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Uberによる2年ぶりのリブランディング。新しいロゴとその評価とは

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Uberのアイコンと聞くと、どのようなデザインが思い浮かぶでしょうか。つい先日まで使われていた幾何学的なデザインではなく、そのひとつ前のデザインを思い浮かべる方も多いはずです。それもそのはず、2016年に刷新されたロゴデザインは、結局約二年しか使用されませんでした。

2016年のリブランディングから約二年、Uberは2018年9月に再度リブランディングに踏み切り、デザインを一新しました。今回は新しいブランディングの内容(ロゴ、コンポジション、タイポグラフィー etc…)と、その評価をご紹介します。

Uberとは?

Uberとは、2009年にアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで設立された、ウーバー・テクノロジーズが運営する配車サービスです。創業者のトラビス・カラニックとギャレット・キャンプが、パリでタクシーをつかまえられなかったことがアイデアのもとになりました。

日本でも2014年から本格的なサービスを開始しており、現在では世界の600以上の都市で展開されています。

2016年のリブランディング

Uberがリブランディングを行なったのは、2016年のことです。

しかし、「ビットとアトム」を指針にしたこのリブランディングは、ユーザーやメディアからはあまり高評価を得られませんでした。Uberのトレードマークともいえる「U」のデザインや「Uber」の文字が消え、混乱するユーザーが続出したのです。

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▲2016年に変更されたデザイン。上はユーザー向け、下はドライバー向けのアプリアイコン(IT Media NEWSより転載)

2017年は相次ぐ不祥事が……

加えて2017年には、セクシャル・ハラスメント、機密情報の漏洩、技術盗用など、数々の不祥事が発覚しました。

相次ぐ不祥事で物議を醸し、株主を失望させた結果、当時CEOだったトラビス・カラニックは辞任に追い込まれました。

2018年のリブランディング

このように、2016年、2017年と困難に直面してきたUberは、新CEOであるダラ・コスロシャヒによる決断のもと、約2年という短い期間で再度リブランディングに踏み切りました。

9つのセクション

リブランディングには9つのセクションがあります。今回はロゴに重点をおいてご紹介しますが、公式Webページ(※現在は削除)でそれぞれのセクションについて詳しく解説されていました。セクションは以下のとおりです。

  1. ロゴ
  2. コンポジション
  3. タイポグラフィー
  4. イコノグラフィー
  5. モーション
  6. 写真
  7. イラストレーション
  8. トーン・オブ・ボイス

「U」がかえってきた!注目のロゴ

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▲2018年9月に発表された新しいロゴ(Uber公式サイトより転載)

リブランディングにあたり、Uberは綿密な調査を行い、3つの指針を作りました。

  1. 黒を使う
  2. シンボルではなく、ワードマークを作る
  3. 「U」をデザインに再度取り入れる
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▲スマートデバイスでの表示(Uber公式サイトより転載)

これらを反映した新しいロゴは、2016年から使用されていたものとは異なり、一目でUberだとわかるデザインになりました。アプリアイコンも、間違いなくUberだと認識できます。

Uberのオリジナルタイポグラフィ『Uber Move』

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▲オリジナルタイポグラフィ『Uber Move』(Uber公式サイトより転載)

このロゴに使用されているのは、実はUberが開発した『Uber Move』というオリジナルのタイポグラフィです。海外の交通機関で使用されているフォントに着想を得ており、ユニークさと読みやすさにこだわっています。

シンプルで視認性の高い配色

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▲シンプルなモノクロの配色(Uber公式サイトより転載)

配色の基本はズバリ、白と黒。ハイコントラストの極みで、視認性の高さはピカイチです。

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▲行き先を示す画面の背景に使われているセーフティーブルー(Uber公式サイトより)

また、安全に関する項目にのみ「セーフティーカラー」という独自の配色を設定しているのも大きな特徴です。上の画像からも分かるとおり、セーフティーカラーは鮮やかな青で、「セーフティーブルー」とよばれています。

各メディアの反応

この記事を書いている現在、まだリブランディングから一ヶ月もたっていませんが、すでに多くのメディアがこの話題を取り上げています。

今回はその中から3つのメディアの意見をご紹介します。前回からわずか約2年でのリブランディングについて、各メディアにどのように捉えられているのでしょうか。

1. FORTUNE「レス・イズ・モア(より少ないことは、より豊かなこと)?」

Fortuneは記事タイトルを「レス・イズ・モア?Uberの新しいロゴは社名」とし、新たなロゴが社名を使用したシンプルなデザインであることに触れています。

また「わずか2年半で変更された以前のロゴは、不可解であるとして批判されていた」と前回のリブランディングによるロゴ変更が不評だったことを指摘。不祥事の後にCEOに就任したダラ・コスロシャヒによる今回のリブランディングについて「すでに会社に大きな足跡を残している」と評価しています。

今回のリブランディングをおおむね好意的に捉えながらも、決定的な評価は保留にしているという印象です。

2. The Points Guy「Uberがロゴをまた変更」

The Points Guyが出した記事のタイトルは「Uberがロゴをまた変更」。Uberが頻繁にロゴを変更していることを強調しています。

「Uberの内部調査チームは、ほとんどの消費者が以前のロゴとUberを関連づけられていないことを発見した。Uberの運転手はデカール(ステッカー)を裏返し、以前のロゴのかわりに『Uber』という文字をわざわざ表示することさえあった」と、以前のロゴが引き起こした現場の混乱を指摘しています。

ユーザーに認識されることを重視したリブランディングとなったことを伝えています。

3. Designmodo「Uberに大きな変化」

Designmodoは記事タイトルを「Uberに大きな変化。ロゴとアプリのリデザイン」としました。記事の出だしから「この変更は不可欠だった」とリブランディングが必然的なものであったことを指摘し、「ダラ・コスロシャヒが沈みかけていたUberの新CEOに就任したことにより、Uberはルネサンスに取りかかる準備ができた」と評価しています。

また「シンプルさ、美しさ、クリエイティビティは、良いブランドイメージを構築するには欠かせない」とUberが今回のリブランディングでシンプルなデザインを採用したことを評価。以前のロゴの問題を取り上げながら、リブランディングによって「Uberはそのビジネスの歴史において、新たな門出をむかえている」と解説しています。

まとめ

2016年の不評だったリブランディング、2017年に相次いだ不祥事と、Uberは数々の困難に直面してきました。今回取り上げたメディアも、「前回のリブランディングはユーザーを混乱させた」という点で意見が一致しています。約2年という短い期間でのデザイン変更ですが、以前のデザインへの評価を考慮すると必然的なものだったといえるでしょう。

リブランディングをきっかけに、新たな道を歩みはじめたUber。これまでの苦い経験を活かし、さらなる成長を遂げることができるのか。今後が期待されます。

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