハウは身につかないと感じているからです。要件定義~運用・保守すべてに携わなければ、エンジニアとしてのレベルアップはなかなか計れませんし、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーへとステップアップしたいならば、ひとつのシステム開発の始めから終わりまで一度担当してみることが必要不可欠です。
常駐先がよく変わることによって、現場での人間関係を一から構築し直す必要もありますし、ひとつの客先で長く腰を据えてシステムを育てる経験もまた重要となってきます。
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SESエンジニアは、準委任契約のため基本的には客先に常住して仕事を行います。自社に帰社するのは月に1度あるかないかといった人がほとんどです。そのため、同じ会社に勤めている人でも顔も知らない社員がいることは珍しくありません。プロジェクトごとに自社から派遣されるチームメンバーも入れ替わることが多いので、仲間意識や自社への帰属意識が希薄になりがちです。
これが請負契約ならば、自社に案件を持ち帰って作業することも多くなりますので、会社に所属している実感が多少なりとは湧いてくるのですが、準委任契約ではなかなか帰属意識は湧いてこないというのが実情です。
このことが「フリーランスで働いた方がいいのでは?」「転職した方がいいのでは?」と感じさせる土壌になっているとも言えるでしょう。
SESについてのデメリットをあげてきましたが、ちゃんとメリットもあります。
以下のものがメリットと思うかどうかはエンジニアによりけりでしょうが、SESエンジニアを経験した筆者自身がメリットだと感じたことについて解説します。
常駐先がよく変わることをデメリットにあげた一方、さまざまなジャンルのシステム開発にチャレンジしたいと考えている方にはメリットになるはずです。ITエンジニアとして一番楽しい工程は、やはりプログラミングの工程です。自分のITスキルに直結している部分でもありますので、ここをメインでやりたいと感じているエンジニアは多いです。
いまの時代、ひとつのITスキルが廃れるスピードは格段と早まっています。ひとつのスキルに固執するよりも、いろいろなITスキルに対して好奇心旺盛な人の方が、これからのニーズに適しています。多くのITスキルを手に入れるためには、仕事を通じで得るのが最も効率的です。幅広い分野の開発に従事してスキルの幅を広げたい方には、SESは向いているかもしれません。
そうして、スキルを身につけてフリーランスエンジニアになるのも選択肢のひとつです。
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システムエンジニア業界は、慢性的な人手不足です。とくに実働部隊として働くSESエンジニアは、多くの現場で求められています。未経験からでもエンジニアを目指し、正社員として勤務したい場合にはSESは適しています。正社員なのでボーナスや福利厚生もあるはずです。
また当然ですが、SES企業だからといって全てがブラックな会社というわけではありません。優良なSES企業であれば、基礎的なことからレベルに合わせた研修を行い、現場に派遣されます。実務を前提に基礎から教えてくれるので、初心者エンジニアとしてまずスキルを身につけたい方にはうってつけだと思います。
今回はSESについてまとめました。SESはデメリットの部分だけに焦点を充てられがちです。お金に対してデメリットを感じているのでしたら、2〜3年は頑張ってSESエンジニアとして従事してスキルを身につけ、より良い会社への転職やフリーランスを目指してみるのも良いでしょう。
SESとして実力を身に着けられたら、フリーランス向けマッチングサービス『Workship』の利用がおすすめです。
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(執筆:S-KAYANO 編集:泉)
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