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SNSマネージャーってどんな資格?【上級SNSマネージャーが解説】

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BUSINESS

デジタルマーケティング、広告、PRの分野で働く方にとって、SNSの変化に追いつくことが課題の一つです。この分野の進化は目まぐるしく、新しいトレンドが次々と生まれています。

「常にトレンドを追いかけないといけない問題」ですが、じつは「SNSマネージャーの資格」を取得すれば、簡単に課題を解決できます。上級SNSマネージャーの資格を取得して1年が経過した私が、この資格のメリット・デメリット、そして取得するための具体的な方法にを解説します。

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まてぃ
まてぃ

デジタルマーケティングプロデューサー/株式会社Rdesign factory代表取締役。企画×コンテンツ×マーケティングで価値の最大化を支援している。ツールを活用した仕事効率化に強みあり。(Twitter:@matty3com

SNSマネージャーとは?

SNSマネージャーは『一般社団法人ウェブ解析士協会』が認定する民間資格です。運用から危機管理まで、企業のSNSを包括的に維持・運用できる人材の育成を目的として創設されました。

試験による判断だけではなく、講師が開催する講座を受講し、演習やレポート提出を通じて取得します。資格はレベル別に3種類あります。

1. 初級SNSマネージャー

SNSマーケティングの基本を学びたい初心者や入門者向けの講座。“知らないことによる不利益”を被らないためのSNSの基礎知識を学びます。テキストと演習を通じて、事業で活用するためのSNSの特徴・基本操作から、リスク対策まで習得します。

2. 上級SNSマネージャー

初級講座の知識を踏まえ、企業SNSの運用管理者としてスキルを身につける講座。SNSの戦略設計・運用管理・炎上防止対策・運用ポリシーの作成などができるようになります。企業でのSNS運用実務で生かせるトレーニングカリキュラムを通じて、実践力を身に付けます。

3. チーフSNSマネージャー

企業の課題をSNS施策に反映させ、正しいSNS運用ができる人材を育成・輩出できる講師を養成する資格です。SNS運用の指導者として必要な知識を、さまざまな実技演習を通じて身に付けます。

SNSマネージャーの難易度と勉強方法

SNSマネージャーの資格試験は、初級からチーフレベルまで難易度が異なります。

初級は基本的なSNSの概念と戦略に焦点を当てており、初心者にも理解しやすい内容です。上級とチーフレベルでは、より複雑な戦略、分析技術、リーダーシップ能力が問われます。それぞれのレベルに適した実務経験があると有利です。

試験内容

初級は座学を中心に進められ、最終的に試験が行われます。

上級・チーフは座学のほか、課題の提出、ロールプレイングなどが加わります。より実践的なトレーニングを行い、すべての課題において一定水準以上の成果物であると認められた場合、認定証が発行されます。

初級 上級 チーフ
試験 Webテスト・選択式(60分) なし なし
講座受講 あり あり あり
課題 なし 事前・中間・修了 事前
ロールプレイング なし なし あり

必要とされる勉強時間

初級の場合、講義とは別に3~5時間テキストを熟読することが推奨されています。

上級・チーフの場合は、講座受講後の試験がありません。レポート作成やロールプレイングがメインとなるため、テキストを使った勉強ではなく、企業におけるSNS運用に関するレポートなどの作成に時間を充てることになります。

合格率と正会員数

合格率は公表されていませんが、評判などから合格率は高いと推測できます。下記はウェブ解析士協会が公表している直近の正会員数の推移です。

正会員数 初級 上級 チーフ 3資格合計
2023年6月 503名 170名 31名 704名
2023年11月 585名 207名 34名 826名

学習方法

初級講座で配布される約410ページ(※2022年)に渡る公式テキストをもとに学習を進めます。初級の場合は、公式テキストや講座での解説をもとにした試験が行われます。上級・チーフの場合は、企業でSNSを運用することを前提にした講義が行われ、実際のSNSアカウントを想定した運用方法や戦略設計などを学びます

実際のSNSアカウントをもとに運用方法を考えたり、参考となる企業アカウントのリサーチも進めながら、講義やレポートを進めます。そのため、X(旧Twitter)やLinkedInのアカウントが必要です。

また、ウェブ解析士協会みずからが主催する「SNSマネージャー養成講座」もあります。公式のサポートを受けながら資格取得を目指すなら、こちらの講座受講もおすすめです。

SNSマネージャーの取得・維持にかかる費用

講座ごとに、以下の取得費用がかかります。

初級 上級 チーフ
費用(税込) 33,000円 88,000円 220,000円

また資格取得後、ウェブ解析士協会の有資格会員となり、年会費も発生します。1~12月に認定を受けると、当該年度の年会費は免除となりますが、翌年以降は6,600円(税込)の年会費が必要となります。

SNSマネージャー取得のメリット

SNSマネージャーの資格取得は、単にスキルを高めるだけでなく、SNSマーケティングのプロフェッショナルとしての全体的な視野を拡げる機会にもなります。

メリット1. SNSに関連する知識・スキルを体系的に学べる

資格取得の最大のメリットの一つは、SNSに関連する知識とスキルを体系的に学べることです。この資格のカリキュラムは、以下のような実践に欠かせない技術を網羅できます。

  • SNSマーケティングにおける基礎知識
  • 戦略立案
  • コンテンツ制作
  • データ分析
  • リスク管理

また実践的なスキルに重点を置いているため、実際のケーススタディを通じて、知識を業務で生かすノウハウを習得できます。これにより受講者は知識を得るだけでなく、効果的にSNSマーケティング戦略を展開できる力を身につけられます。

メリット2.プロフェッショナルとしての信頼性が向上する

SNSマネージャーの資格取得がもたらすもう一つの重要なメリットは、プロフェッショナルとしての信頼性の向上です。

競争が激しいデジタルマーケティングの世界において、SNSマーケティングの分野で高い専門性を持ち、戦略立案や効果的なキャンペーンの実行能力があることを示す証明となります。クライアントや社内にとっては、認定されたプロフェッショナルに仕事を任せられる安心材料にもなりえます。

メリット3. 資格取得後もSNSのトレンドを継続的に学べる

資格取得後も継続的にSNSの最新トレンドと技術を学べることもメリットです。この資格は、単に試験に合格するための知識を提供するのではありません。テクノロジーの進化に合わせてスキルを更新し続けられる基盤にもなります。

資格取得者向けのオンラインコミュニティがあり、最新カリキュラムの提供やFacebookグループにおけるライブ実施などを通じて、知識とスキルの更新を継続的にできるのも魅力のひとつです。

SNSマネージャー取得のデメリット

資格取得には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。時間・コストがかかるのはもちろん、継続的な学習の必要性があります。

デメリット1. レポート作成が大変

資格取得のためのレポート作成には、以下の要素が含まれます。

  • トレンドレポートの作成
  • 運用企画書の作成
  • 運用改善レポート

これには、データの収集と解析、効果的なコンテンツの作成、そしてそれらを論理的かつ説得力のある形で文書にまとめる能力が求められます。

このレポートは受講生の理解度と専門性を測る重要な指標となります。そのため十分な準備が欠かせません。何よりスキマ時間に集中して取り組む必要があり、とにかく時間との戦いになります。

デメリット2. 時間がかかる

SNSマネージャーの資格取得は、初級の場合「座学」のみで足ります。しかし上級・チーフを目指すことになると、実践がメインとなります。

また上級では、講座受講前・受講中・受講終了後に課題レポートがあるため、受講が始まる半月前あたりから、空き時間のほとんどをレポート作成に充てていました。とにかく時間が足りないイメージです。

この資格は、ちょっと集中して勉強すれば取れる資格とは状況が異なります。そのため上級以上の受講を考えている場合は、仕事が忙しくて時間が取れない時期を外すことをおすすめします。

デメリット3. 実作業が多い

上級以上になると、実作業が増えます。レポート作成以外にも、1日5投稿以上のX(旧Twitter)の投稿が一定期間求められます。どんな投稿内容でもいいのですが、業務外で行う毎日5投稿は思いのほか大変です。

また作成したレポートに対して、講師からフィードバックがあります。フィードバックへの対応も必要になりますし、未対応のままにすると再提出になったり、不合格につながったりします。

しかも受講中の連絡はLinkedInの受講生用コミュニティを通じて行われるため、普段LinkedInを使わない受講生は、連絡を見落とさないマメさも必要です(笑)。

SNSマネージャーを取得すべき人とは

デジタルマーケティングの世界は進化し続けており、その中心にはいつもSNSがあります。SNSマネージャーの資格取得は、この領域で活躍したいと考える方にとって、キャリアを広げる一つのステップになります。

1. フリーランスや個人事業主

フリーランスや個人事業主にとって、SNSマネージャーの資格は自らのブランドを構築し、集客にもつながるスキルとなりえます。

潜在顧客にリーチし、エンゲージメントを高める最適なコンテンツ作成方法も得られます。そのためSNSマーケティングに関する深い理解と専門的なスキルは、競合他社との差別化を図り、自身のサービス価値を高めるのに役立ちます。

2. 企業のマーケター

企業でマーケティングを担当する場合、自社のブランディングを強化し、効果的なブランドコミュニケーションを行う力を身に付けられます。

顧客エンゲージメントの戦略を深く理解したうえでアカウントの戦略設計や運用ができるようになるため、炎上リスクもコントロールしやすくなります。

また、ただコンテンツを投稿するだけでなく、ターゲットオーディエンスとの関係構築、ブランド認知の向上、そして最終的には売上増加につながる戦略的な取り組みも行えるようになっていきます。

企業のマーケターは、この資格によって専門知識とスキルの証明ができるため、昇進や新しいプロジェクトを主導する立場になれる可能性も広がります。

3. 企業の広報・PR担当者

広報・PR担当者にとって、SNSマネージャーの資格は、企業のメッセージを効果的に伝え、公衆との強力な関係を築くための重要なツールとなります。

この資格によってターゲットにリーチして企業のブランドイメージを育成しつつ、危機管理にも対応できる能力を身につけることができます。

オンラインでの問題や批判に適切に対応できる能力は、企業の信頼性と評判を守るうえで欠かせません。企業内でも有用な人物として認められる機会が増えることにもなります。

【体験談】上級SNSマネージャーは仕事に役立つ?

私自身、上級SNSマネージャーの資格を取得してから、以下の点で仕事に変化がありました。

  • 対外的な専門性や信頼性が高まり、SNSコンサルティングの依頼が増えた
  • SNSのトレンド情報にアクセスしやすくなった
  • ほかのSNSマネージャーと交流する機会が増えた

まずSNSマーケティングに関するコンサルティングの依頼が増えました。正直なところ、私自身の知識や経験は資格取得前後でそれほど変わらないのですが、資格を取ったことで専門性・信頼性が高まったようです。

上級SNSマネージャーを取得してとりわけよかったと感じているのは、SNSのトレンド情報にアクセスしやすくなった点です。

上級SNSマネージャーのコミュニティに参加したことで、業界の最新動向、アイデア、成功事例などの情報を継続的に入手しやすくなりました。これらの情報は、自分自身の知識を更新し続けるだけでなく、クライアントに対して最適な提案を行うための情報源のひとつとして役立っています。

またほかのSNSマネージャーとの交流が増えている点も、SNSそのものの面白さ、奥深さを実感できる機会となり「SNSっていいよね」と日々感じています。

まとめ

SNSの戦略・運用に関するスキルは、デジタルマーケティング、広告、PR業界においてますます重要な役割を担っています。資格取得には時間と労力が必要ですが、それに見合うだけの価値があることをご理解いただけたと思います。

資格を持つことで、プロフェッショナルとしての信頼性が向上し、SNSのトレンドを継続的に学ぶ機会が得られます。またキャリアアップのステップにも繋がる可能性を持っています。この記事が読者の成功への一助となることを願っています。

資格取得後は、SNSの運用案件にもぜひチャレンジしてみてください。SNSの戦略設計や運用は、数をこなすことで活用スキルはどんどん上がっていきますから。

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(執筆:まてぃ 編集:北村有)

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