エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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近年よく耳にする “コワーキングスペース”。日本国内のコワーキングスペースの市場規模は急速に拡大しており、特にコロナ禍以降社会的にもその存在が浸透しつつあります。
政府も「働き方改革」の一環として、時間や場所を有効に活用できるテレワークを推進しており、柔軟に使用できるコワーキングスペースの需要はますます高まっていると言えるでしょう。
この記事ではコワーキングスペースの市場規模や、コワーキングスペース市場の今後について解説していきます。
新たな働き方として、コワーキングスペースの活用を検討している企業の方はぜひこの記事を参考にしてみてください。
コワーキングスペースのポータルサイト「コワーキング.com」に登録されている情報をもとに、一般社団法人大都市政策研究機構が行った調査によると、2022年12月時点における全国のコワーキングスペースは2,129施設と推計されています。
また上の図は、2000年から2018年までの東京におけるコワーキングオフィスの面積・施設数の推移を表しています。
図に示されているように、2010年以降コワーキングスペースの開設数は増加傾向にあります。特に2017年と2018年の開設面積は、2000~2016年の17年間に開設された面積(合計3.3万坪)を、わずか2年間で上回る成長を見せました。
上の図で2019年以降のコワーキングスペースの推移を見ると、2019年6月は全国に799 施設であったところから、2021年12月には2042 施設へと急増していることがわかります。
急速な施設数の増加には、2020年春以降の世界的なコロナウイルス感染拡大が影響していると考えられます。
コワーキングスペースは企業のサテライトオフィスやフレキシブルワークに適用できるため、個人だけでなく大企業も利用するように変化してきたと言います。
また、コロナ禍で事業縮小を余儀なくされたさまざまな業種が新たにコワーキングスペース市場に参入するようになったこと、ホテルがコワーキングスペースを設置するようになったことなど、複数の理由から施設数の増加に繋がっています。
2022年に入ると、コワーキングスペース施設数の年間増加率は4.3%とその増加数は低下していますが、コワーキングスペースは社会の変化に伴いその形を変化させながら、引き続き広く活用されていくでしょう。
ここからは、全国エリア別にコワーキングスペースの市場規模をみてみましょう。
上の図で、地方ブロック別のコワーキングスペース数を見ると、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県を含む「南関東ブロック」で突出して施設数が多くなっています。その数は2022年12月の段階で864施設と、全国のコワーキングスペースの40.6%が南関東エリアに集中していることがわかります。
施設数順でみると南関東ブロックの次に関西、九州・沖縄ブロックが続いています。
また、2021年〜2022年にかけて北海道、東北、北関東、北陸、東海、中国、四国ブロックではコワーキングスペース数の推移がほぼ横ばい、あるいは微減となっており、地域によってその増加や広がりにばらつきが見られます。
全国でも特にコワーキングスペースの数が多い東京23区の中でも、2022年末の段階で最も施設数が大きいのは港区エリアです。港区は23区の中で事業所数が最も多く、大規模なビジネス街もあることから、コワーキングスペースの利用も浸透していると考えられます。
また港区に続いて、丸の内や大手町エリアなどに大手企業が集まっている千代田区、IT系の企業やスタートアップ企業が集積している渋谷区のコワーキングスペース施設数が多くなっています。
テレワークとは、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことを指す、遠距離という意味の「テレ(Tele)」と、働くという意味の「ワーク(work)」を組み合わせた造語です。
コロナ禍以降、感染拡大防止のためテレワークが急速に拡大したことにより、これまでコワーキングスペースを必要としていなかった会社員も施設を利用するように変化してきました。
また、コスト削減のため大企業がコワーキングスペースの利用を促進したり、コロナ禍で打撃を受けた他業種がコワーキングスペースとして施設をリニューアルしたりすることによって、コワーキングスペースの施設数が増えてきたと言えます。
日本政府も「働き方改革」の一環としてテレワークを推進しており、テレワークの浸透によって以下のような多方面で良い影響があるとしています。
テレワークの拡大に伴い、オフィスや自宅以外のサードワークプレースとしてコワーキングスペースの市場規模も拡大しているのです。
Lancersの調査によると、2021年の時点でフリーランス人口は1,670万人にのぼります。この数値は日本国内の全労働力人口の24%に値します。
2017以降フリーランス人口が減少傾向にありましたが、2021年に急増し過去最大の人口となっています。
Lancersの調査はフリーランス活動を本業としない人も計上していますが、これだけ数が増加している理由として、すきま時間で仕事をする人や、すきま時間を副業・複業にあてる人が増加していることが挙げられます。
そんな人が気軽に働くことのできる場所のひとつがコワーキングスペースであるため、今後も働き方が変化していくとともにコワーキングスペースも活用が広まっていくでしょう。
海外大手のコワーキングスペース参入も、日本のコワーキングスペース市場が活性化した要因のひとつです。
たとえば海外で圧倒的なシェアを誇るコワーキングスペース『WeWork』が、2018年初頭に六本木、銀座、新橋の3エリアでコワーキングスペースを開設しました。
2010年にニューヨークで創業したWeWorkは、世界39カ国で750カ所以上のコワーキングスペースを運営しているコワーキングスペース業界の最大手。2023年現在は東京をはじめ、大阪や福岡、名古屋などの主要都市に約40拠点を開設しており、今後も日本でのコワーキングスペースの市場拡大を支えていくと考えられます。
デジタル化によって技術革新のスピードが早まっており、消費者ニーズの多様化/複雑化は急速に進んでいます。
一方で賃貸借契約期間は、ビルオーナー側が安定運用を重視しているため長期化しているのが現状です。しかし今後の日本企業は、事業を柔軟に進めていくために、契約期間のフレキシビリティを求めるでしょう。
このような状況において、コワーキングスペースが日本企業に活用され、市場規模も大きくなると考えられます。
近年は地域活性化のために、地方自治体がコワーキングスペース開設支援事業を行うケースも増えてきました。
コワーキングスペースの開業によって、地域における起業拠点の創出や、使われていない建物の有効活用、また地域の住民同士のコミュニケーション活性化に繋がります。
特に地方のコワーキングスペースでは、地域の人々との交流を促進するために、イベントやフリーマーケットを開催するなどの取り組みが行われており、地域全体の活性化に貢献している施設もあります。
日本は生産年齢人口の現象に伴って、労働力不足が深刻な問題となっています。そのため日本企業は人材獲得を目的として、働く場所と時間の多様性を認める傾向が高まるでしょう。
また、近年学生が企業選びのポイントとしてワークライフバランスを重視していることも、テレワークという新たな働き方を後押しするひとつの要因です。
今後テレワーク/リモートワークが当たり前となっていけば、それに伴ってコワーキングスペースを活用する方も増加していくと考えられます。
コワーキングスペースの市場規模は、日本の社会情勢と相まって拡大していることが分かりますね。
ぜひ新たな働き方のひとつとしてコワーキングスペースを取り入れてみてください。
(執筆:Workship MAGAZINE編集部 編集:木村優美)
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