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数あるCMSのなかでも圧倒的なシェアを誇るWordPress。
2022年1月〜5月にかけて、市場シェアが0.3%下がり42.9%になったことが話題になっています。わずかなシェアの低下さえも大きな注目を集める、CMSのマーケットリーダーがWordPressなのです。
競合他社の追随を許さないWordPressですが、巨大なサービスすぎるがゆえの課題も抱えていることをご存知でしょうか。ユーザー、利用用途、環境の多さや、ボランティアに依存する無料のオープンソースアプリケーションという性質から、WordPressは多くのウィークポイントを抱えています。
今回は、WordPressが直面している3つの課題について解説します。
CMSのシェアを語るうえで踏まえておきたいのが、オープンソースとプロプライエタリの違いです。オープンソースはソフトウェアを構成するプログラムが一般公開されている状態、プロプライエタリはプログラムが公開されていない状態を指します。
プロプライエタリなソフトウェアには、自社製品の用途をコントロールしやすいというメリットがあります。避けたい環境/用途には対応しなければいいからです。逆に言えば、新機能を追加して好みのユーザーに使ってもらうことも難しくないでしょう。
一方、WordPressはオープンソースなので、プロプライエタリのような贅沢はできません。たとえばSquarespaceやWixといったホームページ制作ツールは単一のプラットフォームでホストされていますが、WordPressは事実上どこにでもホストできるため、さまざまな環境でシステムを動作させる必要があります。
つまりWordPressは、プロプライエタリなソフトに比べて、割り当てられたリソースやサーバのOSなどに基づいた調整が必要になるのです。
また、古いテーマやプラグインを使った2000年代、2010年代のWordPressサイトがまだ残っていることも無視できません。古いWebサイトであっても不具合が発生する可能性を最小限に抑えつつ、新機能を開発・導入する必要があります。
実際、過去にはアップロードされたJPEG画像をWebPフォーマットに自動変換する案があったものの、WebP未対応のブラウザやホストが多く、開発者コミュニティが反発。ブロックエディタ(Gutenberg)やFSE(フルサイト編集)の登場も、既存のWebサイトを尊重したかたちでの展開となりました。
特定の機能をどれだけ便利だと感じるかは別として、他のCMSと比較してWordPressに課題があることは確かです。
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WordPressは最近、リッチコンテンツ(動画やアニメーション、CG、音声を利用した豪華なコンテンツ)の制作とデザインをサポートする新しいツールの構築に注力しています。その目的は、より現代的なインターフェイスを実装し、競合サービスとの競争力を高めるためです。
こうした新機能の実装は宣伝になりますが、一方で既存機能のバグ修正などと両立させて開発を進める必要があります。しかし、バグ追跡ツールを使って現状のWordPressを見てみると、対応が必要なバグや改善点が多数あることがわかります。なかには、何年も前から放置されているものも。
「バグが放置されている原因は、ブロックエディタとFSEの実装を重視したからだ」という意見もあります。現状は有志のボランティアたちに助けられてはいるものの、それだけではバグは解消しません。
定期的にアップデートされる洗練された編集機能は魅力的ですが、懸念は依然として残っています。実際、過去にWordPressのシェアが低下した際にも、バグによるユーザー離れの兆候が見られました。
より新しく便利な機能がほしいという期待に応えつつ、細かいバグにも対応することがWordPressの課題だといえるでしょう。しかし、新機能とバグ修正のバランスを取るには、ボランティアの増員だけでは対応が難しそうです。
WordPressは簡単に扱えるホームページ制作ツールなのか、それともカスタム開発に特化したツールなのか、という見解は人によって異なるでしょう。
WordPressは、柔軟性を求めるユーザーに対応してきました。テーマ・プラグインの作成だけでなく、既製品の使用も可能なWordPressは、多くのWebデザイナーに愛されて市場のトップを独走しています。
しかし、ニーズはどんどん多様化します。最近ではノーコードへの対応も必要になってきました。WordPressは、専門的な知識をもっていないユーザーにも対応しつつ、専門知識をもったプロフェッショナルが要求する柔軟性の高さも維持することを求められているのです。
WordPressは、異なるニーズをもったユーザーの満足度を落とさないまま、進化していけるのでしょうか。
WordPressの人気は絶大です。単なるブログプラットフォームとしてサービスを開始したことを考えると、CMSのマーケットリーダーにのぼりつめたことが感慨深く感じられます。しかし、地位を確立したいま、正面から課題に取り組むことも必要です。
WordPressには、柔軟性を保持しつつ、新しいユーザーに対してオープンで、かつ新しい技術も取り入れていくことが求められています。エコシステムにも気を配り、テーマやプラグインの開発者を巻き込んで進化しなければいけません。
人気のあるサービスは、ある程度成長した時点で課題に直面し、岐路に立たされるものです。WordPressもその例外ではありません。このままトップでいつづけるためには、本腰を入れて課題の解決に取り組む必要があるでしょう。
WordPressが抱える課題は「成長痛」ともいえるでしょう。この成長痛にどう対処するかによって、WordPressの未来は大きく変わるはずです。
(執筆:Eric Karkovack 翻訳:Asuka Nakajima 編集:齊藤颯人 提供元:Speckyboy)
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