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「法人向けアプリ」と聞いて、どんなものを連想しますか? 高機能? 一般人には使いにくい? 複雑なデザイン?
今日、法人向けデザインと一般ユーザー向けデザインの境界は、とても曖昧になっています。今までは法人向けに作られていた高機能なサービスも、現在では一般ユーザーも当たり前のように日常生活で使用しています。一方で法人向けアプリに、一般ユーザー向けアプリのようなシンプルで使いやすいものが求められるようになってきました。
今回は法人向けアプリのUXデザインに着目したいと思います。
今では多くの企業が、UXデザインの価値に気づき始めています。また従業員一人ひとりが、最先端のテクノロジーを日常的に使用しています。企業は従業員の意見に耳を傾け、意思決定に反映させるというプロセスを取ることで、資本利益率を高めようとしているのです。
気をつけなれけばならないのは、法人向けアプリの受注者は、実際のエンドユーザー(アプリを使用する従業員)であるとは限らないということです。法人向けアプリを取り入れる際は、要件を明確化し、従業員からのフィードバックを集める必要があるでしょう。
またUXデザインは、アプリ使用者のモチベーションにも影響します。無料の一般ユーザー向けアプリのほとんどは広告収入で成り立っており、デザインの質の高さや普及率が求められる一方で、法人用のアプリは見た目が控えめでも高機能なものが中心です。くわえて法人用アプリのアップグレードは、その結果が企業全体の生産性に影響を及ぼすため、細心の注意のもと行われる必要があります。
このように、UXデザイナーは法人向けと一般ユーザー向けの違いをよく理解した上で、異なるデザインアプローチを取るべきなのです。
一般ユーザー向けアプリのUXデザインでは、以下の4つのフェーズで進行するのが一般的です。
法人向けの場合はこれに加えて、業界の最新情報を敏感に取り入れ、きめ細かなユーザーリサーチを行ったうえで、リサーチデータに頼りながらUXデザインを進める必要があります。
あまりに奇抜なデザインやテクノロジーは、法人向けではあまり歓迎されません。一般ユーザー向けのデザインでは比較的自由に新しいものに挑戦できる斬新なビジュアル要素も、法人向けでは避けられる傾向にあります。
法人向けサービスのデザインは、ワークフローや社内ルール、アクセシビリティやセキュリティに細心の注意を配った状態で行いましょう。
結局のところ、全てのユーザーは人間です。そのため本来であれば、法人向けも一般ユーザー向けも、あまり違いを意識せずデザインされるべきです。実際に多くのUXデザイナーの間では、B2BとB2Cの境界はあまり意識されていません。
しかしユーザーとマーケットを適切に理解し、ニーズと要件を洗い出したうえでサービスを生み出すのが、デザイナーの役割です。法人向けアプリでは見た目以上に、仕事を効率化させる生産性・機能性に注力すべきでしょう。
この記事でご紹介したいくつかのポイントを胸にとめて、デザインの参考にしてください。
(原文:Bansi Mehta 翻訳:Mariko Sugita)
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