【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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拡張現実(AR)や仮想現実(VR)に関するテクノロジーは、ここ数年で急速に進化しています。多くの企業がAR/VR技術をはじめとしたメタバースの覇権を争い、その存在はあらゆる業界にとって無視できないものになりました。
今回は、メタバースの概要や予測される未来、そしてメタバースの開発に必要な5つの技術について解説します。
まずはメタバースがどのようにして生まれたのかを理解しておきましょう。
メタバースという概念は、Facebookが名前をMetaに変更したことで一般化しましたが、メタバースはFacebookが開発したものではありません。
じつはメタバースの語源は、ニール・スティーヴンスン氏が書いた『スノウ・クラッシュ』(1992)というSF小説からきています。『スノウ・クラッシュ』では、企業がサービス利用者の生活を支配しようとコントロールする、仮想空間の世界を描いています。
2000年代より台頭したSNSは、新規顧客の獲得、売り上げ促進、顧客の信頼とロイヤリティ構築などの手段として、非常に優秀です。
しかし、マーク・ザッカーバーグ氏が注目しているメタバースは、インターネットをさらに上のステージに引き上げようとしています。仮想世界で仕事をしたり、遊んだりと、これまでよりもはるかに没入感のある体験が開発されようとしているのです。
下記の記事では、メタバースについて詳しく解説しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。
メタバースとは何か?もはや知らないとマズい、世界を一変させるトレンド
Workship MAGAZINE
Metaのリブランディングとメタバースへの注力をみて、ディストピア的な未来を思い描く人もいるでしょう。しかし、仮想空間を開発する技術やメタバースという概念自体が、本質的に「悪い」というわけではありません。技術はその使いかた次第で、よくも悪くもなります。
Unityのトニー・パリシ氏は、覇権をめぐる争いのなかで、Metaなどの企業が無視しがちなメタバースのさまざまなルールについて触れています。
ルールの中では、メタバースはあらゆる人のために作られたオープンソースのプロジェクトであるべきで、誰もそれをコントロールするべきではないとされています。
そして、このルールはインターネットそのものにも当てはまります。パリシ氏が「メタバースはインターネットである」と語っているのも、そのためです。
倫理的な懸念があるからこそ、経営者はメタバースの開発に関するさまざまな技術を理解し、それがユーザーや環境、社会にどのような影響を与えるかを知る必要があります。技術への理解をとおして、バーチャルリアリティを建設的に利用したり、生活を豊かにしたり、デジタル経済を活気づける方法を見出すことができるはずです。
メタバースプロジェクトで使用する高度な技術が開発されれば、アプリデザインの平均コスト(アメリカにおいて48,000ドル ※日本円で約550万円)は間違いなく上昇します。会社を経営しているなら、メタバース戦略を考える際に意識しなければならないポイントです。
またメタバースの進化にともない、コンテンツのありかたも変化していくでしょう。没入型の仮想環境を前提にした、質の高いコンテンツマーケティングの戦略構築が不可欠となります。
メタバースのコアになっているのは「没入型のユーザー体験」であり、それはARとVRなしでは実現できません。
- AR:
シミュレーションした環境で現実の環境を拡張するテクノロジー
【例】ポケモンGO、IKEA Place- VR:
環境全体をシミュレーションし、ユーザーの世界を完全に仮想的な世界に置き換えるテクノロジー
【例】OCULUST QUEST(引用:splunk)
メタバースはVRと同じ意味で使われることが多いですが、メタバースとVRにはいくつかの違いがあります。
メタバースは端的に言えば「オンラインのVR体験」です。VRでの一人用ゲームはメタバースに含まれませんが、VRでのオンラインミーティングはメタバースに含まれます。将来的にはメタバース開発はVRにとどまらず、新たな技術が生まれるかもしれません。
バーチャル試着室の技術も、eコマース体験の向上に貢献しています。オンラインショッピングの障壁を克服することで、顧客は自宅にいながら最適なアイテムを選べます。今後メタバースはこの技術を改良し、VR空間にて仮想店舗と没入体験を提供するようになるでしょう。
ただし、VR体験にはヘッドセットなどの高価な機器が必要で、多くの人が簡単に購入できるとは言えません。そこでメタバース発展の原動力となりうるのが、ARの技術です。Statistaの調査よると、世界人口の83.96%がスマートフォンを所有しているとのこと。これは、スマートフォンによりAR機能を提供できる可能性があることを意味します。
メタバースでは仮想空間が前面に出てきますが、その舞台裏で動いているのがAIです。
AIはデータの計算や予測にも役立ちますが、アバターの作成、自然言語処理と翻訳、そして仮想世界の構築など、特定の作業を支援するアルゴリズムの改善にも役立ちます。
また、生物電気や筋肉のパターンを測定するセンサーと組み合わせることで、VRと現実世界のインタラクションを改善することもできるでしょう。視覚障がい者のための画像認識サービス等の提供も想定され、さらにインクルーシブな体験を実現できると考えられています。
メタバースが真の没入型プラットフォームになるためには、3次元のモデリング環境が必要です。メタバースやVR関係の製品/サービスを作ろうとする企業にとって、基礎となる3Dモデルツールは何百種類もあります。
『Blender』などのプログラムでゼロからオブジェクトを構築する以外に、センサーを使ってオブジェクトを3Dで再構築することも考えられます。iPhoneのLiDARセンサーのような、赤外線深度スキャナーを搭載したモバイルデバイスを使うという方法も、選択肢のひとつになるでしょう。こうした技術は、メタバースで使用するオブジェクトのデジタル化に役立ちます。
オブジェクトのデジタル化は、製造業にもよい影響を与えるでしょう。3Dの技術は、サプライチェーンにおいて製品がどこからきて、どのように加工されたかを可視化してくれます。
VRにあわせて人体を完全にデジタル化することはまだできませんが、アニメーション付きの3Dの仮想アバターがそのかわりになってくれるはずです。
顧客の行動分析などに用いられているエッジコンピューティングは、メタバースにおけるハイクオリティな没入体験に必要な、高速データ転送にも貢献してくれます。
世界中で何百人もの人が仮想体験をする場合、システムを維持するために必要な処理をクラウドですべてカバーすることは不可能です。エッジコンピューティングを活用すれば、処理を各ユーザーの近くにもっていき、体験全体をスムーズにできるでしょう。
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メタバースは仮想体験を繋いだものです。しかし、VRでネットワークを構築すると、膨大なデータを使うことになります。
こうした問題を解決してくれるのが、モバイルトレンドのひとつである、5Gです。5Gは近年改良がすすみ、リアルタイムのデータ転送に必要な環境を提供しています。さらに5Gによって、自宅だけでなくどこからでもARやVRに接続できるという点も、大きな魅力です。
5Gによる帯域の拡大は、VRレンダリングをエッジデバイスでおこなって、ヘッドセットにストリーミングすることが可能になることを意味します。この事実は、VRのヘッドセットのサイズが今後数年のうちに小さくなり、ユーザーにとってより快適になる可能性を示唆しています。
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メタバースは大きな可能性を秘めています。倫理的に、かつ責任をもって技術を検証し、開発すれば、収益を上げながら消費者をサポートする方法が見つかるはずです。
メタバースとそれに関連するテクノロジーは、インターネットをつうじて私たちの体験を拡張してくれます。メタバースをどのように開発し、進化させるかは、私たち次第です。私たち自身が、見たい未来を開発していきましょう。
(執筆:Andrew Makarov 翻訳:Asuka Nakajima 編集:mozuku 提供元:IoT For All)