エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「フリーランスは不安定」とよく聞きますが、この不安定さをカバーできるのが “貯金” です。
「周りのフリーランスはいくら貯金しているんだろう……」
「いくら貯金があれば安心して生活できる?」
「独立前にはいくら貯金すればいいの?」
といったことも気になりますよね。
そこで、この記事では新卒フリーランスながら150万円以上貯金した筆者が、フリーランスの貯金額や貯金のコツを解説します!
フリーランスに貯金が必要な理由はシンプル。「収入や支出が会社員より不安定だから」です。
まず、収入については、会社員と比べて以下のような問題があります。
【フリーランスの収入の不安】
- 案件やプロジェクト単位で報酬が発生する場合が多く、月の業務状況によって収入が大きく変わる
- クライアントの状況によって仕事が激減、最悪契約打ち切りになる可能性がある
- 傷病手当金や産休、育休中の手当てがなく、治療や出産、子育てに専念する場合は収入ゼロに
- 退職金がなく、国民年金も手薄なため老後の資産が不足する
また、収入だけでなく支出も不安定になります。
【フリーランスの支出の不安】
- 翌年の税金額が年度末まで正確には計算できず、収入によっては税金が急増する可能性も
- クライアントに清算する経費の立替が発生することも多く、発生具合も月によって変動する
- 立替経費が確実に清算される保証はない
- 収入が増えた月は気が大きくなり、つい無駄遣いしてしまう
収入や支出が不安定なので月によって収支が赤字になることもありますが、それも乗り越えていかなければ生活できません。
そんなとき、「貯金があるかどうか」が命運を分けるのです。
では、世間のフリーランスはどれくらい貯金をしているのでしょうか。
さまざまなデータから分析してみましょう。
まず、フリーランスの平均貯金額を見てみます。
生命保険サービス大手の『ライフネット生命』は、2014年にフリーランスを対象にした「フリーランスの働き方とお金に関する調査」を実施しています。
同調査によると、フリーランスの平均貯金額は431万円で、会社員の平均貯金額359万円を約70万円上回っています。
ただし、この調査は2014年に実施されたもの。同様の調査は以後実施されていない様子で、現状は不明です。
そこで、金融に関する広報活動を行う団体『金融広報中央委員会』が実施している「家計の金融行動に関する世論調査」の預貯金額推移から、おおよその貯金額を探ってみます。
同調査は「二人以上世帯」と「単身者世帯」に分かれており、単身者世帯の平均預貯金額は、2014年の354万円が2019年には285万円に減少しています。
調査の方法も対象も異なるため単純な比較はできませんが、フリーランスの貯金額も減少している可能性が高いでしょう。
つづいて、さきのライフネット生命の調査で示された「平均貯金額の分布」を見てみます。
まず、平均貯金額が1000万円を超えるフリーランスは全体の12.2%で、会社員の9.4%を上回っています。
一方、平均貯金額が100万円未満のフリーランスが44.4%(会社員44.4%)というデータも。さらに、貯金額ゼロのフリーランスが22.2%(会社員18.4%)とも示され、調査では
正社員と比べ貯蓄額の多い人と少ない人の差が大きい傾向にあるようです
と総括されています。
はじめに言うと、「フリーランスの貯金額の正解」はありません。なぜなら、日々の稼ぎや必要な生活費、家族構成などによって、最適な貯金額は変わるからです。
ただ、ある程度平均的な生活を営むフリーランスを想定した場合、いちフリーランスの意見として「最低限このくらいの貯金はあったほうがいいのでは?」という基準は示せます。
独立前、あるいは20代の若手フリーランスのうちは、事業が軌道に乗るかまだ不安定、あるいは収入そのものが低いこともあるでしょう。
その場合でも、最低限「半年分の生活費」は貯金で確保しておきましょう。
【生活費半年分の貯金があったほうがいい理由】
- 収入の少ない月が出てきても、貯金を切り崩してカバーできる
- 事業が軌道に乗るまでの心理的負担を軽減できる
- 営業や就職活動を始める場合の資金になる
- 自己投資を目的とした仕事に挑戦しやすい
仕事が無くても、半年は生きていける安心感が持てます。また、スキルアップにつながる案件や低報酬だけどやりたい仕事に挑戦できるのもフリーランスにとっては大きなポイント。その仕事が呼び水になって大きな仕事を獲得できる可能性もあります。
とはいえ、貯金が苦手な方も多いと思いますので、記事の後半で「貯金のコツ」についてもご紹介していきます。
30代以降になると、個々人のライフプランによって必要な貯金額は大きく変わってきます。
たとえば、フリーランスとして独身で生きていく決意を固めたとします。この場合、必要な生活費はだいたい掴めていると思いますし、自分の生活を中心に考えられるので、必要な貯金額は少なくなると思います。
ただし、30代以降になると以下のような問題もでてきます。
といった負の側面もでてくるので、1年分の年収くらいは確保しておきたいところ。
一方、結婚や子育て、介護まで考えていくと、必要な貯金額は跳ね上がります。
……など、考えるべきポイントが多く、人によって必要な貯金額が大きく変わるでしょう。
貯金が多いに越したことはありませんが、周囲の人たちともよく相談し、自分に最適な貯金額を見つけてください。
貯金を増やすただ一つのコツは「収入を増やして支出を減らす」こと。言葉にすれば単純ですが、貯金は会社員/フリーランスにかかわらず難しいポイントですよね。
しかし、フリーランスは、お金に関する知識を身につけ、適切な行動をとることで、額面の収入が同じでも手取りの収入が大きく変わるという特徴があります。
そこで、ここではフリーランスならではの「貯金のコツ」を整理しました。
フリーランスは確定申告の都合上、「事業用の帳簿」を付けている人がほとんどでしょう。もちろん、事業用の帳簿を適切かつ早めに付け、お金の出入りを把握するのは大切です。
一方、事業用の帳簿はしっかりと付けていても、プライベートの帳簿はおざなりという方も多いのでは? 筆者も最近までそのタイプで、「事業の収支はわかるけど、プライベートはどうなってるんだっけ?」「口座やクレカ、電子マネーが事業とプライベートで混在していて、全体を把握できない……」と悩んでいました。
最近はクラウド会計ソフトのほかに、家計簿アプリ『マネーフォワードME』を使って、プライベートを含めた収支と預貯金や株式、電子マネーなどの総資産を把握しています。
収支、資産状況を把握して必要な生活費を算出し、余計な支出は削ることも視野に入れましょう。
フリーランス・副業者必読! 帳簿のつけ方入門ガイド【税理士監修】
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フリーランスの案件には、大きく分けて「事業経費をクライアントが負担してくれる案件」と「事業経費は受託者(フリーランス)が負担する案件」があります。そのため、額面の報酬額を見るだけでは、案件を通じて得られる実収入がわかりません。
事業経費を負担してくれるクライアントの場合、単純に手取り額が増えるので、貯金がしやすくなります。
ただし、事業経費をクライアントが負担してくれる際も「いったんフリーランスが実費で支払い、後日清算して報酬と同時に振り込み」という例が多いです。この場合、一時的にライターが費用を支払わなければならないので、その費用分は考慮しておきましょう。
フリーランスは「事業にかかった費用」を「経費」として税務署に届け出ることで、負担する税金を減らせます。
税金が減れば手取り収入が増えるので、楽に貯金できるようになります。
ただし、どんな支出も経費にできるわけではありません。経費を上手く活用するには、適切な支出を適切な方法で記録し、適切な時期に申告する必要があります。
個人事業主・フリーランスが知るべき"経費"一覧【税理士監修】。経費にできる、できないの基準も解説
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フリーランスの節税は、たんに経費額を増やすだけでなく、保険料や年金の支払い額を「控除」という形で所得額から差し引くことでも手取り収入を増やせます。
たとえば、フリーランスが加入する国民健康保険や国民年金などの支払いにかかった費用は「社会保険料控除」として所得から差し引かれ、節税になります。
ほかにも、昨今話題のふるさと納税で活用できる「寄付金控除」や、確定拠出型年金(iDeCo)で支払った金額が控除される「小規模企業共済等掛金控除」など、利用できる所得控除は全14種類。
活用しない、あるいは活用しても申告しなければ税額が増えてしまうので、よく勉強するようにしましょう。
独立直後から事業が軌道に乗るまでの間は、収入が最低時給以下になってしまったり、月によっては赤字になってしまったりする可能性があります。
そんなとき、大きな負担になるのが「固定費」。つまり、家賃や水道光熱費、携帯料金などの毎月かかってくる費用です。払えるかどうか不安を抱えながら働くのは辛いですよね。
もし、不安でストレスを抱えてしまうなら、誰かに頼るのも一つの方法です。
たとえば、自分の実家の世話になる。実家住まいなら家族に生活費を支払っても余裕が残りますし、明日家がなくなる心配をしないで済みます。そのため、仕事に専念しつつ、貯金につなげることができます。
もちろん、パートナー、親戚、パトロンなど、信頼関係のある人に相談してみるのもおすすめ。自分の精神面を考えて、健康に働ける方法を考えてみてください。
ここまで見てきたように、貯金は重要です。しかし、貯金はあくまで将来のリスクに備えるための「手段の一つ」。貯金以外の方法で資産を形成しても、将来のリスクに備えられます。
また、今後日本のインフレ率が上昇すれば、日本円の価値が相対的に下がり、貯金が逆にあだとなる可能性も否定できません。そのため、万全の備えをするなら、貯金以外の金融資産も持っておくのをオススメします。
iDeCoや小規模企業共済といった制度はかなり役に立ちます。
iDeCoは、毎月一定の掛金を積み立てていき、その掛金で投資信託や定期預金などの金融商品を運用、60歳を過ぎた段階で年金を受け取れる制度です。掛金が全額所得控除されるので節税効果が高く、ほかの金融資産に投資できるのでインフレリスクへの対策にもなります。
ただし、投資には元本割れのリスクもあり、掛金を60歳まで引き出せないというデメリットもあります。
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小規模企業共済は、国の機関である中小企業基盤整備機構が運営する積み立て式の退職金制度です。こちらも掛金が全額所得控除されるうえ、手間をかけずに安定して資産を増やせます。
一方、掛金を20年以上払い続ける前に解約してしまうと、元本割れのリスクがあります。
どちらも似た仕組みを持つ一長一短の制度なので、余裕があればどちらも利用することをおすすめします。
株式投資は資産運用の王道ですが、十分な知識のない状態で挑むと資産を大きく減らし、最悪の場合は破産する可能性もあります。
そこで、余計なことを考えず事業に集中したい場合、投資は投資でもリスクを極力抑え、かつ手間のかからない方法を選びましょう。
まず、低リスクかつ預金以外の投資として真っ先に挙げられるのが、日本国債の購入です。
「国債の購入」というと大げさですが、財務省は「個人向け国債」を発行しており、私たちも1万円から気軽に購入できます。国が発行し、投資額は日本政府が保証することから、元本割れのリスクはほぼゼロ。
一方、国債の購入は資産を守ることにはつながりますが、金利が非常に低いため資産を増やすには不向きです。少しリスクを取り、資産を増やしていきたいと考える場合は「つみたてNISA」を活用するといいでしょう。
つみたてNISAは、少額から積立投資ができる非課税制度。金融庁が一定の基準をクリアした優良な金融商品だけを選定し、年間40万円までの投資枠分を使ってお得に投資ができます。
ただし、優良商品といえど元本割れのリスクはありますし、iDeCoや小規模企業共済とは異なり、投資額を所得から控除できるわけではありません。
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じつに4割以上のフリーランスが貯金100万円以下というのは、個人的には衝撃のデータでした。フリーランスという働き方の性質上、ほとんどの人に貯金が必要になるからです。
ぜひこの記事を参考に、自分のライフプランに合わせた目標貯金学額を設定し、貯金を始めてみてください。
(執筆:齊藤颯人 編集:イズミカズキ)
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