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かつては有効だった手法が数ヶ月後にはもう使えなくなってしまうほど、SNSのトレンドはスピーディーに移り変わります。
SNSマーケティングに関しては、時代を先取りすることが重要です。
今回は、今のうちにおさえておきたいSNSマーケティングのトレンド予測を7つご紹介します。
目次
2019年、SNSユーザーの数は昨年に比べて9%増加し、世界人口の45%(34億8400万人)を占めるまでに成長しました。これからもSNSユーザーが増加し続けることが、このデータからも予測できます。
多くのオーディエンスにリーチできることから、SNSマーケティングはビジネスにとって合理的かつ有効とされています。
一方SNSマーケティングを行う上で、「デジタルデトックス」という現象が起きている事実も認めなければなりません。
デジタルデトックスとは、「SNSによるストレス」や「デジタル機器の頼りすぎによる自己能力の低下」を軽減するため、デジタル機器の使用を自発的に控えることを指します。
たとえばイギリスでは「成人の29%がSNSの使用を減らしている」という調査報告があります。具体的にはSNSユーザーの8%が、過去1年間の間にSNSアカウントを削除しているそうです。
コンテンツマーケティングおよびソーシャルメディアの専門家であるリラック・ブロック氏は、以下のように述べています。
「今後、多くのユーザーがSNSに費やす時間を制限し、デジタルデトックスがより一般的になるはずです」
「多くの人が、オンライン上のプライバシーが欠如していることに気づいています。こうした動きはマーケティングにも大きな影響を与えるでしょう。マーケティング担当者はSNSの風潮を把握し、それに応じて行動しなければいけません」
SNSマーケティングは依然として有効です。しかしブロック氏が述べているとおり、デジタルデトックスをする人が増えれば、顧客獲得やブランド認知キャンペーンの結果に影響が出るでしょう。
フェイクニュースやプライバシーの問題から、SNSを信頼できずに離れていく人も少なくありません。そのため今後はいままで以上に、信ぴょう性の高いコンテンツを提供し続け、ユーザーの信頼を高める必要があるでしょう。
またSNSでの存在感を保つだけでなく、メールマーケティングや検索エンジンマーケティングなども充実させましょう。価値のあるコンテンツを多チャンネルで配信することで人々の記憶に残り続け、デジタルデトックスによる弊害を最小限に抑えるのです。
SNSのフォロワーが多いブランドであっても、一つひとつの投稿のエンゲージメントが低いケースは多々あります。
一方でフォロワーからのエンゲージメントが増加しているブランドは、「コミュニティの構築」を上手く行っています。
コミュニティの構築の重要性については、ビジネス向けソーシャルメディア戦略の実践者であるニール・シャッファー氏が、以下のように述べています。
「SNS広告が普及するにつれて、単にコンテンツを投稿するだけでエンゲージメントが向上する、といった現象はなくなっていくでしょう。企業はすでに不利な立場にあります。だからこそ、コミュニティと積極的に関わることがこれまで以上に重要になるはずです」
たとえば潜在顧客は、これまで以上に既存顧客の意見を重視しています。既存顧客の声を正しく届けられるよう、ブランドはコミュニティを作り、顧客同士で交流できるような仕組みを作る必要があります。
しかしSNSコミュニティの構築は、グループを作って人を参加させるだけで終わらせてはいけません。コミュニティを作っただけでブランド側がなにも動かなければ、顧客同士のコミュニケーションは生まれません。そのため「会話を促すようなコンテンツ」を作る必要があります。
オンラインプレゼンスとはその名のとおり、「オンライン上での存在感」のことを指します。
オンラインプレゼンスについて、G2のコンテンツマーケティングの専門家であるブリジット・ポトカー氏は、以下のように述べています。
「ブランドが運営するSNSアカウントには、それぞれエンゲージメントをもたらさないフォロワーが大勢いますよね。より多くのコンバージョンを促進するためには、オンラインプレゼンスによってリーチを広げる必要があります」
ブランドのオンラインプレゼンスが高いと、以下のような場面で活躍できます。
このオンラインプレゼンスを確かなものにするための一つの方法として、『Social Dog』などのSNS管理ツールを使うことが挙げられます。SNS管理ツールによって、投稿の作成、配信、監査、分析を行い、エンゲージメントの上がる投稿を調査しましょう。
その他のSNS管理ツールについては以下の記事をご覧ください。
おすすめのSNS一括管理ツール12選。アカウント運用を効率化しよう
Workship MAGAZINE
2020年の大きなトレンドのひとつとして、「SNS上での口コミ」は外せません。
コミュニティを構築すると、すでにブランドを支持しているインフルエンサーとフォロワーが交流できます。そこでブランドは、製品やサービスについての率直な意見が聞けるのです。
しかしインフルエンサーマーケティングについては、慎重になるべきです。なぜならユーザーとの関わりが薄く、ときに不誠実な行為を行うインフルエンサーや代理店が現れはじめているからです。
一方で数千〜十万程度のフォロワーをもつ「マイクロインフルエンサー」は、フォロワーとの関わりが密接であり、良好な関係を築けている傾向があります。
関係が良好であればエンゲージメントが得られるだけでなく、ブランドに対する信頼度も上がるため一石二鳥です。
また先ほどご紹介したシャッファー氏は、以下のように述べています。
「2020年のSNSは、単なるマーケティングの場ではなく、影響力をもつSNSユーザーを見つけてコラボレーションをする場として認識しています」
ナノインフルエンサーやマイクロインフルエンサーをブランドアンバサダーとして採用すれば、コミュニティ内の熱心なフォロワーとのコンバージョンにも良い効果を与えられます。こうした対話は、購入の意思決定に影響を与え、会社への信頼を構築することにも役立つでしょう。
B2Cブランドが使用するコアプラットフォームといえば、Facebook、Twitter、Instagramなどですよね。しかし多くのユーザーは、こうしたSNSに疲れを感じはじめています。
日本において、Twitterはいまのところ成長を続けているようですが、Facebookは過去2年間で、とくに若いユーザーが大幅に減少してしまいました。
ここからもわかるようにいままでのコアプラットフォームに、以前と同じ結果を求めることは難しいでしょう。オーガニックリーチとエンゲージメントを確保するためには、他のプラットフォームの検討が必要です。今回は2つの代替プラットフォームをご紹介します。
若い世代を中心に人気を集めているSNSプラットフォームのひとつが『TikTok』です。
2016年にリリースされたTikTokは今日に至るまでユーザー数増加の一途をたどっており、2019年3月時点で、世界中に月間約5億人のアクティブユーザーがおり、インストール数は11億を超えています。
TikTokはB2Bブランドには最良の選択肢ではないかもしれません。
しかしTikTokのユーザーの41%が16〜24歳であることを考えると、若年層をターゲットにしているB2C企業なら活用の価値があるでしょう。
SNSを通じてeコマースの販売を促進したい人には『Pinterest』がおすすめ。Pinterestは新しいプラットフォームではありませんが、最近人気が再燃しています。
レシピを保存したり、インスピレーションを得るだけではなく、現在ではeコマースの場として活用されているのです。
Pinterestはeコマースと相性がよく、ユーザーの75%が、新製品について「非常に興味がある」と答えているという調査報告もあります。他のSNSプラットフォームでは55%であることを考えると、Pinterestの優位性は明らかですね。
小売業者がPinterestを活用した際のリターンは、他のSNSの2倍、従来のサーチエンジンの1.3倍だという調査報告もあります。
代替プラットフォームを利用するれば、オーディエンスとの交流の場を広げ、より幅広くコンテンツを共有できます。将来のSNSマーケティング戦略に、間違いなく役立つでしょう。
カスタマーサービスは、優れたUXを提供するための重要な要素です。現代では顧客の苦情や問題が、Web上のレビューやSNSで共有されるため、多くの人の注目を集めてしまいます。
2018年にSNSを使って企業とコミュニケーションをとった顧客は、全体の28%だったという調査報告があります。そのうち30%以上の顧客が、SNSを「便利な問い合わせ窓口」と考えており、23%が「24時間サービスを受けられる優れた方法」だと考えているようです。
SNSは企業にとってもカスタマーサービスの手段として使いやすいでしょう。
下のグラフは、苦情や質問に対して期待している回答時間を表したものです。ここから「37%は30分以内の回答」「31%は2時間以内」「26%は4時間以内」を望んでいることがわかります。一方で回答を期待していないのはたった6%で、ほとんどのユーザーがSNSで一日以内に質問や苦情に対する回答を得ることを期待しているのです。
またSNSで顧客の苦情に答えることは、アドボカシー(ブランドの熱心な支持者)を最大25%増やせるという調査報告もあります。
ただし苦情への対応に失敗すると、アドボカシーが50%減少する可能性があることも覚えておきましょう。
2020年はより多くの顧客が、SNSを通じて連絡してくるはずです。
Snapchatのリリース以来、他のSNSプラットフォームはいわゆる「ストーリー形式」のサービス展開を急いでいます。その結果、とくにInstagramでストーリーの人気が高まりました。
2019年1月時点では、世界中で毎日5億人ものユーザーがストーリーを使っています。
ストーリーは視覚的、かつその場で形成・消費されるようにデザインされています。そのためフィードベースの共有とは異なるエクスペリエンスを提供できます。幅広い活用法が可能なストーリーの成長率は、2017年のフィードの成長率の15倍でした。
ただし、ストーリーの成長に貢献しているのは一般ユーザーだけではありません。企業もマーケティングを目的に、ストーリーを利用しています。
SNS管理ツール『Hootsuite』が行った2019年ソーシャルトレンド調査によると、マーケティング担当者の64%が、すでにInstagramのストーリー機能をSNS戦略に組み込んでいるか、今後12ヶ月以内に組み込むことを目指しているそうです。
Penguins Events and Incentivesのマーケティングコーディネーターであるメイジー・トムリンソン氏は、以下のように述べています。
「SNSを定期的に使っている場合、Instagramのストーリーの人気が2020年にさらに高まることを不思議には思わないでしょう。Battenhallの調査によると、Instagramのアカウントの98%がストーリーを使用しており、4億人のユーザーが毎日ストーリーを見ているそうです」
Instagramの影響力が絶大であることがわかります。
10万人以上のフォロワーを持つブランドは、Instagramのストーリーにリンクを追加するだけで、多くのユーザーに商品を知ってもらうチャンスになるのです。
いまではInstagramの広告費の45%がストーリーに費やされています。なぜ従来の投稿ではなくストーリーが重宝されているのでしょうか。
トムリンソン氏は、以下の4点をストーリーが人気になった理由としてあげています。
またトムリンソン氏は、より長い形式のコンテンツが提供できる『IGTV』の普及も広まると考えています。ストーリーを使用して視聴者をIGTVに誘導すれば、より詳しい情報を与えることができるのです。さらにはeコマースに向けて、ストーリーで製品を販売しはじめる可能性も指摘しています。
もちろんストーリーは、すべてのブランドに適しているとは言えないでしょう。しかしストーリーの人気が高まっていることや、顧客がブランドにストーリーの活用を期待していることは明らかです。
ストーリーを活用する企業が増えれば、Instagramも企業向けの機能をリリースするはず。そうすれば、より幅広い企業がストーリーを活用しやすくなるでしょう。
デジタルマーケティングの世界は広く、膨大な変化に対応しなければいけません。そのためSNSマーケティングをすでに導入している企業であっても、現状のマーケティング手法を見直し続ける必要があります。
SNSマーケティングは最新の情報をキャッチし、トレンドを先取りすることが重要です。さまざまなチャネルに気を配りつつ、2020年に向けてマーケティングトレンドをおさえ、活用してみてください。
執筆:Joanna Carter
翻訳:Nakajima Asuka
編集:Sansui Riho
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