【記入例あり】採用計画の作り方8ステップ|テンプレート付き

【記入例あり】採用計画の作り方8ステップ|テンプレート付き
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「採用計画書を出してほしいと言われたが、何から書けばいいか分からない」「前回は募集しても人が来ず、採用してもすぐ辞めてしまった」といった悩みを抱えている採用担当者の方もいるのではないでしょうか。

必要な人数や時期などの「採用計画」が曖昧なまま募集を始めると、応募が集まらない、入社後にミスマッチが起きるといった失敗が重なりやすくなります。

採用計画は人数を埋めるためだけのものではなく、採用活動の失敗を防ぎ、自社に合う人材を採るための指針です。

目的・採用人数・雇用形態・人物像・チャネル・選考・予算・スケジュールの8つを順に決めていけば、計画は1枚にまとまります。本記事のテンプレートを活用し、採用基準や見直しの視点まで組み込むことで、採用活動をスムーズに進められるでしょう。

本記事では、人事として30年携わってきた筆者の経験をもとに、採用計画の作り方8ステップを解説します。そのまま使える計画書のテンプレートや採用基準の設け方、計画どおりに進まないときの見直しポイントもあわせて紹介します。

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松尾隆弘
松尾隆弘

人事ジャンルを得意とするフリーライター。30年の会社員生活では、一貫して人事に従事。人事コンサルタントとして企業の組織改革や採用課題の解決なども経験。現在は主にHRメディアの記事やコラム記事を手掛けている。

採用計画とは?採用の人数と時期を決める計画

採用計画とは、必要な人材を、いつ・どの部署に・何人・どんな条件で・いくらで採用するかを決める実行計画です。

採用計画と混同されやすいのが採用戦略です。採用戦略は「誰を、なぜ採るのか」という方向性を決める上位の意思決定を指します。採用計画は、その戦略を人数・時期・予算に落とし込んだものです。

もう1つ、要員計画との違いも押さえておきましょう。要員計画は会社全体の人員の過不足を見通す計画で、採用計画は不足分を採用でどう埋めるかを決める計画にあたります。要員計画で足りない人数が見え、採用計画でその人数を埋める道筋が決まるという関係です。

本記事では、採用計画を「採用の失敗を未然に防ぐための実行計画」と位置付けて解説します。まず方向性の整理から始めたい場合は、採用戦略の記事もあわせてご覧ください。

採用計画の作成が必要な理由

採用計画がないまま募集を始めると、「募集しても人が来ない」「採用してもすぐに辞める」といった失敗が起きやすくなります。計画を作る意味は、こうした失敗の芽を先に摘める点にあります。

必要な人数を明確にして人員の過不足を防げるから

採用計画を作成して、採用人数に根拠を持たせることで人員の過不足を防げます。経営・事業計画や現場の状況から必要な人数を割り出しておけば、感覚で決めた人数に引きずられずに済むでしょう。

人数の根拠が曖昧なままだと、採りすぎて人件費が膨らんだり、足りないまま現場が疲弊したりします。筆者が人事として見てきた中でも、こうしたケースは少なくありません。経営陣に人数を説明する場面でも、根拠のない数字では納得を得にくいものです。

計画書に採用人数とその理由を書いておけば、経営陣や現場との合意もスムーズに進みます。途中で状況が変わったときも、どの前提が変わったのかをたどって柔軟に見直せます。

求める人物像を明確にしてミスマッチを防げるから

採用計画の段階で求める人物像を言語化しておけば、募集内容と選考の基準のぶれをなくし、ミスマッチを防げます。人物像の言語化とは、必要な経験やスキル、行動特性をあらかじめ定義しておく作業です。

人物像が曖昧なままだと、採用チーム・現場・経営陣の間で評価基準が揃いません。応募者にも一貫したメッセージが伝わらず、入社後に「期待されていた役割と違う」といったギャップを生む原因になります。

事前に人物像を明記しておけば、求人票・面接・評価の軸がひとつに揃います。入社後の認識のずれが減り、早期離職の予防にもつながるでしょう。

ミスマッチが起きる原因を詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

予算と時期を見通して採用の機会を逃さずに済むから

採用計画で予算とスケジュールをあらかじめ固めておけば、応募や内定の最適なタイミングを逃さずに動けます。採用活動には、求人広告費や紹介手数料などの費用がかかるうえ、募集開始から入社までには一定の期間が必要だからです。

欠員が出てから慌てて動き出すと、予算の承認に時間がかかり、思うように候補者を集められないケースも少なくありません。入社時期から逆算してスケジュールを組んでおけば、各段階で「何をいつまでにやるべきか」がクリアになります。

必要な費用が事前に見えていれば、活用できる採用手法の選択肢も広がります。時期と予算の両面を先に見通しておくことが、採用の機会損失を防ぐ最大のポイントです。たとえば、入社希望時期の数か月前から募集を始めるスケジュールを立てておけば、余裕を持って準備を進められます。

採用計画を立てる前に確認すること

計画書を書き始める前に、社内外の情報を集めて前提を揃えておきます。白紙の状態から書くと、数字や条件に根拠がなく、後から修正が続いてしまうためです。

経営・事業計画から必要な人員を確認する

採用計画のスタートは、経営・事業計画から「どの部署に」「いつ」人手が必要か確認することです。事業の拡大や新規事業の立ち上げ、組織変更の予定が、必要な人員を見極める基準となります。

たとえば新規事業の予定があれば、立ち上げ時期から逆算して担当者が必要なタイミングを特定できます。経営陣や経営企画の担当者へ、今後1〜3年の事業方針と人員の見通しを確認しておきましょう。

見通しが曖昧なまま採用を始めると、必要な時期に人が足りなかったり、採用後に配属先が決まらなかったりする恐れがあります。確認した内容は、計画書に根拠として記載できるようメモを残しておくと安心です。

現場の欠員・増員ニーズを確認する

次に、現場の責任者へヒアリングを行い、不足している役割と人数を確認します。経営計画には表れない欠員や現場の業務量の変化は、現場の担当者にしか分からないためです。

確認したい項目は、退職や異動の予定、業務量の増減、現在誰に負荷が集中しているかといった点です。単に数字を聞くだけでなく、どの業務が回っていないのかまで具体化しておくと、後の求める人物像の設計に活かせます。

ただし、現場の要望をそのまま受け入れるのではなく、経営計画の人件費予算や人員枠と照らし合わせることが大切です。乖離がある場合は、経営陣・現場の双方と調整して落としどころを探りましょう。ヒアリング結果を部署ごとに整理しておくと、複数部署の採用を進める際も優先順位をつけやすくなります。

過去の採用実績と市場動向を確認する

続いて、過去の採用実績と、採用したい職種の市場状況を確認します。自社の実績を見れば、どのチャネルから何人応募があり、何人が入社したかという実態が分かります。

確認したい項目は、応募数・採用数・採用単価・入社後の定着状況です。過去のデータがない場合は、今回の採用活動から記録を始めましょう。応募から内定までの段階ごとに、経路別の応募数・面接通過率・内定辞退率といった数値を残していきます。

あわせて、職種の市場状況の調査も欠かせません。求職者が限られる職種は募集期間が長くなりやすいため、計画にも余裕を持たせます。実績と市場の両面を見ることで、現実的なスケジュールと予算を組めます。

採用で競合する企業と自社の強みを確認する

最後に、同じ人材を奪い合う競合企業と、自社の強みを確認します。求職者は複数の企業を比べて応募先を決めるため、自社の強みを打ち出さないと、条件の近い他社に埋もれてしまうからです。

競合は同業他社だけとは限りません。同じ職種を募集する企業はすべて競合となるため、求人サイトで同職種の求人を探し、年収・勤務地・働き方・裁量などの条件を並べて比較してみましょう。

あわせて、他社にはない自社ならではの価値を書き出します。たとえば、「経営陣との距離の近さ」「意思決定の速さ」「仕事の裁量の大きさ」などです。ここで整理した内容は、後のチャネル選びや求人でのアピールポイントの確かな根拠になります。

採用計画の作り方8ステップ

採用計画は、目的・採用人数・雇用形態・人物像・チャネル・選考・予算・スケジュールの順番で決めていくとスムーズです。各ステップで決めた内容を、次章のテンプレートに書き込むだけで計画書が完成します。

1. 現状分析と採用目的を明確にする

最初のステップは、集めた情報をもとに「何のために・何人採るのか」を1文で言語化することです。人数だけを決めても、解決したい課題が曖昧なままでは、その後の判断がぶれてしまいます。

たとえば「新規事業の営業体制を立ち上げるため、無形商材の新規開拓を一人で完結できる法人営業を採用する」のように、事業課題と採用目的をつなげて記載します。単に人手が足りないという理由だけでは、求める人物像も選考基準も定まりません。

経営計画・現場のニーズ・過去の実績を整理し、「なぜ今採用が必要なのか」を1文で説明できるようにしておきましょう。ここで言語化した1文が、計画全体のぶれない軸となります。

2. 採用人数を算出する

2つ目のステップは、採用目的をもとにした採用人数の算出です。人数は感覚で決めず、「必要な人員 − 現在の人員 + 退職・異動の見込み」の計算式で割り出します。

たとえば新規事業に必要な人員が5名、現在の在籍が3名で退職や異動の予定がなければ、採用人数は2名です。ベースとなる「必要な人員」は、経営計画と現場へのヒアリング結果を部署ごとに積み上げて出しましょう。

算出した人数の根拠を計画書に残しておけば、経営陣への説明や、後から計画を見直す際に役立ちます。人数が定まらなければ、全体の予算も選考規模も見極められません。

3. 雇用形態を決める

3つ目のステップでは、業務の性質と期間に合わせて雇用形態を選びます。正社員や契約社員、派遣、パート・アルバイトに加え、業務委託やフリーランス、副業人材も選択肢に入れましょう。

継続的に任せる中核業務は正社員、期間や範囲が限られた専門業務は業務委託といった具合に、業務の性質で振り分けるのが基本です。正社員だけで埋めようとすると、適任者が見つからず計画が止まりやすくなります。

雇用形態を選ぶ際は、雇用期間と任せる業務の範囲をあらかじめ整理しておきます。人件費の扱いや育成の手間も形態によって異なるため、採用後の運用まで見通して決めることが大切です。それぞれの違いは、次の表で確認してください。

雇用形態 向いている業務 確認ポイント
正社員 長期的に任せる中核業務 育成の体制と人件費の見通し
契約社員・パート・アルバイト 期間や時間が限られる定型業務 契約期間と更新の考え方
派遣 一時的な人手の補充 受け入れ期間と業務範囲
業務委託・フリーランス・副業人材 専門性が必要で期間や範囲が明確な業務 業務範囲・成果物・報酬の取り決め

4. 求める人物像を決める

4つ目のステップは、求める人物像を「必須条件」と「歓迎条件」に分けて書き出すことです。条件は、業務に必要な経験・スキル・行動特性で定義します。

「コミュニケーション能力が高い」といった抽象的な表現は、面接官によって解釈が分かれがちです。筆者も、同じ表現でも面接官ごとに受け取り方が違うと感じてきました。「法人営業の経験があり、自ら新規開拓を進められる」のように、具体的な経験や行動レベルまで落とし込みましょう。

なお、年齢制限は雇用対策法で原則禁止、性別による限定は男女雇用機会均等法で禁止されており、出身地なども就職差別につながるため条件にできません。また、必須条件を絞りすぎると応募が集まらないため、入社後に身につけられる「ツールの使用経験」や「業界知識」などは歓迎条件に回すのが基本です。

人物像の詳しい作り方については、以下の記事を参考にしてください。

5. 採用手法(チャネル)を決める

5つ目のステップは、求める人物像がいる場所に合わせて、採用手法(チャネル)を選ぶことです。手法を先に決めてしまうと、ターゲットに合わない手段を選びかねません。

すでに転職活動中の「顕在層」には求人媒体や転職エージェントが、転職を考え始めたばかりの「潜在層」にはスカウトやSNSでの接点作りが向いています。専門人材を短期間で確保したい場合は、フリーランスの活用も有効です。

手法を選ぶ基準は「ターゲットの居場所」「採用までの期間」「予算」の3点です。1つの手段に絞らず、2〜3種類を組み合わせて計画に書き込みましょう。各手法の詳細は、以下の記事も参考にしてください。

6. 選考フローと評価基準を決める

6つ目のステップでは、応募から内定までの選考フローと、各ステップの評価担当者・評価内容を決めます。書類選考や面接の回数、適性検査の有無などを順に並べていってください。

重要なのは、ステップごとに評価の観点を割り振ることです。「1次面接は経験とスキル」「最終面接は価値観や意欲」のように役割を分ければ、面接で同じ質問を繰り返さずに済みます。

また、選考にかかる日数も、あらかじめ想定しておきます。結果の連絡が遅れると、候補者の気持ちが離れやすくなるためです。具体的な評価基準の作り方は、「採用基準の設け方」の章であらためて解説します。ここでは、各ステップの担当者と評価の観点を計画書に書き込める状態にしておけば十分です。

7. 採用予算を決める

7つ目のステップは、採用にかかる費用を洗い出し、予算を決めることです。求人広告費や紹介手数料、内定後のコストなどを合算して管理します。

見落としがちなのが、面接官の稼働工数や内定者との会食費、入社後の研修費、PC備品代などの付帯コストです。これらも含めて計上することで、実際の費用とのずれを小さくできます。

また、予算をチャネルごとに配分して記載しておくと、後から費用対効果を検証しやすくなります。採用人数で割った1人あたりの採用単価も出しておけば、翌年度の計画の基準として役立つはずです。費用の抑え方については、以下の記事をご覧ください。

8. スケジュールと採用KPIを決める

最後のステップは、入社希望日から逆算して各段階の期限を定め、採用KPIを設定することです。募集開始・書類選考・面接・内定・入社の順に、具体的な日付を入れていきます。

KPIとは、目標の達成度を測るための数値のことです。採用では、応募数・面接実施数・内定承諾数のように、段階ごとに設定するのが基本です。どの段階で人数が減っているかが分かれば、計画どおりに進まないときに見直すべき箇所をすぐ特定できます。

KPIの数値は、過去の実績をもとに設定しておきましょう。実績がない場合は、最初の1〜2か月の結果を見て見直す前提で仮決めします。8つのステップを決め終えたら、テンプレートに書き込んで計画書としてまとめましょう。

そのまま使える採用計画書のテンプレート(記入例あり)

8ステップで決めた内容は、1枚の計画書にまとめておくと、経営陣への説明や現場との共有がスムーズになります。テンプレートの項目は、筆者が採用計画を作る際に実際に使っていたものをもとにしています。まずは、自社で記入する項目一覧です。

▶︎採用計画テンプレート(Excel)をダウンロードする

項目 記入内容 自社の記入欄
採用目的 何のために採用するのか
採用ポジション 配属先と職種
採用人数 人数とその根拠
雇用形態 正社員・業務委託など
求める人物像 必須条件と歓迎条件
採用チャネル 使う手段と目的
選考フロー・評価基準 選考ステップと評価者
予算 費目と金額
スケジュール 各段階の期限
KPI 段階ごとの目標
担当者・責任者 役割分担

記入方法に迷ったときは、次の記入例を参考にしてください。

項目 記入例
採用目的 新規事業の営業体制を立ち上げるため
採用ポジション 営業部・法人営業(中途)
採用人数 2名(必要人員5名-現在の在籍3名)
雇用形態 正社員1名、業務委託1名
求める人物像 必須:法人営業の経験/歓迎:新規開拓の経験
採用チャネル 転職エージェント(即戦力の確保)、スカウト(潜在層との接点づくり)
選考フロー・評価基準 書類→1次面接(現場:経験とスキル)→最終面接(役員:価値観と入社意欲)
予算 求人広告費〇万円+紹介手数料〇万円+内定後コスト〇万円=合計〇万円(1人あたり〇万円)
スケジュール 募集開始〇月〇日→面接〇月〇日→内定〇月〇日→入社〇月〇日
KPI 応募数〇件・面接実施数〇件・内定承諾数2名
担当者・責任者 人事担当:進行管理/営業部長:要件確認と面接

なお、記入例は中途の営業職を想定したサンプルです。「〇」の箇所には、自社の見積もりや入社希望日に合わせた実際の数字を入れてください。

作成ツールは目的に合わせて選ぶのが基本です。数値管理や集計にはExcel、スムーズな共有ならスプレッドシート、経営層への説明にはPowerPointが向いています。

ツール 向いている用途 特徴
Excel 数字の管理と集計 予算やKPIの計算に使いやすい
スプレッドシート 関係者との共有 同時に編集でき、更新が共有しやすい
PowerPoint 経営層への説明 計画の要点を1枚にまとめて見せられる

作成時のコツは、空欄があっても「未定(〇月〇日までに〇〇部長が決定)」と記載し、まずは1枚の形を完成させることです。完璧を目指して抱え込むより、未定のまま早めに関係者と内容を詰めていくほうが、計画をスピーディーに進められます。

採用区分による採用計画の立て方

新卒・中途・業務委託では、計画を立てる起点と進め方が異なります。同じフォーマットの計画書でも、何を軸にするかは採用区分ごとに変わります。ここでは、筆者が人事として採用を進める中で、実際にうまくいった進め方をもとに紹介します。

新卒採用は年間スケジュールから逆算して立てる

新卒採用の計画は、入社時期から逆算した年間スケジュールを軸に立てます。広報、説明会、選考、内定、内定者フォローまでが年単位で動くためです。

入社時期(春)を起点に、内定・選考開始・広報開始の時期を逆算して配置していきましょう。学生の就職活動が本格化する時期に遅れると、接点を持つことすら難しくなります。

新卒は一括採用が中心となるため、人数以上にスケジュールの管理が重要です。内定から入社までの期間が長く辞退も起こりやすいため、内定者との連絡頻度や面談の機会もあらかじめ年間スケジュールに組み込んでおきましょう。

中途採用は欠員・増員が出た時点で現場と立てる

年間で一括して決める新卒とは異なり、中途採用は欠員や増員が発生したタイミングで個別に動き出します。まずは現場責任者と要件をすり合わせましょう。

最初に確認すべきは、「いつまでにどんな経験を持つ人が必要か」という点です。ここが曖昧なまま進めると募集開始が後ろにずれ込み、欠員期間が延びてしまいます。

中途採用は短期間で進める場面が多いため、欠員が出る前から、繰り返し募集する職種の要件や求人票のひな型を用意しておくと動き出しがスムーズです。

業務委託・フリーランスは期間と業務範囲を軸に立てる

業務委託やフリーランスを活用する場合は、契約期間と業務範囲を軸に計画を立てます。雇用ではなく業務を依頼する形になるため、人物像より「任せる業務の範囲」を先行して決めるのが基本です。

あらかじめ「契約期間、業務の範囲、成果物、報酬」の4点を決めて計画書に反映しておけば、正社員の採用で行き詰まった際にも有効な選択肢となります。

なお、Workshipが人事・採用担当者を対象に実施した調査(2025年10月)によると、フリーランス採用を行う目的は、「迅速な採用(50.0%)」と「専門人材の確保(43.4%)」が上位を占めています。フリーランス採用は、スピード感や専門性を求める場面で検討したい選択肢です。

参考:Workship|人事・採用担当者を対象とした「フリーランス・業務委託採用」調査レポート

調査の詳細は、以下の記事で確認できます。

採用計画に組み込む採用基準の設け方

採用基準は、選考の場で考えるのではなく計画の段階で決めておくものです。先に基準を固めておくことで、求人票・面接・評価の物差しが揃い、ミスマッチを防ぎやすくなります。

求める人材の特徴を行動で言語化する

求める人材の特徴は、「優秀な人」といった抽象的な評価ではなく、実際の行動に落とし込んで言語化します。まずは自社で成果を出している社員の動きを観察し、共通点を書き出してみるのが効果的です。

たとえば「課題を自分事として捉えて動ける」という基準であれば、面接で「過去のトラブルに対し、自ら誰を巻き込んでどう解決に導いたか」と質問します。そうすれば、面接官は実際の行動事実に基づいて評価しやすくなります。

スキルや経験は短時間の面接でも見極めやすい一方、日頃の行動傾向は面接だけでは見えにくいのが難点です。だからこそ現場で成果を出している社員にヒアリングし、どんな場面でどう動いているかの具体例を集めておくことが、ぶれない基準づくりにつながります。

優秀な社員の共通点については、以下の記事で詳しく解説しています。

採用を見送る判断基準を事前に決める

採用を見送る判断基準についても、あらかじめ決めておきます。このとき設定すべきなのは、応募者の属性や思想ではなく、選考中に確認できる行動面です。

具体例としては、面接への無断遅刻、提出期限の不履行、質問に対する他責的な回答などが挙げられます。これらはいずれも、選考ややり取りの中で客観的な事実として把握できる行動です。

明確な基準を設けずに判断してしまうと、面接官個人の印象や相性に左右され、公正な選考ができません。不採用とする際はその理由を行動の事実として記録に残し、第一印象や漠然とした違和感だけで判断しない運用を徹底することが、公正な採用につながります。

面接官同士で評価基準を揃える

面接官同士で事前に評価基準を揃えておくと、評価のばらつきを抑えられます。面接官ごとに見るポイントが異なっていると、同じ応募者であっても評価が分かれてしまうためです。

揃え方としては、評価項目と評価の目安を一覧にして、面接官全員で共有しておきます。たとえば「経験」「行動特性」「入社意欲」といった項目ごとに、どのような状態であれば高評価とするのかを具体的に書き出してみましょう。

面接前にこの評価シートを配り、面接の後にはそれぞれの評価理由を持ち寄ることで、判断の違いが見えてきます。評価が分かれた箇所をすり合わせていけば、基準そのものの精度が高まる効果もあります。とくに複数名を採用する場面では、高い効果を発揮するでしょう。

採用計画を立てた後にやること

計画書が完成したら、すぐに募集を始めず関係者への共有、求人票への反映、進捗の確認を進めてください。完成直後の動きまで決めておくと、せっかくの計画が止まらずに済みます。

経営陣と現場に計画を共有して承認を得る

まず、完成した計画書を経営陣と現場の責任者に共有し、人数・予算・スケジュールの承認を得ます。承認を得ないまま募集を始めてしまうと、途中で条件変更を求められ、求人の出し直しになりかねません。

共有の場では、採用人数の根拠や各ステップで決めた内容を説明できるよう準備しておきます。あわせて、面接への参加や応募者への対応など、現場の協力が必要な役割も割り振っておきましょう。承認を得た内容は計画書にしっかり残しておき、今後の見直しの基準として活用します。

また、共有の場で意見が出た場合はその場で計画書に反映し、最新版を共有しておいてください。バージョンが分かれてしまうと、現場が古い計画で動いてしまう原因になります。

求人票に計画の内容を反映して募集を始める

次に、計画書の内容を求人票に落とし込み、募集を開始します。業務内容や必須・歓迎条件、選考の流れ、働き方などを計画で定めた人物像と一致させて記載していきましょう。

計画と求人票の内容にずれがあると、想定と異なる層からの応募が増え、選考を通過する人材が出にくくなります。募集を出す前に、人物像・採用人数・採用チャネルが正しく反映されているかを計画書と照らし合わせて確認してください。

とくに雇用形態について、正社員限定なのか業務委託も受け付けるのかを明記すると、求職者が自分に適した募集かどうかを判断しやすくなります。なお、求人票に必要な項目や書き方のコツは、以下の記事で解説しています。

応募・選考の数値を記録して進捗を確認する

募集を始めた後は、応募数・面接実施数・内定承諾数などの数値をチャネルごとに記録します。計画時に設定したKPIと比較して、どの段階で人数が落ち込んでいるかを把握するためです。

「毎月1日」など定期的な確認タイミングを決めておくと、チェックが習慣化しやすくなります。計画の数字を下回っているフェーズが見つかったら、次章の見直しポイントを参考に、募集条件や選考の流れを調整しましょう。

自社だけで計画の運用や改善を進めるのが難しい場合は、Workship CONSULTINGへ相談するのも手です。採用戦略の策定から採用広報まで、採用活動全体のスムーズな進行を幅広く支援しています。

採用計画どおりに進まないときの見直しポイント

計画どおりに進まないときは、応募・選考・内定承諾のどの段階で詰まっているかを切り分けてから見直します。原因を特定せずに手段だけ増やしても、費用がかさむだけで改善しにくいためです。

応募が集まらないときは募集条件と訴求を見直す

応募が集まらないときは、募集条件・求人票の訴求・掲載チャネルの3点を見直します。条件の設定が厳しすぎたり、仕事の魅力が十分に伝わっていなかったりすると、応募にはつながりません。

見直しの手順は、まず必須条件を絞りすぎていないかをチェックします。次に、求人票の中に「業務内容」「得られる経験」「働き方」が具体的に記載されているかを確認しましょう。

それでも応募が増えない場合は、選定したチャネルがターゲット層に合っていない可能性があります。求める人物像が集まる場所へと募集手段を切り替えなければなりません。なお、応募が来ない原因と対策は、以下の記事が参考になります。

選考で落ちすぎるときは採用要件を見直す

応募はあるものの選考で通過者が出ない場合は、採用要件の見直しが必要です。要件の設定が高すぎたり、必須条件と歓迎条件が曖昧に混ざっていたりすると、通過者が極端に少なくなります。

まず確認したいのは、必須条件の中に「入社後の育成で身につけられるもの」が含まれていないかという点です。教育でカバーできる内容を歓迎条件へ回すだけで、選考を通過できる候補者の幅は大きく広がります。

あわせて、面接官同士で評価基準が統一されているかの確認も必要です。基準そのものが高すぎるのか、あるいは評価にばらつきがあるのかを切り分けることで、修正すべきポイントが明確になります。見直した要件は忘れずに計画書へ反映し、関係者全員で共有しておきましょう。

内定辞退が続くときは選考体験とフォローを見直す

内定辞退が続いてしまうときは、選考中の対応と内定後のフォロー体制を見直します。求職者は、選考スピードや面接官の対応から、入社後の職場環境や働き方を推し量ることが多いためです。

チェックすべき項目は、面接後の連絡スピード、面接官の態度、求人票と実際の業務内容のずれ、そして内定後のコミュニケーション頻度の4点です。連絡対応が遅れると、他社からの内定に気持ちが傾いてしまうケースが少なくありません。連絡の遅れが辞退につながった失敗は、筆者にもあります。

また内定後は、事務手続きの案内だけで済ませず、疑問や不安を気軽に相談できるフォロー窓口を用意しておきましょう。入社までの期間に接点が途切れると、内定者は歓迎されている実感を持てず、不安を抱きやすくなります。

内定者の辞退理由については、以下の記事でまとめているので参考にしてみてください。

人材が見つからないときは雇用形態を広げて見直す

正社員を募集しても見つからないときは、雇用形態を広げて見直します。業務委託・フリーランス・副業人材も選択肢に加えてください。

計画の段階では、業務の性質に合わせて雇用形態を選んだはずです。正社員の採用にこだわりすぎて計画が停滞しているなら、どの業務であれば外部人材に任せられるかを切り分けてみましょう。

高い専門性が求められる業務や、期間・範囲が明確な仕事は、外部人材の活用に向いています。まずは業務委託として関わってもらい、相性を確かめたうえで正社員へ切り替える「トランジション採用」も有効な選択肢です。詳しい考え方は、以下の記事をご覧ください。

採用計画に関するよくある質問

中途採用で優秀な人の特徴は?

業務に必要なスキルに加えて、課題を自分事として捉える、周囲と協力して進めるといった行動が特徴です。自社で成果を出している社員の行動を観察して言語化すると、採用基準に落とし込めます。

採用計画は何人規模の企業から必要ですか?

企業の規模にかかわらず必要です。採用に割ける人手や時間が限られる小さな企業ほど、1枚の計画で優先順位を決める効果が出やすくなります。

採用計画はいつから作ればよいですか?

入社してほしい時期から逆算して作ります。新卒は年間スケジュールをもとに、中途は欠員や増員が決まった時点で着手するのが基本です。

採用計画の見直し頻度はどれくらいですか?

四半期や半期ごとの定期的な見直しに加え、計画どおりに進まないときにも随時軌道修正を行うのが理想です。頻度は採用人数や事業の変化の速さに合わせて調整してください。

採用計画を作るリソースが足りない場合は?

まず優先度の高い1ポジションに絞って作ると、負担を抑えられます。社内だけで難しい場合は、外部の専門家や外部人材を活用する選択肢もあります。

採用計画を作成して組織を強化しよう

採用計画は、自社に合う人材を採り、組織を強くするための土台です。本記事で紹介した8つの項目を定めてテンプレートへ書き込めば1枚にまとまるので、ぜひ活用してみてください。

計画は一度作って終わりにせず、採用基準をあらかじめ決めておき、応募・選考・内定承諾のどこで詰まっているかを見極めながら軌道修正を重ねていきましょう。その積み重ねがミスマッチや早期離職の減少につながるのです。

とはいえ、採用活動全体の設計や見直しを自社だけで進めるのは、負担が大きいケースもあるでしょう。そうした悩みを抱えた際は、Workship CONSULTINGの活用も一案です。採用戦略の再構築から改善の進め方まで一貫して相談できるので、自社に合った採用体制づくりに役立ててください。

(執筆:松尾隆弘 編集:猫宮しろ)

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