フリーランスでも狙える官公庁案件。年5兆円規模の市場とは 他
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コロナ禍で働く環境が大きく変わり、「場所を問わず、リモートワークで働ける時代が来た」と感じた方も多いでしょう。
一方で、世界的な潮流は「オフィス回帰」へ動いており、国内でも「企業文化の形成には、やはりオフィスで集まることが必要」「対面コミュニケーションこそ、コラボレーションを生む土壌」として、出社を前提とする企業が増えています。
このような状況のなかで、企業がフリーランスに参画してもらう際にも、「基本はリモートワークで構わないが、いざとなれば顔を合わせられる距離感に住んでいる人が望ましい」と思うのは自然なことです。
しかし ですが本記事では、社労士の立場から、あえて「完全リモート」を前提とした地方在住フリーランスとの戦略的な協業を提案します。
オフィス回帰が進む今だからこそ、あえて遠方に住むプロフェッショナルと手を組む。この戦略は、単なる人手不足の解消策ではありません。大都市圏のプロ人材とは異なる「地方在住者」ならではの特性や強みを理解し、彼らをパートナーとして迎え入れることは、企業に意外なメリットをもたらします。
本記事では、ポートフォリオだけでは見えにくい地方在住プロの潜在能力と、協業する上で知っておくべき実務上のポイントを解説します。

開業社会保険労務士(東京都社会保険労務士会所属)、特にIT/Web業界を中心に支援している。趣味は同人活動で、評論同人サークル「さかさまダイアリー」より同人誌「村上春樹っぽい文章の書き方」シリーズなど発行。(X:@mo_himo)
地方在住のフリーランスを活用するメリットとして、真っ先に思い浮かぶのは「報酬水準(コスト削減)」かもしれません。
確かに、地方は大都市圏に比べて家賃などの生活コストが抑えられる分、報酬単価を柔軟に検討してもらえるケースはあります。
しかし、それだけを目的にすべきではありません。注目すべきは、地方という環境によって培ってきた「能力の質」の違いです。

地方在住プロの傾向として挙げられるのが、その守備範囲の広さです。
例えばWeb制作のケース。首都圏、特に大規模な制作会社出身のフリーランスは分業体制の中で育つことが多く、「UIデザインが専門です」「実装はベンダーに依頼していました」のように、スキルが専門特化しがちな傾向があります。
一方で、地方在住のフリーランスは、一人で何役もこなす「多能工(ゼネラリスト)」としての能力が高い傾向にあります。
これには、地方特有の社会構造が関係しています。
例えば地方のクリエイティブ制作会社では、主なクライアントはITに詳しくない地場企業となります。そのため、「ホームページを作りたいのと、パンフレットも頼みたい。ついでに社長のインタビュー動画も撮ってよ」といった、複合的なオーダーが日常茶飯事です。しかも予算が限られているため、外部の専門家を都度依頼する余裕はなく、限られたメンバーで多様な業務を完遂させることが求められがちです。
俗説ですが「北陸のITインフラエンジニアは現場力が高くて優秀だ」などという意見もあります。何かIT機器に異常が発生した際、都市圏とは違ってすぐに専門業者が駆け付けてくれるとは限らないため、「まずは自分で直せないか試してみる」経験を積んでいるからだそうです。
このように、地方には、痒いところに手が届く「多能工」的人材が育まれやすい土壌があります。
事業が非連続に成長する局面では、
「ちょっとしたバナー修正をお願いしたいけれど、デザイナーに頼むほどでもない」
「LPを作りたいけれど、ライターとデザイナーとコーダーを別々に探してディレクションする時間なんてない」
という場面は多いはず。そんな時、こうした多能工フリーランスの力が生かされることがあるかもしれません。
もちろん、こうしたマルチスキル人材は、首都圏にもいるでしょう。しかし、そうした人材は希少なため、紹介経由の案件で手いっぱいになり、追加の稼働が難しいケースも多いものです。
地方在住プロの活用を視野に入れることで、思わぬ即戦力との協業のチャンスが生まれるかもしれません。
地方在住プロとの協業は、企業の視野を広げることにも繋がります。
もし全国向けのサービスを展開していたり、地方マーケットへの参入を検討していたりする場合、現地の肌感覚を持つメンバーの存在は、大きなアドバンテージとなります。
例えばスマホアプリの開発において、「車社会では、移動中に長時間スマホを操作することが難しいので、あとでまとめて対応できるような設計にして欲しい」などの声を聞くことができれば、UI/UXの開発優先順位も変わってくるはずです。
このように、数字上のデータを見るだけでは分からない地方の生活者の実態やニーズを何気ないやり取りの中から拾えるのは大きな強み。他にも、「テストユーザーを集めたいとき、地方在住フリーランスがハブとなってくれて助かった」という声を聞いたこともあります。
「地方在住のフリーランスと積極的に協業している」という事実は、企業ブランディングにも寄与することがあります。
「多様な働き方のメンバーが集まる会社である」というメッセージになることはもちろん、「地方創生に貢献している」という打ち出しもあり得ます。特に、社会課題解決に関心の高い若手人材は、こうした企業姿勢を魅力的に捉えることがあります。
単に業務を発注するだけでなく、「地域のプロと共に成長する企業」としてのストーリーが描けると、これまでになかった企業ブランディングが実現するかもしれません。
このように、地方在住フリーランスとの協業には多面的なメリットがある一方で、物理的な距離があることによるデメリットや、実務上の注意点も存在します。
これらは、単に「遠いから仕方ない」という理由で片付けず、違いを理解し、運用でカバーする工夫が必要です。
フルリモートでの協業において最大の懸念は、やはりコミュニケーションの質です。
「雑談や顔色から、相手の状況を察することが難しい」のはリモートワーク共通の課題です。とりわけ地方在住プロとの協業では、「忘年会など、イベントの場ですら対面機会がない」「生活環境も大きく異なる」といった点で、より強く意識する必要があります。
「Zoom飲み」という言葉は聞かなくなって久しいですが、例えばオンラインミーティングのついでに生活関連の雑談などを取り入れると、お互いの「人となり」が分かり、深い信頼関係の構築に繋がるかもしれません。
「距離が遠いから、疎遠でも仕方ない」という考え方ではなく、「遠く離れていても、一緒に働いていることを共有し合う」姿勢を持つことが重要です。
判断に迷いやすいのが、報酬設定です。
確かに、地方の生活コストは大都市圏よりも安めであることが多いですが、だからといって「安く発注できるだろう」と安易に考えるのは避けるべきです。
前述した通り、彼らは多能工としての高いスキルを持っている場合が多く、その価値を正当に評価しなければ、信頼関係は築けません。
もし適正な待遇を提供できなければ、最悪の場合、競合他社に奪われてしまうようなリスクも考慮しなければなりません。彼らのスキルレベルを考慮し、双方が納得できる「適正価格」を話し合って決める姿勢が重要です。
なお、契約書での注意点としては、万が一オフィスに来てもらう際の交通費・宿泊費の規定などを明確に盛り込んでおくこともおすすめします。
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オフィス回帰の流れがあるからこそ、「地方在住フリーランス」を活用する価値は相対的に高まっています。
地方のプロが持つ多能工としての逞しさや、独自の視点。これらは、大都市圏のオフィスだけでは決して得られない、貴重な戦力です。
物理的な距離を心の距離にしない工夫を持って向き合い、「発注」ではなく「共創」のスタンスで向き合うと、新たな可能性が生まれるかもしれません。
(執筆:もひもひ、編集:夏野かおる)
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