エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「フリーランスから企業に再就職することは可能なの?」
「企業に再就職する場合にフリーランスがするべきことを教えて欲しい」
「再就職するとしたら、どのような方法があるのか知りたい」
会社員から独立してフリーランスになる人は最近増加していますが、一方でフリーランスから正社員として再就職する人も少なくはありません。
会社員からフリーランスになる方法などの情報はインターネットでも多く散見されますが、フリーランスから会社員へ再就職する方法はあまり情報がないので、悩まれる人も多いと思います。
そこで本記事では、フリーランスの働き方が自分に合わずに、会社員へ再就職しようと考えている人向けに、フリーランスから正社員として再就職する方法を解説をします!
株式会社GIG所属。学生時代にフリーライターとして独立後、新卒フリーランスに。学生時代から通算してフリーランスを5年経験したのち、2年半ほど業務委託の形で取引してきた株式会社GIGへ入社。現在はWorkship MAGAZINEのマネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修も行う。
目次
まず、結論から言えばフリーランスから正社員として再就職することは「可能」です。実際、私は再就職どころか人生で一度も会社員になったことがないフリーランスでしたが、それでも正社員になることができました。一度会社員を経験したことのあるフリーランスの方なら、再就職はよりかんたんでしょう。
背景には、雇用の流動化や教育コストの削減といった社会的な要素があると考えられます。終身雇用を前提とした社会ではなくなったことで、転職や再就職のハードルは下がりました。また、景気の停滞や離職率の増加により企業は社員への教育コストにシビアになっており、すでにスキルを身に着けており、教育コストを抑えられるフリーランスの雇用が選択肢に入ってきたのでしょう。
また、フリーランスから正社員に戻りたいと考える人も少なくありません。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の発表する『IT人材白書』によれば、フリーランスから企業に正社員として再就職したい人の割合は32.4%。思ったよりも多いと感じた人もいるのではないでしょうか。
フリーランスは会社員よりも年収が高い場合が多く働き方が自由な点にメリットがあるといわれることは多いですが、なぜフリーランスから正社員として再就職する人がいるのでしょうか?
フリーランスから正社員として再就職するおもな理由は以下の5つです。
- 仕事が取れず生活が難しい
- 収入が安定せず将来が不安
- モチベーション管理が難しくなった
- もっとチームで働く経験を積みたい
- スキルアップしたい
これらの理由について、事例とともにご紹介します。
この理由はシンプルで「フリーランスとして生きていけなくなったから」とも言い換えられます。フリーランスは良くも悪くも実力主義のため、これといったスキルをもっていなかったり、業務委託先のルールや納期を守らなかったりすると、すぐに仕事を失ってしまいます。そうなると、フリーランスとして生きていくことは難しくなるでしょう。
しかし、フリーランスとして生きていけないからといって、その人に能力がないとは限りません。フリーランスは向き不向きがかなり分かれる働き方なので、フリーランスとして成功しなくても会社員としては一流の人もいます。
こういった事情から、正社員として再就職する事例が多いのではないでしょうか。
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こちらは、フリーランスとして今現在は生計をたてられているものの、将来的な不安を理由とする再就職です。
フリーランスは毎月決まった収入や仕事がある保証はなく、常にお金のことを考える必要があります。つまり、フリーランスである限り、来月から仕事がなくなるかもしれないリスクと隣り合わせの状態で生活をしなければなりません。
フリーランスには20代や30代の人が多いですが、その年代のときには結婚や出産という人生のなかでも大きなライフイベントがあり、「結婚や出産の予定があるから、収入の不安定さがより心配になって再就職したいと思うようになった」という方もいます。
このように、自分だけでなく家族にも不安を与えてしまうのではないかと考えてしまい、正社員として再就職する事例があります。
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フリーランスエンジニアから正社員として再就職する理由には「モチベーション管理が難しくなった」という意見もあります。
フリーランスは基本的にひとりで仕事をすることが多いので、モチベーションの管理が非常に難しいです。
会社員であれば上司との面談や、相談できる同僚がいるおかげでモチベーションの維持ができますが、フリーランスにはそのような環境はないケースが多く、自己管理能力を求められます。
また、独身フリーランスの場合は仮に自分が働かなくても、困るのは自分だけです。そのため、働くモチベーションがどうしても上がらず、会社で働くことを選ぶ人もいるでしょう。
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先ほどの理由と近いですが、フリーランスをしているとどうしても「チームワーク」の経験が乏しくなりがちなため、チームで働く経験を積みたいという理由から、正社員に再就職するフリーランスもいます。私の場合、この理由はけっこう大きかったです。
とくにデザイナーやライターの場合、企業や個人から頼まれた成果物を納品する案件が一般的なため、どうしても働く相手は企業の窓口担当者や編集者などに限られる傾向があります。
そのため、たとえばベンチャー企業のようにチームで0からプロダクトを開発し、切磋琢磨しながら目標に向かって仕事に熱中する環境に属するのは難しいでしょう。
また、フリーランスであることを理由にチームワークの面を不安視されることも少なくないため、チームで働けることを示す意味で会社員としての職歴を求めるケースもあります。
スキルを磨きたいという理由から正社員として再就職する人もいます。わたしはこの理由が一番大きかったです。
これは未経験からフリーランスになった人に多いパターンですが、エンジニアリングやデザイン、ライティングといった実務には強くても、プロジェクトマネジメントや品質管理、編集といった上流工程の作業に弱いことは珍しくありません。
実際、フリーランスは「自分のできること」にしか依頼が来ない傾向にあり、スキルアップの機会は自分で見つけなければなりません。しかし、上流工程のスキルは業務を通じてしか学べないものでもあり、そもそも業務を受注できないため学びの機会がない……という悪循環に陥ります。
しかし、企業に勤めると企業側がスキルアップに必要な環境を作ってくれることがほとんどで、未経験からでも上流工程の経験も積めます。このような考え方から、フリーランスから正社員として再就職する人も多いです。
では、フリーランスから正社員として再就職する方法にはどんなものがあるのでしょうか。
結論から言えば、フリーランスだからと言って特別な方法で再就職するわけではなく、一般的な転職活動と同じです。ただし、フリーランスの大きな点は「業務委託先(取引先)に就職する」という選択肢があることです。わたしもこの方法で就職しましたし、取引先就職は自信をもっておすすめできます。
とはいえ、もちろん普通に就職活動をしてもOKです。以下では、フリーランスから正社員として再就職する方法を、以下の3つから解説します。
- 求人サイトから応募する
- 転職エージェントを利用する
- 取引先に就職する
まずはじめに、もっとも王道な方法として求人サイトから自分の行きたい企業を見つけて応募する方法があります。
<おすすめの求人サイト>
求人サイトを利用して転職先を見つけるときには、企業とのミスマッチを防ぐためにも詳細な絞り込み機能があるサイトを選ぶとよいでしょう。
また、フリーランスからの正社員就職は、企業側にもフリーランスに対する一定の理解があったほうが話を進めやすくなります。そのため、Wantedlyのようなベンチャー企業が多いサイトを活用したほうがいいかもしれません。
ただし、求人サイトによっては「正社員からの転職」しか想定されていないケースもあり、なかなか面接に進めない可能性もあります。
次に、転職エージェントを利用して正社員として再就職する方法があります。
<おすすめの転職エージェント>
- マイナビエージェント:業界最大手のIT系に特化したエージェント
- レバテックキャリア:非公開求人も多く、年収の高い求人が豊富
転職エージェントを利用するメリットは、自分の希望する仕事内容や年収などをエージェントに伝えるだけで、おすすめの転職先をいくつか紹介してくれることです。
また、面接対策や、エントリーシートの書き方などもサポートしてくれるので、自分をアピールするのが苦手という人は、エージェントのサポートを受けるとよいでしょう。
ただし、エージェントの手厚さもフリーランスの実績によってさまざまで、フリーランス歴が長すぎたり、正社員歴が短すぎたりすると、エージェントの対応に力が入らなくなるケースも。
実際、私は妻と同時に正社員転換を始めたのですが、会社員の妻にバンバンエージェントの営業が来る一方、フリーランスの私にはエージェントからの営業が一切ありませんでした。出身大学も完全に同じなので、職歴の差で対応が分かれたケースといえるでしょう。
最後に、フリーランスとして仕事を受注している業務委託先(取引先)に就職する方法もあります。先ほども触れたように、これは圧倒的におすすめの方法です。
フリーランスが取引先に就職するメリットとして、
といったものがあります。私の就職活動は「エージェントに相手にされない」「リファラルなのに1次面接で落ちる」など散々でしたが、業務委託時代からお世話になっていた会社に就職の意思を伝えると、選考過程をかなり省略して採用してくれました。
もちろん、業務委託先へのコミット度合いによって状況は変わりますが、普通に就職活動をするより難易度は下がり、ミスマッチの可能性も低くなるでしょう。就職活動をはじめる前に、業務委託先にそれとなく状況を聞いてみるのがおすすめです。
残念ながら、企業が元フリーランスの人を採用する際には、フリーランスが抱える懸念点を非常に重視しています。
企業がフリーランスを雇うときの懸念点は以下のとおりです。
- 即戦力として働けるか
- 会社組織にうまく馴染めるか
- すぐに会社を辞めてまたフリーランスに戻るのではないか
- 収入ダウンを受け入れられるのか
皆さんもまずは企業側の懸念点を把握し、それを払しょくするための対策を練る必要があります。
まずはじめに、企業に入社したときに即戦力として活躍できるスキルがあるのかを企業は重視しています。
フリーランスであれば実務経験があるので、企業側からすると入社後の育成に力を入れなくてよいメリットがあります。
そのため面接時には自分がどんなスキルを持っているのか、そして入社後どのように会社に貢献できるのかを具体的に説明するとよいでしょう。
次に、元フリーランスの人が会社組織にうまく馴染めるのかは懸念されていると思ってください。
「会社や組織が嫌いだからフリーランスになったのでは?」と危惧することもあるので、そうでないことを面接時にアピールする必要があります。
具体的には、「社風やカルチャーの部分に魅力を感じた」「ビジョンに共感できた」などと伝えるとよいでしょう。
最後に企業がフリーランスに抱く懸念として「すぐに会社を辞めてまたフリーランスに戻るのではないか」と考えていることがあります。
長年勤められそうな企業を選択したうえで、面接時には「フリーランスに戻るつもりはないです!」とはっきりと伝えるのも大事です。
フリーランスを辞めてまでその企業を選んだ理由などを明確に説明できるようにしておくと採用につながりやすいでしょう。
バリバリ活躍しているフリーランスが正社員になった場合、良くも悪くも給与テーブルが会社員仕様になってしまうため、収入がダウンするケースのほうが多いでしょう。また、税金や社会保険の関係で手取り収入も大幅にダウンするかもしれません。
さらに、フリーランス時代と違い、成果を出してもそれが100%給与に反映されるとは限りません。企業側もこうした収入面の現実を元フリーランスが嫌がる可能性を意識しているので「収入がダウンしてもいい意向とその理由」を伝えるか、「フリーランス時代レベルの給与を自分に支払うメリット」を伝え、給与に関するネガティブな印象を払しょくしたいところです。
最後に、フリーランスから正社員への再就職を成功させるためのコツについてご紹介します。
ここまで見てきたように、皆さんが思っている以上にフリーランスの働き方は理解されておらず、企業側はフリーランスに対してあまりいいイメージを持っていないと思ってください。
そんな状況を踏まえ、フリーランスが転職するときには、なぜ企業に再就職するのかという理由と、フリーランスとして働いてきた実績やスキルなどを明確にすることで再就職を成功させやすくなります。
具体的には、応募や面接の際に以下の4点を意識した形で自分の魅力を伝えることが重要です。
- ポジティブな転職理由を伝える
- 制作物を実際に見せる
- 腰を据えて、その企業での仕事を続けていく意志を示す
- 組織に馴染めることをアピールする
まずはじめに、フリーランスから正社員に再就職する場合は、「なぜまた再就職しようと思うのか」という転職理由を聞かれるので、準備をしておく必要があります。そして、この質問にはなるべくポジティブな回答をしましょう。
「正社員のほうが安定する」「フリーランスとして仕事がなくなった」というのが正直な理由としてあげられるかもしれませんが、わざわざそれを企業に伝えても何のメリットもありません。
「チームでの開発に魅力を感じた」
「御社のプロダクト開発に携わりたいと感じた」
このように、これから会社に貢献するという意欲や熱意を伝えるとよいでしょう。
ただし、応募するのが業務委託先として付き合いの長い会社の場合、言い訳のような志望動機を伝えるとかえって印象が悪くなる可能性もあります。この場合は、素直な志望動機を伝えるのも選択肢のひとつです。実際、私も「正社員経験が1年もなく、さすがに1回正社員歴が欲しいです」と回答して採用してもらいました。
フリーランスから正社員に再就職するときは、できるだけポートフォリオや制作物を見せるようにしましょう。なぜなら、フリーランスを採用する場合には「フリーランスとしての実績や実力」を見られるケースが大半だからです。
一般的には、面接の前にメールやオンライン上で制作物を添付ファイルで送信したり、自身のポートフォリオサイトのURLを送信することが多いです。
そのため、事前にポートフォリオサイトを作り込んだり、『GitHub』にソースコードをアップロードしたりして準備するようにしましょう。面接時にも自分の実績をしっかりアピールできるよう、話す内容を整理しておくことが重要です。
フリーランスのポートフォリオ作成方法。事例やおすすめの制作ツールも解説
Workship MAGAZINE
フリーランスが再就職するときに、面接する企業側は「またフリーランスに戻るのではないか?」と懸念するので、しっかりと腰を据えて長期的に企業で戦力になるという意志を伝えなければなりません。
企業は新しい人材を採用すると教育コストなどがかかるので、長年勤めて企業に貢献してほしいと考えています。
ウソをつけばいいというものでもありませんが、「御社のビジョンに共感して、そのビジョンの達成に貢献したい」「長年使われるようなサービスの開発をしたい」などと伝え、あまり早期に退職しそうな雰囲気を出さないようにしましょう。
ただし、こちらも付き合いが長い企業が相手なら話は別で、短期で辞める可能性が少しでもある場合は、今後の関係性も踏まえて正直に申告しておくことをおすすめします。
「組織に馴染めないからフリーランスになったんでしょ?」と思われないためには、自分の協調性を普通の会社員以上にアピールすることが求められます。
具体的には、以下のようなポイントを意識してアピールします。
- チームで働いた経験や協調性を示すエピソードを伝える
- しっかりとした受け答えをする
- 素直に意見を聞き、否定から入らない
- 気配りをする
面接時には、話す内容も重視されますが、振る舞い方や第一印象も非常に重要です。このあたりを意識しておきましょう。
「フリーランスから正社員への再就職活動は、フリーランスの仕事を完全に辞めてから始めたほうがいい?」
このように悩む人もいると思いますが、結論から言うと就職活動と両立できる程度であれば、フリーランスの仕事を続けながら就職活動することをおすすめします。
なぜなら、フリーランスが就職活動を始めてもすぐに採用されて働けるとは限らず、人によっては1ヶ月〜2ヶ月かかる場合もあります。
フリーランスの仕事をきっぱり辞めてしまうと、その間の収入がないので、精神的にも不安になり、就職活動にも影響する可能性があります。
就職までに時間がかかる場合に備えて、就職活動の負担にならない案件をこなしながら、再就職を目指しましょう!
(執筆:HikoPro 編集:Workship MAGAZINE編集部)
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