エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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情報が氾濫する現代において、注目を集めるのは容易ではありません。そのため広告は、感情を刺激するような、センセーショナルな見出しや内容に頼りがちです。
しかしこうした方法で大衆の注目を集めるのは、本当に効果的なのでしょうか。
今回は感情を刺激するような、センセーショナルなコンテンツが与える影響とリスクについて解説します。
多くの企業は広告に投資して注目を集め、製品への認知度を高めようと考えています。しかし先述のとおり、飽和したデジタルメディア環境で注目をあつめるのは簡単ではありません。
あふれる情報のなかで目立つために、センセーショナルな表現や内容に頼ってブランドを宣伝しようするのは、無理もないことです。
ただしこうした戦略は、やや慎重さに欠けます。「釣りタイトル」などの手法は世の中にあふれていますが、ややハイリスクで炎上の可能性も否めません。ブランド価値を損ねる恐れもあります。
説明責任を果たした倫理的なコンテンツのほうが、長期的に考えればずっと生産的です。
センセーショナルなコンテンツは、じつは昔から存在します。
たとえばアメリカメディアには、「Yellow journalism(イエロー・ジャーナリズム)」という文化があります。
イエロー・ジャーナリズムとは、事実の報道よりも扇情的であることを重視したジャーナリズムのこと。19世紀末に、新聞出版社のジョーゼフ・ピューリツァー氏とウィリアム・ランドルフ・ハースト氏が、発行部数と読者数を競い合っていたことから始まったとされています。
彼らはストーリーをより劇的に誇張することで、より多くの新聞を販売できると気づきました。こうしたアプローチは、結果としてキューバ革命を煽ることにもつながったとされます。戦争にまで発展しなかったものの、社会に大きな影響を与えたことは事実です。
その後、メディアやジャーナリズムは時代とともに進化し、いまではインターネットで大量の情報を簡単に受け取れるようになってきました。
これは便利な一方で、インターネットにはイエロー・ジャーナリズムとも言うべき、センセーショナルなコンテンツがこれまで以上にあふれるようになったのも事実です。
なぜならあふれる情報の中で、クリックを獲得するためには、目をひくような工夫がより重要になったからです。
目をひくために作られたセンセーショナルなコンテンツは、いくつかのカテゴリに分類できます。代表的なもののひとつとして、いわゆる「デマ」が挙げられます。
たとえばYouTube上の動画に隠された ”Momo” というキャラクターが、子供たちに自殺や暴力などの危険な行動をうながしている(「Momoチャレンジ」と呼ばれる)という噂は、世界的なパニックを引き起こしました。しかしMomoチャレンジはデマであり、実際に ”Momo” というキャラクターが暴力行為を促している証拠は見つかっていません。
こうしたデマは、人びとを刺激して流布させるように仕組まれています。
デマが拡散すれば、そのデマと紐づいている広告がクリックされる回数も増えるでしょう。デマの主はそれを狙っているのです。
人びとの無知を利用した環境でヒートアップしがちな話題として、以下のようなものが挙げられます。
これらにある程度共通しているのは「人々の関心が集めることができ、かつ専門知識が必要なコンテンツ」ということ。そのようなコンテンツは、(その真偽はともかく)簡単にクリックを稼げてしまいます。
「ディープフェイク(Deepfake)」という言葉をご存知でしょうか。
ディープフェイクについて、ガーディアン紙は「コンピューターによって生成されたニセの発言や行為」と述べています。たとえば写真に写っているAさんの顔を、Bさんの顔に差し替えて生成し、あたかもBさんがその写真に写っているかのようにできてしまうのです。
ディープフェイクを活用すれば、実際にその人物が発言したり、行動したりしているようなニセ画像や動画が作れてしまいます。
こうした巧妙なニセ動画や画像が蔓延すれば、ユーザーは信頼できる情報を見きわめることがさらに難しくなります。これまで以上に、慎重に情報を読み取る必要がでてくるでしょう。
当然ですが、インターネット上にある情報すべてが、悪意によって拡散されているわけではありません。「アイス・バケツ・チャレンジ」のように、前向きな活動が広がることもあります。
内容にこだわらなければ、バイラルコンテンツを作ることはそれほど難しくないでしょう。しかし企業としてコンテンツに関与するなら、その内容が倫理的に正しいかを検討する必要があるはずです。
短期的に注目されるようなコンテンツであっても、長期的に考えれば企業全体の評判を落として、信頼を失ってしまう可能性もあります。企業が有害なコンテンツや詐欺まがいのコンテンツに関連付けられている場合は、責任を問われることも。
もちろん、企業が出す全てのコンテンツを完全に把握することは難しいです。なのでソーシャルメディア上の情報を分析できる「ソーシャルリスニングツール」などを活用し、企業やブランドのネガティブな情報を素早く察知し対処するのがおすすめです。
コンテンツの価値は、クリックした人の数だけで決まるものではありません。重要なのは企業のブランド価値を確立し、持続可能な戦略を立てることです。
そのときの流行に頼れば、一時的に注目を集られるかもしれません。しかし翌日には人々の興味は、別の話題にうつってしまう可能性だってありますよね。
大切なのは流行ばかりを追うのではなく、しっかりとしたビジョンと戦略をもつこと。そして感情を煽るようなセンセーショナルな広告ばかりに頼らず、地に足をつけたコンテンツ戦略を構築することです。
(執筆:John Francis 翻訳:Asuka Nakajima 編集:Sansui Riho)
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