エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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みなさんはMaaS(マース)を知っていますか?
MaaS(Mobility as a Service)は、カーシェアやライドシェアなど新しい移動手段として注目を浴びる次世代交通サービスです。
2018年5月発行のNISSAYマーケットレポートによると、2050年には世界人口の7割が都市部に集中するといわれています。都市部への人口集中によって生じる渋滞などの交通問題や、環境問題への対応にMaaSが期待されています。
MaaSの登場によって、私たちの生活はどう変わっていくのでしょうか?すでに欧米では、Uber(ウーバー)などの移動サービスにより、自動車やタクシー業界の市場が大きく変化しつつあります。
今回は、そんなMaaSの具体的なサービス事例を7個と、今後注目の日本のMaaSを3個まとめました。
総務省によると、MaaS(Mobility as a Service)とは、スマートフォンから電車やバスなどの移動手段を検索し、予約して支払いまで一括でおこなえるようにする移動サービスのことです。
MaaSはICTの進化によって新しく出現したサービスで、まだ世界的に明確な定義はありません。日本では「サービスとしてのモビリティ」「移動のサービス化」「モビリティのサービス化」と訳されます。(参考:総務省・次世代の交通MaaS)
人口が都市部に集中することで起こる交通渋滞や環境問題、地方の高齢者が交通弱者になってしまうなどの問題の解決に役立てられるものとして、近年MaaSへの注目が集まっています。
最も有名なMaaSの事例としてあげられるサービスが『Uber(ウーバー)』です。Uber(ウーバー)はアメリカの企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する配車アプリを使った自動車配車プラットフォームです。
空いた時間を利用してタクシーのような移動サービスを提供したいユーザーと、配車を希望するユーザーを繋ぐ役割をUberアプリは担っています。
アプリで簡単に配車でき、また自動でクレジットカード決済を行なってくれる手軽さで人気となり、現在では世界70カ国、450都市以上で利用されています。
なお、日本にもUber Japan(ウーバー・ジャパン)は存在していますが、現在は法律の関係で爆発的なヒットには繋がっていません。
日本のトヨタ(トヨタファイナンシャルサービス株式会社)とあいおいニッセイ同和損害保険株式会社が共同で出資をしているフィンランドのベンチャー企業・MaaS Globalが、2016年からヘルシンキで『Whim(ウィム)』というアプリを使ってサービスを開始しました。
Whim(ウィム)を利用することで、公共交通機関やマイカーの相乗り、タクシー、レンタカーなどを組み合わせ、最適な移動手段を利用できます。「乗り継ぎや精算の手間」「最寄りの公共交通に行くまでのアクセスの悪さ」等の問題が指摘されていたヘルシンキの移動問題解決が期待されています。
現在では、イギリスなどでもサービスが開始しています。
『Qixxit(キクシット)』は2013年にドイツ鉄道がリリースしたマルチモーダル型の統合モビリティサービスプラットフォームです。
アプリ上で、路線の検索や予約・決済ができるだけでなく、飛行機や長距離バスの情報も検索できます。国境をまたぐ長距離移動時のトラベルプランナーとして活用するのが良いでしょう。
『moovel(ムーベル)』は、公共交通機関やオンデマンド配車サービスやカーシェアリングのようなさまざまなモビリティサービスを組み合わせて、目的地までの最適な移動ルートを検索できるアプリです。オンラインでの予約や利用料金もオンライン決済も可能です。
ドイツの大手自動車メーカーであるDaimler(ダイムラー)が、子会社のモビリティテクノロジー企業moovel(ムーベル)を通じて、2015年にリリースしました。
『mobike(モバイク)』は自転車のシェアリングサービスです。街中に設置してある自転車にスマホをかざすことで、場所を選ばず自転車をレンタルしたり返却したりできます。
すでに、シンガポールやイギリス、イタリアなど世界各国に広がっており、日本でも札幌や大磯での導入が始まっています。
『CREW(クルー)』は、2015年10月から日本でサービスを開始したドライブマッチングサービスです。アプリで出発点と到着点を設定すると、CREWパートナーと呼ばれるドライバーとマッチングできます。
マッチングが成立し目的地に到着すると、乗った方と運転した方それぞれが相互評価をします。また、乗った方は謝礼として、自分でいくら払うかを決められます。
日本発のライドシェアサービスで、現在は東京を中心にサービスが展開されています。
『nori-na(ノリナ)』は国内最大級のライドシェアサービスです。音楽フェスやスポーツ観戦など、アクセスの悪い郊外で開催されるイベントに訪れるユーザー同士を結びつけています。
専用アプリで場所や時間などの条件を入力すると、自動でマッチング相手を探してくれます。目的地が同じ人と自動車をシェアするため、遠距離の移動も可能です。
ここまで、すでにサービスが開始されているMaaSの事例をまとめました。
ここからは、今後注目を集めることが予想される、現在開発中の日本発MaaS事業をご紹介します。
『Easy Ride(イージーライド)』は、日産自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)が共同開発を行っている無人運転車両を活用した交通サービスです。
専用アプリで目的地の設定から配車、支払いをおこなえます。行きたい場所を直接指定する以外にも、「やりたいこと」をテキストや音声で入力し、おすすめの候補地を表示して選択することも可能です。
乗車中に走行ルート周辺のおすすめスポットや、最新イベント情報が車載端末に表示され、専用アプリを通じて割引クーポンを入手することも可能です。
2020年代のはじめに向けて、無人運転車両による本格的なサービスの提供開始を目指しています。
『WHILL(ウィル)』は、次世代型電動車椅子・パーソナルモビリティです。空港や遊園地などの公共施設で、長距離を歩くことが困難な人々が、WHILLをシェアし一時的に利用することで、人々の移動をより便利にするというサービスが考えられています。
日本のWHILL株式会社が研究開発をおこなっており、WHILLそのものは国内外ですでに販売を開始しています。
トヨタ自動車が手がけるMaaS専用次世代電気自動車(EV)が『e-Palette Concept(イーパレット・コンセプト)』です。
電動化、コネクテッド、自動運転といった新しい技術が組み込まれており、移動や物流、物販などさまざまなサービスに対応して人々の暮らしを支える新たなモビリティとなっています。ライドシェアリング仕様、ホテル仕様、リテールショップ仕様など、用途に応じた設備を搭載できます。
トヨタは、2018年1月にラスベガスで開催された『2018 International CES』に『e-Palette Concept(イーパレット・コンセプト)』を出展しました。今後、実用化への取り組みが期待されます。
2018年6月に株式会社mellowがMaaSカオスマップを発表しました。急成長するMaaS市場の現状を可視化するため、世界のMaaS関連スタートアップを中心に8業種115社を掲載しています。
ますます注目されるMaaS業界を理解する一助になることでしょう。
いかがでしたでしょうか。まだ日本では馴染みのないMaaSですが、世界ではすでに導入が始まっている都市も多いです。
MaaSの事例を知ることで、新しいビジネスの動向をいちはやく掴み、未来を先取りしていきましょう。
(執筆:Kaoru Kishi)